「この時代でも外洋は敵の勢力圏かっ!」
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マイ「艦これ」「みほちん」(第3部)
EX回:第31話(改2)<外洋へ>
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全員を乗せた機体は問題なく外洋へと出た。そして安定して水平飛行を続けている。
夕立がニコニコして言う。
「天気が良いっぽい!」
「来るときも、こうだったら良かったのにねぇ」
龍田さんが受ける。
それを聞きながら私は、晴天は普通なら喜ばしいことなのだが参謀の期待には反しているなと思った。
「皆、そのままで聞いてくれ」
技術参謀が立ち上がった。
「今回の計画について発案者である私から説明をしたいと思う」
艦娘たちは彼女を注視した。
(あ、そうか)
今更気付いたのだが今回の演習そのものは、本来の時代でも彼女が主導していたンだな。
技術参謀だからデータ収集とかも必要か。
一瞬、カメラを構えようとした青葉さんは、さすがに遠慮してメモの準備をしている。やはり彼女は興味深々だな。
青葉さんを一瞬見た参謀は特に咎(とが)めること無く話を続ける。
「大まかに言うと美保鎮守府の選抜隊がブルネイまで飛んで公開演習をする……というのが基本的な流れだった」
恐らく私も含めて全員が初めて聞く内容だろう。
(急に国家機密とか話すんじゃないだろうな?)
ちょっと心配になった。
「いずれ明らかになる内容だから敢えて伏せずに話そう。いまブルネイでは艦娘の量産化に向けた研究が進んでいる」
機内の艦娘たちは、ざわつき始める。
参謀は淡々とした表情で続ける。
「その詳細は追って司令からも説明があろう。私が言いたいのはそこではない。皆も気付いたと思うが、あの妙なブルネイの鎮守府のことだ」
艦娘たちは互いに顔を見合わせる。中には頷(うなづ)く者もいる。
「結論から言えば、我々は時を超えた……つまり、未来のブルネイへ来ていたのだ」
再びざわつき始める機内。
「静粛に、静粛に……」
技術参謀が手を上げると直ぐに静かになった。
彼女は腕を組んで言った。
「客観的に見た事実がそうだ。特に実際に相手と演習をした者が一番良く分かっているだろう?」
彼女は金剛姉妹を見た。二人は盛んに首を縦に降っている。
「ケタ違いっていうンですネ」
「装備も凄かったですよ」
これには誰も異論を挟む余地は無い……ていうか。
私は思わず口を開いた。
「参謀も見て折られたンですか? あの演習を」
彼女は私を見て笑う。
「この時代はモニターシステムが発達していてな……私が最初に居た病室にもモニタTVがあって、お前たちの戦いぶりが手に取るように分かった」
機内の艦娘たちは苦笑した。
「ついでに言えば今と未来の戦術の違いもな」
「さすが技術参謀。そこまで見ますか」
意外に夕張さんが合いの手を入れる。
軽く頷いて参謀は続ける。
「要するに今、急務なのは元居た我々の時代に一刻も早く帰ることだ。それは……」
「来る!」
急に寛代が叫んだ。
「なに?」
次の瞬間。副操縦士が何かを叫んだ。
同時に機体が進路を変え至近距離で何かが爆発。耳をつんざくような轟音と衝撃波で機体が激しく揺れる。
「奇襲っ、何かに掴まって!」
機長が叫ぶ。
だが、ほぼ同時に全員が衝撃に備える体勢になる。そこは軍人だ。こう言う事態になると反射的に体が反応する。
幾度も爆破音と、衝撃波が襲う。
機体は左右に旋回を繰り返しつつ回避行動を取る。その度に機体は激しく傾き、艦娘たちは必死に手すりや椅子につかまる。
近くのパイプを掴みながら技術参謀は言う。
「チッ、油断していた。この時代でも外洋は敵の勢力圏かっ!」
私は命令する。
「動ける者は銃座へ向かえ!」
「はい!」
攻撃が弱まった瞬間を見計らってバラバラと艦娘たちは銃座へ走る。
攻撃作戦など立案していないからフル装備ではないだろうが、この機体にも最低限の武装はあるはずだ。
「ぽいっ、ぽい!」
訳の分からない台詞を吐きながら夕立も後部へ走っている。なるほど、あの子は非常時に萌えるタイプか……と思った。
私は窓の外を見た。やはり深海棲艦だが……その機体が数機、確認できる。
「単なる斥候か?」
私が呟くと別の窓から参謀も言う。
「本格的な攻撃部隊ではないな」
間もなく後部から激しい機銃の発射音が響き機体が振動する。
「ぽいぃーっ!」
振り返ると後部の銃座で金髪を振り乱した夕立が敵機を狙っていた。
(……絶対にあいつは前の地上戦で病みつきになってる)
私は境港市での地上戦を思い出した。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
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PS:「みほ3ん」とは
「美保鎮守府:第三部」の略称です。
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技術参謀は今回の計画について全員に説明をした。しかし話し終わる間もなく敵襲となる。