No.96190

幻想卿に男が降り立ったようです9

kikiさん

どうもー!遅くなりました。そしてあれですね。身の程知らずですが、私で新キャラを作りました!
そしてイラストを METLOIDさんに描いていただきました!
感謝ーです!

2009-09-19 16:18:25 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:996   閲覧ユーザー数:951

「、、、、じいちゃん、、」

ずっと掃き続けていた手がピタリと止まる。

 

その竹箒を使っているのは神雅少年だった、

水を一杯飲み休憩してまだ20分立ってないし、掃除もまだ残っている。そうなのに手を止め考え込むなど珍しいものだった。それは霊夢達も住んでいるうちに理解した様で俺に

「ちょっと。手を止めない!」と説教をひとつ。

 

俺は「あぁ、、うん。ゴメン」と一言返していた。

考えて見れば何日間もこっちにいるのに向こうは凄い事件になっていたりしないだろうか?捜索願を出していたり、近所にじいちゃんたちが電話かけて回ってたりとか、、

なんだか凄くさびしい気持ちが心臓に圧し掛かったのだった。自分の左手を見た、神雅の顔がクシャリとつぶれる。

 

(・・・この手の力のせいで帰れないなんて、、、)

 

ソレは、先程魔理沙が教えてくれた情報だった。

魔理沙はパチュリーや、アリ、、なんだっけ?アなんとかと言う人の協力を経てここの答えに辿り着いたのだ。

俺の手は、「全てを掴み、弾く事ができる程度の能力」「上乗せの能力」の二つをこの手に宿しているんだそうだ。掴み弾く力というのは、ある一定の物に触れる事ができ、そして弾き返す事ができる能力なのだそうだ。どうも、触れられない物もあるそうだが、、それも、俺の腕の関節までがその能力の覆われたラインだそうだ。

そして上乗せの力は、その掴んだ物に力が掛かっていた場合、ソレをさらに上乗せ、つまりその力を増大させる力だそうだ。これにはまだ判らずじまいな所もあり、中々なぞが深いのだが、、。

ソレからなぜ帰れないかと言うと、、空間を上回ってしまった物が覆ったから、、だそうだ。

 

よくわからないのだが、どうも、俺がこの手を持っている内は空間、つまり帰る扉のバランスを上乗せし崩してしまい一時的にでも閉じてしまうという事となる。

 

俺が帰ろうと扉に近づくだけでその空間はへし曲がって使い物にならないという事になると言う。俺はこの手の力を持ち続けるまで、帰る事は不可能、という答えに辿り着いたのだ。もしいうならば、「腕を切り落とす」事で帰れるかも知れないというが、、、コレはない。

 

いまはやっていないが、俺は野球をしていた。

その時の俺は、、輝いてた。

 

攻めに関してはノーマルかそれ以下かだが、投球精度と、キャッチに関してはプロに並ぶとまで言われた。その時は甲子園目指せ!なんて、輝いてた物だった。だが、

ある試合。俺は焦っていた。俺に勝つと宣戦布告してきた、強豪&超不良高と戦っていたのだ。そして俺は最終回で球を拾いバックホームへ投げ入れ、俺はその試合に勝利という終止符を告げた。しかし、その時のバッターが逆ギレし、俺の肩をバットで思い切り殴りつけてきた。

 

きっと、肩は直ってると思う、でもあれ以来野球をしようとは思えなかったのだ。

それ以来やっていなかった野球も、なぜか今にも未練をたらたら垂れていた。

またやれるんじゃないだろうか。なんて考えて、だから腕を切り落とすという答えはダメだと決めてしまった。

 

「、、、俺、、帰れんのかなぁ、、、」ポツリと言葉をこぼした俺は、空を見つめている。

真っ青だ。その中に綿菓子みたいな雲が大小様々の大きさでちりばめられていた。

美しい。だけどその美しさが辛かった。

「・・・・・・ん?」

その空に擬態化した何かが、、ある?

ヒューッ、、と音がドンドン大きくなり影が大きく、、この感じ前にも!!

「よおおおおおおおおお!かああああみいまさああああ!みこおおおお!」

「チ、チルノオオオオオオオ!」

俺、俺の上から降ってくんな!そのまま落ちてきたら頭がカチ割れる!

「ぉ、、おおお!!」

来た影に霊夢は的確にお札を投げつけた。いつもはギリギリでチルノがピチューンと音を立てて吹き飛び、また復活する流れがこの二日で作り上げられていた。

ぉ、、おおお!と言ったのは、判っていても慣れていないからで、まぁ。だいじょぶでしょー

「黙れ⑨」 そう言って霊夢は想像通り札を投げつけてくる。

綺麗にまっすぐ飛び、チルノに突っ込む。確実当たると思い、警戒も取れ少し余裕になって笑った瞬間、 カシュンッ、

「カシュン?」その音が耳に入って気付く。札が、、真っ二つになっている。つまり効果が、、ないいいいいいいいい?!

「、、!!チルノおおおおおおおお!!思いとどまれぇぶぇ!」

綺麗に頭にヒットした。スローモーションで撮っていたなら、きっと素晴しいオブジェ顔が取れていたに違いない。凄まじい頭痛。そして喋っていたのに舌をかまなかった自分にほめる一言をかけてやりたかったが、歯が痛んだので止めておいた、、、。

 

 

 

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「、、、、で。アンタは?」

今ハクレイ神社の屋根の下、日陰に入り正座して座っているのは俺。霊夢。そしてチルノ(正座といっているがソレは座禅だ)そして、、、、知らない大人の女性。

正確にはもっと違うのだが、というか全然普通じゃないんだが。

見た目から言わせれば、さらしを胸に巻き、長い長いポニーテールの女の人だった。綺麗な顔つきで、どちらかというと男前という感じだが。

その彼女はまるでどこからか来た武士少女、といった感じにも感じられた。

その女の人の後ろには、、

すっさまじい大きさの大剣を持ち合わせていた。

異様の何者でもない。

 

ヒソヒソ、、「霊夢、、この人、、だれ?」

俺はなんとなくだが、あのときを覚えてる。俺とチルノが水に巻き込まれた時見た影、それと彼女がなんとなくカブっている。だがだれなのかなどわかる訳もない、もしかしたら違う人かもしれないし、、

 

コソコソ、、「知らないから質問してんのよ」

あまりにもそっけない答えだった。

「どうも。お初にお目にかかる。私は音水リヤ。こちらは私の主だ。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そう言って手を向けたところには、、あほそうな顔で寝てる、、チルノ。

「・・・・あれがあるじ?」

「はい。彼女は私の主、産みの親、」

 

「・・・・・・・・」「・・・・・・・・・」「・・・・・・・・?」

シーン、、と時間が過ぎる。俺も霊夢も言葉が詰まっている。そして二人の声はダブって放たれる

「うみのおやああああああああああああああああああ?!!!!!?」

「うみゃ!?な、なんだ巫女!?」 寝ていたチルノは飛び起きてそのとなりの女はハンカチでその口元のヨダレを拭いてあげていた。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「、、て言うと?」

さらに詳しく話しを聞くことになる。二人ともシンケンなまなざしで音水を見ている。音水はなんの疑問もない。迷いのない目で見つめてくる。チルノはあいかわらずバカやっている。ほっとこう。

「つまり。チルノがピチュられる度に散っている微弱の妖力が溜まりに溜まったのがあんたってことかしら?」

「うむ。」

「で。あんたはそのチルノと生活し始めたのは?」

「今日からだ」

「ふむ。チルノはバカだから何も言わなかったのか。」

「主を侮辱するのはダメだ。メッなんだぞ?」

「・・・なんでかしら。私このコみるとイラッとしちゃうわ。」

「ぇえ?!なんで?!」

「なんでかは知らないけど、、なんかあれだわぁー、、」

「お、思い止まるんだぞ霊夢!抑えるんだ!」

「、、して。貴方方に頼みがあるんですが、、。」

「あん?」「え?」

俺は霊夢の背中を摩っている時にその一言を受ける。ナンだろうと思っていると音水はチルノの方を向くとちょいちょいと手招いた。チルノが片手を挙げていった。

 

「そうそう!かみまさああああ!ちょっとおねがい!」

いつもの音量を考えない馬鹿でかい声。考えない様にしておこう。

俺はソレにいやな気がしながら顔を近づけ言葉を聞く。

「な、、なんだよ?」

 

「リヤとたたかってくれえええ!」

「「、、、、、は?」」霊夢と二度目の声のダブった瞬間だった。

 

 

 

 

 

==================================-===============================-=============

 

ここはある広場。下は地面、茶色の固い砂が押し固まっている。

 

近くにあの湖がある。多分雨やら湖の水やらを受けて押し固まったんだろう。身体を叩き付けられるとひとたまりもなさそうだ。周りは森になっており、いろんな木々がザワザワ風に煽られ揺れている。

 

「がんばれー!リヤー!かみまさー!」声援を送るのはギャラリー。チルノだった。他のギャラリーは霊夢と魔理沙のみである。魔理沙はいきなり呼びつけられた様で退屈そうだ。

そしてその硬い地面を踏みしめ中心のちょい左側にいるのは俺。そしてその離れた所には、、

その音水リヤがとってつもない大剣を不恰好に腰に刺して立っていた。大剣のサヤはなく、その帯剣全体に少し茶色ボケた布っきれが覆い隠し、まったく剣が見えないのでそれはまさにサヤと読んでもいいと思う。

 

音水とほんと大きさが変わらないほどで、どちらかというと音水よりでかいかもしれない。

ソレほどの大きさだ。

「じゃあ。よろしくお願いする」

「あ、うん、、」(くっそおお!何でこんな事に、、、)

ソレは今から数時間前、、

 

 

「え、?どういう意味?」

そこで説明にはいったのは音水だった。

「私は、主が打ち負けるたびに力を増していく。最初はほんとになんともなかったんだが、最近はお腹が一杯状態で、、これ以上力を取り込むと私は破裂して存在がなくなる。」

「え、、?」

「そのために力の浪費をする必要がある。その為に」

「戦闘、、、とかいわねえよな?」

「・・・・・・・・・」

「言うつもりだったんかああああい!」と突っ込んでしまった。

結局その後話し合った後、、

 

話負けましたw、、、ウワーン

 

 

え、、あ、」

 

「、、く、くそ、!やるしかない!」

「では、よろしく」

そう言って大剣を手にとって、、、構えた。布がすれて少しずれた。そう言って一礼され、「あ、うん。よろしく」と頭を下げた。

瞬間俺の頭の上を擦れ擦れに布巻きされた大剣が通っていく

「う、、お!?い、いきなりか?!」

先程のクールな目付きなままだが、確かにヤル気を込めた目つきだ。

鋭く目角が尖って集中力が察せられる。

大剣を引きずる様に構え姿勢を低く足早く走ってくる。下から俺の表情をのぞく様に構えた剣は布で覆われているが、その切っ先が鋭く感じられて恐ろしい。

「、、、、ぐぉ!」

ソレは大剣とは思えない速さで艶やかに滑らかに俺の目の前を掠めていく。

ギリギリに避けまくり、拳を握りこみいつでも弾く事のできる準備を作り上げる。

姿勢が崩れそうになりつつも、体勢を整えながら間合いを計る。

 

地面すれすれに切っ先が向けられながらゆっくり下から抉る様に上に切り上げられるが、下から顎へ向けた一閃を弾き押さえ込む。軽く乾いた弾ける音と共に俺の掌は押し上げられながら大剣を押し込んだ。それに軽く警戒心を持った様に音水は目を軽く細めるが、すぐに目角を尖らせ大剣を横へ薙ぎ払った。その一撃で身体が真っ二つにならない様に警戒心を強める。

 

それに付いて行く様に大剣に巻かれた古布が流れる。姿勢をすぐ屈める形に取り直すと、薙ぎ払った大剣は脳天擦れ擦れに飛び目の前に見えたのはただ単に大剣と汚れた包帯の影だけだった。

 

その動きを責めて止めようと付いて行く薄汚れた包帯を手で鷲摑みする。すると布が張り付く様に大剣に巻きつかず、布がギチギチと外れるだけだった。

「えっ」ソレは俺の想像していたあの大剣ではなかった。銀ぎら銀に煌く剣ではない、ゴツゴツとしたシルエット、銀色とはお世辞でも言えない、冴えない茶色の剣肌、ソレは、、

 

木刀だった。

「木と、、、!!」

「ふむ。バレたか。相手を圧倒させるなら、本物の剣と思わせるのが適正だと思ったのだが」

木刀は、俺の想像しているものとは全然サイズが違うものだった、桁外れだったのだ。

大きさが1m5,60cmレベルの大きさの木刀なんて見たことも聞いた事もなかった。

その木刀は無骨な作りで、所所に凹凸がある。一言で言えば、、ヘタな作りだった。だがその木刀は光を受けると瑞瑞しい光を返す。不器用ながらに何か美学的なものが感じられた。

「コレは、ワタシの手作りだからな」

「?!」

心を読まれた、、!? 警戒で後ろに後ずさる

「あなたの表情は読みやすいからな、、」

「くっ、、」

なんかむかつく、、!

今真剣に避けてる分舐められた様な言い方は辛い。つかむかついた!

 

「、、あんた、、ぶったおす!」

俄然やる気出てきちゃったぞこらあ!

 

拳に力を込めて殴りこむ、ふらりと体重を後ろにかけて避けられた。ソレを追う様に足を引っ掛け様としたが、読まれていたのか跳ねて避けられる。

「動きが単純だ。もう少し機敏になる事を進める」

ブッチン!

「、、おっしゃ!そこまでいうなら、、俺に勝って見ろこらああ!!」

 

「うわー!神雅なんかヤル気マンマンー!」

「いや、、ただ単に意地になってるだけだろ、、?」

「、、ハァ、、これだから、、」

 

大剣を強く握り込んでいるのが音で判る。ギュッと凝縮音が聞こえる、ググッと力を込め握り込んだ音は心地よく耳に届く。近いからこそわかるが、握り込んだ力が異常であるのを実感した。バットを握り込む様な感じだろうか、だがその中でもコレほど握り込む事など出来ない。

 

「避けるだけではなく攻撃法を知るべきだ」

大剣はいつのまにか上に、持ち上げられてる。先端についた砂がパラパラ毀れ落ち、ソレが地面に落ちた頃にはその大剣も振り落ちていた。

「!!」

先程と比較にならないスピードで落ちてくるソレを深く蹴り込んで弾き返す。横に軽くぶれる様に地面に落ちるが、地面を削りながら切り上げに掛かる。身体を横に倒しギリギリかわす。

 

「は、、やい!」「それはどうも」大剣が消える。刀身は消え、そこには斬影が飛ぶのを確認した。

「、、っ!」ソレを殴り飛ばすとガシュン!と音が乾いた音がする。残影は消し飛んだ瞬間、新たな残影が目の前に現れる

脳天にソレは鈍い音と共に到来した。頭に掛かったダメージで後ろに吹き飛ぶ。脳みそが揺れる、脳みそから伝う様に身体を這い回る痛みが足先にまで伸びきっていった。

木に張り付く様にぶち当たる。木が軋む音と身体が悲鳴をあげる音が身体に馴染んで行く。

「、、が、、、は、、っ!!!」

身体にダメージが染み渡り、嗚咽が口から漏れていく。骨が軋む音を内側から聞こえる。

「なるほど。ちゃんと機敏性はある様だ、一度でもワタシの一撃を止めたか、、」

「、、ゲホッ、、それ、、もっとむかつくぞ、、」

喋る余裕がまだある様だ。自分でほっとした。

「あなたは、私となにがしたいんだ?」

「そっちから話持ちかけてきてこれか!?ぁ、痛ぅ、、切れた!もう切れたぞこらー!!」

 

重い腰を無理矢理意地が押し上げる

 

「ふむ。もっと早く動くべきだと思うが、、」

「っかあああああ!」

また目つきが鋭くなり大剣を構えてくる。構えは特殊だ。姿勢は低く、大剣は地面に先端が触れている、地面をずりながら動かしている事にズリズリ音がする。足を大きく開け蟹股状態、腰を低くし、相手に対して横を向きながら蟹股状態、コレは異型な状態にしか感じられない。

俺は睨みを利かせて集中しながら拳を握り込み突っ込んだ。

相手は顎に決めに来る。地面を深く抉りながら斬上げてくる。ソレも先程の比にならない速さになっていたが、冷静に見取り横にかわす。上に上がりきると今度はそのまま下に切り下げてくる。予想外ではあったが、すぐに右足を軸に回転して避けた。音水に殴りかかるが、いきなり視界がぶれて吐き気がこみ上げて来た。「、、っか、、」音水は片足を上げていた。俺の腹に思い切りキックを受けたのだ。怒りがその痛みを和らげる、身体をすぐに上げてまた近づきに掛かる、

「ワンパターン、というものだったか」

嫌味を飛ばしているがどうでもいい、今はその構えを見つめながら近づく。

決心した様に息を吐くのを聞こえてくる。彼女の眼が座った。

「、、あの斬り」「、、あん?」

そう言うと深く木刀を後ろに引き下げ、目をカッと開き切り、斬りかかって来る

ズゥオンッ!と風が爆音に変わって聞こえる。「、、くっ!」身体を深く引いてギリギリ避けるが、風に煽られ後ろに深く吹き飛んだ。

風で煽られ3mは転がった、すぐ立ち上がるがその時俺の目の前、正確にはすぐ近くの下にいる、俺の腰の辺りに頭があり、腕を引き切り今にでも突き出そうとするのが眼から漏れる決意で確信した。

「いの突き」

立ち上がった俺に大木刀を突き刺しに掛かった。速い、感覚的に掌を前に突き出し弾く、。

「うの掃い」弾け横にこぼれた大木刀はすぐ横からスピードを乗せ切り払ってきた

身体を瞬間的にしゃがみ込ませて避ける。風そのものが刃物の様になり、その一撃一撃を避けても風で服や肌が切れているのにしゃがんで視線を自分に巡らせて気付いた。

 

しゃがむ、そこにあるのは自分が相手に懐に居る意味となる。

くら、、え!

 

「ぉおおおおおおおお!!」

右手が音水の腹に食い込んだ。「ぐ、、、、っ」音水が軽くよろめいた。ここぞとばかりにチャーンスッ!と左手も振り上げ顔面に一撃食らわそうと一歩近づくが、、目の前が真っ青になった。ソレと共に息苦しさが張り付く。(、、な、なんだ、、!!)それは、、水だった。大量の水が地面の割れ目から間欠泉の如く吹き上がっている。

 

 

地面から穴があき、ソレから溢れる水は勢いが強い、ホースの口を塞ぎに掛かると水の勢いが強くなるのと同じ理屈。

凄まじい水の勢いはただの強い拳になんら変わらない攻撃になっていた。

水に身体を押し上げられ遠くに吹き飛ばされる。

「う、、わぁ!」

宙に浮く。という感覚を体験したことはない。数メートル↑に吹き飛ばされた、が空中でクルリッと一回転すると着地する最高の角度となり、受身を取り立つ事ができた。

 

 

 

「、、すまなかった。少しは甘く見ていた様だ。」

水の壁の向こうから声がする。水の吹き上がるドドドドッという爆音の中、なぜかその物静かな声がよく聞こえた。

「うの掃いの隙を狙うほど状況判断に長けているとは思わなかった。私も、、少しは表を見せるべきだろう」

そう言ったのが聞こえる。水の壁に女の子と異常な大きさの剣のシルエット。

 

 

 

「ワタシの産みの親は、氷の妖精だ。ならば」

ドンッ!と音と共に間欠泉は一瞬途切れた。その一瞬だけでまた間欠泉は水を噴き上げるが、その一瞬で彼女の表情と、はっきり聞こえた声がさらにくっきり聞こえたあの言葉で身震いした

 

 

 

「ワタシも水を使ってなんらおかしくないだろう?」

物静かながらの顔で、ワラったあの表情は怯む対象に十分なると思う。

間欠泉は少しずつ力を失っているのが判る。水が無くなって来たという事だろうとおもった。が、水のシルエットの変化に気付く。あの大木刀の陰がくっきりしている。

木刀の影で彼女が見えないほどだ。その影が水が少なくなるたびくっきりしている。

間欠泉が引いたとき、その大剣はずぶ濡れになっている。

大木刀から水が何度も止め処なく零れ落ちる。水の地面へ弾ける音がくっきり聞こえた。

ソレほど場の空気は張り詰め静かだった。あのチルノさえ喋っていない。

ずぶ濡れの帯剣を振り、俺に説明する様にひとり言を喋る少女。

「この『斬塵返り』は、ある神木を削って作った私の初めての武器だ。この神木は、吸引力が凄くてな。削られた今でさえその吸水力は衰えてはいない。この削られた断片であるコレも例外じゃない。」

その大剣を肩に抱える。そして眼が、、また座った

「ワタシはこの初めての力と共に母の力の断片を受け、あなたを全力で倒すぞ。神雅」

「、、、こい」

俺の声は、その声を受けてドキッとした。

内側が熱くなった。心が沸騰した。頬が熱くなり、躍動感が跳ね回る。

懐かしい感覚だ。これはまるで、、 

 

あのときの俺の心

 

「こい!!」

俺の力はどれ程強力で。どれ程危ない力かは知らない。

だけど、今は、、この楽しいと思った瞬間をタノシメ、、神雅!

 

水を吸った斬塵返りを肩に抱えた状態から、その肩に乗せたまま身体を何度もクルクル回転する音水。そしてスピードが一瞬急上昇した時、何かが少女の周りから広がった。

「!!」

掌を突き出し、その広がる何かを掴んだ。

カシュッ!と音がする。今度は潤った、軽い音だった。

それは、、水だった。

水のリングが彼女の斬塵返りから溢れ噴出し刃となり広がっているという事。

彼女の回転が止まり、彼女が呟いた。

 

「 水刀「廻水」 」

 

剣が肩から落ちて、、また俺に跳ね上がって来る。すぐに距離を取られ、その刀が降りかかる

ギリギリ避けながら感じた。

水を吸わせている事で、木刀の重みが増し威力が増してる、、しかも木刀が振られる度水しぶきが飛ぶ。

水しぶきが目に入る度隙ができてしまうし、身体に水が触れるだけで気が少しは削がれてしまう。

水を吸わせる剣、それは凄まじい必殺技だった。方法としてもよく冴えたものだと俺は思うし、凄まじい威力なのも感じ取れた。

この女、、、 強い!

 

剣が飛び跳ねる様は生き物の様。けっして軽くはないだろう刀。ソレは隼。

 

けれど、ソレでも、熱くなった なぜかは知らないけど 熱くなった  ならソレを

 

破る事 それが俺の今の やるべきこと--!

 

 

「おおおおおおおお!!」

カウンターを決めようと相手の剣の下を潜る、そして下で足が跳ね上がる。腹を決めに掛かるが一瞬で避けられ剣が下に降りかかる。

「クッ!」

両足で大木刀を挟む。

「!」

向こう側も、まさか刀を足で止められるとは思わなかったろう。力が篭る。力を足へ巡らせ、力の限りを尽くす。

「ぉ、、、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

「、、はぁあああああああああああああああああああああああ!!」

刀に掛かる力が強くなる、それでも負けられなかった、負けたら股が真っ二つだ!

力負けし始めるが、体勢を整えて何とか刀を使い後ろに跳ね上がって避ける。刀は力を地面に思う存分消費させた。

大木刀はすぐ体勢を戻し構えられた

「 終らせル 我ヲ使イ魔  」

言動が捻じ曲がった世界

 

ソレを切り開くのは

 

俺の拳!

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

「水斬:牛 『切り斬リ 蝸牛舞』 」

 

音が聞こえ、弾ける感覚と、 自分の限界点を、 見て俺の意識は消し飛んだ、、

 

 

 

 

 

*******************************************************************************

 

 

 

「、、、霊夢」

俺は眠っていたようだった。意識を取り戻し、なぜかいつもの様な倒れていた様なだるさはなく爽快感を満たした状態の起床。

「あら。起きた?あんたも無茶やるわねー。ただの力の浪費の手伝いでしょうに」

「、、、、、ぁ、そうだっけ?」

その言葉で霊夢の顔が固まる

「まさか、、、あんた忘れてたの、、?」

「え、、あ、、うん」

「、、、、あんたって一度間違えたら、わかってても突き通す様な性格よね絶対。」

「、、、、否定しないよ」

アハハハッ と二人で軽く笑う

「、、、どうなった」

「あんたの負け。惨敗よ。相手が手を抜いているのによ?」

「、、、、あれで、、、手を抜いてくれてたのか、、」

なんかソレを聞いて傷つかなかったのが不思議だった

「、、あ、そうそう。伝言が、あのコからね」

「、、え?」

「えっとねぇ、、『神雅、起きたら伝えておこうと思う。私に協力してもらい助かった。そして、、すまなかった。ワタシはいつの間にか、力のセーブが少し解けていた。だから水木神刀を使うことにもなってしまった、、もう一度謝らせて欲しい。すまなかった。』だってさ」

 

「・・・・・・・・・・」

言葉が無くなった。何故か悔しくもない。清清しい。が、

「霊夢、、、俺、決めた」

「え?」

「俺、、ここにいるのを苦に考えすぎてた」

俺はすらすらと言葉を並べた

「ここにいるのを最悪と思ってた。でも、俺決めた」

「、、なにを?」

「俺、ここにいる理由を見つける、ココに来たのには、きっと神様が何か俺にさせようとしてるんだと思う。ならその理由を見つける。ここにいる目標を作って、ココにいる事が当たり前って思える様になる。」

スラスラと、俺の想いは言葉になった

「ここにいるのは当たり前に思える様になるのを、、見届けてくれないかな?」

ぶっ倒れて、地面に転がり自分を立ちながら俺の顔を見下す少女に言う。大の字でぶっ倒れた体、 「 ← の形で俺を見下す少女。

「、、、、、、いいわよ。」

少女の言葉を受け取り、俺は熱くなった体を無理矢理起す。霊夢の肩をかりる。そしたらもう片方にも力が込められた

「魔理沙、、」

「ワタシも、見届けてやるぜ。神雅―」

二人は俺の両肩を支えながら、俺をハクレイ神社まで運んでくれた。傷は浅いそうだし、明日には動けると思う。と魔理沙は言ってくれた。俺は心のそこから温かい皆に支えられ

ながら、また眠りにつく。

俺のこの場所にいる目標は、、、まだ見つからないけれど。きっと見つける。明日また考えよう。、、、、、、、、、、、、、明日の朝ごはん、、ハモの塩焼きにしようっと、、、、、 

 


 
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