No.898047 機動戦士インフィニットストラトスF912017-03-20 21:54:46 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:1336 閲覧ユーザー数:1317 |
マルチフォーマルスーツ、インフィニット・ストラトス(IS)が開発され、人類は生活の場を徐々に宇宙に移すとも言われて.....3年、人類は...新しい土地を開拓せず、人類同士での戦いにISを使用するようになった。女性しか扱えないISの台頭により、女尊男卑が進んでいた。イギリスの名門貴族オルコット家当主である、シャロー・オルコットは、女性第一主義を掲げ、私兵クロスボーンバンガードを結成した。
「セシリー!セシリーッ!!」
俺は中学校内を歩き回り、セシリーこと、セシリア・フェアチャイルドを探していた。
「もう!何ですの?私は慣れないお母様のドレスに苦戦しているのですけど?」
「もうミスコン始まっちゃうよ!」
「仕方ないでしょう!」
仕方ないって言われても...よし!
俺は閃いた...歩きづらいのなら...抱っこかおんぶすればよくね?
思いついたら即実行!!!
「セシリー!ちょおっと失礼するぜ!」
「なっ?!何をするんですの!!」
「何って...抱っこ?」
「そういう意味じゃありませんの!!」
「まぁ、まぁ...さあって、急ぐぞ!!!」
「いやあああ....」
{次は!我がアナハイム中学の最強のお姫様!セシリア・フェアチャイルドだ!}
学校一のイケメンことドワイトがセシリーのコールをした。これなら...間に合う!
人並みの近くでセシリーを降ろし、背中を押す。
セシリーは悲しそうにこちらを振り向いた。
「やっぱり...気乗りしませんわ...」
「いいんだよ、美人なら!なんだっていいのっ!」
「え、えぇ...?」
もう一度背中を押して、人並みに押しやる。
歓声が沸き上がる中、壇上にセシリーが立った。番号は11番...今回のtotoの結果は決まったな...これで今月分のリィズのお小遣い分にはなる、ズサァァンッ!!!...な?
校舎の上に軍のパワードスーツが落ちてきた...な、な、なんだよ...?
そして、
あれは...二つ目で、ガスマスク付きの...IS?
{我々はクロスボーンバンガード!女性の権利を保障するために参上した!}
クロスボーン...バンガード...?
{これより、このフロンティア市を、女性のための国コスモバビロニアと建国する!}
コスモ...バビロニア?女性のための国?!
上から今度は軍のISが宣言の声を上げた二つ目のISに突っ込んだ。
!!!!.....「「「ああああああああ?!」」」先ほどまでミスコンを見ていた観客の上に、大型のIS、ジェガンが落ちてくる。
セシリーは!
ステージの方を見る。...セシリー!
彼女のドレスのスカートには鉄パイプが刺さっていた。
「セシリーっ!」
「...シーブック!」
「大丈夫、じゃないよな...」
「私、一人で大丈夫ですから!シーブックはリィズさんと逃げて!」
「そんなわけにはいかないだろうっ?」
スカートを引っ張り、鉄パイプから引っこ抜く。
「逃げるぞ!」
「逃げるってどこへですの?!」
「シェルターがある!」
「シーブック!」
「どうしたんだよ、ドワイト?」
「そんなのんきなこと言ってられないんだよ!ここらへんのシェルターは満杯で、入れないんだ!」
「それってホントの話か?」
「あぁ...」
「まずいよ、それは...」
「とりあえず、街外れの戦争博物館のシェルターが開いてるかもしれないって、親父が言ってた。」
「港の海軍基地のお偉いさんか...」
「とりあえず、1度家に帰ってから、もう一度集合しよう!」
「わかった。30分後に!」
「ああ!」
「分かりましたわ!」
「ドワイト...どうだった?」
ドワイトや、道中で出会ったアーサー達がシェルターを探しに行き、外で見張っていると...ドワイトが戻ってきた。
「だめだ...ロイ将軍ってやつは、シェルター自体を埋めちゃってたんだ。」
「どうする?」
「港に行くしかない...沖には、軍の艦船が来ているらしい。」
「わかった。でも、アーサーは?」
他に出会った友人たちの姿は見えても、アーサーだけが見つからない。
!!!
パワードスーツ?違う!戦車だ!
出てきたのはパワードスーツの胴体に、下半身が戦車の奇妙な機体が出てきた。
そして、アーサーは胴体の上にあるキャノピーから体を乗り上げていた。
「皆!俺がこのガンタンクで道を開く!」
「バカ!アーサー!そんな目立つ機体じゃあISに殺されちまうよ!」
「大丈夫大丈夫!」
「アーサー、クロスボーンのパワードスーツだ!」
先ほどの二つ目のISを小さくしたようなパワードスーツがとがった武器をアーサーに向かって発射した。
「「「アーサーっ!」」」
「アーサー!アーサー!こんなことをしている時間はないだろ?目を開けてくれよ!」
アーサーは、ガンタンクの近くに着弾したクロスボーンの武器の爆発に巻き込まれ、30mは飛ばされていた。
「もう、眠らせてやれ...」
そう、話しかけてきたのはドワイト。
だって...だって...
「だってよ...アーサーなんだぜ....」
「シーブック...」
「シーブック今は、港に行って脱出ボートを探そう。」
「シーブック!クヨクヨするなんて、貴方らしくないですわ!」
セシリー...
でも、ここから港まで7キロはあるのに...どうすればいいんだ。
そうだ、ガンタンク!
ガンタンクに駆け寄り、状態を見る。
履帯も切れてないし、幸い爆発の影響も受けてないみたいだ。これなら、港まで行ける。
リィズ!セシリー!ドワイト!ジョージ!ドロシーも!皆ガンタンクの上に乗って!早く!
「シーブック...操縦できるのか?」
「大丈夫だドワイト。学校のパワードスーツと.....同じだ!」
港に着く。そこは、もうすっからかんで、誰も居なかった。
「脱出艇はもう無いのか?」
ガンタンクを港で走らせながら、ドワイトに話しかけた。
「あぁ、見たところ全部出て行ったみたいだ。地下港に潜水艇ならあるかもしれない...そこから地下港に入れるはずだ。」
「分かった。」
ガンタンクを地下港への入り口に入れる。かなり、余裕に入ることができた。
「あった、シーブック!あったぞ!」
目の前には、10名用の脱出用潜水艇。
助かった...
「スペースボートの操縦は俺がやる。」
「ドワイト?」
「親父に習ったからな。」
「...え?」
セシリーが、突然地下港の入り口の方に歩いていくと、それに合わせたかのように、クロスボーンのISが入ってきた。
{セシリア・フェアチャイルド!...いや、セシリア・オルコット様!}
ISのパイロットは、セシリーを呼び始めた。
セシリア・オルコット?それってセシリーの名前なのか?
ISは、セシリーをマニュピレーターで持ち上げ、逃げようとする。
{そこのIS!セシリーに何の用だ!}
{私は、ここにおられるセシリア・オルコット様の妹、アンジェリカ・オルコットですわ。これ以上近づくのならば、そのパワードスーツもどきを爆発させますわ!}
そう言って、ISのパイロット、アンジェリカはレーザーライフルをこちらに向けてきた。コクピット内にアラームが鳴り響く...。どうするんだよ...撃つか?でも、こんな骨董品は打てないだろう。
{セシリー、ごめん!}
ガンタンクを後退させ、攻撃の意思がないことを示す。
{よし、それでいいですわ。では、ごきげんよう。}
そう言って、ISは飛び去って行った。セシリーを連れて。
セシリー......「シーブック、今はセシリーの事は忘れろ!」
「ドロシー、無理だよ...]
「バカ!そんなクヨクヨしてたらまたセシリーに笑われちゃうよ!」
「くっ....分かった。」
俺たちは、港に残っていた潜水艇でフロンティア4番島を脱出した。
その後、水面に出ると。軍の大きな潜水IS母艦がいた。
母艦は、港に停泊していた海軍の練習艦だそうだ。
「あなたたちが、フロンティア4の生き残りなのね?」
「生き残り?それって一体どういうことですか、レアリー艦長?」
「代行です。それに君は、副指令のご子息ね?」
「えぇ。」
「それで、生き残りっていうのは、貴方たちが私たちに会う前に浮上しなかったからなのよ」
「まさか...」
「そう、クロスボーンバンガードは脱出艇を全部フロンティア4に帰還させたの。つまりは、住民たちを捕虜にした。コスモバビロニアの国民に仕立て上げるつもりね。」
「そんな...」
ドワイトと艦長が話していても、俺は心ここにあらずだった。セシリー...
「そこのご兄弟は...?」
「あ、僕の学友のシーブック・アノーと、妹さんのリィズ・アノーです。」
「シーブック君と、リィズさんね...アノー?...もしかして、モニカ・アノー博士のご子息ですか?」
モニカ・アノー、それは俺の母親の名前だ。でも、おふくろはバイオコンピューターの研究をするために家を出て行ったきりだ。
「おふくろは...リィズが小さい頃に出て行ったきりで...」
「...すみません。では、皆さん方にも、このIS母艦、シーアークの手伝いをしていただきたいと思います。」
「分かりました。行こう、皆。...シーブックも」
「ああ」
一仕事を終え、飯を食っていると、メカニックのグルスさんが話しかけてきた。
「シーブック、ちょっといいかな?」
「なんですか?」
「いやぁ...何というか、少しわからないことがあるんだ。」
おそらくお袋の作ったバイオコンピューターで、わからないところだろう。
「どういうものなんですか?」
「八掛の吊り橋の謎を解けば、回線が構成できるっていうのんだけどね...」
「それなら、すごい簡単だわ!」
「リィズ?」
「リィズちゃん?」
おもむろに現れたリィズは手にあやとりを持っていた・
「「あやとり?」」
「そうよ、こんなもの暗号でも何でもないわ。」
「でも、あやとりって...「見てて!」」
リィズは慣れた手つきであやとりを進めていく....ってあれは!おふくろがいつもリィズに見せていたやつ!
「あらあら、どうしたのよ?」
「あ、ピリヨさん?」
「お姉さんのことはローラさんと呼びなさいと言ったでしょ?」
このナイスバディな人は、このシーアーク唯一のIS、ヘビーガンのパイロット、ローラ・ピリヨさんだ。訓練生にありながら、フロンティア4では敵のパワードスーツ、デナンゾンを2機も落としている。
「ってこれは、あやとり...吊り橋ね?懐かしいわね...」
「こ、こ、これだ!!!すごいよリィズちゃん!」
突然グルスさんが閃いたようだ。
「上の橋脚の部分がコアからの回線で、下の部分がバイオコンピューターのパラレル回線になるんだ!!!」
「で、グルス?そのバイオコンピューターって何なの?」
「男がISに乗れる可能性を生み出し、ブリュンヒルデほどの性能を引き出すことができるんだよ!」
「へぇ、じゃあさ...シーブック、そのIS触ってきなよ?」
「えぇ?!何でですか!」
「だってパイロット居ないし、そこのリィズちゃんにパイロットなんかやらせられないでしょう?」
「...っ!分かりましたよ、まだ動くとも分かってないのに早すぎですよ...」
グルスさんについて行ってISの整備室に入った....目の前には小さなフルスキンのIS。
「このISって何て名前なんですか?」
「あぁ、F91って言うんだ。」
そうか、F91って言うのか。
「グルス軍曹?F91は動くのかしらね?」
そこへ、艦長がやってきた。
「えぇ、リィズちゃんのお陰でバイオコンピューターのパラレル回線が動けるようになったんでね。」
「で、シーブック君で本当に男でもISが動かせるのか確かめるのね?」
「えぇ...よし、シーブック!そのF91に触れてみてくれ!」
「触れるだけでいいんですか!」
「あぁ!」
F91に触れる...
ああああああああ?!
脳内にF91の情報が入ってきて脳が焼けそうになる。
「大丈夫かシーブック!」
「大丈夫、シーブック君?!」
そして...周りが光り始め、目の前にあったF91の装甲が分割され、量子化される。
体の周りに先ほどの装甲が現れ、装着されていく。
「「シーブック(君)!」」
「って驚いてる場合じゃないな、シーブック!フェイスガードを閉じろと念じろ!」
フェイスガード?閉じればいいのか...閉じろ。
そう念じると即座にフェイスガードが閉じる。
「...確かこんな感じの顔をしたISがあったわね...ガンダム...。ねぇ、グルス?F91のコードネーム、ガンダムにしない?」
「シーブック!本当にやるのかい?」
格納庫でF91の整備をしていると、ドワイトがやってきた。
「セシリーが心配だからな。」
「それにしても...艦長なりローラさんに相談しろよ!」
「止められるだろう?」
「当たり前だ!クロスボーンの本部に潜入するなんて...ましてやF91を使うことなんてできないぞ!」
「止めないでくれ!」
「何事ですか!」
「艦長?!シーブックが!」
レアリー艦長が格納庫に入ってきた。
「シーブック君、軍艦にいる以上、一般人といえども軍紀には従っていただきます。セシリアさんが、オルコット家の長女であり、バビロニアの姫として祭り上げられるということは、とてもつらいことだと思いますが、耐えなさい。」
「...でも!」
「...ですが、私が偵察を命じたことにすれば問題ありません。慣らし運転がてら、地下港から潜入してきてください。しかし、していいのは、ISに乗っての偵察だけです。何としてでも帰ってきてください。」「艦長?!」
「分かりました。F91、シーブック・アノー、出ます!」
一人では生きられないし...覚悟もつかない...
シーブック、ドワイトさん、ドロシーさん、リィズさん、忘れられるわけがない。今でも、時間を巻き戻したいと思う。ロングに伸ばしていて、シーブックにきれいな髪と褒められた自慢の金髪も...切ることにした。
...はさみを持つ。
「セシリー!」
....?!
「シーブック!」
窓から入ってきたのはシーブックだった。
「ここから出よう!みんなが待ってる。...その髪、切ったのか...」
「もう...私はオルコット家の娘として生きようと決めたのです....」
「でも...!」
「おそいですの...もっと早く来ていただけたのならば...決意もつかなかったのに!」
「セシリー...ごめん。」
シーブックは、部屋に近づく足音を聞き、窓から行ってしまった。
謝ってほしいわけじゃないですの...でも!この髪を切らなかったら、ついて行けたのに...
「お姉様、ご教練のお時間です。」
「分かりましたわ、アンジェリカ」
セシリーが...あの髪を切ったのか?!
....遅くなったからだ...もっと早く...もっと早く助けられたらっ!
{シーブック、そのまま、甲板に着艦しろ!}
{...了解っ}
{シーブック君?大丈夫かしら?}
{え...えぇ...}
シーアークからの、レーザー誘導で甲板に着艦する。
「命令は、偵察だけだったはずですが...?」
「すいません、レアリー艦長...どうしてもセシリーの事が気になってしまって...」
「つまりは、自分の女にこだわったわけね。「やめなさい、ローラ少尉!」」
私は...クロスボーンバンガードのIS母艦、ザムス・ギリの格納庫で、自分の専用機「ブルーティアーズ」に、アンジェリカにもらったミニブーケを付けていた。
こんなもので、生き延びれるとは思えないのですが...
「お姉さま、街での噂聞きましたか?」
「知りませんわね...いったいどういう物なのですか?」
「我々の作戦により、多数の死者が出ているというデマなのですが。」
「デマではないですの...」
シーブック...貴方は今どうしておられるのですか?...いけない、私はもうオルコット家の女として生きていくと決めたのに...
{アンジェリカ大隊、発艦準備に移れ!}
「では、お姉さま。先に参ります。」
「えぇ。(来なさい、ブルーティアーズ!)」
青、白...差し色に黒。大きなレーザーライフル、スターライトmkⅢ。アンロックユニットである、ビット、ブルーティアーズ。私の専用機であり、第3世代として作られた、ノンフルスキン装甲のIS。
{セシリア様、カタパルトへ。}
{分かりましたわ。セシリア・オルコット、ブルーティアーズ、行きますわ!!!}
{アンジェリカ大隊は、フロンティア1番島の資源採掘島に真っ直ぐ向かいますわ。パワードスーツ隊は、正面の艦艇、パワードスーツに攻撃。IS隊は我のフラッグに続け!}
そう言って、先頭のIS、アンジェリカのベルガ・ダラスからビームフラッグが映し出された...オルコット家の紋章?
{お姉さまは、遅れている機体がいましたら、喝を入れてやってください。}
{分かりましたわ。勉強させていただきます。}
レアリー艦長が、整備室に入ってきた。
ここには、俺とローラさんしかいない...
「どうしましたか、艦長?」
「出撃です、フロンティア1にクロスボーンの混合部隊が来ているので、ローラ少尉、シーアークの停泊している港のブロックを守ってください。シーブック君は、待機。いつでも出られるようにしてください。」
「「了解。」」
ヘビーガン、海軍の開発した、小型ISの量産機であり、いまだ主力の座を保っている。しかし、クロスボーンの高性能ISの前では無意味であった。
「一体何機の敵がいるのよーー!!!」
{シーブック君!出撃しなさい。}
下手こかなきゃ...死にはしない...
{F91はシーブック・アノーで行きます!}
{シーブック君、PICを利用して機体を立たせられるわね?}
{やってます!やれてますよね?}
PICを起動させ、宙に浮き、機体を立てる。
{えぇ、1番上のレーザーライフルを使って!}
そこには、小型のレーザーライフル。
{えぇ?!合うんですか?}
{F91用よ、調整はすんでいるわ。}
{F91をカタパルトにのせろー!}
「動いて、良かったですね!」
「あぁ、リィズちゃんのお陰だよ。」
「(お母ちゃんがあんなものを作っていたなんて!)」
{シーブック!カタパルトに乗れ!}
「お兄ちゃんが?」
{ガンダム、行きますっ!!!}
「(ム?港に潜水艦が隠れている?!...あれは!IS。)」
カタパルトから射出されると、シーアークのすぐ右上に飛んでいたデナン・ゲーが、こちらに気づき、肩部3連ミサイルを発射してきた。
こいつぅっ!
左腕のビームシールドを展開して、ミサイルを全弾爆破する。
左サイドスカートから、レーザーサーベルを掴む。胸部、頭部のバルカン4門を撃ちっ放しにする。「来るっ?!」デナン・ゲーもレーザーサーベルを展開して、切りかかってくる。サーベルを右手で、下から逆袈裟切りのように、切り上げる。サーベル同士がぶつかり合い、一瞬距離をとる。
スラスターを吹かし、一気に最接近する。
「でやあああああっ!」
そして、デナン・ゲーに、サーベルを突き立てる。爆発、ISから緊急脱出したパイロットがゆっくりと降下傘で、降りていく。
「落ちていく....ローラさんは?」
体制を整えようとするヘビーガンに、2機のデナン・ゾンが攻撃を仕掛ける。
1機はライフルを連射し、もう1機はサーベルをもって、突っ込んで来た。ロッテ戦法のように編隊を組んで攻撃してくる2機に向かって照準を合わせる。
pppppppi!
ロックオンの表示が出る。
右手に再展開したライフルを、2機に向かって2連射する。
1発は外れたが、もう1発の閃光が下側のデナン・ゲーの腹を突き抜け、頭部を胴体から吹っ飛ばす。そして、勢いは衰えず上で驚いていたパイロットの頭部を消し去った。
やれた?!...パイロットは、死んだ......死んだか.....
「碌な戦力など残っていないはずなのに、3機も撃墜されたの...傲慢がほころびを生むというのですか。{お姉さま、撤退しますわ...お姉さま?!}」
{アンジェリカ、私は!会わなければならない人がいますの!}
そう言うと、ブルーティアーズは部隊を離れ、港の方角に戻っていった。
{ローラさん!}
{F91やれるのかしら?!}
{何とか...}
ppppppppp!
アラート?
センサーの示す方向には、青色のISがいた...
ズーム...画像解析...ISのハイパーセンサーは即座に処理が行われる。
あれは...セシリー?!
{セシリーっ!}
オープン回線を使って、青いISに話しかける。
{シーブック!やっぱり、シーブックですのね?}
{艦長?}
{何ですか、ローラ少尉?}
{あの二人の通信聞きます?}
{しなくていいわ、何を話しているか想像はついているし、子供の戯言なんて聞く気もないです。}
{さいですか。通信終了!RTB!}
「お母様...お姉さまが脱走しましたわ。」
目の前には顔を隠した母親がいる。
「そう、まぁ...いいわ。フロンティア1にバグを投入します。私も沖に出ますわ、アンジェは島内に突入しなさい。」
「承知いたしましたわ。」
シーアークは、フロンティア1の港の端に停泊している。
「シーブック君、整備は終わったのかしら?」
「えぇ、セシリーも俺もシールドエネルギーは満タンにしてあります。」
「そう、では少尉とセシリアさんを呼んできてください。作戦会議をします。」
「では、作戦会議を始めます。」
「は~い質問!」
「何ですか、少尉?」
「投降してきたあのクソリア充はどうすんの~」
ローラさんのテンションがおかしいのはいつもだけど、昨日からは特にひどい。あの初陣から3日後、クロスボーンのパワードスーツが投降してきた。
しかもパイロットはエースパイロットのザビーネ・シャルとアンナマリーさんだ。
二人はリィズの面倒も見てくれるいい人たちなんだけど...
「あの二人も次の作戦には出てもらいます。今回は、偵察だけ。その後出てもらいます。」
「「「了解...」」」
「シーブック...!」
「何だい?」
「私たち...生きて元の生活に戻れますわよね?」
「....あぁ!戻れるさ!」
「二人とも、目の前のことから考えなさいよ。」
「もちろんですわ、ねぇシーブック?」
「あぁ。」頷く。
{少尉!カタパルトへ!}
{了解。}
「シーブック、セシリアも!}
{{了解!}}
港から発信して、今は中心街に向かっている。
{静かね...街の方も静けさがするわ。}
オープン回線からローラさんの声が聞こえてくる。
{人の気配もしないなんて不思議ですわね。}
{IS部隊!緊急事態です。クロスボーン軍がフロンティア1に虐殺兵器を投入しました。即座に見てきてください。}
{了解}
代表でローラさんが答える。
{シーブック、セシリア!私が先陣をきるわ!ついてきなさい!}
{了解!}{分かりましたわ!}
来たッ?!何だこの円盤....刃が回っている。
{バグ?何故ここに!}
{セシリー、一体何なんだ、これは!}
{分からないですわ、クロスボーンだって一つではないですの!}
セシリーが、ビットを放ち、瞬く間に4つ落とした。
{ローラさん?!迂闊です!}
{だって、街が焼かれているのよ?!この!この!}
{ローラさん、もっと動いて!}
{逃げてくださいましーッ!}
{人間だけを殺す機械なの?!イャアァァァぁァァアアァぁ}
{ローラさん!?}
{少尉?!}
ローラさんが落とされた?!
{セシリー!少尉がやったみたいにサーベルを回せ!}
{そんなので落とせますの?}
{あいつらISに向かって寄ってきてるんだ!}
{分かりましたわ!}
レーザーサーベルを回しながら、島の上を飛び回る。
「もっとだ!もっとこい!」
{シーブック!これではキリがありませんわ!}
{あと少しだ!もう少しで!}
段々とバグの数が減ってきた。
サーベルを回すのを止め、1つ1つずつ丁寧に斬りさばいていく。
「よし、これで最後!」
{シーブック!クロスボーンですわ!}
レーダーを見ると、5機の反応。1機がISのビギナ・ギナで、あとはパワードスーツのデナン・ゲー。デナン・ゲー達が三連装ミサイルを斉射してくる。
{セシリー、指揮官機をやってくれ!}
{了解ですわ!}
今まで、使わなかった武器、ヴェスバーを展開する。背中から、左脇に降り、トリガーが展開する。
ppppppppp、pi、pi、pi!
ロックオン、高収束のビームを撃ちこむ....
先頭のデナン・ゲーは、爆発を起こした。
「ち、超スーパーすげぇどすばい...」
これが...世界初のビーム兵器の威力...。
ppppp、pi!
もう1機にも照準が合う。
ppppp、pi!
右側のヴェスバーも展開、別の敵にロックオンする。
トリガーを引く。
高収束のビームの光が残像として残り、一筋の爆発への道となった。
4機撃墜、残る1機は逃げようと向きを変えている。
「逃がすか!」
ビームシールドを展開、ビームの部分をバックパックに当てる。
{やめろぉっ!}
{お前らが攻めてきたんだろ!}
{うわぁぁァぁァ?!}
「ハァ....はぁ...せ、セシリーは?」
セシリーのいる方向をみると、ビギナ・ギナが落とされるところが見えた。
幅寄せして、接触回線を開く。
{無事か?}
{えぇ、問題ないですわ。}
{二人とも、ローラ少尉の機体を確認してきて下さい。}
{了解です、レアリーさん。行こう、セシリー。}
{えぇ。}
ローラさんの墜ちた池をハイパーセンサーで確認する。
{セシリー、見つかった?!}
{シーブック...あそこ、ですわ...}
{あそ....ローラさん!}
セシリーの指す場所は砂地になっている部分。
そこには、完全に破壊されたヘビーガンの装甲と....ローラさんが倒れていた。
ガンダムを降りて、走る。
「ローラさん...ローラさん!」
「ミンミさん...ローラ少尉は?」
「艦長...その、今目を覚ましたところなんですけど...」
「そう...心にきついものが?」
「みたいです。」
「シーブックとセシリアさんには?」
「伝えない方が良いと思います。戦闘に支障が出るかもしれないですからね。」
「では、そのようにします。...少尉を、お願いします。」
「はい。」
.......ロー...ラさん...
もっと早く...あの時、代わりに盾になっていれば...
後悔は数えきれない...もう、この戦いで敵味方構わず人が死に過ぎた...
「シーブック...?」
相手は人間...どうせなら地球外生命体とかなら、迷いなく殺せただろう......ヴェスバーは強力すぎる...それ以外も軍事用ISとして開発されたF91は、通常のIS改造機であるクロスボーンのデナン・ゾンは、胸部メガマシンキャノンでさえも絶対防御を発動させるレベルだ...こんなもの、IS...ましてやパワードスーツに撃ち込めば、パイロットは見るも無残になってしまう。こいつを使う資格があるのか、俺には?セシリーも...こんな戦いが始まって...敵の機体を倒すことに躊躇していない...皆が狂っている。戦争はこういう物なのか?
「シーブック?...もうっ、シーブックったら、しっかりなさいまし!」
「せ、セシリー?どうしたんだ?」
「パイロットスーツが届いていましてよ。」
「あぁ、なんか...あったねそんなの。」
「すぐに来てくださいね?」
「あの...グルスさん?」
「どうしたんだい、シーブック?」
「ヴェスバー、片っぽ外したんですか?」
「あぁ...どう考えても次の作戦に合わないからね。何よりも、バイオコンピューターを積んでいるからBT兵器を積まなきゃもったいないからね。」
「でも、なんだって片っぽだけ?」
「射撃武器がないじゃないか?」
「でも...!」
「でも?」
「何でもないです。BT兵器はビット?」
「あぁ、でもセシリアさんのよりも射程も、威力も低いけどね。普段は排熱板についてるけど、射出されるようになってる。最大稼働時には排熱板が展開するんだ。理論上では、世界一高機動なISになるよ。」
「ありがとうございます!でも、ヴェスバーの出力、競技用まで下げてもらえませんか?」
「...艦長に相談してみるよ。」
「ありがとうございます。」
「では、ミーティングを始めます。」
俺、セシリー、ザビーネ、アンナマリーさんがミーティングルームに呼ばれた。
「貴方達、航空戦力要員を呼んだのは他でもありません。...この紛争が最終局面と化し、とうとう巨大ISを展開したという情報が入りました。ですから、我々シーアーク隊で、鉄仮面とアンジェリカ・オルコットを抹殺する作戦を発動します。」
「母と、妹をですか⁈」
「セシリアさん、これは軍の作戦です。私情は禁物。いいですね?」
「お兄ちゃん?」
飯を食っているとリィズが話しかけてきた。
「どうした、リィズ?」
「大丈夫?元気ないけど...」
「...大丈夫、大丈夫。何とかなるさ...」
「そうは思えないよ。」
「何でさ?」
「ご飯お代わりしてない。」
「パイロットは出撃前は小食なんだよ...」
「ふ~ん...ISの保護機能があるのに?」
「...」
「...お兄ちゃんはいつもそうなんだから。」
「妹に頼る方がダメだろ?」
「ドワイトさんとかセシリアさんがいるでしょ?」
「...」「...リィズ、シーブック。」「お袋⁈(お母ちゃん⁈)」
「お袋!今頃になって、どの面して、リィズの前に現れたんだよ⁉」
「...ぉ母ちゃん...」
「リィズ、ボートの中で待っててくれ!」
「お兄ちゃん!お母ちゃんだって、お母ちゃんだって事情はあるのよ?」
「それとこれとは、話が違うんだよリィズ!」
「お兄ちゃん...」
「シーブック!もう、出撃ですわよ!」
「シーブック...まさか、貴方...F91に乗っているの⁈」
「パイロットがいないんだ、仕方ないでしょ?」
「あなたは、あのマシンに乗ってはいけないの!」
「今はそんなこと言ってる場合じゃないんだ!」
「通さないわ...シーブック。」
「退いてくださいモニカさん...撃ちますわよ。」
そう言ってセシリーはお袋に拳銃を向けた。
{攻撃隊発艦用意をしてください!}
{分かりました、レアリー艦長。アンナ、シーブック、セシリア様...お先に。}
{ザビーネこそ。}
{ザビーネ、頼りにしてますわよ。}
{お任せあれ...シーブック!ボケっとするな。{わっ、わかりました!}}
...どうしようもなく、頭の中で考えが回っていく....
お袋、何で今になって!...クッソ!「シーブック?大丈夫ですの?」
「...セシリー、君は、親を殺すなんて出来る...のか?」
「出来る出来ないじゃないですの...自分の血縁は自分の手で断ち切る。そう決めましたし、変える気はないですわ。」
「...行こう。この戦いを終わらせて、皆で、アーサーやローラさんの分まで生きよう!」
「えぇ!」
「(行くぞ、F91!)」
身体に装甲が展開される。
{ガンダム、発進準備完了。格納ハッチオープン!シーブック、出れるな?}
{行けます!...シーブック・アノー、F91ガンダム、行きます!}
{セシリア・オルコット、ブルーティアーズ、行きますわ!}
{ザビーネ・シャル、ベルガ・ギロス、出る。}
{アンナマリー機、発進。}
四機の鳥は、空へ飛び立っていった。
「...攻撃隊との通信が切れます!」
「...帰ってきてください...貴方達。」
「あ、あれは?」
「少尉⁈まだ体を起こしちゃダメです...」
「み、皆は!」
「行きましたよ...決着を着けに。」
「そう...なんだ。(シーブック、セシリア、リア充...帰ってきなさいよ。)」
「...増援隊が全滅したのは本当ですね?長官。」
通信機の画面の前には上官。本土の安全なコンクリートに囲まれ、現状を知らない糞野郎。
「あぁ、レアリー艦長。君の部隊の生存を祈っているよ。」
それだけではないはずだ。
「で、本題は?」
「フロンティア市を明け渡す。」
「フロンティア市を全て、でありますか?」
「そうだ。これは、裏での取引で決まったことだ。」
「では...我々の作戦は無意味だと?」
「直ちに撤退せよ、それが上層部の命令だ。」
「承知しました。」
「レアリー艦長?」
「あぁ、ミンミ。どうしたのかしら?」
「ローラ少尉が落ち着いたので...面会しますか?」
「いえ、大丈夫です。これから、CICに籠るので。」
「体調管理だけは万全にしてくださいよ、艦長に倒れられたらどうしようもないんですから。」
「頭痛薬をもらえるかしら?」
「どうぞ。」
視線をあちらこちらに回す。どっから来るんだ...精神を研ぎ澄める。感じろ...上?...来たッ。
{上からゲーが15機!}
報告する。
「(突然の奇襲も難なく予想するか...ニュータイプ、信じたくなるな。)」
{セシリア様!ここは私が引き受けます。シーブックを連れてラフレシアへ!}
{...分かりました、ザビーネ。行きなさい!}
{ハッ!行くぞアンナ!}
{了解。}
{セシリー行こう!}
{シーブックは、お二人の支援に!}
{なッ、何でだよ?一人でラフレシアに勝てるわけないだろう?}
{自分自身の事は自分でどうにかしますの。早く、お行きなさい!}
{こんな時に駄々をこねてる場合じゃないだろう?}
ブルーティアーズの左手を強引に引っ張る。
「...シーブックには...この不快感が何だか分かってないのです。まだ...あなたがニュータイプとしては未熟だから。この不快感は、悪意を感じ取った時の気持ち。シーブックは、これを知るべきではありませんわ...ニュータイプになるべき人ではないですの。」
{セシリー?何か言った?}
{い、いえ...何でもありませんわ!...いいのですか?私の母を殺すことになっても。}
{兎に角この戦いを終わらさなきゃいけないからな。うじうじしてる暇なんてないんだ。沖にラフレシアが出てきてる、行こう!}
{ぇ...えぇ!行きますわよ!}
{.........ァァァァァァァァ!!}
{どうした、マイケっ、うわぁぁァァァ⁈}
{.........}
{.........}
また、2つの命がラフレシアの前で散った。
どこだ、ラフレシアは...
見つからないように資源地下港の波止場から沖合にズームする。
...あれ、か?
{セシリー、あれ?}
こちらの視覚情報をブルーティアーズに同期させる。
赤いボディに5枚の葉っぱ、接近する海軍のパワードスーツを撃ち落とすビーム砲、葉の裏から触手のように振り回されるロッド。いわば、あのロッドはラフレシアの放つ悪臭みたいなものか...
{...間違いないですわ。では、手筈通りにお願いしますわ。}
{おっけ!}
作戦としては、セシリーが突っ込み撃墜する。もし、セシリーが危なくなれば俺も参戦する。単純だ。
{何故お母様はこんなことをするのです!}
セシリーとラフレシアのパイロットがオープン回線で話している。
{庶民の10分の9を抹殺しろと命令されれば、このようにもなるでしょう!}
{機械がしゃべる事か!}
{私は機械ではない!任務遂行のためにエゴを強化したものだ!}
{エゴは貴族が持っていいものではないでしょう!}
{セシリア、あなたは悪い子ね。大人のやることに疑いを持つのはよくないの。}
{イヤぁぁぁあぁっぁ!}
ブルーティアーズの手足にロッドが巻き付く。
{セシリー!}
排熱板を全展開。ロール回転しながら、加速する。
「アッハハハ!怖いでしょう?しかも、脳波コントロールできる。感情だけで操れるISに乗るこの私を、セオと同じように見下すとは、つくづく庶民というものは御しがたい。}
{そうさせたのは素顔を見せない貴方でしょう⁈}
ラフレシアがブルーティアーズを曲芸のように回し、空へ投げつける。
{てめー、念仏唱えろーっ!}
肩部からフィンが展開し、顔を覆うマスクが展開し、F91本来のマスクが表れ、排熱板が真っ赤になり、全身のダクトは赤熱する。全身の塗装は剥がれはじめ、機体の構造材が剥離する。
{化け物!...質量をもった残像とでも⁈}
その時!ロッドが右手首、左足を削り取った。
「なんとぉぉぉぉぉっ!」
ティキーン!!!(スターライトを使ってくださいまし!)
「セシリー?」
ラフレシアの上に飛んでいたスターライトに、ヴェスバーを撃ち込む。
{何?敵が見えない!}
「(行け、ビット!)」
ビットを全て射出して、ラフレシアのロッドの付け根を破壊する。
サイドスカートからサーベルを展開、空中に浮いているロッドを切り裂き、ラフレシアの真上に跳ぶ。
「(ヴェスバー!)」
ヴェスバーを展開。最低収束、拡散ビームでラフレシアに撃ち込む。
{これでッ!ゲームオーバーだっド外道ーーーッ!!!}
小規模の爆発と共に、ラフレシアの花が閉じていく...
「...ラフレシアが、崩れていく。」
爆発の花があちらこちらに咲いていく。ロッドが爆発しているようだ。
{シーブック!無事か⁈}
突然軍の回線で無線が入ってくる。ドワイトの声だ。
{ドワイト?一体何処に?}
{下だよ下!}
{下?}
下には、潜水艇がハッチを開き、待っていた。甲板には、リィズ、お袋、ドワイト、ドロシー達が居た。
「皆!」
「「「シーブック...!」」」
海面まで高度を下げ、前部装甲を開き、潜水艇に飛び乗る。
「そうだ...皆、セシリーは⁈」
みんな口を閉ざす。重苦しい空気の中、ドワイトが口を開く。
「...ブルーティアーズの反応は消えてる。シーブック、セシリアは...もう......」
「そ...んな、そんな事ってあるのかよ...セシリー...」
pi、pi、pi
「「お袋?(お母ちゃん?)」」
お袋が、F91のバイオコンピューターをいじり始めた。
「何してるんだよ、お袋?」
「あなた専用にフィッティングしてるのよ...ニュータイプ能力で人を探すなんて無茶なことだけど...」
「...ありがとう。」
「行きなさい、シーブック。私に出来る事はここまでよ。」
「シーブック!セシリア連れてこねぇと、どうなるか、わかってるよな!」
「お兄ちゃん、頑張って!」
「シーブック、あんたなら出来るわよ!」
「皆...」
セシリーを探し、海の上を彷徨ってかなり時間が経った。
「花...?」
{どうしたの、お兄ちゃん?}
{...あれはセシリーの花なんだ!」
{セシリアさんの...花?}
{そうだよ、セシリーに決まってるじゃないか!}
F91の足から下に手を伸ばし、花を掴む。
プリムラの花...セシリーのブーケの花だ。
1枚のプリムラの花弁が、風で舞い上がり、空へ飛んでいく...
それを目で追うと...青い装甲が波の狭間に浮いているのが見えた。
「セシリー!」
青い装甲を抱き上げる。
フェイス部分をパージして、顔に近づく。
「...セシリー!」
...
「................シー..ブック?」
セシリーの瞳が見える。
「...セシリー!」
「シーブック...世界は、人間という生物の身勝手さえなければ・・・」
「きっと天国だったんだよな...」
This is only the beginning
1話 クロスボーンバンガード
2話 シーアーク
3話 八掛の吊り橋
4話 オルコット家の姫
5話 君を見つめて
6話 初陣
7話 人間だけを殺す機械
8話 ヴェスバー
9話 ミーティング
10話 ガラス色の雪
11話 ラフレシアは夢現に、イチイの花を咲かしていく。
12話 ETERNAL WIND~光る海面の上で~
最終話 プリムラの花
原作 機動戦士ガンダムF91(映画版、ボンボン版、小説)
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マルチフォーマルスーツ、インフィニット・ストラトス(IS)が開発され、人類は生活の場を徐々に宇宙に移すとも言われて.....3年、人類は...新しい土地を開拓せず、人類同士での戦いにISを使用するようになった。女性しか扱えないISの台頭により、女尊男卑が進んでいた。イギリスの名門貴族オルコット家当主である、シャローラ・オルコットは、女性第一主義を掲げ、私兵クロスボーンバンガードを結成した。
イギリスの小さな島によって構成されたフロンティア市。4番島にあるアナハイム中学に通う工学生シーブック・アノーは...軍の開発した最新鋭のIS、F91を動かしてしまう。
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