スネーク、ロックマン、パックマン、ソニックは女戦士のゴーレムを倒し、
無事、ラストホープに帰ってきた。
もちろん、ソニックが最初に到着したのは言うまでもない。
「アスティマ、仲間の居場所が見つかったのか?」
「ええ……ちょっとこっちに来てください」
四人がアスティマのところに来ると、アスティマは地図を開いていた。
「なんだ、この地図は?」
「私が魔法で作ったものです。力も徐々に戻って来たと感じましたので」
「う~ん、でもただの地図だったら……」
「大丈夫です、ほら」
「おっ、光ったぞ!」
アスティマが地図のどこかに触れると、その位置が強く光った。
が、しばらくするとその光は消えてしまった。
「これってどういう事?」
「散らばった仲間がどこにいるかを特定する事ができます」
「結局手探りで探すのかよ」
「まぁ、そういう事になりますね……」
スネークは、地図のあちこちを触って、どこに仲間がいるのかを探していた。
すると、地図の右下の方が強く光り、スネークが指を離した後も光は残ったままだった。
「……!」
「もしかして、ここに散った仲間がいるのか?」
「多分、そうかもしれないな」
「よし、とりあえずマリオ達に知らせてくるぞ」
そう言って、スネークはマリオ達のところに向かい、仲間がどこにいるかを報告した。
「おお、仲間が見つかったか!」
「ああ……場所が分かっただけで、何があるか、誰がいるかは分からないがな」
「それでも情報が得られただけで十分だ」
「じゃあ、早速行こう!」
「まぁ、待て。何が起こるか分からないから、俺達の他にももう二人連れていった方がいいな」
「……こんな危険な場所じゃあね。で、誰を連れていくの?」
「それはだな……ちょっと待ってくれ」
そう言って、マリオは自分達に同行してくれる人を二人呼んだ。
「お待たせ」
マリオが連れてきたのは、ルイージとドクターだった。
「なんだ、マリおじちゃんの身内か~」
「なんだとはなんだ、なんだとは。回復役も入れたかったんだぞ」
「あ~、確かに……」
マリオ、リンク、カービィ、ピカチュウは、誰も傷を治す技を持っていない。
というよりも、スマブラメンバーのほとんどがそれを持っていない。
なので、回復技を使えるメンバーはそれだけで頼りになるのだ。
「兄さん、一緒に頑張って仲間を探そうね」
「僕は運動苦手だけど……まぁ、とりあえず頑張ってみようかな」
兄のために張り切るルイージと、自分なりに頑張ろうと思ったドクター。
対照的だが、マリオへの思いは本物だ。
「水と食糧はちゃんと持ってきているか?」
「うん、十分あるよ」
必要なものを確認できたところで、マリオはアスティマに挨拶をした。
「じゃあアスティマ、これから仲間を探しに行ってくるぜ」
「ええ、お気をつけて。いってらっしゃい」
アスティマに見送られながら、マリオ達は仲間を探しにラストホープを出るのだった。
「で、その光った場所は一体どこにあるんだろうな」
「とりあえず、目印を探してみようか……あ!」
「何か見つかったか、ピカチュウ?」
「ああ……人の足跡が見つかったぜ」
ピカチュウは、その足音をじっと見つめていた。
その足跡は、ピカチュウのそれを一回り小さくしたものと、カービィのそれとよく似たものだった。
「これ、誰の足跡だろうな。追ってみようぜ」
「うん」
マリオ達は、2つの足跡を追っていき、目的の場所を探そうとした。
周りに敵がいないかを確認しつつ、敵が現れたらそれを避けて進む。
こうして、六人が足跡を辿りながら歩いていくと、突然、カービィが立ち止まった。
「ど、どうしたんだカービィ?」
「こ、こ、ここに、マキシムトマトが……!」
そう、カービィの目の前には、大好物のマキシムトマトが置いてあったのだ。
明らかに怪しいと皆は思ったが、食べ物に目がないカービィが食いつかないわけがなく、
カービィはそのマキシムトマトに飛んでいった。
「いただきまーす!」
―ドカァァァァァァァァン!
そしてカービィがマキシムトマトを食べようとすると、突然、マキシムトマトが爆発した。
「……ケホッ」
幸い、カービィは無事だったが、爆発の衝撃で、周囲の足跡が消えてしまっていた。
「あ~あ、カービィのせいで目印がなくなっちゃったよ」
「ごめ~ん、罠だとは気づかなかったよ」
「……気を取り直して、もう一度探すか」
カービィの失敗をチャラにするべく、マリオ達はより慎重に辺りを探索していった。
そして4分後、マリオ達はあるものを見つけた。
「なんだこれは」
それは、荒廃した世界に似つかわしくない、サイケデリックな色合いの建物だった。
「もしかして、ここに仲間がいるのか?」
「多分な、というか絶対いる。違和感ありまくりだからな」
「なんでここにあるのか分からないけど……とりあえず、入って確かめてみようか」
「ああ」
そう言って、六人はその建物の中に入った。
「あれ」
「見た目が変な割に、中身は結構普通じゃないか」
「つまんないの」
その建物は、外見の割に突飛な色ではなく、カービィは少しだけがっかりした。
「とりあえず、探索を始めようか」
「うん」
六人が建物の中を探索していると、まず、魚がいる水たまりを発見した。
「これは……?」
「まだ飲めるのか?」
マリオが水たまりに手を付けると、その水たまりは跡形もなく消えた。
「あれ? もしかして、幻か?」
「そうみたいだね」
「まぁいいか、先に進むぞ」
マリオを先頭にして、六人は奥へ進んでいった。
すると、飢えた目をした複数の男女が目の前に立っていた。
「これも幻かな? 先に進まなくていいかも」
カービィが素通りしようとすると、
「ウガアアアアアアアア!」
「うわぁっ!」
突然、男がカービィに襲い掛かってきた。
「これ、幻じゃないの!?」
「そうみたいだな……みんな、迎え撃つぜ!」
「う、うん!」
リンクの号令で、六人は荒れ狂う男と荒れ狂う女を迎え撃った。
「えいやぁっ!」
カービィがハンマーを振り回して男女を薙ぎ払う。
「はっ!」
「かみなり!」
続けてマリオが炎を纏った掌底で荒れ狂う女を攻撃し、
ピカチュウがかみなりでまとめて男女を攻撃する。
ルイージがぽこぽこパンチで荒れ狂う女を足止めしている間に
ドクターは彼女に心臓マッサージを放ち、戦闘不能にした。
「1つ手順を間違えば、医療技術も死に繋がるのさ」
「怖いなぁ」
「要するに、心のない力はただの暴力なんだぜ!」
そう言って、リンクは荒れ狂う男を斬りつける。
「アアアアアアア!」
荒れ狂う女はマリオを連続で引っ掻いた。
荒れ狂う男は暴れ回って周りを攻撃するが、マリオのファイア掌底が効いたのか熱でダメージを受けた。
すると、荒れ狂う女が爪から液体を飛ばしてきた。
カービィがそれを吸い込んで飲み込むと、ポイズンをコピーした。
「いくぞ~! べたべたポイズン!」
ポイズンカービィは地面に毒をばら撒いた。
マリオ達はそれを踏ませるように荒れ狂う男と荒れ狂う女を誘導した。
荒れ狂う男と荒れ狂う女が毒を踏むと、それが体に回って苦しみ出した。
「よしっ! 10まんボルト!」
「いくよ、ファイアボール!」
ピカチュウが毒で苦しんでいる荒れ狂う男を10まんボルトで痺れさせ、
さらにルイージがファイアボールを投げつける。
「とどめだ! どりゃああああああっ!!」
そして、マリオは懐からハンマーを取り出し、荒れ狂う男と荒れ狂う女を押し潰した。
荒れ狂う男と荒れ狂う女の体力はそこそこ残っていたが、
先ほどの毒の影響もあってハンマーの一撃で戦闘不能になったのだ。
「マリオ君、大丈夫かい?」
「あ、ああ」
ドクターがカプセルを調合し、体力が減っているマリオに飲ませて体力を回復した。
「キィィイイイイイイイ!」
「こんな女とは結婚したくないな、っと!」
荒れ狂う女が金切り声を音波にして飛ばしたが、ドクターはスーパーシーツでそれを跳ね返す。
「女ってのは時に怖くなるんだよね」
「そうだな」
(この場にピーチがいなくてよかったぜ……)
(もしいたら間違いなく殺されるな……)
「後ちょっとだから、僕も頑張るよ! えいっ!」
カービィはポイズンの能力を捨てた後、能力星を荒れ狂う女にぶつける。
荒れ狂う女は吹き飛ばされて倒れたが、まだ戦闘不能にはなっておらず床を這いずっていた。
「うぅ……よこせ、よこせ……!」
「悪いな、眠れよ」
しかし、ピカチュウがでんきショックを放った事で女はあっさりと戦闘不能になった。
すると、女の体からぽろっと何かが落ちた。
ピカチュウがそれを持ってみると、それは小さな鍵だった。
「鍵……? どこで使うんだろう」
「とりあえず持っておこう」
そう言って、ドクターはポケットの中に鍵をしまった。
荒れ狂う男と荒れ狂う女を倒した一行は、先に進むために歩いていった。
「しかしこの建物、どう見ても自然にあるものじゃないよな」
「うん、何しろ建物はほとんどないからね……。あるとしても瓦礫とかの残骸くらいだよ」
「誰かが作っていたとしたら、その誰かを叩けばいいんじゃないか?」
「……;」
しばらく歩いていくと、目の前に扉が見えてきた。
「おっ」
「開けてみようかな……あれ?」
ドクターが扉を開けようとすると、鍵がかかっていて開かなかった。
「どうすればいいんだろう……」
「ねぇ、ドクター」
「何だい?」
「さっき手に入れた鍵を使えばいいんじゃないかな」
「ちょっとやってみよう」
そう言ってドクターが鍵穴に先ほどの鍵を嵌めて回すと、ガチャリという音と共に鍵が開く音がした。
同時に、鍵が砕け散って消えてしまった。
「あれま」
「なんか、俺の世界でもあった気がするな。ま、気を取り直して入ろうぜ」
「そうだね……って、うわぁ!?」
マリオ達が部屋に入った次の瞬間、三匹の巨大蜘蛛と青色の蜘蛛が襲い掛かってきた。
「今度は蜘蛛かよ!」
「三匹は雑魚だが……あの魔物、見た事ねぇな」
「とりあえず、まずはあの雑魚からやっつけるぜ!」
マリオは巨大蜘蛛にファイアボールを放ち、そこにリンクの斬撃が入り巨大蜘蛛は倒された。
カービィはピカチュウが放った電撃を吸い込んで飲み込み、
スパークカービィになった後、強烈な電撃を放って魔物の群れを攻撃した。
「えい! えい! えい!」
「はっ!」
ルイージは青色の蜘蛛をぽこぽこパンチで連続攻撃し、ドクターが巨大蜘蛛をカプセルで攻撃する。
青色の蜘蛛と巨大蜘蛛は糸を吐いたが、カービィがカッターで全て切り裂いた。
「相手は速いし、嫌らしい攻撃をしてくるね」
「なら、まずは相手の動きを封じたらどうだ?」
「動きを封じるといったら、これだな」
マリオとルイージはアイスボールを放ったが、蜘蛛達にかわされる。
「ダメか?」
「でんじは!」
しかし、かわした方向にはピカチュウがいて、
ピカチュウは広範囲にでんじはを放ち蜘蛛達を麻痺させた。
「動きは鈍らせたぜ、今ならいけるはずだ」
「サンキュ、ピカチュウ!」
「それ!」
マリオとルイージは動きが鈍った蜘蛛達をアイスボールで凍らせた。
「今だ、カービィ!」
「うん! いくぞぉぉぉぉぉぉぉぉ!! 鬼殺し、火炎ハンマァァァァァァァァァ!!」
そして、カービィの鬼殺し火炎ハンマーで、凍った蜘蛛達は跡形もなく砕け散った。
六人は魔物と戦いながら、建物の中を歩いていった。
「それにしても、この建物は誰が作ったんだろうね」
「多分、こういうのはハオスが作ってるだろうな」
一行はこの建物の事について話していた。
奇妙な外観と質素な内部……そのギャップに、リンクは疑問を抱かずにはいられなかった。
「ねえ兄さん、ハオスってどんな人なの?」
「簡単に言ったら、人を操る力を持ってる悪い女だ」
「なんか怖いなぁ、もし僕が操られて兄さんに危害を加えたら……」
「大丈夫だって、俺達がすぐに元に戻してやるよ」
「うん、そうだよね!」
ルイージは洗脳に対する恐怖を抱いていたが、
兄の言葉に元気づけられたようだ……言葉は、震えていたが。
「なんだ、やっぱり怖いじゃないか」
「あ、あははは……; やっぱりバレた?」
「俺達はマリオブラザーズだから、そんな事はすぐにバレるぜ。さぁみんな、先へ進むぞ!」
「「「「「おーっ!」」」」」
そして、マリオ達は建物の奥へ進むのだった。
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
ルイージとドクター、初めての戦闘回です。
ドクターはマリオとは別人という設定なのでご注意ください。