次の日もアークは噴水広場の前に行きました。演説しているリズがアークの姿に気づいて手を振ります。アークも手を振り返しました。
「ありがとうございます!」
「頑張ってください!」
演説が終わったら、また食事に誘います。
「昨日のドレスは家に置いて来てしまったの」
「ではもう少し安い店で良ければ…」
「ええ、その方が落ち着くわ。ああ言う高い店だと緊張しちゃって…」
家族連れがたくさん来ている安いレストランにやって来ました。
「サルを連れて来てあげたかったわ」
「サルと言うのはあなたの息子のサルバドール君の事ですか?」
「ええ、そう。でもこのカレーは…あんまり美味しくないわね」
「これなら私が作った方が美味しいですよ?」
「あなた料理もできるの?」
「ええ、昨日のレストランの料理くらいの味でしたら再現可能ですよ」
次の日は休日でしたが、アークは朝からチキンカレーを煮込んでいました。スパイスから調合しています。ナタがキッチンを覗き込んで、鼻をヒクヒクさせました。
「美味しそうな匂いがするー!」
「ナターシャ様のお口に合えば良いのですが、少し味見してみます?」
「うん!もぐもぐ…。ちょっと辛いけど、癖になる辛さだから美味しいよ」
「そうですか、安心しました。ちょっとご近所さんにお裾分けして来ます」
小鉢に入れて蓋をするとかごに入れて家を出ました。同じ地区にある別の集合住宅の一室を訪ねます。
「あなたは!ど、どうしてここに…」
「チキンカレーを作ったのでお裾分けに来ました」
「ママー!この人、誰ー?」
リズのエプロンを男の子が引っ張っています。
…つづく
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本編のパラレルワールドをシナリオにしてみました。ストーリー第53話。