家に帰るとアークはナタを押し倒しました。ナタは無表情のままで心眼で見ても喜んではいないようです。
「こんなにナタが好きで好きで堪らないのに、どうしたら気持ちを伝えられるのかわからないよ」
「アークって本当に性欲がないの?」
「天使には欲がないんだ。欲の感情を与えられていないからね」
「でも私から見ると、天使って欲望だらけに見えるんだけど…」
「人間の感情を理解して、その文化に合わせようとしているからだろ?人間は裸の関係で絆を深めると習った」
「したくないなら無理にしなくて良いよ。そこまでして嫌々して欲しくない。私には性欲があるけど、全然したいと思わない」
「僕はどうすれば良いんだ?ミカエルに習った事は何一つ役に立たないとわかった」
ナタが目を閉じてじっとしていたのでアークはナタにキスをしました。
「アークは私とキスしてもドキドキしないんだよね?だから好きでもない女と平気でキスできるんでしょ」
「胸の高鳴りはないかもしれないが、ナタを愛している事を表現したくてしてるんだ。ナタにこの想いを伝えたい…」
「おじさんの事、大人に変身して裸で何度も誘惑したんだけど、指一本触れられた事はないんだー。裸になると怒られるから誘惑するのもやめちゃった」
「指一本触れずにどうやってゲイザーはあなたの心を掴んだんだ…。わからない!」
「おじさんはそう言う人だからだよ。大好きでもエッチな事しない時があるの。私の裸見て興奮してたのも知ってた。言霊でハッキリとね」
「僕はゲイザーになりたい…。ナタとフラウに一番愛されている。他の女からいくら愛されても僕には意味がないんだ!」
「あの雑誌の記事を書いてる人はアークの嫌いなタイプの女なのかもね?だからアークの嫌いなタイプから好かれる方法しか載ってないの。私はむしろ嫌われる男の記事に書いてある人の方が好きだもん」
「僕にとっては何の役にも立たない記事だと言う事はわかったよ?」
「大体、人の好みなんて十人十色なんだし、好かれたかったら性格を変えろ!って言ってくる人は自分の性格を棚に上げてるだけだから、それこそ傲慢だと思うわ」
「ナタの言う通りだと思うよ?」
「性格の良し悪しなんてその人によって考え方は違うし、おじさんの悪口言ってる人は多かったけど、私はおじさんの悪いところも全部、引っくるめて好きだったの!」
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第102話。