No.95911

魏√風END 紫苑編

†龍†さん

4作品目となります。
紫苑はちょっと自分には荷が重かったですorz
色々変なとこも多いと思いますがよろしくお願いします。
言い訳等はあとがきで・・・・・・
いつもの如く1ページ目は同じなので過去作をお読みになられた方はスルーしていただいてもかまいません。

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2009-09-17 22:23:46 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:6655   閲覧ユーザー数:5330

三国に平和が訪れたその日、最後の戦場となった成都では、将が、兵が、民が皆で平和になった世を喜び大宴会が行われていた。

身分の違いなど関係なく皆が皆さまざまな形ではあるが戦乱が収束したこの日をを心の底より喜んでいた。

 

(・・・これで三国に平和が訪れたか・・・・)

俺はそんな風景を眺めながら1人物思いにふけっていた

(もうちょっとこの世界にとどまって居たかったけどなぁ)

俺には確信があった。

三国に平和が訪れる日が来たら自分はこの世界には居られなくなるだろうと

(それでも・・・この平和のためならば惜しくは無かった・・・かな・・・)

 

「あはは~華琳さ~ん♪」

 

「ちょっ、桃香あなたどこ触ってるのよ」

 

「いーじゃないですかー触って減るもんじゃないんですからー」

 

「ふ~ん・・・それは触って減るほど大きくも無いってことかしら?」

 

「いや~そんなつもりじゃー・・・・・キャー」

 

「待ちなさーい!!!」

 

「まったく、何やってんだか。」

 

「雪蓮さーん、助けてくださーい;;」

 

「無理よ。自分でまいた種なら自分でどうにかしなさい。」

 

「そんなぁ~;;」

 

「さぁーて桃香?覚悟はいいかしら?」

 

「いや~~~~・・・・」

 

 

(3人とも仲良くやってるようだな・・・これなら俺がいなくとも大丈夫そうだ)

三国の王が互いにじゃれあっている?様子を見て俺は安心するように息を吐いた。

 

「? ご主人様?どうかなさいましたか?」

側にいた愛紗がそう訪ねてきた。

「いやなんでもないよ。ただ賑やかだなぁって思ってさ」

「そうですね。もう明日への死に怯えずに生きられるその喜びからでしょう。」

「そうだね。これからは三国でこの平和を維持していかなければいけない、二度と戦乱の世にならぬように」

「ご主人様、それに桃香様、曹操殿、孫策殿がおられれば大丈夫でしょう。」

愛紗は微笑みながらそう答えた。

(俺は、もう無理みたいだけどね・・・・)

 

「ごめん、愛紗ちょっと厠に行ってくるね」

「あっ、はい分かりました」

 

(さようなら、そしてごめん桃香 愛紗 鈴々 朱里 雛里 星 月 詠 恋 音々音 蒲公英 

 翠 桔梗 焔耶 麗羽 斗詩 猪々子 美以 ミケ トラ シャム 白蓮、そして紫苑・・・・)

 

俺は最後に三国の皆が騒いでいるその宴会場を眺め、皆に心の中で謝って歩き出した。

厠に行くふりをして森の方へ行きしばらく歩いていると不意に小川のほとりに出た。

 

その川を眺めながら

 

「なんで、どうして、ここに残っていられないんだよ・・・・・なんで・・・・」

 

俺は、皆を残していくことの罪悪感と皆といられない未来に涙した。

 

「くそ・・・・ちくしょう・・・・」

 

「ご主人様?そのようなところで何をしてらっしゃるのですか?」

 

「え・・・・」

 

振り返るとそこには紫苑が立っていた。

 

「いや、なんでもないよ。ちょっと飲みすぎたみたいでね。酔いを醒ますついでに散歩をしていたのさ。」

 

「そうでしたか・・・・」

 

「あぁ・・」

 

そして沈黙が流れる。

 

それは数秒だったか、はたまた数分だったか分からない。そんな中ふと紫苑が口を開いた。

 

「嘘・・・ですよね?」

 

「え・・・・?」

 

「酔いを醒ましに来たというのは嘘なのですよね?」

 

バレていた。さすがは紫苑というべきか。

 

「いや、嘘じゃないよ?第一嘘をつく理由がないじゃないか。」

 

それでも俺は嘘を突き通すが・・・・

 

「ならば何故先ほど泣いておられたのですか?何故そのような顔をされているのですか?」

 

「俺の顔がどうかしたのかい?」

 

俺は精一杯普段どおりの顔を作った。

 

「愛する人の表情が作り物であることくらい見抜けないとお思いですか?」

 

もう・・・隠し通すのは無理だな・・・・。

 

「あぁ・・さすがは紫苑だね。そのとおりさっきのは嘘だよ。」

 

「やはりそうでしたか・・・こんな時間に一人でここで泣いておられたということは・・・やはりそういうことですか?」

 

「あぁ・・そうみたいだ。どうやら俺はこの世界には留まっては居られないらしくてね。」

 

「そうですか・・・・・」

 

そして再び沈黙が訪れる。

 

「桃香様をお呼びして来ましょうか?」

 

「いや・・多分もうそんなに時間もないだろうし、それに今だけは幸せの中に浸っていてほしいかな。」

 

「分かりました・・・・」

 

そして三度の沈黙が訪れる。

 

ふいに紫苑が話し出した。

 

「これまで、色々なことがありましたね・・・ご主人様の下へと降り、桔梗、焔耶ちゃんと戦い、そしてこの呉蜀対魏の争い

 この大陸に平和な時代が訪れたのは、間違いなくご主人様のおかげでしょう。」

 

「ははは・・・そういってもらえると光栄だな。でも俺だけじゃないさ、皆が居たからこそだよ。」

 

「ふふふ、ご主人様らしいお言葉ですね。」

 

「俺一人の力なんてたかがしれてるからね。これからの平和なときを俺が居なくなっても守ってくれよ?」

 

「ええ。この命に代えましても。いずれご主人様がお帰りになられたときに失望させぬように守り抜いて見せます。」

 

「ああ、ありがとう・・・」

 

徐々に俺の体が消えてきているのが分かる。

 

「自分で言うのもなんだけど俺が消えたなんて知ったら皆悲しむと思う、だから紫苑そのときは皆を頼むよ?」

 

「ええ、お任せください。」

 

視界もどんどん悪くなっていく。

 

その視界の中紫苑が静かに涙を流しているのが見える。

 

「後は・・璃々ちゃん・・・に・ごめん・・ねって謝っておいて・・もらえるかな・・?

 それと・・・お父さん・・は必ず・・帰ってく・・るから・・・とも。」

 

「ええ・・・・」

 

言葉も途切れ途切れになって行く・・・・

 

「もう・・そろ・・そろ・・時間・・みた・・いだ・・な。

 さい・・ごに・・紫苑・・・愛し・・てい・・る・・・よ。」

 

「私も・・愛しています・・・・ご主人様・・・」

 

その言葉を聞き終えると共に北郷一刀はこの世界から姿を消した。

 

「本当に・・・罪なお方・・・・明日この事を知ったら皆悲しむでしょうね・・・・

 ご主人様との約束をお守りするためにも私はいつまでも悲しんではいられません・・・・」

 

そう言う紫苑の足元には水が滴り落ちていた。

 

「ですが・・・今日・・・今日だけは・・・」

 

河原の側で紫苑は一人静かに涙を流した。

 

それを月と星だけが冷たく見つめていた。

~数ヵ月後~

 

「おかーさーん、こっちこっちー」

 

「ふふふ、璃々ったらそんなに急がなくてもいいのに」

 

この日紫苑と璃々はあの河原へと向かっていた。

 

「それにしても璃々が元気になってくれて良かったわ」

 

北郷一刀が居なくなった翌日、やはりそれを聞いた蜀の面々は深く悲しんだ。

 

そんな中紫苑は北郷一刀との約束どおり、皆を励まし続けた。そのおかげで皆の悲しみも癒えることは無くとも薄れてはいた。

 

そんな中やはり璃々は一番ふさぎこんでいた。それもそうだろう父親を2人も亡くしているのだから。

 

しかし紫苑が必ず帰ってくるから皆で待ちましょう?と毎日のように言って聞かせ慰めているうちに

 

徐々に元気を取り戻し、今ではこうしてあの場所へ行くことも出来る様になっている

 

「おかーさーん、お花ってこれでいいー?」

 

「ええ。ありがとう、璃々。じゃあ次はお掃除をしましょうか?」

 

「うん!」

 

そして2人で掃除を始める。璃々も小さいながら一生懸命やってるようだ。

 

「よし綺麗になったわね。じゃあお父さんにご挨拶をしましょうか。」

 

「はーい!!」

 

2人で石碑に向かって手を合わせる。

 

やがて挨拶が終わったのか、2人とも顔を上げる。

 

「じゃあ帰りましょうか?」

 

「うん!」

 

2人は河原を後にし、並んで帰る。

 

「ねーおかーさん、おとーさんいつ帰ってくるかなぁ?」

 

「そうねぇー。璃々がいい子にしてればすぐに帰ってくるわよ。」

 

「じゃあ璃々いい子にしてる!!」

 

「ふふふ」

 

そんな話をしながら帰る親子を夕日が優しく照らしていた。

 

 

読んでくださった方ありがとうございます†龍†です。

今回は前回リクがあった紫苑編と言う事でしたが・・・・・・とりあえずすいませんでしたーーーーm( __ __ )m

自分で書いててもはやこれ紫苑じゃないよね!?とは思っていたのですが如何せん今の自分にはこれが限界でした。

やっぱりお姉さん組みは難しいです。言葉遣いおかしい等ありましたらご報告ください。全力で書き直します。

 

さて最後に一刀が帰ってくる発言をしているのに、何故石碑なんか建てたのかということに対する言い訳ですが・・・・

すいませんこれが無いと自分は消えた後から帰ってくるまでのお話がかけないんですよorz

なのでその辺は見逃してください。

 

現在、白蓮親娘もの1つ、翠アフター、紫苑アフター、月エンド、とある曲に触発されて書いてみている華琳ものが1つ

あります。おそらく次に投稿するのは華琳ものになるかもしれませんです;;アフターお待ちの方はすいません。

ちなみに進行度ですが前から 5%(え 20% 0% 20% 80%位です。

 

それと次回の月編で魏√風は一旦中止するかもしれません。理由は過去作見ても分かると思いますが

話がワンパターン過ぎなので読んでる皆さんも退屈になるのではと思いまして;;

 

皆さん次回のお話でお会いしましょう

 

P.S

友達がバンドの映像をようつべに投稿するとかわけ分かんないを言い出しましたorz

 


 
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