フラウの暴走が止まらなくなりました。ゲイザーが他の女性に優しくすると、時々フラウは暴走を始めることがあります。
「ミカエル様のゲイザー様を見る目は恋する乙女の目でした…」
「どこをどう勘違いしたら、そうなるのか…」
「ゲイザー様はご自分がモテるということがわかっていらっしゃらないので…」
「何度も言うようですが、私はモテませんよ?色男のアーク殿ならともかく…」
「アークは上辺だけの好意を持つ女性にしか好かれません。心の底から深く愛する女性に好かれるのはゲイザー様の方です!」
「これは私の勘違いかもしれませんが、ミカエル様はおそらく…アーク殿の事を…」
「ミカエル様は以前、ルシファーを倒したのですよね。愛する男を倒したりするわけないじゃないですか?私ならどんな事があってもゲイザー様を倒すなんて出来ません!」
「確かに私がオズワルドに操られていた時も倒そうとしてませんでしたね」
「もしゲイザー様をルシファーが倒したりしたら、私がルシファーを倒しますよ!」
「本当に倒してしまいそうですね。フラウが世界最強のような気がして来ました…」
ゲイザーはなんとなくシェルフに置いてあるチェス盤のクイーンを手に取りました。
「なるほど、クイーンに化けるとはそう言うことだったのか…」
「クイーンが一番強い駒だなんて…何かの間違いではないのですか?」
「いえ、昔からクイーンは最強の駒のままですよ?ポーンはあまりにも弱いので、少しずつルールが改正されて、徐々に強くなりましたけどね」
「ゲイザー様はポーンなのですよね?ミカエル様はポーンは最強の駒だと仰ってましたが…」
「ポーンのないチェスはつまらないです。素人相手でハンデを付ける為にポーンなしで戦えと言われたら必ず負けますが、ポーンのみで勝てと言われても素人相手なら勝てますよ?」
「流石です。ゲイザー様の頭脳なら必ずルシファーも倒せます」
「私の頭脳はチェスとポーカーでしか発揮されませんけどね…」
「ポーカーと言うのは何です?」
「ギャンブルです。恥ずかしながら私が昔ナターシャと旅をしていた頃、金に困って何度かポーカーで荒稼ぎをしていました」
「よくわかりませんが、ポーカーと言うのは難しいのですか?」
「今まで出されたカードを記憶したり、カードの傷や色んな物を見て、かなり高い確率でダブルアップを成功させてたんです」
「ダブルアップ?私には何のことやら…」
「あまりにも的中率が高いのでその内、私がイカサマをしていると言う噂か流れて、出入り禁止にされましたけどね」
…つづく
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書き残してしまったことを書きたくて考えた本編の続き第89話です。