コウモリの翼を広げてルシファーは空高く舞い上がりました。天界に着くと顔パスで門を通されてミカエルの執務室までツカツカと靴音を鳴らしながら早足で歩きます。
「ミカエル!入るぞ?」
乱暴にドアをノックすると、いきなりドアを開けます。ミカエルは少し驚いた表情をしましたが、笑顔を崩さずに言いました。
「ルシフェル?久しぶりですね。元気にしていましたか?」
「その名で呼ぶな!僕はもう神に忠誠を誓う気はない。ルシファーと呼べ」
「もう二度と帰らないと言っていたのに…。どう言う風の吹き回しです?」
「とぼけるな!お前がラミアを…リリスが死ぬように仕向けたのだろう?」
「リリスが死んだなんて…初耳です」
「ついさっき遺体を発見した。娘のリリムも見てしまったらしい。まだ小さいと言うのに可哀想に…」
「あなたには娘もいたのですね。リリスはどうして死んでしまったのですか?」
「僕が知るわけないだろう?お前なら知っているはずだ!」
「私にも何が何やら…。寝耳に水とはこの事です」
「お前が全て仕組んでいた事はわかっているんだ」
「落ち着いてください。私は何も知らなかったのです」
「知らなかったで済ませるとは…。天界のトップのお前が知らないわけがないだろう!」
「私はルシフェルとリリスをそっとして置くように指示していました」
「家族三人で幸せに暮らしていたんだ…。なぜそんな小さな幸せを奪う?」
「あなたたちを監視するように神から指示を受けましたが、私は監視もやめるように指示したのです」
ルシファーは壁を拳で叩きました。ミシミシとヒビが入ります。
「嘘をつくな!あまり僕を怒らせない方が良いぞ?僕が本気を出したら…、天界をこの手で潰してやる…」
「いけません!あなたが本気で暴れたりしたら手の付けようがなくなる…」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第132話です。