アカデミーの生徒たちは昼休みに遊んでいました。アークはまず校舎の周りを全て結界で囲みます。かなり強力な結界なので、第一級魔術師が数名がかりでも破るのは困難なものでした。
「ねぇ、あれって…アーク様よね?」
「本当だ…。何をしてるんだろう?」
アークは校庭に着地しました。槍を手に持っています。
「なんか槍を構えてこっちに来るんだけど…」
「ちょっと、何?怖いよ!」
アークの槍は次々に生徒を串刺しにしてしまいます。第一級魔術師の教授たちが校庭に現れて交戦しましたが、歯が立たず全員倒されてしまいました。生徒たちは逃げ惑い、阿鼻叫喚の嵐に包まれています。その頃、天界のミカエルの元に下級天使から神通力で知らせが来ました。
「なんですって?あの子が…そんな!急がなくては…」
「ミカエル様、どうかなさいましたか?」
「ルシファーが暴走してしまったようです…」
「えっ、アークが!どうして?」
「ナターシャが死んでしまったと思い込んで、アカデミーの教授と生徒を皆殺しにしてしまった…と、報告がありました」
「なんでそうなるのよ!アークって頭良い癖に馬鹿なんだから」
「ナターシャ、とにかく人間界に戻るんだ!」
「うん!アークを止めないと…」
ナタは病院のベッドで目を覚ましました。フラウがナタの手を握ったままで寝てしまっています。
「…ナターシャちゃん?気がついたの!」
「アカデミーに…行かないと…。アークが暴れてる!」
ナタは起き上がろうとしましたが、左半身が麻痺していて起き上がれません。激痛が全身に走ります。
「その体では無理よ?私が見に行って来るわ」
「おばさま…、アークを止めて…。お願い!」
フラウはアカデミーに急ぎました。校門の前まで来ると強力な結界が張られていて、第一級魔術師が何人も集まっています。ユリアーノも結界を破ろうとしていました。
「なんと言う強力な結界だ…。五人がかりでもまだ破れない!十人は集めないとダメだな?」
「あのルシファーと言う男は何者なんだ?なんであんな奴を雇っていた!」
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第129話。