アプリィは訳がわからなくて尋ねました。
「小人の掟って…なぁに?」
「小人は人間を好きになっちゃいけないって掟があるんだ」
「そう…それなら掟は守らなくちゃいけないわね」
「でもアプリィは人間じゃないんだよね?だから良いんじゃないかな」
「この掟はな、人間の小人の寿命が十倍違うからなんじゃよ?」
「エルフは人間の十倍だから小人の百倍違う事になるのね」
「この娘はエルフなのかね?だとしたら掟に背く事になる」
「私は人間とエルフのハーフなの。人間のお父さんはもう死んでしまったけど、エルフのお母さんはエルフの里で再婚して、幸せに暮らしてると思うわ」
「エルフの里でも同じ掟がある。異種族間恋愛は問題が生じやすい。だから小人の国でも禁止されておるのじゃよ?」
「どうしてもダメなんですか?僕はアプリィを愛してしまってるんだ」
「ショーン、そんな風に思ってくれてたなんて嬉しいけど、困ったわ」
長い長い螺旋階段を降りながらショーンは黙り込んでいます。アプリィは掛ける言葉が思い付きませんでした。
「アプリィを家まで送ったら僕は小人の国に帰るよ?」
「えっ!どうして急に?あなたが居なくなると寂しくなるわ…」
「僕はもうアプリィのそばにいない方が良いんだ」
「私はあなたにずっとそばにいて欲しいのよ」
「それは出来ない。長老にも言われただろ?」
「お友達として一緒にいる事は出来ないの?」
「僕はもうアプリィの事を愛してるから友達とは思えないよ?」
…つづく
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昔、初投稿して落選した黒歴史の作品、第9話。