結局、ナタはピーターと風呂に入ってしまったので、アークは風呂場の窓からチラ見しながらイライラしていました。
「見た目は少年ですが、中身は中年のエロ親父だと言うのに…」
中を覗くとピーターは身体をナタに洗ってもらっています。食事の時にアークはゲイザーに事の顛末を説明しました。
「ふー、食った食った!幸せだなぁ」
「なるほど、ではあの少年はピーターが禁断の果実を食べて人間の姿になった…と言うわけですか?」
「おそらく…しかしあのピーターと言う男は信用してはなりません!」
「ナタの使い魔だったピーターなら信用しても問題はないと思いますが…」
「ゲイザー様には心眼がないから、そんな事が言えるのですよ」
「ピーターは昔から一緒に旅をして来たので、私もよく知っていますが、頼りになる奴です」
「ピーターはなぜかゲイザー様の事は慕っていました」
「私もピーターには何度も救われたので感謝してもしきれませんよ?」
「しかし…ピーターからはエロ親父のオーラが出ています」
「エロ親父のオーラ?そんなものがあるのですか」
「ナターシャ様をいやらしい目で見ており、良からぬ事を考えているのです…」
「アーク!それはてめぇの事だろがぁ?」
「この子がピーターだったなんて、ちっとも気付かなかったわ」
「オイラ、ナタと一緒に遊びたくて人間になったんだ」
「わーい!ピーター、一緒に遊ぼ?」
ナタはピーターの頰に顔を寄せてすりすりしています。
「ナターシャも喜んでいる事だし、しばらくはあの少年もこの家に住まわせて良いと思っているのだが?」
「くっ…!ゲイザー様がそう仰るなら仕方ありませんね…」
ピーターと戯れながら、ナタは小さな声で呟きました。
「ピーターが私の事、嫌いになっちゃって出て行ったんだと思ってたの…」
「オイラがナタを嫌うわけねぇだろ?ナタの使い魔はみんなナタが大好きなんだぜ」
…つづく
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第109話です。