第1話 「なぞのある人々」
〇山々の景色がきれいの昼下がり、山を降りてきたパスカルくん。あけぼの商店街前の道路。ふろしきの荷物を背負って歩いて来て。町を見上げる。
パスカル
「あ~。ここが恐ろしい人間の住んでる町かあ~。きんちょうするにゃあ~。(>_<)」
(初めて観る町にどことなく感動とドキドキのパスカルくん)
パスカル
「だいじょぶかにゃあ~。にんげんは見た目じゃ分からない怖い生き物だから油断すると殺されちゃうってお兄ちゃんが言ってたけど・・・。やっていけるかにゃあ~。」
(きょろきょろ見回して不安そうな顔をしていると、道路の向こう側のバス停でスカーフを頭に巻いてサングラスをかけた上品そうな女性が大きなかばんを手にバスを待っている。どことなく安心できそうなその姿に。)
パスカル
「レッサー語(しゅみましぇ~ん)。\(^o^)/」
(とっさにその女性に向って走っていくパスカル。「キキッー。ピピー」と走りゆく車が、いきなり飛び出してくるパスカルに急ブレーキをかけたりクラクションを鳴らしたりと大騒ぎに。)
運転手A
「あぶねえだろ~が、コラ~っ!(# ゚Д゚)」
運転手B
「ひき殺すぞ、てめえ~。」
(その光景にあぜんとするスカーフの女性。)
(さいわい事故にはならず、車はみんな走り去っていく。パスカルは、そんな人々の罵声や怒りなどきにもせず視線はその女性一直線で。)
パスカル
「(あの僕、今日初めてなんです。山を降りて来たの。そんでもって僕を飼ってくれそうな、優しい人を探してるんです。お姉さんすごくやさしそうで安心できそうってゆうか・・。)」
(スカーフの女性、パスカルが何を言っているのかさっぱり分からなくてたじたじしていると商店街の方から魚屋らしい長靴とエプロンをした男の人がこっちに・・・。)
魚屋
「こら~っ。このどろぼうねこがあ~っ。!(#⊳Д⊲)」
(激しく怒っている様子の主人)
(女性とパスカル同時に振り返り、だが女性は急にあわてた様子になり、パスカルはわけが分からず。)
パスカル「(誰だろうあの人。どろぼう猫って?)」
(瞬間、女性いきなりパスカルの背中をぼむっとふみつけて向こうの道路に走り出す。すごいいきおいで。かばんもしっかり抱えて。)
パスカル
「(とがったハイヒールで踏まれて)ギャニャア~ッ。\(☆Д☆)/!」
(起き上がろうとしたら、魚屋の主人にも同じ所を踏まれて)
パスカル
「(目に火花が走って)ギャニャニャア~ッ。\(☆Д☆)/!( ノД`)シクシク…」
(女性を追いかける主人。二人とも走りながら・・・。)
魚屋
「まちやがれこのぬすっとがあ~っ。!(#⊳Д⊲)」
スカーフの女性
「許してくださあ~い。病気の主人にうなぎをどうしても、食べさせて上げたくてぇ~。( ( ノД`)」
魚屋
「だまれ~っ。ごんぎつねじゃあるまいし、そんなおとぎ話に、だまされるかあ~っ!!(#⊳Д⊲)」
スカーフの女性
「本当です~っ。( ノД`)シクシク…」
(赤信号なのかまたもや急ブレーキやクラクションが鳴りひびく。)
運転手C
「おめ~ら死にてえのかぁ~。!(#⊳Д⊲)」
運転手D
「何考えてんのよぉ~。!\(⊳Д⊲)/!」
(聞いていない二人。走り去ってゆく。)
(横断歩道は大混乱です。)
N、にぎやかな町やなあ~。\(◎o◎)/!
(パスカル、ぴくぴくと昏倒中。)
(時間が経過して、あけぼの商店街の中の道)
パスカル
「あ~ひどい目にあったにゃあ~。荷物つぶれてないかにゃあ~。((+_+))」
(背中の荷物を気にするパスカル。)
パスカル
「あの人のカバンに入ってたの、うなぎだったのかあ~。どうりで少しうなぎくさいと思った。」
N、どんなにおいだよ?(-_-)
(しばらく歩いて疲れたころふと、あるリサイクルショップの外にあるベッドに目がとまり。ついうっかり嬉しそうに走って飛び乗るパスカル。)
パスカル
「(うわあ~い。\(^o^)/)」
(先にベッドの心地を試して、撫でるように、目がうつらうつらしていたおじいさんがとびかかって見えたパスカルに、恐怖の顔に変わる。)
おじいさん
「うわあああっ。Σ(゚Д゚)」
(入れ歯がはずれたように、つえも忘れて走って逃げてゆくおじいさん。元気ありすぎです。)
N、動物恐怖症ですか?それとも毛皮アレルギー!(◎_◎;)
(ふかふかのベッドに顔をうずめるパスカル、どこかしあわせそうに。)
パスカル
「あ~あったかあ~い。お母さんのにおいがする~う。ふっかふかだにゃぁ~。」
(物思いにふけっていると、ふいに店の奥からつるつるヘヤーの店主のとがったするどい視線がビリビリと本能的に第六感に伝わってあたふたと。)
パスカル
「あわわわわっ・・・。Σ(゚Д゚)」
(殺気を感じてすぐベッドから飛び降りるパスカル。店主の怒りがしずまるのを見届けて。)
パスカル
「(ため息)はあ~っ。やっぱり無理なのかな~人間の世界に溶け込むなんて。今日は野宿かぁ。(-_-)」
N、あんたには、それが自然じゃん!(-_-)
(目に涙を浮かべてあきらめてその場を去ろうとするパスカル。)
(その時、歩いてきた高校生ぐらいの男の子(史郎)がベッドにこしかける。)
史郎
「わあ~。ふかふかだぁ~。(^O^)」
(パスカル、振り返って。)
(どことなく平凡そうでやさしそうな男の子。)
史郎
「2500円かぁ~。買おうかな~ちょうど前のベッドお姉ちゃんに取られちゃったし。これ折りたたみ式でタイヤついてるし、持って帰れるかも。」
(パスカル、目を輝かせて最後の望みをたくすように。再びベッドに飛び乗って、すすすっと
男の子にすり寄ると、きょとんと可愛げに・・・。)
パスカル
「(ついでに、かわいいアラグマちゃんも飼ってみませんか?(●^o^●))」
史郎
「は・・はい?\(◎o◎)/!」
(ついあっけに取られてうなずいてしまう史郎。)
つづく
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あらすじ
あらいぐまのお母さんとレッサーパンダのお父さんの間から生まれた、オレンジの毛並みのパスカルくん。末っ子のせいもあって両親からも兄弟達からもあまやかされて育ったせいか、ずいぶんわがままな甘えん坊に。これでは、将来ひとりでやっていけるのか心配になった両親は「可愛い子には旅をさせよ」という精神で山から下りた下界の人間の町へ独り立ちさせようと、旅に出させることにした。兄弟にも、もまれて可愛がられてきて世の中の厳しさも全然知らないパスカル。はたして人間の社会の暮らしの中で上手くやっていけるのか?
両親の想いに心地よく返事を返したパスカル。新しい自分探しの旅へ。
ほのぼのコメディーの始まりです。
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