三国に平和が訪れたその日、最後の戦場となった成都では、将が、兵が、民が皆で平和になった世を喜び大宴会が行われていた。
身分の違いなど関係なく皆が皆さまざまな形ではあるが戦乱が収束したこの日をを心の底より喜んでいた。
(・・・これで三国に平和が訪れたか・・・・)
俺はそんな風景を眺めながら1人物思いにふけっていた
(もうちょっとこの世界にとどまって居たかったけどなぁ)
俺には確信があった。
三国に平和が訪れる日が来たら自分はこの世界には居られなくなるだろうと
(それでも・・・この平和のためならば惜しくは無かった・・・かな・・・)
「あはは~華琳さ~ん♪」
「ちょっ、桃香あなたどこ触ってるのよ」
「いーじゃないですかー触って減るもんじゃないんですからー」
「ふ~ん・・・それは触って減るほど大きくも無いってことかしら?」
「いや~そんなつもりじゃー・・・・・キャー」
「待ちなさーい!!!」
「まったく、何やってんだか。」
「雪蓮さーん、助けてくださーい;;」
「無理よ。自分でまいた種なら自分でどうにかしなさい。」
「そんなぁ~;;」
「さぁーて桃香?覚悟はいいかしら?」
「いや~~~~・・・・」
(3人とも仲良くやってるようだな・・・これなら俺がいなくとも大丈夫そうだ)
三国の王が互いにじゃれあっている?様子を見て俺は安心するように息を吐いた。
「? ご主人様?どうかなさいましたか?」
側にいた愛紗がそう訪ねてきた。
「いやなんでもないよ。ただ賑やかだなぁって思ってさ」
「そうですね。もう明日への死に怯えずに生きられるその喜びからでしょう。」
「そうだね。これからは三国でこの平和を維持していかなければいけない、二度と戦乱の世にならぬように」
「ご主人様、それに桃香様、曹操殿、孫策殿がおられれば大丈夫でしょう。」
愛紗は微笑みながらそう答えた。
(俺は、もう無理みたいだけどね・・・・)
「ごめん、愛紗ちょっと厠に行ってくるね」
「あっ、はい分かりました」
(さようなら、そしてごめん桃香 愛紗 鈴々 朱里 雛里 星 詠 恋 音々音 蒲公英
翠 桔梗 紫苑 焔耶 麗羽 斗詩 猪々子 美以 ミケ トラ シャム 白蓮、そして月・・・・)
俺は最後に三国の皆が騒いでいるその宴会場を眺め、皆に心の中で謝って歩き出した。
厠に行くふりをして森の方へ行きしばらく歩いていると不意に小川のほとりに出た。
その川を眺めながら
「なんで、どうして、ここに残っていられないんだよ・・・・・なんで・・・・」
俺は、皆を残していくことの罪悪感と皆といられない未来に涙した。
「くそ・・・・ちくしょう・・・・」
「ご主人様?このようなところで何をなされているんですか?」
「!?」
俺はその声のした方へと振り向いた。
「月・・・・・」
そこには月が立っていた。
(よりによって一番逢いたくなかった月に逢うとは・・・・)
「あの・・お邪魔なようならどこかへ行きますけど・・・」
その月の一言で俺は我に帰った。どうやら沈黙を邪魔だと解釈したようだ。
涙を隠しいつものように答える。
「あぁ・・いやごめんそんなつもりじゃなかったんだけど・・・
勘違いさせちゃったかな。ごめんね。」
そう言って俺は月の頭をなでた。
「へぅ・・あの、お邪魔でないのなら少しお話してもいいですか?」
「あぁ、いいよ」
そういうと月は語り始めた。
「ご主人様に命をお助けいただいたときは本当に嬉しかったです。
あの時は本当に死を覚悟していましたから。」
「俺は、当然のことをしたまでだよ。」
「ご主人様にとっては普通でも、ほかの人にとっては難しいことでしょうから。
その後はご主人様の下で侍女として働いて、王としての責務から解放され楽しい時間をすごせました。」
「そっか・・・それなら・・良かったよ・・・」
少し声が出し難くなってきた。
「そして詠ちゃんと一緒に、その、結ばれたときそれが一番幸せな思い出です・・へぅ」
「ありがとう・・そう・・いってもらえる・・・と・うれしい・・な」
体が微妙に透けだしているのも分かる。
「でも平和になりましたから、これからももっと楽しい思い出を作っていけますよね?」
月が微笑みながらこちらを振り向いた。しかしそれはすぐに悲しみの表情へと変わっていった。
「え?・・ご主人様、何故お体が・・・・?」
月がそう言いながらこちらへ歩み寄ってくる。
「3国にはもう・・・平和が訪れた・・・・からね・・・俺の役目は・・・多分・・終わりだって・・ことだよ・・・」
視界もだんだん悪くなってきた。目の前に居る月の顔も徐々に見えなくなっていく。
「そんな・・・ご主人様が居なくなってしまわれたら私は・・私は・・どうすればいいんですか!!」
月は涙を隠そうともせずにそう答える。
「ごめんね・・月・・でも・・もうどうし・・ようもな・・いみたい・・なんだ・・・」
「ヒック・・グスッ・・いやです・グスッ・いやです・・よ・・そんな悲しいこと・ヒック・・言わないで・・・ください・・グスッ」
「大丈夫・・月なら・・おれが・・・居なく・・・なっても・・・ちゃんと・・やって・いける・・・さ・・」
「だから、おれ・・が・・いなく・・・な・・っても・・・
みん・・・な・・・で・・・こ・の・・へいわ・・を・・・たのん・・だよ・・・」
「そんな・・いやです・・・待って!!・・・待ってください!!」
月が何かを言っているようだがもうそれすらも聞こえない。そして俺は消える前に最後の力を振り絞っていった。
「さ・・ような・・ら・・・愛し・・てい・・る・・よ・・ゆ・・・・え・・・・」
それを言い終えた瞬間北郷一刀この世から消えた。
「あ・・あぁ・・ごしゅ・・じん・・・さま・・ごしゅじんさまーーーー!!」
「なんで・・ヒック・どうして・・グスッ・行って・・・しまわれ・・・たん・・グスッ・ですか」
「私は、これからどうすれば・・・ヒック・・グスッ・・・うぅぅぅぅぅ」
河原のほとり、その日の夜はその少女の泣く声が途絶えなかった。
そしてそれを月と森が優しく見守っていた。
あとがきという名の言い訳
どうもこんばんわ†龍†です。
今回は月編ということなんですが・・・書き終わって気づいたこと
これ白蓮編と似てね?なんなの?ネタ切れなの?
はいすいませんm( __ __ )m ぶっちゃけネタ切れでした。
まあそう言った事情も含めまして今回はお気に入りユーザー限定とさせていただきました
※すいません解除しました
後、月の言葉遣いに激しく不安が残るのでその辺マジ指摘をお願いします
いつもならこの数ヵ月後とかの話を載せるのですが、月の場合は新たにひとつ書いた上での帰還のお話となると思います。
おそらく遅筆となるかと思いますがお待ちください。
さてこれで一応初期リクエストの2人は一応書き上げました。
他にも、桃香、愛紗、星とありましたがそれはその内思いつけば書くと思いますが今のところ
上にも書いたようにネタ切れ状態がやばいので保留という形にさせていただきます。
とりあえずこれで一刀が消えるお話は一旦終了今後は書いたお話の帰還話を中心的に書いていきます。
今のところ書かなければならないものが
翠アフター
紫苑アフター
月~その後~
月アフター
というところですかね。恐らく順不同となるかと思いますが、ご了承ください。
では感想、誤字指摘、アドバイス、叱咤激励お待ちしております。
P.S.
本当にネタが無いのでこんなの書いたらいーんじゃない?的なのもお願いします。
メッセージ、感想のところに書いていただけたら幸いです。
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はい、今回は月編です。
言葉遣いがちょっとおかしいかもですorz
例により1pは同じです。
では感想、誤字指摘、アドバイス、叱咤激励お待ちしております。
やはり多くの人に見てもらいたいので解除しました。すいません。前作は引き続き限定付きですが。