2018年12月7日蠣乃神社。
「ただいまー。」
高校から帰ってきた神社の巫女(?)蠣崎香澄はこの日ずっと気になることがあった。というのもこの日は対戦型アクションゲームの大人気シリーズの最新作の発売日なので、ゲーム好きの祭神・イヨが神としての務めをすっぽかし近くの神社にそれをやりに行ってしまわないか、ということであった。
ということで帰宅後早速香澄は神殿に向かった。
「イヨ様ー?」
神殿を覗いてみると確かにイヨの普段の姿・御神体である鏡が安置されているように見える。
「ああ良かった、おられますね。今日例のゲームの発売日ですから広島さんのところに遊びに行ってしまわれたのかと思いましたよ。」
香澄はひとまず安心し、自室に戻って着替え始めた。しかし…
(何か変な感じがしますね…。)
そこはかとない違和感が頭にこびりついている香澄。イヨは少なくとも1000年以上前から神をしており、鏡としても相応に年代物である。しかし先程香澄が神殿で見た鏡は不自然なほどピカピカと輝いていたのである。
(さては…!)
着替えを済ませすぐさま神殿に取って返し鏡を見てみると、果たして鏡は真っ赤な新品であった。
「やられました!」
怒りのあまり叫ぶ香澄。
一方その頃イヨは近くの風松神社にて同神社のヤンキー巫女・広島清香と…。
「私はまずマ〇オで基本のおさらいだな!」
「イヨさまはカ〇ビィにするのじゃ!PVでも推されていたようじゃからの!」
「しかしこれ蠣崎ちゃんが怒らないか?」
「ふっふっふっ…。その辺りはもう対策済みじゃ!」
そして…。
「よっしゃー手撃破!いえーい!」
「いえーい!」
「次はどうする?」
「そうじゃのう…。みきやミワと通信対戦がしたいのじゃ!」
何も知らずゲームをエンジョイするイヨと清香であったがそこに…。
ドタドタドタドタ!ガラッ!
けたたましい足音と共にドアを乱暴に開けて香澄が乗り込んできた。その眼は怒りに燃えて血走っている。
「やっぱりここでしたねイヨ様!」
「か、香澄…。巫女がそんなに大股で入ってくるとははしたないのじゃ…。」
不意を打たれたイヨの眼は完全に泳いでいる。
「ゴマかそうったってそうはいきませんよ!ずっとここに居座るおつもりですか?」
「そ…そんなこと…まあ1週間ぶっ通しでやるくらいのことはあっしまった…。」
「やっぱり!イヨ様を拝みに来られる方々のことをお忘れですか!さあ帰りますよ!」
香澄はイヨの衣の襟を掴み強引に引きずって帰っていくのであった。
「嫌じゃー!まだやっていないモードが沢山あるのじゃー!」
「おーおーイヨちゃんも災難だなー。」
おわり
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遊ぶためには努力を惜しまない神様は…?
※イヨ(http://www.tinami.com/view/728637 )、香澄(http://www.tinami.com/view/632994 )の他、各所で交流のある方々のキャラ(名前だけ含め)を出させていただいております。