No.910817 英雄伝説~光と闇の軌跡~エレボニアカオスルートsoranoさん 2017-06-19 21:55:06 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:2436 閲覧ユーザー数:2091 |
~パンダグリュエル・パーティーホール~
「まず第五条の内容は簡単に言えばエレボニアの内戦をメンフィルが介入する事を承諾するって内容よ。で、”騎神”はエレボニアの代わりに内戦を終結させる”報酬”代わりよ。」
「な―――――」
「何ですって!?」
「エ、エレボニアの内戦をメンフィルが介入する事を承諾するって………!」
「レン皇女殿下!無礼を承知で意見させて頂きますが、他国がエレボニアの内戦に介入する等一種の”内政干渉”になります!何故メンフィル帝国はこのような内容を、和解条約に組み込んだのですか!?」
レンの説明を聞いたその場にいる多くの者達が血相を変えている中オリヴァルト皇子が絶句し、サラ教官とアリサは信じられない表情で声を上げ、クレア大尉は厳しい表情でレンに訊ねた。
「クスクス、ちょうど良い機会だから言わせてもらうわ。――――今回のエレボニアの内戦、このままだと最終的に現在も抵抗をしている正規軍が全て制圧され、エレボニアの覇権を貴族連合軍が握る事になり、エレボニア皇家である”アルノール家”は貴族連合軍の傀儡になると、メンフィルは判断しているのよ。何せ残存している正規軍は反攻作戦に移る所か貴族連合軍を迎撃する事すらにも限界が来ている上、皇族に関しては肝心の現エレボニア皇帝であるユーゲント皇帝と帝位継承権第一位を持つセドリック皇太子は貴族連合軍に幽閉され、皇族で唯一貴族連合軍に対して抵抗しているオリビエお兄さん―――オリヴァルト皇子の戦力は”光の剣匠”、B級正遊撃士が一人、後は士官学院の関係者達の一部と、幾らレン達メンフィルとの戦争で”総参謀”と”黄金の羅刹”を含めた貴族連合軍の精鋭部隊の一部を失ったとはいえ”身喰らう蛇”を含めた裏世界の使い手達も加勢している貴族連合軍に対して戦力があまりにも貧弱過ぎるんだから、普通に考えれば最終的にどっちが勝つかは予想できるでしょう?」
「ッ!」
「そ、それは…………」
「まあ、実際正規軍は戦力で劣っている事に加えて補給すらも厳しい状況だもんね~。」
「しかも”騎神”を所有しているバンダナ男も貴族連合軍に加勢している事に対して、こっちにはバンダナ男に対抗できる戦力―――”騎神”を所有している”起動者(ライザー)”もいないから、どう考えても今の状況だと貴族連合軍に対抗できないわね。」
「そうね…………」
「ハハ………頭で理解はしていても、こうして目の前でハッキリ言われると結構グサッと来るね………」
「………レン皇女殿下。和解条約で我が国の内戦にメンフィル帝国が介入する事を取り入れた理由は、貴族連合軍が勝利した場合我が国は和解条約を守らないと判断したからですか?」
レンの指摘を聞いたクレア大尉は辛そうな表情で唇を噛みしめ、マキアスは複雑そうな表情で答えを濁し、ミリアムは疲れた表情で呟き、セリーヌの言葉にエマは複雑な思いを抱えてリィンの顔を思い浮かべて同意し、オリヴァルト皇子は疲れた表情で肩を落とし、重々しい様子を纏って目を伏せて黙り込んでいたアルゼイド子爵は目を見開いた後自身が推測したメンフィルの意図をレンに確認した。
「大正解♪エレボニアの覇権を貴族連合軍が握る事になれば、エレボニア帝国は今回の和解調印式で調印した和解条約書の無効を主張して条約内容を一切守らない所か、今回の戦争によって受けた被害に対する”報復”をする為にメンフィル帝国との戦争を続行する事は目に見えているでしょう?だから、エレボニアとの戦争を和解したメンフィルとしてもエレボニアの内戦は正規軍―――いえ、エレボニア皇家である”アルノール家”に勝利してもらう必要があるから、反乱軍である貴族連合軍を制圧できる力も無いエレボニア皇家に代わってメンフィルが介入するって事よ♪」
「そ、そんなっ!?エレボニアの内戦に他国が介入して、内戦を終結させてしまったらエレボニアの国際的立場は……!」
「間違いなく地の底に落ちる事になるだろうね…………」
「そ、そんな………」
「でも、内戦が起きた挙句内戦の最中に起こったメンフィルとの戦争で敗北して、和解する為に多くの領土とアルフィン皇女がメンフィルに差し出した挙句”ハーメルの惨劇”も公表するんだから、その時点で既にエレボニアの国際的立場は地の底まで落ちているような気がするけど。」
「フィー!言って良い事と悪い事の区別もつかないの!?」
レンの答えを聞いてある事を推測でき、表情を青褪めさせたトワの言葉に続くように重々しい様子を纏って答えたジョルジュの答えを聞いたエリオットは悲痛そうな表情をし、静かな表情で呟いたフィーの言葉を聞いたサラ教官は声を上げてフィーに注意した。
「あら、”西風の妖精(シルフィード)”はよくわかっているじゃない。レンから言わせてもらえば、エレボニアの権威なんて第五条の件がなくても既にどん底まで落ちる事は決まっているのだし、もはや”国の威信”を気にする必要もないのだから、せめてエレボニアの民達の信頼を少しでも早く取り戻す為に、恥も外聞も捨てて内戦を確実に終結させる方法に頼るべきだと思うのだけど?」
「クッ………!」
「悔しいがある意味正論でもあるな………」
「それ以前に既にアルフィン皇女殿下がユーゲント皇帝陛下の代わりにメンフィル帝国がエレボニア帝国の内戦に介入する事を承諾する事も条約に含まれている和解条約に調印なさっていますから、もはやエレボニア帝国は今回の内戦にメンフィル帝国が介入する事を拒否する事すら許されませんわ。」
「シャロンッ!」
不敵な笑みを浮かべたレンの指摘に反論できないクレア大尉は悔しそうな表情で唇を噛みしめ、トヴァルは複雑そうな表情で呟き、静かな表情で呟いたシャロンの言葉を聞いたアリサは声を上げてシャロンを睨んだ。
「…………………レン君。メンフィルはどのような形でエレボニアの内戦を終結させるつもりなんだい?この条約書通りだと、”Ⅶ組”も関わっているようなんだが。」
重々しい様子を纏って黙り込んでいたオリヴァルト皇子はやがて口を開いてレンに質問した。
「ああ、その件ね。まずメンフィルがエレボニアの内戦を終結させる方法……―――それはエレボニアの内戦を終結させる為にメンフィルが選出した少数精鋭部隊ー――――”特務部隊”がアルフィン皇女を”大義名分”とし、エレボニア皇家の専用艦――――”紅き翼カレイジャス”を運用しつつ正規軍を指揮下に置き、貴族連合軍を制圧する事よ。」
「ええっ!?ア、アルフィン皇女殿下を”大義名分”にして、しかも”カレイジャス”を運用……!?」
「一体どういう事なんだ……?」
オリヴァルト皇子の質問に対するレンの答えを聞いたエリオットは驚き、ガイウスは真剣な表情で考え込んでいた。
「アルフィン皇女はみんなも知っての通り、帝位継承権を持っているでしょう?更に”カレイジャス”の所有者は”アルノール皇家”で、エレボニア皇家の専用艦として世間にも広く知れ渡っているお陰でこっちの正当性を証明しやすいわ。現エレボニア皇帝であるユーゲント皇帝と第一帝位継承権を持つセドリック皇太子が貴族連合軍に幽閉されている以上、現状カレイジャスを運用できるかつ正規軍を従わせて、貴族連合軍を制圧する為の”大義名分”になる事ができる人物は帝位継承権を持っている人物で唯一貴族連合軍から奪還したアルフィン皇女だけだから、アルフィン皇女を貴族連合軍が”反乱軍”である事を証明し、”特務部隊”指揮下の”エレボニア帝国軍”に正当性がある事を証明する為の”旗印”にするって事よ♪」
「そ、それって……!」
「ユーゲント皇帝陛下達を幽閉して”大義名分”にしている”貴族連合軍”のやり口と同じじゃねぇか!?」
レンの答えを聞いてある事を察したトワは不安そうな表情で声を上げ、トヴァルは怒りの表情で声を上げた。
「や~ね、どの道貴族連合軍を制圧する為には”大義名分”である帝位継承権を持つアルノール皇家の人物が必要なんだから、怒るなんて筋違いだし、それに………――――オリヴァルト皇子も元々そのつもりでトヴァルお兄さんにアルフィン皇女の護衛を頼んだのでしょう?」
トヴァルの指摘に対して小悪魔な笑みを浮かべて答えたレンは不敵な笑みを浮かべてオリヴァルト皇子を見つめて指摘した。
「っ!」
「なっ!?それは一体どういう事なんですか!?」
「…………………」
レンの指摘を聞いたオリヴァルト皇子は息を呑み、マキアスは驚き、事情がわかっているアルゼイド子爵は重々しい様子を纏って黙り込んでいた。
「うふふ、本来はトヴァルお兄さんと一緒に貴族連合軍の捜索をかわしていたアルフィン皇女と合流した後、アルフィン皇女をカレイジャス運用の正当性を証明する”後ろ盾”にしてⅦ組を含めたトールズ士官学院の学生達にエレボニア東部で内戦を終結させる為の活動をさせて、自分自身はエレボニア西部で第七機甲師団や他の中立勢力と連携して活動するつもりだったのでしょう?オリビエお兄さ―――いえ、オリヴァルト皇子?」
「ハハ…………私の考えも全てメンフィル―――いや、君にはお見通しだったのか…………改めて君を敵に回せば、どれだけ恐ろしいのかを思い知ったよ………」
不敵な笑みを浮かべたレンに見つめられたオリヴァルト皇子は疲れた表情で乾いた声で笑ってレンを見つめて呟き
「ええっ!?そ、それじゃあ……!」
「殿下、先程のレン皇女殿下の推察は本当の事なのですか?」
オリヴァルト皇子の答えを聞いたその場にいる多くの者達が血相を変えている中アリサは信じられない表情で声を上げ、ラウラは真剣な表情でオリヴァルト皇子に訊ねた。
「ああ。君達の意志で内戦によって厳しくなり続けている今のエレボニアの状況を少しでも良くしたいと決意してくれたのならば、その”足掛かり”に必要なカレイジャスを君達に預けるつもりだったのさ。」
「そして先程レン皇女殿下が仰った通りこれ以上、罪なき民草を戦火に巻き込まない為にも我々は艦を降り、帝国西部にて第七機甲師団や他の中立勢力と連携して活動するつもりだったのだ。それを遂行するにあたってこの艦はいささか目立つのでな。そなたたちに預けた上で―――帝国東部を任せようと考えていたのだ。」
「そうだったんですか…………」
「殿下のお考えは父上もご存知だったのですね………」
オリヴァルト皇子とアルゼイド子爵の答えを聞いたエマとラウラは複雑そうな表情で呟き、他の”Ⅶ組”やトールズ士官学院の関係者達もそれぞれ複雑そうな表情で黙り込んでいた。
「だが”カレイジャス”は和解条約の実行の為にメンフィルが運用する事に………」
「ぼ、僕達はこれからどうすればいいんですか……?」
「うふふ、それを考える前に第五条に”Ⅶ組”が関係している理由を説明してあげるわ。”Ⅶ組”が第五条に関係している理由………―――それは”Ⅶ組”は”特務部隊”の直接指揮下に入って”特務部隊”と共に活動する事―――つまりは”Ⅶ組”は”特務部隊”をサポートする為の部隊になるからよ。」
そしてガイウスが複雑そうな表情で呟き、エリオットが不安そうな表情でオリヴァルト皇子に訊ねたその時レンが驚愕の事実を口にした―――――
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第36話