その日天空ソード&マジックワールドでモンスター役を務めているスライムぬいとスライムちょうちんの視野に二人パーティの客が入ってきた。
一人は背の高いハンマーを持った重戦士、もう一人は背の低い白魔導士風である。
「おい、あの二人どう思う?」
「どうって?」
「いや、どっちが女の子なのか、どっちも女の子なのか、それとも…ということだ。」
「…ああ。」
確かにパーティの二人…重戦士の歩も白魔導士の優朔も中性的な顔立ちで遠目に性別を判別するのは難しい。考え無しに襲撃して気絶するような事態は避けたいところである。
「…そうだ!魔法ちょうちんから良いものを貰ったんだ!」
そう言ってスライムぬいが取り出したのは「ちちりょく」と書いてあるラベルの貼ってあるペットボトルである。
「何だこれ?」
「これは『バストアップミネラルウォーター』と言って女の子が飲むと効果の差はあるが胸が大きくなる。しかし野郎が飲んでも全く効果が無いのだそうだ。」
「ほほう…ということは?」
「そう、これを飲ませて胸が大きくなれば女の子ということだ!これを使えば!」
「なるほど!」
そしてすぐさまスライムぬいはペットボトルを持ってスタッフの待機スペースに引き上げていく。
それからしばらくして歩いている歩と優朔の前に一人の村娘(もちろん村娘役のスタッフである)が現れた。
「長旅お疲れ様です。こちらの水をどうぞ。」
村娘が差し出したコップに入っているのは先ほどスライムぬいに渡された「バストアップミネラルウォーター」である。
「水だってさ。どうする優朔?」
「うーん…喉乾いてるし一緒に飲もう。」
というわけで同時に水を飲んだ歩と優朔であったのだが…。
「うん、なかなかまろやかで美味しいね。これでお米を炊くのもいいかな…?!」
「うわあああ!ボクの、ボクの胸があああ!」
「あ、歩くん?!」
何も起きなかった優朔に反し、歩は急に巨乳になってしまいパニックに陥るのであった。
「なるほど、白魔導士が野郎か…。」
「危ないところだった…。」
なお歩の胸は4日ほど大きい状態を保った後に元に戻ったという。
おわり
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こちら(https://www.tinami.com/view/967082 )で発表されていた新アイテム「バストアップミネラルウォーター」の特性を悪用する話です。
スライムぬいさん:http://www.tinami.com/view/827722
スライムちょうちんさん:http://www.tinami.com/view/827807
歩くん:http://www.tinami.com/view/966551
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