ギンガ団全面対決!
トバリシティの中でおきた大爆発の原因を探るためジム戦を中断させジムを飛び出したクウヤとスモモ。
爆発があった先には二人の少年の姿があった。
「あ!」
「お!」
「ジュン、コウキ!?」
そこにいたのは、クウヤの知り合いのポケモントレーナー、ジュンとコウキだった。
「あの男の子達は、あなたの知り合いなんですか?」
「ああ、おれの友達でライバルだ!」
スモモに軽くジュンとコウキのことを教えると、クウヤはなぜここに二人がいるのか事情を尋ねた。
「んで、なんでお前達がここにいるんだ?」
「実はヒカリちゃんが・・・」
「ヒカリが、どうかしたのか?」
「ポケモン図鑑を盗まれて、彼女は自分でそれを取り返しにいったんだけど・・・そのままあいつらに囚われちゃったんだ。」
「なんだって!?」
「僕達は彼女から図鑑のこと聞いて、助けにいったんだけどそのときにはもう捕まってて・・・ヒカリを人質にとられて、僕達なにもできなかった・・・」
「しかも、変なものまで持ち込んできて、オレ達を実験台にするとか言って変なものを爆発させてきやがった!」
「っち、あんにゃろーども!
とんでもねぇことしやがって!」
クウヤはモンスターボールを構える。
「みんなでギンガ団、ぶっとばしてやろうぜ!」
「ああ!」
「もちろんだよ!」
「おまえもきてくれるか、スモモ?」
「もちろんです!」
クウヤの近くにいた少女の名前を聞いてコウキとジュンは驚く。
「え、スモモって・・・」
「かくとうポケモン使いのジムリーダーじゃねーか!
そんな人が、どうしてここに!?」
「街の危機にジムリーダーがくるのは、当然のことです!
・・・あ!」
そこでスモモはあることに気づく。
「そうだクウヤさん、これを!」
「え?」
スモモが取り出したものは、クウヤにも見覚えがあった。
「これって・・・げんきのかたまり?」
「ええ、さっきの勝負で戦闘不能になったロトムとゴルバットがいますでしょ?
これからギンガ団と本気で戦うためにも、使って回復させてください!」
「・・・さんきゅ、ありがたく使っちゃうぜ!」
クウヤはスモモからげんきのかたまりを受け取ると、それを自分のポケモンたちに使う。
同じようにスモモも、アサナンとゴーリキーにげんきのかたまりを使った。
ヒーコとルカリオもまた、かいふくのくすりで体力を回復した。
「さぁ、いきましょう!」
「おう!」
「奴らどこに行ったんだ?」
「ああもう、とにかく町の隅から隅まで調べりゃ見つかるって!
今はとにかく動こうぜ!」
「・・・そうだな、よし、わかれようぜ!」
「待ってください!」
先へ行こうとするジュンとクウヤを、コウキとスモモはすぐに取り押さえる。
「なんだってんだよー!
こんなとこでじっとしているより動いたほうがいいだろ!
こうしている間にもあいつら次になにをしでかすか・・・」
「いいから、少しだけ待っててください!」
スモモはルカリオの方を向いた。
ルカリオは精神集中させているのか微動だにしていない。
「ルカリオ、どうですか?」
「・・・ブルルルル!」
やがてルカリオは目を開き、ある一点を見つめて彼らに向かって鳴き声をあげる。
「あっちと言っています、行きましょう!」
「あ、はい!」
ルカリオが先陣を切って走り出し、そのあとを4人は追いかける。
その途中クウヤはスモモとルカリオにさっきの行動の意味を聞く。
「なにをしてたんだ?」
「ルカリオは波導で、様々な人やポケモンの気配を探ることができるんです!
それでギンガ団の波導を探し、奴らの居場所を確かめたんです!」
「そんなことまでできるのか、すげぇな!」
「流石、としか言いようがないよ!」
そんな話をしている間にも彼らはギンガ団が集まっているポイントに到着した。
そこには何台ものトラックがおかれており、多数のギンガ団の姿も見える。
「ギンガ団、みつけたー!」
「ちょ、ジュン!」
作戦を練ってから動こうとしていたコウキだったが、先にジュンが飛び出して言ってしまった。
これにはジュンと性格がどこか似ているクウヤも少し驚いている。
「なんだこのガキ?」
「あ、さっきのガキじゃねーか!
性懲りもなくまたきやがったか、しょうがねぇ、遊んでやるぜ!」
「負けねぇよ、いけポッタイシ!」
ジュンはポッチャマの進化系ポッタイシをそこに出した。
すぐさまメタルクローで攻撃にでるポッタイシだったが、相手のヤミカラスはあっさりとそれを回避しみだれづきを繰り出してくる。
「ヤミカラス、シャドーボール!」
「ハヤシガメ、はっぱカッター!」
相手のヤミカラスが攻撃に繰り出そうとしたが、すぐにコウキがナエトルの進化系ハヤシガメを繰り出しはっぱカッターでシャドーボールを打ち砕き相殺した。
「サンキュー、コウキ!」
「全く、後先考えないでつっこむからピンチになるんだよ!」
「細かいことはいーじゃん!」
「もう、いっつもそうなんだから!」
相変わらずなジュンに呆れつつもコウキは再びハヤシガメに指示を出した。
「ハヤシガメ、たいあたり!」
「ポッタイシ、バブルこうせん!」
ハヤシガメはその体力と防御力を生かして相手の攻撃を受け止めてから攻撃に繰り出すスタイルをとる。
ポッタイシも、高い特殊攻撃力を使って水タイプの技を繰り出しては次々に相手のポケモンを倒す。
戦う二人を見てクウヤもボールからヒーコを出して炎の攻撃を出させる。
コウキもジュンも、自分のポケモンの特徴をよく理解しているのだ。
「ヒーコ、かえんぐるま!」
スピード自慢のヒーコはとっしんしてくる相手をうまく交わして攻撃した。
「ルカリオ、ボーンラッシュ!」
スモモとルカリオも、息のあった連係攻撃を決めていく。
「いけ、スカンプー、アゲハント!」
コウキの前に出てきたギンガ団が2匹同時にポケモンを繰り出してくる。
「・・・このまま僕も負けてなんていられない!
いくんだ、ヘラクロス!」
それに対抗して、コウキはハヤシガメとヘラクロスを出す。
相性ではコウキが不利ではあるが、頭のいいコウキは的確な指示を出して互角以上に渡り合う。
「いくのよ、ゴルバット、ドクケイル!」
「オレもいくぜ!
Go、レントラー!」
ジュンはポッタイシの隣にレントラーを出した。
それぞれ、高い攻撃力で優秀な技を繰り出す。
クウヤはポケモンを全員出しつつ、ヒカリを探す。
「く、いったいどこにいるんだ!?」
一度立ち止まって周りをみていると、真上からどくばりがふってきた。
「な、なんだ!?」
「ロートットトトト!」
そのどくばりはトームのあやしいかぜが防いだので、クウヤにどくばりがヒットすることがなかった。
「さんきゅ、トーム!
でも、誰だよさっきの攻撃!」
「ワタシだ・・・」
そういって姿を見せたのはどくとかくとうタイプを併せ持つドクロッグというポケモンと、青い髪のギンガ団の男性だった。
「おまえもギンガ団か!」
「そうだ」
「やいおまえたち、ヒカリとポケモン図鑑を返せ!」
「ヒカリ・・・ああ、あのポケモン図鑑の持ち主の小娘か・・・」
「ごたごた言ってねぇで、さっさとかえせ!」
「・・・」
「聞いてんのかこのヘンテコ頭とヘンテコファッション野郎!」
クウヤの発言に若干青筋を立てつつ男はクウヤをみて言う。
「そういえばオマエ・・・これまでに何度も我々の邪魔をしたそうだな。
マーズやジュピターもてこずるとは・・・。
そうだな、ワタシのドクロッグに勝てたら、解放してやろう・・・受けるか?」
「バトルか・・・やってやる!」
トームもズーバもヒーコも、他のギンガ団のポケモンを相手に戦っている。
だから、クウヤが今手元に持っているのは、この一匹だけだ。
「でてこい、イーブ!」
「ぶぅい!」
出てきたポケモンをみて、男はクウヤとイーブをあざ笑う。
彼のポケモンであるドクロッグも、主人と同じ顔をしていた。
「ドクロッグにイーブイとは・・・愚かな。
ドクロッグ、どくづきだ」
「イーブ、かげぶんしん!」
かげぶんしんで攻撃を回避するイーブ。
「でんこうせっかだ!」
「かわらわり!」
でんこうせっかでつっこんだイーブだったが、むかえうつために放たれたかわらわりで打ち消され、さらに大きなダメージを受けてしまう。
「どくづき!」
さらに追撃でどくづきがとんできて、イーブはそれをもろに食らってしまう。
「イーブッ!」
「ぶぅ・・・」
「どくを受けてる・・・!」
クウヤはズーバを呼んで入れ替えをはかるが、飛んでこようとしたズーバはヤミカラスに妨害されてしまう。
ヒーコはゴローンに、トームはスカンプーに邪魔されてクウヤの元へいけない。
「イーブ・・・まだいけるか!?」
「ぶい!」
イーブの体調が心配だが、それでここを引くわけにはいかない。
クウヤはまだ戦ってほしいとイーブに頼むと、自分達の今の状況を知ったイーブはこの勝負を続けることを望みうなずく。
「ふん、そんな弱いやつにここからなにができる」
「くっ・・・」
だが毒はまだ残ってる、なにかないかと考えるクウヤだったが、ドクロッグがかわらわりでつっこんできたとき、ふとイーブが覚えているあの技のことを思い出す。
「イーブいけぇ、からげんきだ!」
「なっ!」
どくを受けて弱ったが、からげんきの技でそれをチャンスにかえる。
その威力はすごく、またドクロッグのかわらわりがヒットする直前ではなったことによりかわらわりは不発に終わった。
「この・・・ドクロッグ、どくばりだ!」
「シャドーボール!」
どくばりをシャドーボールで打ち消し、さらにイーブはでんこうせっかで接近、からげんきを再び放つ。
「イーブ、今だめざめるパワーッ!」
「ぶぅいぃぃ!」
とどめでとんだイーブのめざめるパワーが、相手のドクロッグを倒した。
「・・・!」
自分のポケモンが倒れたところをみて、男は驚き目を見開いたがすぐに平静な表情に戻りドクロッグをモンスターボールに戻す。
「・・・今回は完全に、ワタシの指揮のミスだ・・・。
ワタシ達はここを退こう、これ以上戦っても時間の無駄だからな・・・。
あの少女はあのトラックの中にいる、好きにするといい。」
「待て、てめぇ一体なんつーんだよ!」
クウヤの言葉に、男は答える。
「ギンガ団幹部のサターンだ・・・。
ではまた、合間見える時を楽しみにするとしよう・・・」
そういい残し、サターンはそこから去っていった。
「ギンガ団の幹部、サターンか・・・また妙なのがでてきたな」
「モウ!」
「・・・ああ、そうだな。
まずはヒカリを助けようぜ」
ヒーコに言われて、サターンが言っていたトラックの扉を破壊し中に入る。
「ヒカリッ!」
その中に、少女の姿を発見しクウヤは駆け寄る。
至近距離で名前を何度も呼ぶと、少女はゆっくり目を開けた。
「うぅ・・・ん」
「大丈夫か?」
「クウヤ、くん・・・?
あれ・・・わ、たし・・・」
ヒカリがなんとか無事なのでクウヤはヒカリにここをでるよう言う。
「とにかく、今はさっさとここからでようぜ」
「そうね・・・あっ」
「お、おい!」
立ち上がるヒカリだったが、足下が崩れ倒れそうになった。
すぐにクウヤが彼女を受け止める。
「大丈夫かよ?」
「・・・ちょっと目眩がしちゃって」
「・・・」
クウヤはヒカリの体調が心配になり、ある行動にでた。
「ほら」
「え」
クウヤは腰を落としヒカリに背を向ける。
どうやらクウヤはヒカリをおぶるようだ、それを察したヒカリは彼の厚意に甘え彼に背負われることになった。
「重くない?」
「え、なんでそんなときくんだ?」
「・・・」
クウヤはいまひとつ、女の子というのをわかっていないのであった。
一方、コウキやジュン、そしてスモモの方もギンガ団との激戦を制し、下っ端をこの辺から追い払っていた。
「ルカリオ、ご苦労様です」
スモモはルカリオにそう声をかけるとブルル、とルカリオは余裕の返事を返す。
その様子を見ていたコウキとジュンは、バテバテになった自分たちのポケモンをモンスターボールに戻し、実力の違いを実感していた。
「やっぱりジムリーダーは強いな・・・」
「ああ、こりゃ気合いを入れるしかねぇや」
これから自分たちは、このジムリーダーに挑もうとしていることを思い出し、今より強くなることを決意した。
そのときだった。
「おーい!」
「お、クウヤ!」
クウヤの声に気づき、3人は顔を上げる。
「大丈夫だったか!」
「この通り、オレもヒカリも無事だぜ!」
「クウヤ、ヒカリちゃん、二人とも無事でよかったよ。
・・・ところで、その体勢は・・・」
「はっ!」
コウキに言われて、ヒカリは自分がクウヤにおぶられていることを思いだし、あわててクウヤの肩をたたいておろしてほしいと頼む。
「お、降ろしてクウヤくん!」
「え、でもお前・・・」
「わ、わたしはもう、大丈夫だから」
「そっか?」
じゃあ無理するなよ、と言ってクウヤはヒカリを背中からおろす。
コウキとジュンは他のギンガ団から彼女のポケモン図鑑を取り返していたようで、それをヒカリに返した。
「ま、みんな無事でよかったぜ・・・おまえ等も、お疲れさま」
そういいクウヤは自分のポケモンたちにいたわりの言葉をかける。
ちなみに毒を受けていたイーブは、ヒカリがモモンの実をくれたのでそれで解毒が済んでいた。
「クウヤさん」
「ん?」
ポケモンセンターで休むという3人を見送っていたら、スモモが彼に声をかけてきた。
「これ、受け取ってください」
「え、これ!」
そう言ってスモモが彼に差し出したのはトバリジムのコボルバッジだった。
いくら非常事態とはいえジム戦を中断してしまったため、決着もついていないのにバッジを受け取ってもいいものかと、クウヤは驚き戸惑ってしまう。
「おれがもらっても、いいのかよ?
ちゃんとジム戦の決着、ついてないのに」
「いいんです」
スモモは笑顔でそう答えた。
「あなたの実力はあたしも認めています。
それにあのとき、クウヤさんも一緒にきてくれなかったらこのトバリシティはあのギンガ団の手によってもっと滅茶苦茶になってたでしょう。」
「スモモ・・・」
「だからこれは、あたしだけじゃなく、トバリシティ全体の、感謝の証でもあるんです!」
「・・・わかったよ、ありがとな、スモモ。」
彼女と、街の気持ちを知り、クウヤはしっかりとそのコボルバッジを受け取った。
「でもそのかわり、今度はジムリーダーと挑戦者じゃなく、お互い1人のポケモントレーナーとしての全力勝負をお願いします!
ルカリオも、さらに強くなったモウカザルと決着をつけたいっていってます!」
彼女の話を聞き、ルカリオは肯定して力強くうなずく。
モウカザルもルカリオをみてにやっと笑った。
「ああ、もちろんだ!」
2匹を交互にみたクウヤは、今度はスモモの方をみてにやっと笑った。
再会と再戦を約束しあう二人のポケモントレーナーの姿が、そこにはあった。
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ポケモンXをやりながらUSMの発売が楽しみになり、プラチナをまた最初からやりたいという気持ちに襲われております。