No.898047

機動戦士インフィニットストラトスF91

マルチフォーマルスーツ、インフィニット・ストラトス(IS)が開発され、人類は生活の場を徐々に宇宙に移すとも言われて.....3年、人類は...新しい土地を開拓せず、人類同士での戦いにISを使用するようになった。女性しか扱えないISの台頭により、女尊男卑が進んでいた。イギリスの名門貴族オルコット家当主である、シャローラ・オルコットは、女性第一主義を掲げ、私兵クロスボーンバンガードを結成した。

イギリスの小さな島によって構成されたフロンティア市。4番島にあるアナハイム中学に通う工学生シーブック・アノーは...軍の開発した最新鋭のIS、F91を動かしてしまう。


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2017-03-20 21:54:46 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1336   閲覧ユーザー数:1317

 

 

 

 

 

 

 

 

マルチフォーマルスーツ、インフィニット・ストラトス(IS)が開発され、人類は生活の場を徐々に宇宙に移すとも言われて.....3年、人類は...新しい土地を開拓せず、人類同士での戦いにISを使用するようになった。女性しか扱えないISの台頭により、女尊男卑が進んでいた。イギリスの名門貴族オルコット家当主である、シャロー・オルコットは、女性第一主義を掲げ、私兵クロスボーンバンガードを結成した。

 

 

 

 

 

「セシリー!セシリーッ!!」

 

俺は中学校内を歩き回り、セシリーこと、セシリア・フェアチャイルドを探していた。

 

「もう!何ですの?私は慣れないお母様のドレスに苦戦しているのですけど?」

 

「もうミスコン始まっちゃうよ!」

 

「仕方ないでしょう!」

 

仕方ないって言われても...よし!

 

俺は閃いた...歩きづらいのなら...抱っこかおんぶすればよくね?

 

思いついたら即実行!!!

 

「セシリー!ちょおっと失礼するぜ!」

 

「なっ?!何をするんですの!!」

 

「何って...抱っこ?」

 

「そういう意味じゃありませんの!!」

 

「まぁ、まぁ...さあって、急ぐぞ!!!」

 

「いやあああ....」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

{次は!我がアナハイム中学の最強のお姫様!セシリア・フェアチャイルドだ!}

 

学校一のイケメンことドワイトがセシリーのコールをした。これなら...間に合う!

 

人並みの近くでセシリーを降ろし、背中を押す。

 

セシリーは悲しそうにこちらを振り向いた。

 

「やっぱり...気乗りしませんわ...」

 

「いいんだよ、美人なら!なんだっていいのっ!」

 

「え、えぇ...?」

 

もう一度背中を押して、人並みに押しやる。

 

歓声が沸き上がる中、壇上にセシリーが立った。番号は11番...今回のtotoの結果は決まったな...これで今月分のリィズのお小遣い分にはなる、ズサァァンッ!!!...な?

 

校舎の上に軍のパワードスーツが落ちてきた...な、な、なんだよ...?

 

そして、

 

あれは...二つ目で、ガスマスク付きの...IS?

 

{我々はクロスボーンバンガード!女性の権利を保障するために参上した!}

 

クロスボーン...バンガード...?

 

{これより、このフロンティア市を、女性のための国コスモバビロニアと建国する!}

 

コスモ...バビロニア?女性のための国?!

 

 

上から今度は軍のISが宣言の声を上げた二つ目のISに突っ込んだ。

 

!!!!.....「「「ああああああああ?!」」」先ほどまでミスコンを見ていた観客の上に、大型のIS、ジェガンが落ちてくる。

 

セシリーは!

 

ステージの方を見る。...セシリー!

 

彼女のドレスのスカートには鉄パイプが刺さっていた。

 

「セシリーっ!」

 

「...シーブック!」

 

「大丈夫、じゃないよな...」

 

「私、一人で大丈夫ですから!シーブックはリィズさんと逃げて!」

 

「そんなわけにはいかないだろうっ?」

 

スカートを引っ張り、鉄パイプから引っこ抜く。

 

「逃げるぞ!」

 

「逃げるってどこへですの?!」

 

「シェルターがある!」

 

「シーブック!」

 

「どうしたんだよ、ドワイト?」

 

「そんなのんきなこと言ってられないんだよ!ここらへんのシェルターは満杯で、入れないんだ!」

 

「それってホントの話か?」

 

「あぁ...」

 

「まずいよ、それは...」

 

「とりあえず、街外れの戦争博物館のシェルターが開いてるかもしれないって、親父が言ってた。」

 

「港の海軍基地のお偉いさんか...」

 

「とりあえず、1度家に帰ってから、もう一度集合しよう!」

 

「わかった。30分後に!」

 

「ああ!」

 

「分かりましたわ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ドワイト...どうだった?」

 

ドワイトや、道中で出会ったアーサー達がシェルターを探しに行き、外で見張っていると...ドワイトが戻ってきた。

 

「だめだ...ロイ将軍ってやつは、シェルター自体を埋めちゃってたんだ。」

 

「どうする?」

 

「港に行くしかない...沖には、軍の艦船が来ているらしい。」

 

「わかった。でも、アーサーは?」

 

他に出会った友人たちの姿は見えても、アーサーだけが見つからない。

 

!!!

 

パワードスーツ?違う!戦車だ!

 

出てきたのはパワードスーツの胴体に、下半身が戦車の奇妙な機体が出てきた。

 

そして、アーサーは胴体の上にあるキャノピーから体を乗り上げていた。

 

「皆!俺がこのガンタンクで道を開く!」

 

「バカ!アーサー!そんな目立つ機体じゃあISに殺されちまうよ!」

 

「大丈夫大丈夫!」

 

「アーサー、クロスボーンのパワードスーツだ!」

 

先ほどの二つ目のISを小さくしたようなパワードスーツがとがった武器をアーサーに向かって発射した。

 

「「「アーサーっ!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アーサー!アーサー!こんなことをしている時間はないだろ?目を開けてくれよ!」

 

アーサーは、ガンタンクの近くに着弾したクロスボーンの武器の爆発に巻き込まれ、30mは飛ばされていた。

 

「もう、眠らせてやれ...」

 

そう、話しかけてきたのはドワイト。

 

だって...だって...

 

「だってよ...アーサーなんだぜ....」

 

「シーブック...」

 

「シーブック今は、港に行って脱出ボートを探そう。」

 

「シーブック!クヨクヨするなんて、貴方らしくないですわ!」

 

セシリー...

 

でも、ここから港まで7キロはあるのに...どうすればいいんだ。

 

そうだ、ガンタンク!

 

ガンタンクに駆け寄り、状態を見る。

 

履帯も切れてないし、幸い爆発の影響も受けてないみたいだ。これなら、港まで行ける。

 

リィズ!セシリー!ドワイト!ジョージ!ドロシーも!皆ガンタンクの上に乗って!早く!

 

「シーブック...操縦できるのか?」

 

「大丈夫だドワイト。学校のパワードスーツと.....同じだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

港に着く。そこは、もうすっからかんで、誰も居なかった。

 

「脱出艇はもう無いのか?」

 

ガンタンクを港で走らせながら、ドワイトに話しかけた。

 

「あぁ、見たところ全部出て行ったみたいだ。地下港に潜水艇ならあるかもしれない...そこから地下港に入れるはずだ。」

 

「分かった。」

 

ガンタンクを地下港への入り口に入れる。かなり、余裕に入ることができた。

 

 

 

「あった、シーブック!あったぞ!」

 

目の前には、10名用の脱出用潜水艇。

 

助かった...

 

「スペースボートの操縦は俺がやる。」

 

「ドワイト?」

 

「親父に習ったからな。」

 

 

「...え?」

 

セシリーが、突然地下港の入り口の方に歩いていくと、それに合わせたかのように、クロスボーンのISが入ってきた。

 

{セシリア・フェアチャイルド!...いや、セシリア・オルコット様!}

 

ISのパイロットは、セシリーを呼び始めた。

 

セシリア・オルコット?それってセシリーの名前なのか?

 

ISは、セシリーをマニュピレーターで持ち上げ、逃げようとする。

 

{そこのIS!セシリーに何の用だ!}

 

{私は、ここにおられるセシリア・オルコット様の妹、アンジェリカ・オルコットですわ。これ以上近づくのならば、そのパワードスーツもどきを爆発させますわ!}

 

そう言って、ISのパイロット、アンジェリカはレーザーライフルをこちらに向けてきた。コクピット内にアラームが鳴り響く...。どうするんだよ...撃つか?でも、こんな骨董品は打てないだろう。

 

{セシリー、ごめん!}

 

ガンタンクを後退させ、攻撃の意思がないことを示す。

 

{よし、それでいいですわ。では、ごきげんよう。}

 

そう言って、ISは飛び去って行った。セシリーを連れて。

 

セシリー......「シーブック、今はセシリーの事は忘れろ!」

 

「ドロシー、無理だよ...]

 

「バカ!そんなクヨクヨしてたらまたセシリーに笑われちゃうよ!」

 

「くっ....分かった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺たちは、港に残っていた潜水艇でフロンティア4番島を脱出した。

 

その後、水面に出ると。軍の大きな潜水IS母艦がいた。

 

母艦は、港に停泊していた海軍の練習艦だそうだ。

 

「あなたたちが、フロンティア4の生き残りなのね?」

 

「生き残り?それって一体どういうことですか、レアリー艦長?」

 

「代行です。それに君は、副指令のご子息ね?」

 

「えぇ。」

 

「それで、生き残りっていうのは、貴方たちが私たちに会う前に浮上しなかったからなのよ」

 

「まさか...」

 

「そう、クロスボーンバンガードは脱出艇を全部フロンティア4に帰還させたの。つまりは、住民たちを捕虜にした。コスモバビロニアの国民に仕立て上げるつもりね。」

 

「そんな...」

 

ドワイトと艦長が話していても、俺は心ここにあらずだった。セシリー...

 

「そこのご兄弟は...?」

 

「あ、僕の学友のシーブック・アノーと、妹さんのリィズ・アノーです。」

 

「シーブック君と、リィズさんね...アノー?...もしかして、モニカ・アノー博士のご子息ですか?」

 

モニカ・アノー、それは俺の母親の名前だ。でも、おふくろはバイオコンピューターの研究をするために家を出て行ったきりだ。

 

「おふくろは...リィズが小さい頃に出て行ったきりで...」

 

「...すみません。では、皆さん方にも、このIS母艦、シーアークの手伝いをしていただきたいと思います。」

 

「分かりました。行こう、皆。...シーブックも」

 

「ああ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一仕事を終え、飯を食っていると、メカニックのグルスさんが話しかけてきた。

 

「シーブック、ちょっといいかな?」

 

「なんですか?」

 

「いやぁ...何というか、少しわからないことがあるんだ。」

 

おそらくお袋の作ったバイオコンピューターで、わからないところだろう。

 

「どういうものなんですか?」

 

「八掛の吊り橋の謎を解けば、回線が構成できるっていうのんだけどね...」

 

「それなら、すごい簡単だわ!」

 

「リィズ?」

 

「リィズちゃん?」

 

おもむろに現れたリィズは手にあやとりを持っていた・

 

「「あやとり?」」

 

「そうよ、こんなもの暗号でも何でもないわ。」

 

「でも、あやとりって...「見てて!」」

 

リィズは慣れた手つきであやとりを進めていく....ってあれは!おふくろがいつもリィズに見せていたやつ!

 

「あらあら、どうしたのよ?」

 

「あ、ピリヨさん?」

 

「お姉さんのことはローラさんと呼びなさいと言ったでしょ?」

 

このナイスバディな人は、このシーアーク唯一のIS、ヘビーガンのパイロット、ローラ・ピリヨさんだ。訓練生にありながら、フロンティア4では敵のパワードスーツ、デナンゾンを2機も落としている。

 

「ってこれは、あやとり...吊り橋ね?懐かしいわね...」

 

「こ、こ、これだ!!!すごいよリィズちゃん!」

 

突然グルスさんが閃いたようだ。

 

「上の橋脚の部分がコアからの回線で、下の部分がバイオコンピューターのパラレル回線になるんだ!!!」

 

「で、グルス?そのバイオコンピューターって何なの?」

 

「男がISに乗れる可能性を生み出し、ブリュンヒルデほどの性能を引き出すことができるんだよ!」

 

「へぇ、じゃあさ...シーブック、そのIS触ってきなよ?」

 

「えぇ?!何でですか!」

 

「だってパイロット居ないし、そこのリィズちゃんにパイロットなんかやらせられないでしょう?」

 

「...っ!分かりましたよ、まだ動くとも分かってないのに早すぎですよ...」

 

グルスさんについて行ってISの整備室に入った....目の前には小さなフルスキンのIS。

 

「このISって何て名前なんですか?」

 

「あぁ、F91って言うんだ。」

 

そうか、F91って言うのか。

 

「グルス軍曹?F91は動くのかしらね?」

 

そこへ、艦長がやってきた。

 

「えぇ、リィズちゃんのお陰でバイオコンピューターのパラレル回線が動けるようになったんでね。」

 

「で、シーブック君で本当に男でもISが動かせるのか確かめるのね?」

 

「えぇ...よし、シーブック!そのF91に触れてみてくれ!」

 

「触れるだけでいいんですか!」

 

「あぁ!」

 

F91に触れる...

 

ああああああああ?!

 

脳内にF91の情報が入ってきて脳が焼けそうになる。

 

「大丈夫かシーブック!」

「大丈夫、シーブック君?!」

 

そして...周りが光り始め、目の前にあったF91の装甲が分割され、量子化される。

 

体の周りに先ほどの装甲が現れ、装着されていく。

 

「「シーブック(君)!」」

 

「って驚いてる場合じゃないな、シーブック!フェイスガードを閉じろと念じろ!」

 

フェイスガード?閉じればいいのか...閉じろ。

 

そう念じると即座にフェイスガードが閉じる。

 

「...確かこんな感じの顔をしたISがあったわね...ガンダム...。ねぇ、グルス?F91のコードネーム、ガンダムにしない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シーブック!本当にやるのかい?」

 

格納庫でF91の整備をしていると、ドワイトがやってきた。

 

「セシリーが心配だからな。」

 

「それにしても...艦長なりローラさんに相談しろよ!」

 

「止められるだろう?」

 

「当たり前だ!クロスボーンの本部に潜入するなんて...ましてやF91を使うことなんてできないぞ!」

 

「止めないでくれ!」

 

 

 

「何事ですか!」

 

「艦長?!シーブックが!」

 

レアリー艦長が格納庫に入ってきた。

 

「シーブック君、軍艦にいる以上、一般人といえども軍紀には従っていただきます。セシリアさんが、オルコット家の長女であり、バビロニアの姫として祭り上げられるということは、とてもつらいことだと思いますが、耐えなさい。」

 

「...でも!」

 

 

「...ですが、私が偵察を命じたことにすれば問題ありません。慣らし運転がてら、地下港から潜入してきてください。しかし、していいのは、ISに乗っての偵察だけです。何としてでも帰ってきてください。」「艦長?!」

 

「分かりました。F91、シーブック・アノー、出ます!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一人では生きられないし...覚悟もつかない...

 

シーブック、ドワイトさん、ドロシーさん、リィズさん、忘れられるわけがない。今でも、時間を巻き戻したいと思う。ロングに伸ばしていて、シーブックにきれいな髪と褒められた自慢の金髪も...切ることにした。

 

...はさみを持つ。

 

「セシリー!」

 

....?!

 

「シーブック!」

 

窓から入ってきたのはシーブックだった。

 

「ここから出よう!みんなが待ってる。...その髪、切ったのか...」

 

「もう...私はオルコット家の娘として生きようと決めたのです....」

 

「でも...!」

 

「おそいですの...もっと早く来ていただけたのならば...決意もつかなかったのに!」

 

「セシリー...ごめん。」

 

シーブックは、部屋に近づく足音を聞き、窓から行ってしまった。

 

謝ってほしいわけじゃないですの...でも!この髪を切らなかったら、ついて行けたのに...

 

「お姉様、ご教練のお時間です。」

 

「分かりましたわ、アンジェリカ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリーが...あの髪を切ったのか?!

 

....遅くなったからだ...もっと早く...もっと早く助けられたらっ!

 

{シーブック、そのまま、甲板に着艦しろ!}

 

{...了解っ}

 

{シーブック君?大丈夫かしら?}

 

{え...えぇ...}

 

シーアークからの、レーザー誘導で甲板に着艦する。

 

 

 

 

 

「命令は、偵察だけだったはずですが...?」

 

「すいません、レアリー艦長...どうしてもセシリーの事が気になってしまって...」

 

「つまりは、自分の女にこだわったわけね。「やめなさい、ローラ少尉!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は...クロスボーンバンガードのIS母艦、ザムス・ギリの格納庫で、自分の専用機「ブルーティアーズ」に、アンジェリカにもらったミニブーケを付けていた。

 

こんなもので、生き延びれるとは思えないのですが...

 

「お姉さま、街での噂聞きましたか?」

 

「知りませんわね...いったいどういう物なのですか?」

 

「我々の作戦により、多数の死者が出ているというデマなのですが。」

 

「デマではないですの...」

 

シーブック...貴方は今どうしておられるのですか?...いけない、私はもうオルコット家の女として生きていくと決めたのに...

 

{アンジェリカ大隊、発艦準備に移れ!}

 

「では、お姉さま。先に参ります。」

 

「えぇ。(来なさい、ブルーティアーズ!)」

 

青、白...差し色に黒。大きなレーザーライフル、スターライトmkⅢ。アンロックユニットである、ビット、ブルーティアーズ。私の専用機であり、第3世代として作られた、ノンフルスキン装甲のIS。

 

{セシリア様、カタパルトへ。}

 

{分かりましたわ。セシリア・オルコット、ブルーティアーズ、行きますわ!!!}

 

{アンジェリカ大隊は、フロンティア1番島の資源採掘島に真っ直ぐ向かいますわ。パワードスーツ隊は、正面の艦艇、パワードスーツに攻撃。IS隊は我のフラッグに続け!}

 

そう言って、先頭のIS、アンジェリカのベルガ・ダラスからビームフラッグが映し出された...オルコット家の紋章?

 

{お姉さまは、遅れている機体がいましたら、喝を入れてやってください。}

 

{分かりましたわ。勉強させていただきます。}

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レアリー艦長が、整備室に入ってきた。

 

ここには、俺とローラさんしかいない...

 

「どうしましたか、艦長?」

 

「出撃です、フロンティア1にクロスボーンの混合部隊が来ているので、ローラ少尉、シーアークの停泊している港のブロックを守ってください。シーブック君は、待機。いつでも出られるようにしてください。」

 

「「了解。」」

 

 

 

 

ヘビーガン、海軍の開発した、小型ISの量産機であり、いまだ主力の座を保っている。しかし、クロスボーンの高性能ISの前では無意味であった。

 

「一体何機の敵がいるのよーー!!!」

 

 

 

 

{シーブック君!出撃しなさい。}

 

下手こかなきゃ...死にはしない...

 

{F91はシーブック・アノーで行きます!}

 

{シーブック君、PICを利用して機体を立たせられるわね?}

 

{やってます!やれてますよね?}

 

PICを起動させ、宙に浮き、機体を立てる。

 

{えぇ、1番上のレーザーライフルを使って!}

 

そこには、小型のレーザーライフル。

 

{えぇ?!合うんですか?}

 

{F91用よ、調整はすんでいるわ。}

 

{F91をカタパルトにのせろー!}

 

「動いて、良かったですね!」

 

「あぁ、リィズちゃんのお陰だよ。」

 

「(お母ちゃんがあんなものを作っていたなんて!)」

 

{シーブック!カタパルトに乗れ!}

 

「お兄ちゃんが?」

 

{ガンダム、行きますっ!!!}

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(ム?港に潜水艦が隠れている?!...あれは!IS。)」

 

カタパルトから射出されると、シーアークのすぐ右上に飛んでいたデナン・ゲーが、こちらに気づき、肩部3連ミサイルを発射してきた。

 

こいつぅっ!

 

左腕のビームシールドを展開して、ミサイルを全弾爆破する。

 

左サイドスカートから、レーザーサーベルを掴む。胸部、頭部のバルカン4門を撃ちっ放しにする。「来るっ?!」デナン・ゲーもレーザーサーベルを展開して、切りかかってくる。サーベルを右手で、下から逆袈裟切りのように、切り上げる。サーベル同士がぶつかり合い、一瞬距離をとる。

 

スラスターを吹かし、一気に最接近する。

 

「でやあああああっ!」

 

そして、デナン・ゲーに、サーベルを突き立てる。爆発、ISから緊急脱出したパイロットがゆっくりと降下傘で、降りていく。

 

「落ちていく....ローラさんは?」

 

体制を整えようとするヘビーガンに、2機のデナン・ゾンが攻撃を仕掛ける。

 

1機はライフルを連射し、もう1機はサーベルをもって、突っ込んで来た。ロッテ戦法のように編隊を組んで攻撃してくる2機に向かって照準を合わせる。

 

pppppppi!

 

ロックオンの表示が出る。

 

右手に再展開したライフルを、2機に向かって2連射する。

 

1発は外れたが、もう1発の閃光が下側のデナン・ゲーの腹を突き抜け、頭部を胴体から吹っ飛ばす。そして、勢いは衰えず上で驚いていたパイロットの頭部を消し去った。

 

やれた?!...パイロットは、死んだ......死んだか.....

 

 

 

 

 

 

「碌な戦力など残っていないはずなのに、3機も撃墜されたの...傲慢がほころびを生むというのですか。{お姉さま、撤退しますわ...お姉さま?!}」

 

{アンジェリカ、私は!会わなければならない人がいますの!}

 

そう言うと、ブルーティアーズは部隊を離れ、港の方角に戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

{ローラさん!}

 

{F91やれるのかしら?!}

 

{何とか...}

 

ppppppppp!

 

アラート?

 

センサーの示す方向には、青色のISがいた...

 

ズーム...画像解析...ISのハイパーセンサーは即座に処理が行われる。

 

あれは...セシリー?!

 

{セシリーっ!}

 

オープン回線を使って、青いISに話しかける。

 

{シーブック!やっぱり、シーブックですのね?}

 

 

 

 

 

 

 

 

 

{艦長?}

 

{何ですか、ローラ少尉?}

 

{あの二人の通信聞きます?}

 

{しなくていいわ、何を話しているか想像はついているし、子供の戯言なんて聞く気もないです。}

 

{さいですか。通信終了!RTB!}

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お母様...お姉さまが脱走しましたわ。」

 

目の前には顔を隠した母親がいる。

 

「そう、まぁ...いいわ。フロンティア1にバグを投入します。私も沖に出ますわ、アンジェは島内に突入しなさい。」

 

「承知いたしましたわ。」

 

 

 

 

 

 

 

シーアークは、フロンティア1の港の端に停泊している。

 

「シーブック君、整備は終わったのかしら?」

 

「えぇ、セシリーも俺もシールドエネルギーは満タンにしてあります。」

 

「そう、では少尉とセシリアさんを呼んできてください。作戦会議をします。」

 

 

 

 

 

 

 

「では、作戦会議を始めます。」

 

「は~い質問!」

 

「何ですか、少尉?」

 

「投降してきたあのクソリア充はどうすんの~」

 

ローラさんのテンションがおかしいのはいつもだけど、昨日からは特にひどい。あの初陣から3日後、クロスボーンのパワードスーツが投降してきた。

 

しかもパイロットはエースパイロットのザビーネ・シャルとアンナマリーさんだ。

 

二人はリィズの面倒も見てくれるいい人たちなんだけど...

 

「あの二人も次の作戦には出てもらいます。今回は、偵察だけ。その後出てもらいます。」

 

「「「了解...」」」

 

 

 

 

 

 

 

「シーブック...!」

 

「何だい?」

 

「私たち...生きて元の生活に戻れますわよね?」

 

「....あぁ!戻れるさ!」

 

「二人とも、目の前のことから考えなさいよ。」

 

「もちろんですわ、ねぇシーブック?」

 

「あぁ。」頷く。

 

 

{少尉!カタパルトへ!}

 

{了解。}

 

「シーブック、セシリアも!}

 

{{了解!}}

 

 

 

 

 

 

港から発信して、今は中心街に向かっている。

 

{静かね...街の方も静けさがするわ。}

 

オープン回線からローラさんの声が聞こえてくる。

 

{人の気配もしないなんて不思議ですわね。}

 

{IS部隊!緊急事態です。クロスボーン軍がフロンティア1に虐殺兵器を投入しました。即座に見てきてください。}

 

{了解}

 

代表でローラさんが答える。

 

{シーブック、セシリア!私が先陣をきるわ!ついてきなさい!}

 

{了解!}{分かりましたわ!}

 

 

 

 

 

 

来たッ?!何だこの円盤....刃が回っている。

 

{バグ?何故ここに!}

 

{セシリー、一体何なんだ、これは!}

 

{分からないですわ、クロスボーンだって一つではないですの!}

 

セシリーが、ビットを放ち、瞬く間に4つ落とした。

 

{ローラさん?!迂闊です!}

 

 

{だって、街が焼かれているのよ?!この!この!}

 

{ローラさん、もっと動いて!}

 

{逃げてくださいましーッ!}

 

{人間だけを殺す機械なの?!イャアァァァぁァァアアァぁ}

 

{ローラさん!?}

 

{少尉?!}

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ローラさんが落とされた?!

 

{セシリー!少尉がやったみたいにサーベルを回せ!}

 

{そんなので落とせますの?}

 

{あいつらISに向かって寄ってきてるんだ!}

 

{分かりましたわ!}

 

レーザーサーベルを回しながら、島の上を飛び回る。

 

「もっとだ!もっとこい!」

 

{シーブック!これではキリがありませんわ!}

 

{あと少しだ!もう少しで!}

 

段々とバグの数が減ってきた。

 

サーベルを回すのを止め、1つ1つずつ丁寧に斬りさばいていく。

 

「よし、これで最後!」

 

{シーブック!クロスボーンですわ!}

 

レーダーを見ると、5機の反応。1機がISのビギナ・ギナで、あとはパワードスーツのデナン・ゲー。デナン・ゲー達が三連装ミサイルを斉射してくる。

 

{セシリー、指揮官機をやってくれ!}

 

{了解ですわ!}

 

 

今まで、使わなかった武器、ヴェスバーを展開する。背中から、左脇に降り、トリガーが展開する。

 

ppppppppp、pi、pi、pi!

 

ロックオン、高収束のビームを撃ちこむ....

 

先頭のデナン・ゲーは、爆発を起こした。

 

「ち、超スーパーすげぇどすばい...」

 

これが...世界初のビーム兵器の威力...。

 

ppppp、pi!

 

もう1機にも照準が合う。

 

ppppp、pi!

 

右側のヴェスバーも展開、別の敵にロックオンする。

 

トリガーを引く。

 

高収束のビームの光が残像として残り、一筋の爆発への道となった。

 

4機撃墜、残る1機は逃げようと向きを変えている。

 

「逃がすか!」

 

ビームシールドを展開、ビームの部分をバックパックに当てる。

 

{やめろぉっ!}

 

{お前らが攻めてきたんだろ!}

 

{うわぁぁァぁァ?!}

 

「ハァ....はぁ...せ、セシリーは?」

 

セシリーのいる方向をみると、ビギナ・ギナが落とされるところが見えた。

 

幅寄せして、接触回線を開く。

 

{無事か?}

 

{えぇ、問題ないですわ。}

 

{二人とも、ローラ少尉の機体を確認してきて下さい。}

 

{了解です、レアリーさん。行こう、セシリー。}

 

{えぇ。}

 

 

 

 

 

 

 

ローラさんの墜ちた池をハイパーセンサーで確認する。

 

{セシリー、見つかった?!}

 

{シーブック...あそこ、ですわ...}

 

{あそ....ローラさん!}

 

セシリーの指す場所は砂地になっている部分。

 

そこには、完全に破壊されたヘビーガンの装甲と....ローラさんが倒れていた。

 

ガンダムを降りて、走る。

 

「ローラさん...ローラさん!」

 

 

 

 

 

 

 

「ミンミさん...ローラ少尉は?」

 

「艦長...その、今目を覚ましたところなんですけど...」

 

「そう...心にきついものが?」

 

「みたいです。」

 

「シーブックとセシリアさんには?」

 

「伝えない方が良いと思います。戦闘に支障が出るかもしれないですからね。」

 

「では、そのようにします。...少尉を、お願いします。」

 

「はい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

.......ロー...ラさん...

 

もっと早く...あの時、代わりに盾になっていれば...

 

後悔は数えきれない...もう、この戦いで敵味方構わず人が死に過ぎた...

 

「シーブック...?」

 

相手は人間...どうせなら地球外生命体とかなら、迷いなく殺せただろう......ヴェスバーは強力すぎる...それ以外も軍事用ISとして開発されたF91は、通常のIS改造機であるクロスボーンのデナン・ゾンは、胸部メガマシンキャノンでさえも絶対防御を発動させるレベルだ...こんなもの、IS...ましてやパワードスーツに撃ち込めば、パイロットは見るも無残になってしまう。こいつを使う資格があるのか、俺には?セシリーも...こんな戦いが始まって...敵の機体を倒すことに躊躇していない...皆が狂っている。戦争はこういう物なのか?

 

「シーブック?...もうっ、シーブックったら、しっかりなさいまし!」

 

「せ、セシリー?どうしたんだ?」

 

「パイロットスーツが届いていましてよ。」

 

「あぁ、なんか...あったねそんなの。」

 

「すぐに来てくださいね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの...グルスさん?」

 

「どうしたんだい、シーブック?」

 

「ヴェスバー、片っぽ外したんですか?」

 

「あぁ...どう考えても次の作戦に合わないからね。何よりも、バイオコンピューターを積んでいるからBT兵器を積まなきゃもったいないからね。」

 

「でも、なんだって片っぽだけ?」

 

「射撃武器がないじゃないか?」

 

「でも...!」

 

「でも?」

 

「何でもないです。BT兵器はビット?」

 

「あぁ、でもセシリアさんのよりも射程も、威力も低いけどね。普段は排熱板についてるけど、射出されるようになってる。最大稼働時には排熱板が展開するんだ。理論上では、世界一高機動なISになるよ。」

 

「ありがとうございます!でも、ヴェスバーの出力、競技用まで下げてもらえませんか?」

 

「...艦長に相談してみるよ。」

 

「ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、ミーティングを始めます。」

 

俺、セシリー、ザビーネ、アンナマリーさんがミーティングルームに呼ばれた。

 

「貴方達、航空戦力要員を呼んだのは他でもありません。...この紛争が最終局面と化し、とうとう巨大ISを展開したという情報が入りました。ですから、我々シーアーク隊で、鉄仮面とアンジェリカ・オルコットを抹殺する作戦を発動します。」

 

「母と、妹をですか⁈」

 

「セシリアさん、これは軍の作戦です。私情は禁物。いいですね?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お兄ちゃん?」

 

飯を食っているとリィズが話しかけてきた。

 

「どうした、リィズ?」

 

「大丈夫?元気ないけど...」

 

「...大丈夫、大丈夫。何とかなるさ...」

 

「そうは思えないよ。」

 

「何でさ?」

 

「ご飯お代わりしてない。」

 

「パイロットは出撃前は小食なんだよ...」

 

「ふ~ん...ISの保護機能があるのに?」

 

「...」

 

「...お兄ちゃんはいつもそうなんだから。」

 

「妹に頼る方がダメだろ?」

 

「ドワイトさんとかセシリアさんがいるでしょ?」

 

「...」「...リィズ、シーブック。」「お袋⁈(お母ちゃん⁈)」

 

「お袋!今頃になって、どの面して、リィズの前に現れたんだよ⁉」

 

「...ぉ母ちゃん...」

 

「リィズ、ボートの中で待っててくれ!」

 

「お兄ちゃん!お母ちゃんだって、お母ちゃんだって事情はあるのよ?」

 

「それとこれとは、話が違うんだよリィズ!」

 

「お兄ちゃん...」

 

「シーブック!もう、出撃ですわよ!」

 

「シーブック...まさか、貴方...F91に乗っているの⁈」

 

「パイロットがいないんだ、仕方ないでしょ?」

 

「あなたは、あのマシンに乗ってはいけないの!」

 

「今はそんなこと言ってる場合じゃないんだ!」

 

「通さないわ...シーブック。」

 

「退いてくださいモニカさん...撃ちますわよ。」

 

そう言ってセシリーはお袋に拳銃を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

{攻撃隊発艦用意をしてください!}

 

{分かりました、レアリー艦長。アンナ、シーブック、セシリア様...お先に。}

 

{ザビーネこそ。}

 

{ザビーネ、頼りにしてますわよ。}

 

{お任せあれ...シーブック!ボケっとするな。{わっ、わかりました!}}

 

...どうしようもなく、頭の中で考えが回っていく....

 

お袋、何で今になって!...クッソ!「シーブック?大丈夫ですの?」

 

「...セシリー、君は、親を殺すなんて出来る...のか?」

 

「出来る出来ないじゃないですの...自分の血縁は自分の手で断ち切る。そう決めましたし、変える気はないですわ。」

 

「...行こう。この戦いを終わらせて、皆で、アーサーやローラさんの分まで生きよう!」

 

「えぇ!」

 

「(行くぞ、F91!)」

 

身体に装甲が展開される。

 

{ガンダム、発進準備完了。格納ハッチオープン!シーブック、出れるな?}

 

{行けます!...シーブック・アノー、F91ガンダム、行きます!}

 

{セシリア・オルコット、ブルーティアーズ、行きますわ!}

 

{ザビーネ・シャル、ベルガ・ギロス、出る。}

 

{アンナマリー機、発進。}

 

四機の鳥は、空へ飛び立っていった。

 

「...攻撃隊との通信が切れます!」

 

「...帰ってきてください...貴方達。」

 

 

 

 

「あ、あれは?」

 

「少尉⁈まだ体を起こしちゃダメです...」

 

「み、皆は!」

 

「行きましたよ...決着を着けに。」

 

「そう...なんだ。(シーブック、セシリア、リア充...帰ってきなさいよ。)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...増援隊が全滅したのは本当ですね?長官。」

 

通信機の画面の前には上官。本土の安全なコンクリートに囲まれ、現状を知らない糞野郎。

 

「あぁ、レアリー艦長。君の部隊の生存を祈っているよ。」

 

それだけではないはずだ。

 

「で、本題は?」

 

「フロンティア市を明け渡す。」

 

「フロンティア市を全て、でありますか?」

 

「そうだ。これは、裏での取引で決まったことだ。」

 

「では...我々の作戦は無意味だと?」

 

「直ちに撤退せよ、それが上層部の命令だ。」

 

「承知しました。」

 

 

「レアリー艦長?」

 

「あぁ、ミンミ。どうしたのかしら?」

 

「ローラ少尉が落ち着いたので...面会しますか?」

 

「いえ、大丈夫です。これから、CICに籠るので。」

 

「体調管理だけは万全にしてくださいよ、艦長に倒れられたらどうしようもないんですから。」

 

「頭痛薬をもらえるかしら?」

 

「どうぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

視線をあちらこちらに回す。どっから来るんだ...精神を研ぎ澄める。感じろ...上?...来たッ。

 

{上からゲーが15機!}

 

報告する。

 

「(突然の奇襲も難なく予想するか...ニュータイプ、信じたくなるな。)」

{セシリア様!ここは私が引き受けます。シーブックを連れてラフレシアへ!}

 

{...分かりました、ザビーネ。行きなさい!}

 

{ハッ!行くぞアンナ!}

 

{了解。}

 

{セシリー行こう!}

 

{シーブックは、お二人の支援に!}

 

{なッ、何でだよ?一人でラフレシアに勝てるわけないだろう?}

 

{自分自身の事は自分でどうにかしますの。早く、お行きなさい!}

 

{こんな時に駄々をこねてる場合じゃないだろう?}

 

ブルーティアーズの左手を強引に引っ張る。

 

「...シーブックには...この不快感が何だか分かってないのです。まだ...あなたがニュータイプとしては未熟だから。この不快感は、悪意を感じ取った時の気持ち。シーブックは、これを知るべきではありませんわ...ニュータイプになるべき人ではないですの。」

 

{セシリー?何か言った?}

 

{い、いえ...何でもありませんわ!...いいのですか?私の母を殺すことになっても。}

 

{兎に角この戦いを終わらさなきゃいけないからな。うじうじしてる暇なんてないんだ。沖にラフレシアが出てきてる、行こう!}

 

{ぇ...えぇ!行きますわよ!}

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

{.........ァァァァァァァァ!!}

{どうした、マイケっ、うわぁぁァァァ⁈}

 

{.........}

{.........}

 

 

 

また、2つの命がラフレシアの前で散った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこだ、ラフレシアは...

 

見つからないように資源地下港の波止場から沖合にズームする。

 

...あれ、か?

 

{セシリー、あれ?}

 

こちらの視覚情報をブルーティアーズに同期させる。

 

赤いボディに5枚の葉っぱ、接近する海軍のパワードスーツを撃ち落とすビーム砲、葉の裏から触手のように振り回されるロッド。いわば、あのロッドはラフレシアの放つ悪臭みたいなものか...

 

{...間違いないですわ。では、手筈通りにお願いしますわ。}

 

{おっけ!}

 

作戦としては、セシリーが突っ込み撃墜する。もし、セシリーが危なくなれば俺も参戦する。単純だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

{何故お母様はこんなことをするのです!}

 

セシリーとラフレシアのパイロットがオープン回線で話している。

 

{庶民の10分の9を抹殺しろと命令されれば、このようにもなるでしょう!}

 

{機械がしゃべる事か!}

 

{私は機械ではない!任務遂行のためにエゴを強化したものだ!}

 

{エゴは貴族が持っていいものではないでしょう!}

 

{セシリア、あなたは悪い子ね。大人のやることに疑いを持つのはよくないの。}

 

{イヤぁぁぁあぁっぁ!}

 

ブルーティアーズの手足にロッドが巻き付く。

 

{セシリー!}

 

排熱板を全展開。ロール回転しながら、加速する。

 

「アッハハハ!怖いでしょう?しかも、脳波コントロールできる。感情だけで操れるISに乗るこの私を、セオと同じように見下すとは、つくづく庶民というものは御しがたい。}

 

{そうさせたのは素顔を見せない貴方でしょう⁈}

 

ラフレシアがブルーティアーズを曲芸のように回し、空へ投げつける。

 

{てめー、念仏唱えろーっ!}

 

肩部からフィンが展開し、顔を覆うマスクが展開し、F91本来のマスクが表れ、排熱板が真っ赤になり、全身のダクトは赤熱する。全身の塗装は剥がれはじめ、機体の構造材が剥離する。

 

{化け物!...質量をもった残像とでも⁈}

 

その時!ロッドが右手首、左足を削り取った。

 

「なんとぉぉぉぉぉっ!」

 

ティキーン!!!(スターライトを使ってくださいまし!)

 

「セシリー?」

 

ラフレシアの上に飛んでいたスターライトに、ヴェスバーを撃ち込む。

 

{何?敵が見えない!}

 

「(行け、ビット!)」

 

ビットを全て射出して、ラフレシアのロッドの付け根を破壊する。

 

サイドスカートからサーベルを展開、空中に浮いているロッドを切り裂き、ラフレシアの真上に跳ぶ。

 

「(ヴェスバー!)」

 

ヴェスバーを展開。最低収束、拡散ビームでラフレシアに撃ち込む。

 

{これでッ!ゲームオーバーだっド外道ーーーッ!!!}

 

 

 

 

 

 

小規模の爆発と共に、ラフレシアの花が閉じていく...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「...ラフレシアが、崩れていく。」

 

爆発の花があちらこちらに咲いていく。ロッドが爆発しているようだ。

 

{シーブック!無事か⁈}

 

突然軍の回線で無線が入ってくる。ドワイトの声だ。

 

{ドワイト?一体何処に?}

 

{下だよ下!}

 

{下?}

 

下には、潜水艇がハッチを開き、待っていた。甲板には、リィズ、お袋、ドワイト、ドロシー達が居た。

 

「皆!」

 

「「「シーブック...!」」」

 

海面まで高度を下げ、前部装甲を開き、潜水艇に飛び乗る。

 

「そうだ...皆、セシリーは⁈」

 

みんな口を閉ざす。重苦しい空気の中、ドワイトが口を開く。

 

「...ブルーティアーズの反応は消えてる。シーブック、セシリアは...もう......」

 

「そ...んな、そんな事ってあるのかよ...セシリー...」

 

 

 

pi、pi、pi

 

「「お袋?(お母ちゃん?)」」

 

お袋が、F91のバイオコンピューターをいじり始めた。

 

「何してるんだよ、お袋?」

 

「あなた専用にフィッティングしてるのよ...ニュータイプ能力で人を探すなんて無茶なことだけど...」

 

「...ありがとう。」

 

「行きなさい、シーブック。私に出来る事はここまでよ。」

 

「シーブック!セシリア連れてこねぇと、どうなるか、わかってるよな!」

 

「お兄ちゃん、頑張って!」

 

「シーブック、あんたなら出来るわよ!」

 

「皆...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリーを探し、海の上を彷徨ってかなり時間が経った。

 

「花...?」

 

{どうしたの、お兄ちゃん?}

 

{...あれはセシリーの花なんだ!」

 

{セシリアさんの...花?}

 

{そうだよ、セシリーに決まってるじゃないか!}

 

F91の足から下に手を伸ばし、花を掴む。

 

プリムラの花...セシリーのブーケの花だ。

 

1枚のプリムラの花弁が、風で舞い上がり、空へ飛んでいく...

 

それを目で追うと...青い装甲が波の狭間に浮いているのが見えた。

 

「セシリー!」

 

青い装甲を抱き上げる。

 

フェイス部分をパージして、顔に近づく。

 

「...セシリー!」

 

...

 

「................シー..ブック?」

 

セシリーの瞳が見える。

 

「...セシリー!」

 

「シーブック...世界は、人間という生物の身勝手さえなければ・・・」

 

「きっと天国だったんだよな...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

This is only the beginning

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1話 クロスボーンバンガード

2話 シーアーク

3話 八掛の吊り橋

4話 オルコット家の姫

5話 君を見つめて

6話 初陣

7話 人間だけを殺す機械

8話 ヴェスバー

9話 ミーティング

10話 ガラス色の雪

11話 ラフレシアは夢現に、イチイの花を咲かしていく。

12話 ETERNAL WIND~光る海面の上で~

最終話 プリムラの花

 

 

 

原作 機動戦士ガンダムF91(映画版、ボンボン版、小説)

 

 

 

 

 
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