一刀が春蘭に吹き飛ばされてから数日がった昼どき~~
秋蘭「北郷、いるか?」
一刀「?、開いてるから入っていいよ」
秋蘭「失礼する」
一刀「なにか用かな」
秋蘭「うむ。 昼食はもう済ませたのか?」
一刀「いや。 まだだけど?」
秋蘭「なら、ちょうどいい。 ちょっと付き合って貰えないだろうか?」
一刀「昼飯に? 別に構わないけどさ」
秋蘭「うむ。 では行こう」
一刀「了解」
街に出て秋蘭の案内で店に向かう。
一刀「しかし、秋蘭に誘ってもらえるとは思わなかったな」
秋蘭「おかしいか?」
一刀「う~ん。 秋蘭ならまず華琳か春蘭を誘うんじゃないかと思ってさ」
秋蘭「ふむ、いつもならそうなのだが」
秋蘭「今回は先日の姉者の我侭に付き合ってくれた礼も兼ねてな」
一刀「ああ・・・」
ほぼ完治しているにも関わらず、痛みを思い出し腹部を触る。
秋蘭「しかし、あれから数日で回復するとはな」
一刀「? いや春蘭だって手加減してくれたんだろうし」
秋蘭「・・・」
一刀「どうした? 秋蘭」
一刀が気付いてないことに秋蘭は気付いていた。
春蘭は咄嗟のことで、"手加減などしていなかった"と言ったのだ。
その刃を潰しているとはいえ、春蘭の手加減なしの一撃を受けて
次の日には、多少ぎこちないながらも一刀は普通に生活していたのだ。
それが、一刀の回復力のなせる技なのか、春蘭が無意識に手加減したのか。
しかし、あの春蘭が自分の剣を偽るなど考えられない。
疑問に思いつつも、秋蘭は言葉にはせず、首を振った。
秋蘭「いやなんでもない。 ああ、ここだ」
目的の店に到着し店の中に入ると、
春蘭「遅いぞ! 秋蘭、北郷」
食卓1つを占拠した、春蘭がいた。
一刀「あれ? 春蘭」
春蘭の隣の席に座りながら、秋蘭が一刀の疑問に答える。
秋蘭「姉者の礼なのだ。 姉者がいなくては話にならんだろう?」
秋蘭「華琳様も誘ったのだが、政務のほうが忙しいらしく断られてしまったがな」
一刀「ふーん・・・」
秋蘭「なんだ、華琳様がいなくて残念か?」
秋蘭がからかうように問うと
一刀「あ <ああ残念だっ!! 最近の華琳様はご多忙すぎる!!> ・・・」
一刀が答えるまえに春蘭が叫ぶ。
春蘭「これでは、華琳様に可愛がっt・・・。 ええいっ! 店主っ! 飯だっ!!」
店主「へ、へぇ・・・」
一刀「・・・」
秋蘭「・・・(姉者は可愛いなぁ・・・)」
一通り注文し、出来上がるのを待つ間、先日の手合わせの話題になった。
秋蘭「で、どうなんだ? 姉者」
春蘭「む」
一刀「?」
春蘭「見込みはある、だが今のままでは無理だ」
秋蘭「ふむ」
一刀「なんの話?」
秋蘭「なに、今は将の数も足りていないのでな。 北郷に将が務まるか、姉者に試してもらったのだ」
一刀「俺が将軍っ!?」
一刀が驚き、声を上げる。
春蘭「ふんっ! 貴様などまだまだだっ!!」
一刀「春蘭は、ああ言ってるけど・・・」
秋蘭「うむ、姉者は普段はこうだが、嘘は吐かない」
秋蘭「姉者がまだまだだと言うのなら、そうなのだろう」
一刀「・・・」
秋蘭「それに、見込みもあると言っているのだ」
秋蘭「しばらく様子を見ようと思う」
一刀「うん・・・」
春蘭「? 秋蘭、どうしたのだ? 北郷は」
秋蘭「・・・恐いか?」
一刀「もちろん。 将軍なんてなったら春蘭みたいな武人達と戦わなきゃならないだろうし」
一刀「それに・・・」
秋蘭「それに?」
一刀「兵に・・・、人に死んで来いと命令しなくてはならなくなるだろ」
秋蘭「・・・、それは北郷が自分で考えなければならないことだ」
秋蘭「華琳様に舞い降りた天の御使いが何を成すのか」
一刀「その天の御使いってのもなぁ・・・」
"未来から来た"なんて怪しいことをいう者を信じるものは少ないということで、
華琳は一刀を"天の御使い"とし、"天の御使いが曹孟徳に舞い降りた"と噂を流していたのだった。
秋蘭「そこで、姉者に北郷を鍛えてもらおうと思う」
一刀&春蘭「はぁっ!?」
秋蘭「? なにを驚くことがある?」
秋蘭「姉者の相手ができる者など限られている」
秋蘭「その姉者の稽古のよい相手にもなると思ったのだが」
一刀「いや、だって秋蘭。 この間の見ただろう? 手も足も出なかったんだぞ」
秋蘭「しかし、姉者の斬撃についていったのも事実だ」
秋蘭「姉者はどうなのだ?」
秋蘭が尋ねると春蘭は、
春蘭「構わぬ」
一刀&秋蘭「!?」
一刀「もっと抵抗してくれると期待していたのに・・・」
春蘭「華琳様のためだ」
春蘭の頭のなかでは・・・、
一刀を鍛える→戦いに勝つ→華琳様が喜ぶ→一刀を鍛えた自分が褒められる→//////
となっていた。
それを察した秋蘭が呟く。
秋蘭「姉者は可愛いなぁ・・・」
一刀「?」
こうして、一刀は後に魏武の大剣と呼ばれる 夏侯惇将軍に剣を鍛えられることになった。
昼食を食べ終わると秋蘭が尋ねてきた。
秋蘭「北郷はこれから暇か?」
一刀「? 予定はないけど」
秋蘭「ふむ。 では姉者、午後の予定北郷も連れていくとしよう」
春蘭「なにっ!?」
春蘭「なぜこいつを連れていく必要があるのだっ!?」
秋蘭「たまには男の目線から見たものを吟味するのも必要だと思うぞ?」
春蘭「どうせ卑猥な想像をするに決まっている!」
秋蘭「それに今よりももっと美しくなれば姉者も嬉しいだろう?」
どんどん先に進む話についていけず、一刀が尋ねる。
一刀「目線とか、卑猥とか・・・、一体何の話なんだ?」
秋蘭「華琳様に似合う服を選ぶのだが、その際に北郷の意見を聞かせてほしいのだ」
一刀「そんなことならお安い御用だ」
安請け合いした一刀が後悔するのに時間は掛からなかった。
日も暮れた頃、本日は終了ということになった。
一刀「やっと解放される~・・・」
春蘭「なんと軟弱な」
秋蘭「まぁそう言うな、姉者」
春蘭「しかし今日はあまり良いものがなかったな」
秋蘭「うむ。 特に普段着ていただく服などに目新しさを感じなかったな」
春蘭「むぅ~」
秋蘭「・・・、時に北郷」
一刀「うん?」
秋蘭「天の国では女子も北郷のような格好をしているのか?」
一刀「そんなわけないよ。これは男用の服だから、女の子はもっと可愛い服着てる・・・よ?」
喋っているうちに2人の目の色が変わっていることに気付き、怯える。
春蘭「そーか、そーか。 とうとう北郷の天の知識を借りるときが来たかっ!!」
秋蘭「うむっ!!」
秋蘭「もちろんその服覚えているのだろう?」
一刀「ええっ? まぁ、作り方はわからないけど大体の構造なら・・・」
春蘭「よしっ! 善は急げだっ! 行くぞっ! 秋蘭、北郷!」」
一刀「ええっ! 今から!?」
秋蘭「あたりまえだろう?」
秋蘭「それに北郷は華琳様が天の国の格好をしたところが見たくはないか(ニヤリ)」
一刀「・・・(妄想中)」
一刀「いいかも/////」
春蘭「何をしているっ?」
秋蘭「すまぬ、姉者。 北郷がしぶっt」
一刀「何を言うんだ、秋蘭! 2人ともさぁっ! 行くぞ!!」
春蘭「ん? お、おおっ!!」
秋蘭「うむ」
秋蘭「なんと扱いやすい・・・」
秋蘭の呟きは先を行く2人には聞こえていなかった。
あとがき的な
第7-2話です、7-1話の続きになります。
一刀君強化フラグが発動しますた。<ぴろりろ~♪
そのうち脳内設定もアップしようかと思います。
てか1度書かないとどんどん忘れてしまうので(笑)
7-3話の予定は華琳様です。
ではでは。
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Re:TAKE 第7話です。
春蘭&秋蘭です。
読んで頂ければ幸いです。