No.950190 【サイバ】北城珈琲店にて(3)【交流】2018-04-27 02:03:54 投稿 / 全7ページ 総閲覧数:1112 閲覧ユーザー数:1077 |
「いらっしゃいませ!」
次に北城珈琲店を訪れたのは。
「よぉ、お二人さん」
「こんにちは」
スコティッシュフォールド種のネコ型セリアンスロゥピィ男性と、ウサギ型セリアンスロゥピィ女性の仲睦まじいカップルだった。
「あ、
彼、
「そっちの女の子は、シャイオちゃんね? 変身してからは初めて会うわね」
「よろしくお願いします」
シャイオは一礼した。
「コーヒー2つ。あと、サンドイッチも二人分」
晴一が注文を告げる。
「かしこまりました」
厨房に向かおうとする狐太郎とシャイオ。
「あ、ちょっと待って。シャイオちゃん、こっちへ」
レインがシャイオを呼び止めた。
「すぐ終わるから。狐太郎君は先に行ってていいよ」
「わかりました」
狐太郎が厨房へ消えたのを見計らってから。
「シャイオちゃん、ちょっと両手を出して」
「え? こうですか?」
シャイオが差し出した両手を、レインの両手が優しく包み込んだ。シャイオは、手の平が暖かくなるのを感じた。レインは、そのまま、その手をシャイオの胸に押し当てる。手の暖かさが胸にじんわりと伝わっていく。
「勇気の出る魔法をかけてあげたわ。狐太郎君に伝えたいことがあるんでしょ?」
シャイオの顔が輝く。
「は、はい! ありがとうございます!」
そのまま、シャイオは厨房に駆け込んでいった。
「……なあ、本当は何の魔法をかけたんだ?」
コーヒーをすすりながら、晴一がこっそりレインに訪ねた。
「うふふ、ただの温熱魔法よ。彼女の背中を少し押しただけ」
レインはいたずらっぽい笑みを浮かべる。
「プラシーボ効果ってやつか。お主もワルよのう」
晴一も笑いながらサンドイッチを頬張った。
「ありがとうございました!」
「ごちそうさま。また来るよ」
晴一は手を振りながら店を出た。
「がんばってね、シャイオちゃん」
レインは、去り際にシャイオにウィンクを投げかけた。
「はいっ!」
ドアが閉まってから。
「狐太郎君、今度、わたしと、アクアプラネット水族館に遊びに行きませんか!?」
風天区の片隅にある小さなコーヒー店を訪ねてみよう。
ドアを開けると、
カランカラン。
「いらっしゃいませ」
心地のいいベルの音と、コーヒーの香りと、朗らかな笑顔が出迎えてくれるはずだから。
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狐太郎君 https://www.tinami.com/view/949808
レインちゃん https://www.tinami.com/view/738604
シャイオ https://www.tinami.com/view/948606
晴一 https://www.tinami.com/view/783924
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