サムス、フォックス、ファルコは、残りの敵を倒すために戦っていた。
サムスはミサイルを放って広範囲の敵を攻撃し、
フォックスとファルコは炎を纏った突進で巨大蜘蛛を攻撃する。
巨大蜘蛛も反撃としてサムスとフォックスに糸を吐いて動きを制限する。
「こいつ、巨大だから糸も大きいのね。かなり厄介な敵なのは間違いない。
フォックス、ファルコ、私が一発放つから時間稼ぎを頼むわよ!」
「「了解!」」
フォックスとファルコが鴉にブラスターを放ち、
時間稼ぎをしている中でサムスはエネルギーを溜めていく。
その間に巨大蜘蛛や鴉が襲ってくるがフォックスやファルコが体術で攻撃する。
しばらくして最大チャージが完了すると、サムスはアイコンタクトで合図を送り、
フォックスとファルコは頷いた。
「チャージショット!」
そしてサムスのエネルギー弾が巨大蜘蛛に命中すると、巨大蜘蛛は跡形もなく分解された。
その勢いで巨大蜘蛛の糸から解放されたサムスは巨大蜘蛛にジャンプしてボムを置き、
爆発と同時にジャンプして巨大蜘蛛の反撃を避ける。
「ファイアー!」
さらに、フォックスが炎を纏った体当たりを繰り出し、巨大蜘蛛を攻撃する。
巨大蜘蛛は再びサムスに向かって糸を吐いて動きを止め、鴉がフォックスに向かって突っ込んでいく。
「ぐぅっ!」
「フォックス!」
「これくらい平気だ、とりゃあっ!」
フォックスが鴉をブラスターで撃ち抜いた後、すぐさま巨大蜘蛛に向かって走り、飛び蹴りを繰り出す。
さらにサムスとファルコの体術が巨大蜘蛛を捉えて吹き飛ばす。
そして、残りの巨大蜘蛛をサムスがアイスビームで凍らせた後、
とどめにチャージショットを放って巨大蜘蛛を四散させた。
「……っはぁ」
「だから、一人で無茶をするなと言っただろ?」
「そうだな……仲間ってのは、やっぱり大事だな。こんな事をした俺にも優しいんだからな……」
フォックスとファルコは、改めて仲間が大事だという事を知ったようだ。
サムスは「やれやれ」といった感じで二人を見ている。
「それはいいけど、ラストホープに戻るんじゃなかったの?」
「「あ」」
「そうだった……腹も減ったし、傷はついたし、体を休めるしかなさそうだな……」
「万全の状態にしないと、こんな過酷な環境ではまず生き残れないわよ?」
サムスの言う通り、ここは非常に危険な世界だ。
町や施設のほとんどは残骸としてしかなく、
また、争いの世界には普通にある食料や日用品も、この世界ではとても貴重な品だ。
「ったく、とにかく帰ればいいんだろ、帰れば」
「まぁ、そうだけど……」
体力を節約するため、サムス、フォックス、ファルコはゆっくり歩いていった。
すると、途中でなんと干し肉を見つけた。
「こ、これは……?」
「食料?」
この世界では貴重な食料であるため、フォックスとファルコはそれに手を伸ばした。
「待って! 声が聞こえるわ!」
「「!?」」
だが、その直前でサムスが止めた。
誰かの声を、サムスはここで聞いたからだ。
「……れだ、それを取ろうとするのは……」
しばらくして、向こうから痩せこけた男がやって来た。
「これは、お前のものだったのか?」
「そ、うだ……お、れが、生きる、ための……」
「俺達も今、腹が減っているんだ」
「だからその食料を少し分けてくれない?」
「だ、めだ……絶対に、渡さ、ん……。これは、全て、俺の、ものだ……」
サムスとフォックスは男と交渉して、食料を分けてもらおうとする。
だが、男はそれに応じる事はなく、干し肉を独り占めするかのように手で覆う。
「ならば……」
「やめろ!」
思わず力ずくで干し肉を取ろうとするファルコだが、フォックスが制止する。
「こいつだって、俺達と同じで、この世界を必死で生きようとしている。
そんな奴から、生きるための希望を奪おうとするなんて、非道な事だと思わないか?」
「……」
この男が善人か悪人かどうかは分からないが、今はそんな事は関係ないと主張するフォックス。
「でもよ、ここはやらなきゃやられる世界なんだぜ? 時には甘さを捨てなきゃいけないんだぞ」
「だが……」
「その鳥の言う通りだ。ここは、弱肉強食。
弱い者は、死に、絶え、強い者のみが生き残る。俺、のような、奴は、すぐ、に、死ぬ……」
男は今にも死にそうな様子でそう言った。
「貴方、まさか……」
「こんな風に! こんな風に!
必死に生きたいと思った奴が、こんな風に無残に死ぬ世界なんだよぉ!!」
そして、最後に必死に「生」にすがりつくように喉から言葉を絞り出した後、男は息絶えた。
「「……」」
目の前で人の死を見てしまったフォックスとファルコは、ショックのあまり言葉を出せないでいた。
そんな二人を、サムスは優しく宥める。
「……そんなに落ち込まないで、二人とも。
私達にできる事は、彼が残した希望を、決して絶やさない事なのよ」
「サムス……」
「この干し肉は、ありがたく頂戴しましょう。彼が安らかに眠れる事を願って」
「……ああ」
落ち込みながらも、フォックスは男が遺した干し肉を貰うのだった。
干し肉を食べて腹を満たしながら、フォックスは思う。
(もしも俺がこの男の立場だったら、俺は一体、何をしていたんだろう。
自分が生き残るために食糧を独占したか。他の人を生かすために食糧を与えたか。
それは正しくもなく、間違ってもいない。
ただ、いずれを選んだとしても、二度と戻らない何かが犠牲になる……。
……そんな、世界は、もう嫌だ。早く、平和な世界に戻りたい……。
だが、それではここを見捨てるという事に……)
「フォックス、何ぼーっとしてるんだよ」
「はっ! ファルコ、すまない。考え事をしていたんだ」
しばらくぼんやりしていたフォックスだったが、ファルコに声を掛けられて我に返った。
「……早くラストホープに戻ろうぜ。温かい日常が、欲しいんだろ?」
「……そうだな」
「……行きましょう」
サムス、フォックス、ファルコは、ラストホープに戻るために歩いていった。
だが、その背後で、何者かが見ていた事を、彼らは知る由はなかった……。
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再びフォックス、ファルコ、サムスのターンです。