この作品は、作者の妄想があふれ出して固まったという不純な動機から生まれています。
原作?なにそれおいしいの?なんてレベルは超越しております。
主人公もげろなんてしょっちゅうです。
それでも良いという方はどうぞお進みくださいませ。
美羽 Side
「一刀君!3番席空いたよ!」
「はーい!それでは御新規4名様案内しまーす!」
「いらっしゃいませー!!」
斗詩ちゃんの合図に一刀君が返事をして、また新しいお客が入ってきた。
今日は麗羽姉さまが新作を出す日。
思い付きがうまくいった時だけだから特に表に流してはないけど、通な人は何となくで感じ取れるのか決まって来客数が増える。
夕方は17時位から開けるのだけど、今日も開店から30分もしないうちからてんてこ舞いって感じ。
一応、姉さまをデフォルメした小さなステッカーをドアに貼るのを合図にはしてるのだけどね。
「美羽さんも手伝ってあげればよいのに」
「レジずっとやってるのに、これ以上は手が回らないわ」
「その割に、彼をよく見てるようですけれど」
「いいじゃない。うちの特権よ?」
後ろから声をかけられたので振り向けば、厨房から出てきた麗羽姉さま。
どこか古風な考え方を持つ姉さまは厨房に入るときに割烹着を着ているが、それでも姉ながら恐ろしいまでのその美貌が損なわれることはない。
羨ましい限りだ。
「北郷君は相変わらず?」
「ええ。姉さまの料理効果もあって、今日はずーっと動きっぱなし」
「亞莎も?」
「そうね。何せ、『私がレジをやってるんだから』」
殊更強調したのには勿論訳がある。
今日は私の入る日ではなかったから、単純でしょ?
「部屋でごろーっとしてたら、顔色かえた亞莎が『手伝って下さい~』って泣きついてくるんだもの」
「いいじゃありませんの。うちがお給金を出さない訳がないのですから」
「それはそうだけどね。せめて、新作を出すときは言ってって何度も言ってるのに。身内も知らないとか」
「思いついたときに作るものですからね。予定にないのは当り前ですわ」
姉さまの気分屋っぷりももう慣れたとはいえ、全く変わらないってのはある意味すごいわね。
「それで?貴女が働いてるのはそれだけじゃないでしょう?」
「……なんで?」
「ずーっと彼を見てる時に、口元が緩んでますわよ。何か面白いことでも考えているのでは?」
……妙なところで鋭いのも変わらないというか。
こういうところは冥琳姉さまも変わらないけど。
「別に?私が考えたんじゃないわ。テストが終わったからって事で、彼の友達が来るって予約を受けただけよ。彼も参加するから、私が代わりに少しだけ引き受けたの」
「それは良いことを聞きましたわ。席の準備は?」
「一番奥を亞莎が整えたわ。使っていいでしょ?」
「……せめて準備前に言いなさいな。別に構いませんけど。彼、びっくりしたでしょう?」
「それはもう。写真に撮り損ねたのが悔やまれるくらいにはね。というか、準備うんぬんは姉さまには言われたくないわ」
この居酒屋もどきの店の奥の席は、いわゆるVIPな人達がお忍び、あるいは何かの会談場所として使う際の席。
一刀君ももちろんそれは知ってるから、あれだけ驚いたのでしょうね。
「なら、キッチンに一言言っておきますわ。彼の友人はうちの固定客候補ですもの」
「よろしくね。ちなみに、料理は彼が運ぶそうよ。こっちでやるからいいと言ったのだけど」
「彼らしくていいじゃありませんの。そういう事ならお任せしますわ」
そういうと、姉さまは厨房へと引っ込んだ。
さて、そろそろ彼とお話ししてもいい頃かしらね。
美羽 Side 終
「お疲れ様、そろそろ休憩でしょ?店ので悪いけど、お茶よ」
「あ、ありがとうございます」
ようやく、来店&注文ラッシュが一息ついたところで、美羽さんがコップにお茶を入れて持ってきてくれた。
「亞莎は?」
「部屋で休憩するそうです。このあと、俺の友達との応対のためだとか」
「あら、気が利く……ってまあ、そうよね」
ふむふむと頷いている。
「それで?何人来るんだっけ?」
「えーっと……」
上着に被せて着てる紺色エプロンのポケットからメモを取り出して確認。
「しすたーずの3人、凪ちゃん、真桜ちゃん、沙和の仲良し3人組、桂花達3姉妹と聞いてるので、全部で9人。オレも入れて10人ですね」
「貴方も随分とたくさん引っ掛けたものねえ」
「引っ掛けたって何ですか」
随分な言われようだ。
「あれ?でも、勉強会をしたって聞いた時よりも、人数増えてないかしら?」
「ええ、天和が妹達から今日のことを聞いて、急遽予定を空けて入ってきたので」
「へぇ。アイドルやってるからなのかしら?思ってたよりも随分パワフルねえ」
そんな話をしていたら、にわかに外が騒がしくなった。
「予定より早いんじゃない?」
「ま、まあ遅刻するよりはいいんじゃないですかね?とりあえず、オレが出ます」
「ええ。亞莎呼んでくるわ」
さて、それじゃ迎えるとしますか。
「いらっしゃい!今日は店長の新作があr……!?」
一応、普通のお客さんの可能性を考慮して、出迎えたんだけど。
「おや?随分と威勢がいいようだ。これは冥琳先生が推すのも分かる……って北郷じゃないか」
「あら~?珍しい子ですねぇ」
「冥琳先生、言ってくれればいいのに」
「今日入ってるかは分からなかったから言わなかったんだが……」
白蓮先輩に穏先生、七乃先生に冥琳先生が来店なされた。
「い、いらっしゃいませ」
「あら?姉さま、うちに客としてくるなんて珍しいじゃないですか」
オレが突然の事態にギクシャクしていると、亞莎を連れてきた美羽さんが後ろから声をかけてきた。
「ああ。麗羽姉さんの新作が出るかと思ってな。たまには同僚と飲むのにはここが最適だろう」
「なるほど。そういうことでしたら、私が担当しますわ。彼は今日忙しいですから」
「構わんよ。それでは行こうか」
そういうと全員がぞろぞろと席へと案内された。
「白蓮先輩はなぜ?」
「ん?卒業したら、ここの初等部の先生になりたくてな。免許を持ってらっしゃる穏先生と色々と話をしていたら、急に引っ張られてだよ」
白蓮先輩は苦笑するとそのままついて行った。
「先輩、まだ大学1年生だったよね?」
「そのはずです。随分先のことなのに、色々と考えているんですね」
亞莎と顔を見合わせて苦笑。
すると、またも外が騒がしくなると同時に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「今度こそ、かな。それじゃあ手伝ってくれるらしいし、よろしくね」
「はい!」
亞莎の元気な返事を聞きながら、再び扉を開いて迎えに行った。
あとがき
どうも、作者です。
大学を留年したり、実習が待ち構えていたりして、わりと気分が落ち込んでおりますが、私は元気です。
さて、今回はかなーり短いですが、テスト回を吹っ飛ばして終了後の集まりの導入でした。
ついでに、麗羽さん初登場。
まあ今さらですが、原作からかけ離れた方もそうでもない方も大勢いらっしゃる外史ですので、『へぇ~、こんな感じなんだ~』とでも思ってくれると嬉しいです。
ちなみに、今回先生方とか色々と出しましたが、次作成予定の話には一切かかわる予定がないという有様です。
そもそもプロットとかも全くない(人物設定位しかないです)ので、また気長にお待ちください。
とりあえず、いつぞやのコメントに書かれていたように今年中に30回は続けられるように書いていきたいと思います。
それでは、次回をお楽しみに!
Tweet |
|
|
10
|
0
|
追加するフォルダを選択
一刀と恋姫たちが現代の学校で繰り広げる物語。
笑いといちゃこらと(視聴者と私の)嫉妬からできています!