いつものような穏やかな午後。
「ご主人様ー!」
いつものように政務をサボりどこかへ行っている一刀、それを探す愛紗。
「全く、ご主人様はどこへ・・・・・・」
溜息をつきながら、外へ目を配らせると、そこには木陰で昼寝をしている一刀の姿が。
「・・・・・・はぁ、ようや・・・・・」
近づけば近づくほど違和感を感じる。
「まさか・・・・・・」
寝ている一刀に抱きつく形で寝ているのは、天下の呂布その人であった。
「・・・・・・・」
一刀だけならともかく、恋までいるとなると起こすのを躊躇ってしまう。
「・・・・・・愛紗・・・・・・どうしたの?」
「いや、ご主人様に用があるのだ」
「ダメ・・・・・・・・ご主人様、恋と・・・・・・お昼寝中」
「しかし、ご主人様にはやってもらわないとならない、政務が・・・・・」
「ダメ・・・・・・?」
いつもの上目遣いに気持ちが揺れ動いてしまう。
「だ・・・・・・ダメだ!ご主人様に政務をしてもらう!」
「お昼寝、邪魔するなら・・・・・・愛紗でも、容赦しない・・・・・」
抱きついていた手を離すと、立ち上がり、どこからか出した方天画戟を構える。
しぶしぶ、愛紗も青龍偃月刀を構える。
初撃がぶつかり合うと思った瞬間、恋が愛紗の攻撃を受け流し、方天画戟を放り出し一刀の方へ駆けて行き。
「ご主人様、起きる・・・・・・」
揺らして起こすだけにしているが、起きる気配が全くない。
「ご主人様・・・・・」
結局、再び抱きつき昼寝を始める。
「恋、肉まんとかがあるからこっちに来ぬか?」
いつの間に用意したのか、さまざまな料理が用意してあった。
「・・・・・・・食べるなら・・・・・ご主人様と一緒」
「そ、そうか・・・・・・」
今度は愛紗が一刀を揺らして、起こそうとする。
「ん・・・・・愛紗?」
目を覚ますと、なぜ愛紗が目の前にいるのかを理解していない。
「ご主人様、政務・・・・・・やって、いただけますよね?」
「ダメ、先に食べてから・・・・・」
結局、愛紗は恋の上目遣いに負けてしまい、三人は料理がのった机についている。
「・・・・・・ご主人様・・・・・・ん・・・・・・・」
「まだ食べてないだろ?」
「ん・・・・・・」
「ありがとう」
笑顔で食べる一刀にほんのりと頬を赤くしている恋、それを不満そうに見ている愛紗。
「・・・・・・・あーん・・・・」
同じものを、先ほど口をつけた箸で恋に返す。
「一刀・・・・くれたから・・・・いつもより、美味しい」
食べたあとの笑顔で、思わず一刀も赤くなる。
「んっんん!」
「・・・・・・愛紗も・・・・・たべる?」
愛紗の方に箸で刺したものを突き出す。
「あ、ありがとう」
お返しに愛紗も返すが、先ほどのような笑顔を見ることはできなかった。
いつものように食べ続ける恋に皿に食べ物をのせ、和んでいる。
「・・・・・一刀も食べる」
「ありがとう、恋も遠慮しなくていんだよ?」
その言葉を聞くと、食べることに没頭し始めていた。
没頭し始めていたのを確認すると、一刀の隣に愛紗がよってきた。
「ご、ご主人様・・・・・・あ、あーん」
おずおずと、箸を差し出す。
「ありが・・・・・・」
「もぐもぐ・・・・・」
一刀が食べようとしていたのを、横から恋が食いついた。
「れ、恋・・・・」
「ご主人様にやるのは・・・・・・恋の仕事・・・・・」
「ぐっ・・・・・私にはやらせないということか」
その後も数回繰り返すが、結果は同じ事であった。
「そろそろ・・・政務・・・・・・恋?」
「一刀・・・・・・・行っちゃうの?」
裾をしっかり握られて、動くことができない。
「恋、ご主人様に迷惑をかけるな」
子犬のようにうなだれる恋をみて、凄まじい罪悪感が襲いかかる。
「しょうがない・・・・・・・・執務室に一緒にいくぞ、ただし、ご主人様に迷惑をかけることがないように」
「ホント?」
その言葉に、嬉しそうに愛紗に抱きつく。
その後、愛紗の機嫌はとてもよく、いつもより政務がはかどり、その晩一刀と愛紗、恋はハッスルした。
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三連作投稿第2弾、蜀編です。
急いで書いたので、いまいちかもしれませんがよろしくお願いします