No.90961

真・恋姫†無双~天地の陣~第6章

黄巾党編が始まりました。


内容を濃く書こうと思った為に、更新がすごく遅くなりました><

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2009-08-22 06:52:11 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:1947   閲覧ユーザー数:1728

 

 

Side;曹寅

 

 

くっ、黄巾党の奴らめ!こちらが、下手に出ていれば調子に乗りおって!!

隣からは王叡にも睨まれていると言うのに……これは、逃げて体制を立て直すか。

 

 

「誰かあるっ!この地を放棄し、我らは今すぐに出立するぞ!」

 

「はっ!!」

 

 

私は、決して負けぬ!!今は逃げるが、体制を立て直した際には王叡を潰してくれるわ!

こんな所で、絶対に終わらぬよ!!

 

 

Side:孫堅

 

 

ふぅ、間諜の報告によると曹寅が武凌を放棄し出立する動きが見えるとの事だが……

ここは、先手を取るべく動く必要がありそうだな。

 

 

「堅殿、後顧の憂いをたつ為にも曹寅を潰しておくべきじゃろう。

 今なら、山賊にでも襲われたという風に誤魔化しが効くからのぅ」

 

「うむ、この件に関しては祭に任せる。首級を挙げてみせい!!」

 

「応!!」

 

 

それにしても、そろそろ娘達に教育係が必要だな。

ふぅ、どうしたものか……

 

 

 

 

Side:時雨 樹夜

 

 

ふぁぁ~、もぅ朝かぁ~。

 

 

「あれ、ふたりももう起きてるんやなぁ~。今のうちに、着替えだけでもしとこ」

 

 

ガチャ

 

 

「樹夜さん、起きていますか?あらあら、立派なものをお持ちで///」

 

 

なんでや!?なんで、このタイミングで開くんや!!お約束というやつか……

でも、これじゃぁ逆やないか?女が男の着替えに遭遇なんて……

 

 

「はぅ///は、はやく出てって下さい!!僕、着替えますからっ!!」

 

「それでは、食堂でお待ちしていますね?///」

 

「はいっ、すぐに向かいますから!!」

 

 

僕は、少し興奮気味に菖蒲を部屋の外に追い出した。

ささっと着替えを終わらせ、食堂に向かった。

 

 

「おっ、やっと起きたか。樹夜、早起きせねば上に立つ者として少し情けないぞ?」

 

 

神楽は少し厳格な所があり、このように寝坊してしまうと叱りつけるのだ。

 

 

「ほみぅ、ごめんや。昨日は、何や心地良かったからぐっすり寝てしもうたんよ」

 

「はっ!?い、いや、次から気をつけるとよい///」

 

 

何や、赤くなっとるなぁ~?神楽、風邪でも引いたんやろか?

 

 

「さぁ、料理を持ってきましたよ?神楽さん、どうしたんですか?」

 

「べ、べつに何もないぞ?さぁ、飯を食べようではないか!」

 

 

 

 

樹夜と神楽は朝食を食べ終わった後、菖蒲の案内で茶室に通される。

 

皆が、それぞれの席に着くと菖蒲が話し始めた。

 

 

 

「それでは、昨夜に話していた二人の仲間を紹介します。

 

 少し呼んできますので、くつろいで待っていてください」

 

 

菖蒲は、二人の仲間を呼びに部屋を出て行った。

 

 

「樹夜よ、これからしようとしていることは楽ではないぞ?

 私達は義勇軍として動き、弱き民を救ってきた。相手は、賊や兵士崩れのならず者などだ。

 

 

 もちろん、黄巾党もその中にはいた。

 

 

 まさに、今はしようとしていることは民から見れば黄巾党を助ける悪者だ。

 その民の中に、黄巾党によって被害を被った民もいるのだ

 

 

 さぁ、これをどう解決する?」

 

 

神楽の問いに、樹夜は答えた。

 

 

「僕は、これからのことは分からん。

 でも、約束したからには自分にできる限りの事はするつもりや。

 

 それに、黄巾党と民を区別にしてたら自分の心根が腐ってしまうわ。

 民にどうやって納得してもらうかは、時間をかけて行動で表すしかあらへんな」 

 

 

樹夜は、改めて思う。

現在は強制的に縛られている者達だが、元は平穏に暮らしていた民と変わらない。

だからこそ、救いの手を差し伸べて元の生活に戻してあげようではないかと……

 

 

「ふむ、さすがは私が主と仰いだ方だ」

 

「何や、くすぐったいわ。これからは、神楽に頼ってしまうこともあるけどよろしく頼むで」

 

「応!!」

 

 

樹夜と神楽の会話が終わったところで、菖蒲が二人の女性を連れて入ってきた。

 

 

「あらあら、樹夜さんは神楽さんと仲が良いのですね」

 

「そうだが?」

 

 

神楽は、威圧のある視線で菖蒲を睨んでいた。

 

菖蒲は睨まれても怯まずに、樹夜の体を後ろから抱きすくめていた。

 

 

「樹夜さん、私とも仲良くしてくださいね」

 

 

菖蒲は、艶のある声で樹夜の耳元で囁いた。

 

 

「……///」

 

 

神楽は、樹夜とあんなに密着して囁いた菖蒲を羨ましくも思ったが……

視線は逸らさずに、菖蒲を睨みつけたままだった。

 

 

そんな中、樹夜は菖蒲に耳元で囁かれた為か惚けていた。

 

 

ここで気になるのが、菖蒲に連れてこられた二人の女性。

その二人の外見はというと、艶やかな黒髪の少女と神々しい銀髪の少女である。

 

 

黒髪の少女は、表情を変えること無く黙って立っていた。まさに、直立不動といった感じだろう。

 

銀髪の少女は、黒髪の少女とは正反対で早く見知らぬ人達と話がしたくてうずうずしている。

 

 

「あのぉ~、そろそろ紹介してもらってええやろか?」

 

 

樹夜は、気を取り直して話しを進めるように促した。

 

 

「ふふっ、そうでしたね」

 

「わかっておるわ!」

 

 

神楽と菖蒲の樹夜争奪戦は、引き分けのようだ。

この先も、樹夜の女難は続きそうである。

 

 

「では、柊と雛菊。樹夜さん達に自己紹介して下さい」

 

「はい。では、私から姓は 何 名は 儀 字はありません。

 菖蒲殿も、真名を許してるようなので私の事も真名である柊とお呼び下さい」

 

「次は、僕だね!!姓は 黄 名は 邵 字は僕もないよー。

 柊と一緒で、菖蒲が許してるなら僕も真名の雛菊でいいよ♪」

 

「僕に真名は無いんやけど、樹夜って呼んでええよ~」

 

「私は、姓は 太史 名は 慈 字を子義という。

 これから、仲間になるお前達には真名を預ける。

 私の真名は、神楽だ」

 

 

樹夜達は、何儀と黄邵の真名を預かる事になった。

 

また、自分自身の名を預け交友を深めようとした所……

 

 

「私は、樹夜様とお呼びさせていただきます」

 

「んーと、僕はにぃやって呼んでもいい?」

 

「ええよ~、あっはは……」

 

 

樹夜にとって、様付けやにぃやと呼ばれるなんて以外だったろう。

もうどんな呼び方をされても、驚くべきではないとつくづく思った。

この世界に、現代の常識は通用しないのだと。

 

 

 

 

Side:時雨 樹夜

 

 

場所は、軍議室へと移り変わった。

 

雛菊と柊は、黄巾党に怪しまれない様に鍛練所に戻っていった。

 

これから、黄巾党から仲間を救出する事についての話をするからだ。

 

 

「さて、菖蒲さん。これから、僕達は何をすればいいんやろ?」

 

「そうですね……私は、間諜や密偵などからの情報を纏めて報告します。

 神楽さんには、雛菊と共に偵察に行ってもらいます。

 そして、樹夜さんは待っていて下さい」

 

 

えっ、えぇぇぇ!?

 

 

「なんでや?!俺に、できる事があったらするで?」

 

「主殿。これから、始まるのは賊を討伐するだけではないのだ。

 偵察や細作を使って慎重に行動し、味方を黄巾党の拠点より救出する。

 その後に、黄巾党の混乱を誘って敵が浮き足立つ所を攻め落とす」

 

 

そう、今回の策は黄巾党を討つという名目で菖蒲の仲間を救出する。

 

これは時間との戦いであり、静と動を切り替えられる精兵達だからこそ行える策である。

 

そこに、忍びの末裔として鍛練をしてきた樹夜でも実戦経験は浅いので足手まといになってしまう

 

 

「主殿、手が届かない場所は人にはそれぞれある。だが、一生届かないという訳ではない。

 それに、自分にできる事をおろそかにすれば先の場所には一生辿り着けなくなるぞ?」

 

「……」

 

「神楽さんは、主様の事が心配なんですよ。

 本音を素直に言えないから、照れ隠しで回りくどい言い方になってるだけです。

 

 私も、主様が心配で前線には出したくは無いと思っています」

 

 

「あ、ああああ菖蒲!!何を言っておるか!?これは、過ちは許されない策であっただな!?」

 

「そっか、神楽も菖蒲もありがとうな~///」

 

「き、樹夜///」

 

「あらあら///」

 

 

俺は、心配してくれた二人をそれぞれ抱きしめた。

 

 

その後は、間諜や密偵の報告等を元に神楽と菖蒲が策を練っていた。

俺は、二人の息抜きにとお茶と茶菓子を配っていた。

 

 

もう辺りも暗くなってきた頃、各自部屋に戻るはずだったが……

 

 

大きな部屋が用意されており、寝床も3人が余裕を持って寝れるくらい広い。

結局の所、三人で一緒に寝る事で神楽と菖蒲は決着が着いていたようだ。

これから、穏やかに過ごす時間は無いのかと考えてしまう。

 

 

先程の軍議で、菖蒲からの情報によると曹寅が武凌を離れる動きが見えるというのだ。

黄巾党を討ったとして、その後に放棄された民はどう思うだろうか。

民も不安になり混乱に陥って、第二の黄巾党を作ってしまうかもしれない。

 

 

俺は、思考の海に耽りながら眠りについた。

 

 


 
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