No.979257

裏ビーストテイマー・ナタ106

リュートさん

本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第106話。

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2019-01-03 11:22:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:77   閲覧ユーザー数:77

アークは魔法で声帯を弄って声を低く変えてしまいました。

 

「ただいま」

 

「おかえり…って!アーク、声まで変わってるし」

 

「ファンには声変わりしたと言っておくよ?」

 

「その歳で声変わりするわけないでしょ!言い訳が苦し紛れ過ぎるわ」

 

「ナタは低くてダンディーな声が好みなのだろう?前に言っていたじゃないか」

 

「アークの高い声もそれなりに好きだったよ」

 

「それなりではダメなんだ。ナタの好み通りに変えるよ?」

 

「魔法で変えたってアークはアークなんだから無意味でしょ!」

 

「どうして怒るんだ?ナタが喜ぶと思って、ゲイザーそっくりに変えたのに…」

 

「おじさんの真似するのはやめてよ!せっかく忘れようとしてたのに、アークのせいで思い出しちゃって、毎日辛いんだよ?」

 

アークはソファーにナタを押し倒しました。軽く唇を重ねます。

 

「ゲイザーの生きていた頃の悲しい記憶は僕が忘れさせてみせるよ?」

 

「悲しい記憶なんかないよ?おじさんと一緒にいた時はずっと楽しかったもん」

 

「僕ではゲイザーの代わりにならないのか?」

 

「おじさんの代わりなんて誰もできないよ?どんなに魔法でそっくりに変えたって、アークはアークでしかないんだから」

 

「僕のままではナタから愛されないから、ゲイザーを真似して愛されたいと考えたのに、ゲイザーはもう死んでいるから、僕にはゲイザーを研究する事ができない」

 

「研究なんかしたって無駄だよ?アークにはアークの良いところがあるんだから、真似する必要ないでしょ?」

 

「僕の良いところはどこなんだろう?自分ではわからない」

 

「いっぱいあるじゃん?イケメンで歌が上手くて、優しくて気配り上手だし、仕事も出来て料理は上手い。悪いところ探す方が難しいよ?」

 

「だがそれのどれ一つ、ナタに愛される要素になっていないだろう?」

 

…つづく


 
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