No.967174

スマブラ Abandon World 16「クッパ親子登場」

Nobuさん

名前の通り、クッパとその子供が登場します。

2018-09-14 17:39:32 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:617   閲覧ユーザー数:617

 この世界に散らばった仲間を探すために北に向かっていたマリオ、リンク、

 カービィ、ピカチュウは、ゾンビを倒しながら先に進んでいた。

「しっかし、本当にここってゾンビだらけだよな」

「だよな」

 マリオ達は辺りをきょろきょろと見渡したが、

 見えるのはゾンビと今いる仲間ばかりで、それ以外の存在は見えなかった。

 ゾンビを倒しながらカービィは言う。

「もう、どうしてこんなにいっぱいいるの!」

「我慢しろ、仲間を見つければそんな考えは吹っ飛ぶっての」

「ぶぅ……」

 スマブラ四天王が歩いていると、倒れている女性を発見した。

 幸い、女性は生気の無い表情をしているが生きているようでマリオは安心する。

「ど、どうしたんだ!」

「せ……せな、か、を……」

「うわっ!」

 マリオが女性の背中を見てみると、そこには大きな傷が刻まれていた。

 まるで、何かに切り裂かれたかのような。

「なんて酷い傷だ……」

「一体、誰がやったんだろう……」

「魔物だったら、そいつを退治するだけでいいんだが……」

「とにかく、君を攻撃した人はどこにいるの!」

 カービィの問いに、女性は東の方を指差した。

「あっちだね! 分かった! みんな、この人の敵を討つよ! 仲間を探すのはその後!」

「いや、まだ死んでないっつーの」

 カービィのボケにピカチュウが突っ込みつつ、スマブラ四天王は女性が指差した方に向かった。

 だが、向かう途中で、ゾンビが襲い掛かってきた。

「ま、またゾンビか!?」

「でも、これって……」

 しかし、そのゾンビは今まで出会った人型や犬型ではなく、亀型であった。

「骸骨の亀は見た事があるが、ゾンビの亀は初めて見るな……ん?」

「どうしたんだ、マリオ?」

「いや、なんでもない。早くこいつらを倒して、先に進もう」

「だな」

 

 数分後、スマブラ四天王はゾンビ亀を全滅させた。

「よーし、これで雑魚は終わったな」

「後は、ボスを倒せばいいんだね」

 そう言って、マリオとカービィを先頭にスマブラ四天王が歩いていると、

 

「たっ、大変だぁーーーーー!!」

 クッパクラウンに乗った一匹の亀が、マリオ達の方に向かって突進してきた。

「ジュニア!? どうしたんだ!」

 クッパクラウンに乗っていたのは、クッパの息子ジュニアだった。

 ジュニアは慌てた様子でマリオ達に話す。

「お、おかしくなったお父さんが、ぼくと、近くにいた人を」

「!!」

 ジュニアの証言を聞いたマリオが絶句した。

 女性とジュニアを傷つけたのはクッパだったのか。

 確かにクッパはマリオの永遠のライバルだが、最近はかなり丸くなっているという。

 そのため、彼がそんな事をするはずがない、とマリオは思っていたが、

 それが打ち砕かれショックを受けた。

「ジュニア、クッパはどこにいるんだ!?」

「この先、この先!」

「じゃあ、案内してくれ」

「うん!」

 ジュニアに案内されてスマブラ四天王が辿り着いた先にあったのは、

 見境なく辺りのものを攻撃しているクッパの姿だった。

「クッパ……!」

 恐らく、女性はそれに巻き込まれて重傷を負ったのだろう。

 マリオは思わずクッパのところに駆け寄ろうとするが、ジュニアが「待って」と制止する。

「マリオ、突っ込んでいかないで!」

「なんでだよ!?」

「今のお父さんは敵と味方の区別がつかないみたい。だから今、近づくのは危険だよ!」

「ジュニア、お前は自分の親を見殺しにする気か?」

「そうじゃなくて……!」

 マリオとジュニアの喧嘩を止めるべく、リンクが一人と一匹の間に割って入る。

「二人とも喧嘩はよせ! 要は『近付かなければ』いいんだろ? ちょっと離れてろ!」

 そう言うとリンクは二人を下がらせ、懐からデクの実を取り出すとクッパに向けて投げ、

 それが爆発するとクッパと周囲にいたものが気絶した。

 デクの実は衝撃を受けると強烈な閃光を放って相手を気絶させる効果があるのだ。

「よし、後はクッパをこっちに連れていくだけだ」

「で、でもどうやって……」

「カービィ、お前が口に入れて運べばいい。持ってるだろ? 大きな敵も吸い込む力を」

「……そうか、がんばり吸い込みだ!」

 カービィが鏡の大迷宮事件で覚えた技、がんばり吸い込み。

 これは、ある程度大きな敵を吸い込んだり、重いブロックを動かしたりできるようになるが、

 その分、体力を余計に消費してしまうのが欠点だ。

「お前ならできる、やれって!」

「うん! よぉーし!」

 カービィは全力で吸い込む力を強め、

 結果、体力を消費しながらも何とか気絶したクッパだけを口に入れる事に成功した。

「よし、後はそのまま遠くに吐き出せ!」

「ふふ! へひっ!(うん! えいっ!)」

 カービィはぺっと口からクッパを吐き出した。

 

「お父さん……」

 クッパはまだ、気絶したままだった。

 もし目覚めた時、自分が暴れて息子を攻撃した、

 と聞かされたらどうなるだろうか、とジュニアは心配していた。

「心配するなよジュニア、しばらくしたら起き上がるさ。……ほら、な」

 マリオの言う通り、しばらくしてクッパはゆっくりと起き上がる。

「……我輩は、何をしていたのだ……?」

 ぼんやりとした様子のクッパが最初に見たもの、それは自分の息子・ジュニアだった。

「おお、ジュニア! 無事だったか!」

「ちょっと、痛かったけどね」

「痛かった? 何がだ?」

「ああ、うん、なんでもないよ」

 お父さんが傷つけた、という言葉は口が裂けても言えなかったジュニア。

「ジュニアが無事なら我輩はそれでよかった。ところで、お前達は一体何をしているのだ?」

「俺達はこの世界に散らばった仲間を探してるんだ」

「んで、そいつらをラストホープに送り届けてる」

「ラストホープ? ってなんだ?」

「アスティマって奴が治めてる、この危険な世界で唯一の安全地帯だ」

 リンクはラストホープについてクッパ親子に説明した。

「それで、そのラストホープとやらはどこにあるのだ?」

「ここから南に行って、それから西に行けば、いつかはラストホープに辿り着くさ」

「う~ん、説明が大雑把すぎるよ」

「それくらい目印がほとんどない世界だっての」

 はぁ、とクッパ親子は溜息をついたが、

 行動しなければラストホープに行く事はできないため、渋々二匹は歩く事を決めた。

 

「では、我輩とジュニアはこれからラストホープに戻る。お前達はお前達でやるべき事をやるがいい」

「頑張ってねー、みんなー!」

「ああ! お前達に最高の希望を届けてやるから、ちゃんと待ってろよ!」

「大丈夫、僕達なら絶対生き残れるよ!」

「俺達は過酷な環境だけでくたばるような奴じゃねぇって事を証明してやる」

「じゃあ、行ってくるぜ、クッパ、ジュニア!」

「……ああ、勘違いするなよマリオ。あくまでも、一時休戦だからな!」

「分かってるっての!」

 スマブラ四天王はクッパ親子に別れを告げ、仲間を探しに行くのだった。

 

 ラストホープに戻る途中で、クッパ親子は先ほどスマブラ四天王が出会った傷ついた女性と出会った。

「……貴方は、さっきの……いや、やめて……」

 女性はクッパの姿を見て震えてしまうが、ジュニアは「もう平気だよ」と言う。

「ガッハッハ、我輩はここでも恐れられてるとはな」

「お父さん、冗談はやめて……。ここは本当に、危険な世界なんだよ?」

「ならばその危険な世界で、しぶとく生き残ろうではないか!」

 こんな危険な世界でも、クッパは堂々としていた。

 そんな父の姿に、ジュニアは勇気づけられる。

「……そうだよね、お父さん。今は、生き残ろう!」

「よーし! 我輩から離れるなよジュニア!」

「もっちろーん!」

 

 なんだかんだで、かなり仲の良い親子であった。


 
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