No.92889

真・恋姫†無双 北郷一刀と三羽鳥 No,15

さん

今回は、皆さんお気づき通り、
呉との絡みです(^^)
前回??にした意味、全く無かった^^;

2009-09-01 20:21:43 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:13730   閲覧ユーザー数:9156

(はじめに)

 キャラ崩壊やセリフ間違いがあると思いますが、

 温かく読んでやって下さい。

 

 この話での一刀君は強く設定しています。主人公をかっこよく魅せる様に

 書いていくつもりです。どうぞ宜しくお願いします。

 

☆オリキャラ★

姓・・・孔(こう) 名・・・融(ゆう) 字・・・文挙(ぶんきょ) 真名・・蛍(ほたる)

 

一人称・・我(われ)        武器・・鉞戟[えつげき]斧+矛 、華鏡(かきょう)

 

容姿・・髪は肩より少し長いロングで、色は琥珀の様な透き通るオレンジ。

    身長は一刀君より少し高い。スタイルは良く胸は、夏侯姉妹より少し小さい。

 

設定・・誇り高き孔子の子孫。十常侍に捨て駒にされた。

    一刀に助けられ、それ以来忠誠を誓う武将。

    正史で曹操に処刑されている為、曹操の事はあまり良く思っていない。

 

 

森の中

 

一「いないな~。」

 

 今晩のオカズを探す一刀。

 毎回、一刀と蛍で狩りバトルが行われており、

 一刀は一度も勝った事が無い。

 

一「今回は絶対勝ちたいのに・・・もう少し奥に行ってみるか。」

 

 どんどん奥に進む一刀。

 川の流れる音がする。

 

?「・・・!・・・・!」

 

一「うん? 何だ?」

 

 人があまり入らない森の奥で、

 川の音に紛れて女性の声が聞こえる。

 声のする方に向かう一刀。

 少し広い場所で、2人の女性が男達に囲まれている。

 1人は剣を構え、もう1人も剣を構えているが、

 腹に矢が刺さり血を流している。

 男達は、そんな2人を見て下品な笑いを浮かべ舌舐めずりをしている。

 

一(・・・ゲス共が!)

 

 それを見た一刀から殺気が溢れ出す。

 その殺気に血を流した女性がこちらを警戒している。

 茂みから一刀が現れると男達は、震えてそこから動く事が出来ない。

 2人の方に歩く一刀

 

?「何だ、貴様は!」

 

?「蓮華様・・お下がりください。」

 

蓮「思春、無理をするな!」

 

 思春は、もう1人を庇い

 一刀に武器を向ける。

 蓮華は、そんな思春を止めている。

 一刀は優しい笑顔で、

 

一「もう大丈夫だから、安心して。」(ニコ

 

蓮・思「「・・・・」」(///

 

 2人はその笑顔に言葉を失い、顔を赤くしている。

 一刀は男達に向き直り、

 

一「君達は躾けてあげる。」(ニコ

 

 笑顔で言い放つ。

 同じ笑顔なのに、先程の優しさは一切無い。

 男達は恐怖に包まれるのだった。

 

 

―― side A ――

 

数分前

 

 川に沿って2人の女性が歩いている。

 1人は、矢が刺さり血を流しており、顔色は悪い。

 

?「思春、大丈夫か?」

 

思「・・はい、大丈夫です。蓮華様は?」

 

蓮「私は、思春のおかげで大丈夫だ。

  それより、本当に矢は抜かなくていいのか?」

 

思「・・下手に抜くと出血が酷くなります。

  止血する物が有りませんので、このままで大丈夫です。」

 

蓮「私の庇った所為で・・・」

 

思「この命、蓮華様を守る為なら惜しくありません。

  どうか、お気に為さらずに。」

 

蓮「・・・済まない。」

 

 申し訳なさそうな顔をする蓮華。

 思春は短く「いえ」と呟き、2人は無言になる。

 暫く進むと岩が道を塞いでいる。

 

蓮「・・しかたない、森を迂回しましょう。」

 

思「・・はい。」

 

 森に入り暫くすると

 思春が鈴音を抜いた。

 

蓮「ど、どうしたの、思春?」

 

思「・・囲まれています。」

 

蓮「え?!」

 

 それと同時に黄色い布を巻いた男達が現れる。

 

蓮「何者だ! 貴様等!」

 

 蓮華も剣を抜き、男達に叫ぶ。

 

黄1「へへへ、俺達は黄巾党だ。」

 

黄2「大人しく言う事を聞くなら、優しくしてやるぜ。」

 

蓮「ふざけるな!」

 

 男達は、そんな蓮華の態度に下品な笑いを浮かべる。

 

黄1「2人共、良い体してるじゃねえか。」

 

黄2「売っぱらう前に楽しませて貰うとするか。」

 

思「・・それ以上近寄れば・・斬る!」

 

黄3「ヒャハハ! そんな傷で強がるんじゃねえよ!」

 

黄1「おい! 顔に傷を付けるなよ価値が下がる!」

 

黄3「分かってるよ!」

 

思「!!!」

 

 男達が話していると

 思春は、その後ろから殺気を感じた。

 

思(・・この殺気は何だ? 虎か?)

 

 そう考えていると茂みから男が現れた。

 

黄1「何だ! てm・・・・」(ガタガタ

 

黄2「・・・・・」(ガタガタ

 

 黄巾党は、男の殺気で動けなくなっている。

 男は蓮華達の方に歩いてくる。

 

蓮「何だ、貴様は!」

 

思「蓮華様・・お下がりください。」

 

蓮「思春、無理をするな!」

 

 思春が蓮華を庇い男の前に立つ。

 そんな2人に男は笑顔で、

 

?「もう大丈夫だから、安心して。」(ニコ

 

蓮・思「「・・・・」」(///

 

 男はそう言うと黄巾党に向き直る。

 2人は、先程の笑顔で顔を赤らめながら、

 

蓮(何で、顔が熱いの? それに、この男の背中・・・

  まるで、お母様かお姉様の様・・)

 

思(何故だ?! 何故私は、顔を赤らめている?!

  それに、先程までの不安感が全く無い・・・私はどうしてしまったのだ?!)

 

 そう考えるのだった。

 

 

 

―― side 一刀 ――

 

一「君達は躾けてあげる。」(ニコ

 

 一刀は刀を抜く。

 その刃を見て固まっていた男達は笑みを浮かべる。

 

黄1「へへ、細い上に刃の無い剣で

   偉そうに言うじゃねえか!」

 

黄2「今更、後悔したって無駄だぞ小僧!」

 

 男達は強気に声を上げる。

 しかし、一刀は

 

一「・・女性2人に男が10人か、

  ゴミ以下だな。」

 

 男達の言葉を全く聞いていない。

 無視された男達が怒りだす。

 

黄1「無視してんじゃねぇー!」

 

ブォオン! 男の剣が振り下ろされる。

 

一「・・・はぁ」

 

ギィィン! その一撃を難無く受け止める一刀。

 

一「遅すぎるよ。剣の使い方を教えてやる!」

 

 一刀は刀を握り直し

 

ヒュッ! 刀を振るうと

 

パキン! 男の剣が綺麗に折れる。

 

黄1「・・嘘だろ、何で俺の剣が折れるんだよ!」

 

黄2「おい、下がれ!」

 

 剣が折れて動揺している男に声をかけ下がらせると

 5人の男達が一刀達に矢を向ける。

 

黄2「ヒヒヒ、避けたら後の女に当たるぜ。」

 

黄3「剣を捨てろ!」

 

一「・・分かった。」

 

 蓮華達を狙っている男の命令通り、

 刀を下げ様とすると

 

蓮「おい! 私達の事は良いからお前だけでも逃げろ!」

 

思「・・・・」

 

 蓮華が一刀に叫ぶ。

 思春は無言のまま蓮華を矢から庇う様に立つ。

 そんな2人を見て一刀は、

 

一「大丈夫だよ。」

 

 蓮華に穏やかな声で告げると

 一刀は、刀を地面に突き刺した。

 

黄2「馬鹿が! 死ね!」

 

黄3「ヒャハハ!」

 

 男達は、一斉に矢を放ち、

 矢は全て一刀に当たる。

 

蓮「イヤァァァァ!」

 

 蓮華の悲鳴を上げる。

 

蓮「私達の、私達の所為で・・」

 

思「・・・蓮華様、大丈夫です。」

 

蓮「・・え?」

 

 蓮華が目を伏せ、悔い様に呟いていると

 思春が冷静に前を見据えたまま言う。

 その言葉で蓮華も一刀を見る。

 

ポトポトポト――

 矢は一刀に刺さる事無く地面に落ちる。

 男達は驚き焦っている。

 

黄2「何で死なねぇんだよ!」

 

黄3「俺が知る訳ねぇだろうが!」

 

 男達が言い合いをしていると

 1人が呟き始めた

 

黄4「・・白い衣を身に纏い、

   その体、如何なる刃も通さない・・・」

 

黄 「「「「 !!!!!! 」」」」

 

 男の言葉に男達は顔を青くし、

 確認する様に、

 

黄1「お、お前、ま、まさか『鋼の北郷』か?」

 

一「世間では、そう呼ばれてるみたいだね。」

 

黄2「こんな小僧が?!」

 

黄3「俺達だけで勝てるわけねぇ!」

 

一「! ふ~ん、成程・・」

 

 3の言葉に一刀は少し考える。

 そして、

 

黄1「おい! 逃げr 『ドスンッ!』 ぐはッ!」

 

 逃げ様とした男の鳩尾に一刀の拳が突き刺さる。

 男は気絶し、その場に崩れ落ちる

 その姿に、周りの男達は脅える。

 

一「この人を置いて行くなら『今は』見逃してあげる。」

 

黄2「ほ、本当か?!」

 

一「ああ。」

 

黄3「ヒヒ、ありがてぇ!」

 

黄4「逃げろー!」

 

 一刀の言葉で倒れた仲間を見捨てて逃げだす男達。

 それを見ながら、

 

一「・・こんな簡単に仲間を見捨てるなんて、

  やっぱり、最低な奴等だな。」

 

 刀を鞘に戻して、一刀は2人に向き直る。

 

 

 2人の方に歩みよる、

 

思「・・・何故、奴等を見逃した?」

 

蓮「思春の言う通りだ。貴様なら全員倒せた筈だ。」

 

一「まだ、仲間がいる様だったからね。」

 

思「・・成程・・『フラ』・・な・・」

 

蓮「思春ッ!?」

 

 一刀の言葉を聞いた後、

 思春はよろめく、蓮華は倒れない様に支える。

 

思「・・申し訳・・ありません、蓮華様。」

 

蓮「お前は、こんな時まで何を言っている!」

 

 蓮華は思春を座らせ、木にもたれさせる。

 一刀は思春に近づき傷に触る。

 

思「グゥ!」

 

蓮「貴様! 何をする!?」

 

一「・・フッ」

 

 一刀の手から光が出て、

 その光が思春の傷口に集まる。

 思春の顔から苦痛が消える。

 

思「・・痛みが引いた?」

 

一「今から傷を塞ぐから、ゆっくり矢を抜いてくれ。

  君は動かないでね。」

 

蓮「わ、分かった。」

 

思「ああ。」

 

 一刀の言葉で、蓮華が矢をゆっくり抜いていく。

 思春もじっと動かない。一刀からの光が強くなる。

 そして、矢が抜き終わり、一刀の光も消える。

 

一「よし、傷はこれで大丈夫だ。

  後は、これを飲んで。」

 

 一刀は漆塗りで十文字が描かれた印籠から丸い粒を取り出す。

 

思「・・何だそれは?」

 

一「これは、スッポンとマムシの血・・斑亀と蝮蛇って言えば分かるかな?

  それと薬草を混ぜ合わせた物だよ。」

 

蓮「そんな物を飲んでも大丈夫なのか?」

 

一「傷は治っても血は戻らないからね。

  毒じゃないから、何なら俺も飲もうか?」

 

思「いや、大丈夫だ。」

 

 思春はそう言うと一刀から

 粒を受け取り、飲み込む。

 

蓮「本当にありがとう。貴方のおかげで、

  大切な友を失わずにすんだ。」

 

一「困った時はお互い様って事で、気にしなくていいよ。

  えっと、何て呼べばいいかな? 俺は、北郷一刀。」

 

蓮「私は、s 『蓮華様!』 どうしたの思春?」

 

 蓮華が、自己紹介をしようとすると

 思春がそれを止めた。

 

思「助けて貰ったとは言え、

  その者が刺客だったらどうするのです!」

 

蓮「何て事を言うんだ!

  この者は助けてくれたのだぞ!」

 

思「しかしッ!」

 

 言い合う2人に一刀が、

 

一「無理に、教えて貰わなくてもいいから、

  2人共、落ち着いてくれ。」

 

蓮「す、すまない。」

 

思「・・・・」

 

 一刀の言葉で冷静になる2人、

 今度は小声で話し合っている。

 思春が一瞬、顔を歪ませたが、渋々頷く。

 

蓮「名を教える事は出来ないが、助けて貰った恩もある。

  私の真名をお前に預ける。」

 

一「! 真名は大切なものだろ?!」

 

蓮「いいんだ、思春も納得している。」

 

思「・・・・・」

 

一(むっちゃ、不機嫌ですけど・・・) 

 

 一刀が思春の方を見ると

 視線で人が殺せる程の目で睨んでいる。

 

蓮「私の真名は、蓮華だ。」

 

思「・・・思春だ。」

 

一「俺には真名が無いから、好きに呼んでくれ。

  後、はいこれ。」

 

思「・・・何のつもりだ?」

 

 一刀は思春に印籠を渡す。

 

一「たった一粒で治る訳無いだろ、だからさ。」

 

蓮「良いのか?」

 

一「ああ、一日一粒飲むんだぞ?」

 

思「・・礼を言う。」(///

 

 一刀が微笑みながら言うと

 思春の顔が赤くなる。一刀は気付いていない。

 その後一刀は、茂み向かって

 

一「居るんだろ? 蛍、出て来いよ。」

 

蛍「流石、主様。お気付きでしたか。」

 

蓮・思「「 !!! 」」

 

 蛍が茂みから姿を現すと

 2人は驚き、思春が警戒する。

 

一「大丈夫、俺の仲間だよ。」

 

蛍「仲間では無く、部下です。」

 

一「・・・・」

 

 蛍の言葉で、少し落ち込む一刀、

 そんな事は気にせず、

 

蛍「主様、ここより上流に赤を基調にした

  部隊が居ります。」

 

蓮「! 私の部隊だ!」

 

一「・・・分かった。

  俺はこの2人を送ってくるから、こいつを頼む。」

 

蛍「こいつは?」

 

一「この辺りで、活動してる獣だよ。

  他にも居るみたいだから・・・後は解るよね?」

 

蛍「御意。奥様達が心配しますので、

  早めにお戻り下さい。」

 

一「ああ、分かった。」

 

 蛍は、男を縛ってから起こす。

 一瞬逃げ様としたが、蛍の殺気で大人しく着いて行く。

 

一「それじゃあ、行こうか?」

 

蓮「ああ。」

 

思「・・・」

 

 3人は、上流に向かって歩き出した。

 

 

 

蓮「・・・何だこれは?」

 

 部隊に合流した蓮華は、思わず呟いた。

 部隊の殆どの者が傷付き、野戦病院の様になっている。

 

蓮「・・これでは、お姉様に顔向けが出来ない。」

 

思「しっかりして下さい、蓮華様!」

 

 その場に膝を付きそうになる蓮華を支える思春。

 その声に、兵が反応する。

 

兵1「孫権様、甘寧様、ご無事でしたか!」

 

思「状況を説明しろ。」

 

兵1「はっ! 謎の敵の襲撃で、

   死者こそ出なかったものの、重傷者多数。

   食糧、武器は平気ですが、包帯等が足りません。」

 

蓮「・・どうすればいいの?」

 

 兵の報告でますます落ち込む蓮華。

 そんな蓮華を見ながら思春は

 一刀の姿が見えない事に気づいた。

 

思「おい、あの男は何処に行った?」

 

 思春は近くに居た兵に詰め寄る。

 兵は驚きながら、

 

兵2「あ、あの男なら『重症者は何処だ?』と言って、

   あっちの方に走って、行きました。」

 

蓮「まさか?!」

 

思「行きましょう、蓮華様。」

 

蓮「ええ!」

 

 蓮華達も一刀が向かった方に走って行く。

 その先には、

 

兵3「痛い・・誰か助けてくれ・・・」

 

一「大丈夫だ。今楽にしてやる。」

 

 そう言った一刀から思春の時と同じ様に

 光が溢れ出す。兵の顔色がみるみる良くなっていく。

 

一「よし、次ぎだ! 

  そこの人達、重症の人から連れて来てくれ!」

 

兵「「「は、はい!」」」

 

 一刀の指示で兵達が動き出す。

 その間にも一刀は、どんどん治していく。

 30人を超えた所で、一刀がよろめき蓮華が支える。

 

蓮「大丈夫か?!」

 

一「ああ、大丈夫だ。次の人!」

 

蓮「もう、十分だ。無理をするな!」

 

一「まだ、傷付いた人が大勢いる。」

 

 一刀は蓮華から離れて、

 治療を続行する。その顔に蓮華は何も言えない。

 

思「・・・何故、お前は関係無い

  我等の為にそこまでする?」

 

一「人を助けるのに理由がいるのか?」

 

思「それで、自分が死んでもか?」

 

一「当然だろう?」

 

思「・・・・」

 

 一刀の言葉で思春は何も言えなくなるが、

 その表情は優しい、

 

一(・・このままだと途中で倒れそうだな、

  修行もしてたし、少し位なら大丈夫だよな・・)

 

思(! 北郷の周りの空気が変わった?!)

 

 一刀の氣が膨れ上がる。

 思春と蓮華、一部の者だけが、その事に気づいた。

 一刀は、そのまま何時間も怪我人を治し続けるのだった。

 

 

 

数時間後

 頭を抱える一刀。

 髪全体が毛先から半分白くなっている。

 

一「・・やばい、どうしよう、どうしたらいい?」

 

 川に映った自分に何か呟いている。

 そんな一刀に

 

蓮「一刀、どうかしたのか?」

 

一「いや、この髪を見たら怒られるかな~っと思って。」

 

蓮「何なら私が説明しましょうか?」

 

一「いいえ、いいえ! 大丈夫です!」

 

蓮「そ、そう?」

 

 蓮華の申し出にすごい勢いで断る一刀。

 

一「・・そんな事されたらどうなる事か・・」(ボソボソ

 

蓮「何か言った?」

 

一「いや、気を使ってくれてありがとう。」

 

蓮「何を言う、礼を言うのは此方の方だ。」

 

 蓮華は深々と頭を下げる。

 

蓮「私達を救ってくれてありがとう。」

 

一「別にいいから、頭を上げてくれ。」

 

 一刀の言葉で顔を上げる蓮華。

 表情は穏やかだ。

 

蓮「何か礼がしたいのだが、何かあるか?」

 

一「別に何も無いけど・・そうだ! 墨、墨をくれないか?」

 

蓮「そんな物でいいの?」

 

一「ああ!」

 

蓮「分かった、思春。」

 

思「はっ!」

 

 蓮華の一言で思春が墨を持って現れる。

 

一(いつの間に持って来たんだ?)

 

思「墨をどうするのだ?」

 

一「髪に塗るんだ。」

 

蓮・思「「 はっ? 」」

 

 一刀は言葉通り白くなった所に

 墨を塗っていく。

 

一「すまない、後の方だけ手伝ってくれないか?」

 

思「あ、ああ、分かった。」

 

 思春が塗るのを手伝う。

 しかし、

 

思「おい、動くな! 塗り辛い!」

 

一「す、すまない、くすぐったくて。」

 

 暫くして、

 

思「終わったぞ。」

 

一「ありがとう。」

 

 一刀の髪が不自然だが元に戻る。

 

蓮「そんなので、大丈夫なの?」

 

一「ああ、今日だけ凌げれば何とかなる。」

 

 拠点に戻れば、真桜作の髪染めがある。

 それまで、持てば良いと考えている一刀。

 

一「それじゃあ、そろそろ・・」

 

蓮「もう、行ってしまうの?」

 

一「帰らないと心配するしね。」

 

蓮「そうか・・」

 

思「ほら、お前の剣だ。」

 

一「ありがと。」

 

 思春から刀を受け取り、一刀は歩き出す。

 その後ろ姿に、

 

蓮「一刀、また会おう!」

 

一「ああ、また会おう!」

 

 そう言って一刀は森に消えた。

 それを見届けた後、

 

蓮「また、会えると良いわね。」

 

思「・・・そうですね。」

 

蓮「思春も気に入ったの?」

 

思「な、何を言うのです?!」(///

 

蓮「フフ、私は気に入ったわ。」

 

 慌てる思春を見ながら、微笑む蓮華だった。

 

 

 

日が傾き始めた頃

 一刀は凪達と合流して、現在3人に囲まれて正座中。

 蛍は少し離れた所から見ている。

 

真「何で、帰りがこんなにも遅いんや?」

 

一「ですから、傷付いた人を送り届けてきまして。」

 

凪「なら、何でそんなにも氣が減っているのですか?」

 

一「送り届けた先でも怪我人が居まして・・」

 

沙「何人くらい居たの?」

 

一「え~っと、10人位?」

 

真「何で、疑問形やねん!」

 

凪「10人で、そんなにも氣が減るのですか?」

 

一「・・・30人位だったかな、アハ、アハハハ」

 

 一刀から冷や汗が流れる。

 そこに、

 

蛍「主様、汗が黒いですが?」

 

一「へ?! あ、えっと、帰る時に汚れたんじゃないかな?」

 

蛍「・・・・・」

 

三「「「 ジッー 」」」

 

 蛍は無言でその場を離れ、

 3人は一刀を見つめている。

 

『バシャ』 突然一刀の頭に水が降ってくる。

 

一「蛍?! 急に何s『ああー!』 ッ! しまった!」

 

 一刀の髪に塗れた墨が落ちる。

 

沙「また、髪が白くなってるの~!」

 

真「どういう事や?!」

 

一「え、えっと」

 

 一刀が慌てていると、

 

凪「・・・この長い髪は何ですか?」(ゴゴゴゴゴゴゴ

 

一「え!?」

 

 凪が一刀の服から髪を一本見つけた。

 明らかに蓮華の髪だ。

 

一「あ、ちょっと待って、せ、説明するから!」

 

凪「・・・聞きましょう。」(ゴゴゴゴゴゴ

 

沙「何なら、この座布団使う?」(ゴゴゴゴゴゴ

 

一「いや、それ石じゃないですか?!」

 

真「なんなら、前掛けもあるで?」(ゴゴゴゴゴゴ

 

一「それも石じゃないですか?!」

 

蛍「まあまあ、3人共落ち着かれよ。」

 

 蛍のおかげで何とか説明する事に成功した一刀。

 

凪「何故、そんな無茶をするのですか?!」

 

一「いや、人が苦しんでいたからつい・・」

 

沙「『つい』じゃないの~!」

 

一「ごめんなさい。」

 

 土下座する一刀。

 そこに、

 

真「一刀やし、しゃあないから許したる。けど!」

 

一「けど?」

 

真「心配させたんやし、分かってるよな?」

 

沙「浮気してないなら、出来るよね~?」

 

一「はい、死ぬ気で頑張ります。」

 

凪「じゃあ蛍、すまないが。」

 

蛍「はいはい、分かっている。

  主様達の天幕には、誰も近づかない様に言っておく。」

 

凪「ありがとう。」

 

蛍「いつか、混ざりたいものだ。」

 

 そう呟きながら、蛍は部下達の方に歩いて行く。

 一刀達も天幕に入って行くのだった。

 

 

―― side B ――

 

数日後、夜の軍議室

 5人が卓を囲んで話している。

 

華「それで? 他に報告は?」

 

桂「はい、最近活躍している者達の情報です。

  まず、一つ目は最近まで花鳥義勇軍と一緒に行動していた劉備です。」

 

華「劉備? 聞かない名前ね。」

 

桂「はい、その前は公孫賛の所で客将をしていた様です。」

 

秋「成程、独立した所で、花鳥に鍛えられたと言う訳か。」

 

桂「次に、袁術の客将孫策です。」

 

春「ッ! ・・・孫策」

 

桂「何処かの猪の所為で、借りがあったわね。」

 

 その言葉に春蘭が卓を叩きながら立ち上がる。

 

春「貴様! 何が言いたい!」

 

桂「別に~、何も無いわよ脳筋女。」

 

春「き~さ~ま~!」(♯

 

季「落ち着いて下さいよ~、春蘭さま~。」

 

秋「季衣の言う通りだ。落ち着け姉者。」

 

春「ガルルルル!」

 

桂「ベ~だ!」

 

華「2人共、いいかげんにしなさい!」

 

春・桂「「・・・・」」

 

 華琳の一言で黙る2人。

 

華「他には?」

 

桂「は、はい。どうやら花鳥義勇軍が

  この近くに来ている様です。」

 

華「ふふ、やっと会えるかも知れないわね。」

 

 華琳が微笑んでいると

 

兵「申し上げます!」

 

春「何事だ!」

 

兵「今までに無い規模の黄巾党が動き出したとの

  情報が入りました!」

 

桂「何ですって!」

 

華「秋蘭、すぐ動かせる部隊は?」

 

秋「はっ! 当直の隊と、最終確認をさせている部隊のみです。」

 

華「・・・・」

 

 華琳が考えていると

 

季「ボクに行かせて下さい!」

 

春「季衣! 何を言っている!」

 

季「華琳さま前におしゃいましたよね!

  無理すべき時は無理してもらうって!民を見捨てないって!」

 

華「・・・・・」

 

季「華琳さま!」

 

華「・・・その通りだわ。 季衣、先発隊として出発なさい。」

 

季「はい!」

 

華「補佐として秋蘭を付ける。皆急ぎなさい!」

 

全「「「「 御意!! 」」」」

 

 突然の情報で慌ただしく、動きだすのだった。

 

 

 

 

・・・・つづく

 

(あとがき)

 どうも猫です。最後まで読んで頂きありがとうございます<(_ _)>

 え~っと、三羽鳥が全然出て無い・・・・orz 

 気にしないで頂けたら嬉しいです(><) 

 呉の2人の保護を期待された方、本当に申し訳ないです<(_ _)>

 話が進まないと思い今回はフラグだけ立てました^^;

 黄巾も後、2話で終わる予定です(^^) 長かった・・・(ToT)

 

 

北郷流 操氣術設定 その③

 

・癒合の型―― 相手に氣を送る事で、傷を治したり痛みを消す事が出来る。

        華佗の教えでパワーアップした。

        傷や打撲なら殆ど治す事が出来るが、骨折や切れた腕や足、失った臓器、

        病気等は、治す事が出来ない。

        本来の使い方は、打撃と共に相手に氣を送り、痛みを倍加させたり、

        感覚を狂わせる。でも、一刀君は本来の使い方に気づかない。

 

次回、ついに魏に合流します、お楽しみに(^O^)/

 

コメント・メール・友録 何でもお待ちしています<(_ _)>

 


 
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