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真・恋姫†無双 外史 ~天の御遣い伝説(side呂布軍)~ 第九十壱回 第五章B:御遣い奪還編⑦・幽州の白馬義従だ!!

stsさん

みなさんどうもお久しぶりです!初めましてな方はどうも初めまして!

今回は久々に彼女が登場です!

はたして函谷関を突破できるのか、、、!

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2016-08-21 00:00:01 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2936   閲覧ユーザー数:2672

 

 

烏丸1「ヒャッハーッ!族長、あと一里ほどで函谷関に付きまっせ!」

 

烏丸族長「おぅ、あとは賊を軽ぅ捻り潰したら、曹操の小娘からがっぽり報奨が貰えるっちゅーことや!」

 

 

 

時は少しさかのぼり、郝昭からの密書を受け取った烏丸族は、色とりどりの烏の一文字を掲げ、

 

函谷関に向けて馬を走らせる中、天然ものの毛皮であしらった衣装を身にまとい、

 

浅黒い肌色のスキンヘッドに陽光を反射させながら、仲間の報告に族長はニヤリと不敵な笑みを作って見せた。

 

烏丸族は曹操軍に攻められて以来、形上、従属関係を宣言していたが、心から従っているわけではなく、

 

自分たちが曹操領を荒らさず、かつ、曹操軍からの援軍要請に応じれば、曹操軍の脅威にさらされることなく、

 

しかも手柄にはそれ相応の見返りを与えるという条件があるから従っているに過ぎなかった。

 

 

 

烏丸族長「あのくそ生意気な小娘に手ぇ貸すんは不本意やが、貰えるもんさえ貰えるんやったらワイらは―――あん?おい、ありゃ何や?」

 

 

 

しかしその時、自身たちの後方遥か遠方から、何かの集団がこちらに向かって動いているのに族長が気づいた。

 

 

 

烏丸2「ハッハハァーッ!ワイらを烏丸と知らんのとちゃいまっか!?族長!本命前の肩慣らしにいっちょやっちまいましょーや!」

 

烏丸3「ちょ、ちょい待ちや!ぞ、族長!あ、あああああの先頭走っとる女って、まままままさか―――!」

 

烏丸族長「あァん・・・・・・?」

 

 

 

どこぞの山賊かチンピラか、とにかく、攻撃対象と即決し、手にした弓に矢をつがえながら舌なめずりをする者がいる一方で、

 

目を凝らしてじっと謎の集団を見つめていた者が突然、顔面蒼白になり、

 

ガタガタと歯を打ち鳴らし、震える手で謎の集団の先頭を指さしながら、

 

見知った人物と言うものだから、族長は真実を確かめるべく謎の集団を走るという女の姿を凝視した。

 

 

 

烏丸族長「な・・・・・・あのパッとしぃひん地味顔は間違いあらへん!は、ははははははは白馬長史やないか!?」

 

 

 

燃えるような赤毛をポニーテイルに結い、白銀の軽微な鎧に身を包んだ、白馬に乗った女性。

 

族長の目に映ったその女性は、間違いなくかつて幽州でその名を馳せ、

 

自分たち烏丸族を恐怖のどん底に叩き落とした、白馬長史・公孫賛で間違いなかった。

 

 

 

烏丸1「何やて族長!?」

 

烏丸2「せやかて族長!アイツら全員が白馬に乗っとる訳やありまへんで!?公孫の旗印やってあらへんし!」

 

 

 

部下たちが狼狽えながら反論するように、確かに、先頭を走る女性が乗っている馬は白馬であったが、

 

他は白馬義従の名の由来でもある白馬に乗っているわけでなく(もちろん白馬も数頭混じっているようだが)、公孫の旗印も掲げていない。

 

白馬義従に対して恐怖心しかない烏丸族たちにとって、

 

背後から迫る集団がその白馬義従ではないと信じたいがための、精いっぱいの反論であった。

 

 

 

烏丸族長「敵の馬と旗しか見んと戦っとるんかワレ!?あの独特の圧は忘れたくても忘れられへん、間違いなく白馬長史の白馬義従や!!

 

何でこないなところに・・・っちゅーか名族アホたれに殺されたんちゃうんかい・・・何で・・・何でワレまだ生きとるんやッ!!??」

 

 

 

しかし、そのような部下の主張を一蹴すると、族長は相手が公孫賛の白馬義従であると宣言した。

 

特徴的なシンボルがなくとも、公孫賛が、そして、白馬義従が持つ独特のプレッシャーは体が覚えている。

 

そのように主張した族長は、袁紹との戦いに敗れ、死んだはずの公孫賛がなぜ生きているのかと、

 

まだ距離がやや離れているにもかかわらず、大声で公孫賛に問いかけた。

 

 

 

公孫賛「大きくなったな蹋頓!だが、お前たちほどの奴が曹操なんかに尻尾を振るなんて、親父さんも泣いているぞ!」

 

 

 

果たして、やはり軍団の正体は公孫賛の白馬義従であった。

 

公孫賛は烏丸の族長と面識があるのか、族長の問いかけを軽く無視すると、その名を呼び、曹操軍に加担していることをネタに挑発した。

 

 

 

公孫賛「行くぞみんな!奴らを討って、天の御遣いの軍を援護するぞ!!」

 

白馬義従「ウィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!!!」

 

 

 

そして、公孫賛は仲間に号令をかけると、兵たちが勇ましい鬨の声を上げ、

 

公孫賛を先頭に、烏丸族に向けて背後からの強襲を仕掛けるのであった。

 

 

 

 

 

 

【司隷、函谷関side北郷馬騰連合】

 

 

鳳徳が曹操軍の援軍に対して迎撃に向かって数分後、しかし、敵軍は鳳徳の攻撃を受けているはずにもかかわらず、

 

その勢いは衰えることはなく、そのまま呂布達への進軍を続けていた。

 

 

 

張遼「ちょい待ち!後ろの奴ら全然止まる気配無いやんか!!鳳徳は何をしてんねん!?」

 

陳宮「まさかやられてしまったのでは――――――」

 

馬岱「そんな訳ないよっ!レイレイが敗けちゃうなんて・・・!」

 

 

 

鳳徳が迎撃の役目を全く果たしていないと張遼は憤慨するが、

 

このような状況になってしまっている原因を陳宮は口にしようとすると、

 

それを馬岱が全力で否定しようとするものの、最後の方は弱弱しいものとなってしまっていた。

 

 

 

馬超「・・・・・・・・あたしが加勢に行く!」

 

 

 

すると、そのようなやりとりを俯きながら聞いていた馬超が、突然今度は自分が行くと馬を翻らせた。

 

 

 

張遼「アホな!一人で行く気かいな!?無茶や!」

 

馬超「玲衣なら大丈夫と薦めたのはあたしだ!なら、あたしが責任をもって敵の進軍を止めに行くのが筋ってものだろ!?」

 

 

 

確かに鳳徳なら止められると主張したのは馬超であり、責任を取るという言い分も分からないでもないが、

 

だからといって一人で止められるほどの数ではないし、合肥で一人無双状態だった張遼でさえ、

 

無謀であると伝えるが、馬超に止まりそうな気配はなかった。

 

 

 

陳宮「(マズいのです・・・ただでさえ函谷関攻略に手間取っている中、これ以上背後に兵を当てる余裕はない・・・しかも、もし挟撃を

 

受けては、攻略できないどころか、全滅すらありえますぞ・・・!)

 

 

 

北郷奪還において、電光石火の関所攻略は絶対。

 

特に、この函谷関攻略が今回の強行軍成功の要と言っても過言でないだけに、

 

言うなればここでの選択がこの奪還作戦の成功を左右すると言えた。

 

馬超を止めるべきか行かせるべきか。

 

挟撃覚悟で増援を先に潰してから攻城に力を入れるべきか。

 

或は、増援を無視し、攻城を強行するか。

 

はたまた、時間をかけてでも両方均等に力を割くか。

 

陳宮は瞬時に判断することができなかった。

 

 

 

呂布「・・・・・・・・・違う」

 

馬超「違うってどういうことだよ!だって―――」

 

呂布「・・・・・・・・・違う、けど、恋が言っているのは、馬超のことじゃない」

 

 

 

しかしその時、呂布は敵の増援の方を静かな闘気の籠った瞳でじっと見つめていると、

 

やがてポツリと告げたその言葉は、馬超の言葉に対する否定の言葉ではないらしい。

 

 

 

高順「恋様・・・?」

 

呂布「・・・・・・・・・敵じゃない」

 

 

 

長年呂布と共に過ごしてきた高順ですら呂布の言葉の意図するところがつかめず、心配そうに呂布を見つめるが、

 

しかし、次に呂布の口から紡がれた言葉は、それでも理解のできるものではなかった。

 

 

 

 

 

 

【司隷、函谷関side北郷馬騰連合】

 

 

曹操兵長「な・・・・・・そ、そんな馬鹿な・・・!」

 

 

 

呂布が謎の言葉を呟いて間もなく、函谷関の兵たちは目の前で起きた出来事を受け入れられず、ただただ茫然と立ち尽くしていた。

 

 

 

曹操兵1「へ、兵長・・・う、烏丸族の、は、旗印が・・・こ、公孫の、旗印に・・・」

 

曹操兵長「見ればわかるわ馬鹿者!!なぜだ・・・なぜここで公孫の旗印が出てくるのだ!?」

 

 

 

曹操軍の増援としてやって来たはずの烏丸族が、突然、烏の旗印を投げ捨てると、公孫の旗印に持ち替え、賊軍との合流を果たした。

 

言葉で説明するのはたやすいが、それが目の前で起きたとなれば、

 

到底曹操軍にとって容認することは出来なかった、というより、頭が理解することを受け付けなかった。

 

 

 

曹操伝令「申し上げます!烏丸族が裏切りました!賊軍に合流し、函谷関に向けて攻撃を開始する模様!!」

 

曹操兵長「馬鹿者!!どこに目をつけている!!あれは烏丸族じゃない!!白馬には乗ってないが間違いない、幽州の白馬義従だ!!」

 

 

 

しかし、兵長は目の前で起きた出来事を冷静に受け止め、そして、味方の増援として烏丸族が到来したのではなく、

 

恐らくは賊軍の増援であろう公孫賛軍が到来したという事実を認め、苦虫を噛み潰したような苦悶の表情を浮かべながら宣言した。

 

 

 

 

 

 

【司隷、函谷関side北郷馬騰連合】

 

 

公孫賛「おーい、みんなー!!」

 

陳宮「白蓮殿!」

高順「白蓮様!」

張遼・馬超・馬岱「白馬長史!」

 

 

 

呂布たちは、驚きと喜びが合わさった様子で公孫賛軍を見ていた。

 

それもそのはず、烏丸族の強襲を受けたと思っていたら、そうではなく、公孫賛が約束通り兵を引き連れやって来てくれたのである。

 

公孫賛の後ろには、白馬には乗っていないものの、恐らく公孫賛の兵である、白馬義従の面々が追従していた。

 

その数、およそ二千。

 

烏丸族だと思い、迎撃に向かっていた鳳徳も、公孫賛に並ぶ形で戻ってきた。

 

 

 

公孫賛「遅くなってすまない。実は、袁紹に攻められて幽州に身を潜めていた仲間たちと合流するために、幽州まで戻ってたんだけど、

 

曹操領を通るとややこしくなるから、北の山手の方、異民族領から回り道をしていたんだ」

 

 

 

つまり、公孫賛は成都から天水方面へ向かい、そこから司隷を避け、さらに北の異民族領へ迂回して幽州へと向かい、

 

そこで仲間たちと合流してから、同じ進路を経て戻って来たということになるのだろう。

 

通常の軍では到底真似できようもない、白馬義従だからこそできた、こちらもまたかなりの強行であった。

 

 

 

陳宮「それはまた遠路はるばるありがたいことですが、なぜ烏丸族に扮していたですか?」

 

 

公孫賛「あぁ、たまたま天水に向けて急いで戻っている道中烏丸族と出くわしてな、方角的に函谷関に向けて行軍中みたいだったから、

 

もしかしたら、ねねたちが函谷関まで進軍していて、曹操軍が烏丸族に援軍を要請したんじゃないかって思って叩いてみたら案の条さ。

 

そこで、函谷関の曹操軍に対して、精神的に攻撃しようと、烏丸族に扮して、援軍を装って函谷関に出陣して、そこで一気に白馬義従に

 

早変わり、曹操軍の士気が地に落ちるって寸法さ。どうだ?我ながら良い策だと思ったんだけど」

 

 

 

陳宮の問いかけに、公孫賛は待ってましたとばかりに、

 

得意げになりながら曹操軍を欺くための策だったと説明し、軍師である陳宮に策の是非について尋ねていた。

 

公孫賛は、北方系異民族の中でも騎射の腕に覚えのある曲者集団・単于蹋頓率いる烏丸族を、ものの見事に討ち果たしたのであった。

 

 

 

呂布「・・・・・・だから、違うって、言った」

 

 

 

つまり、先ほど呂布が違うと言っていたのは、馬超の責任云々に対してではなく、

 

そもそも相手が烏丸族ではない、という意味だったのであった。

 

 

 

張遼「けど、よーわかったな。目良過ぎちゃうか?」

 

呂布「・・・・・・別に見えてなかった・・・ただ、恋たちに対して、殺気が向けられてなかった・・・ただ、それだけ」

 

鳳徳「愚行ッ!」

 

馬岱「まぁまぁ、あれは呂布さんだからこそできたことなんだから気にしない気にしない♪」

 

 

 

視覚ではなく第六感。

 

呂布はそれだけで、言うなれば烏丸族に扮する公孫賛の策を看破したと言え、

 

それこそ長年多くの死地を乗り越えてきた、そして圧倒的戦闘センスを持つ呂布だからこそできた離れ業であった。

 

鳳徳は自身が烏丸を止めると割と本気で迎撃に向かったことを思い浮かべながら、

 

頬を朱に染めながら珍しくはずかしがっていたが、しょうがないと馬岱が明るくフォローを入れてあげた。

 

 

 

公孫賛「・・・・・・・・・ま、まぁ呂布だからこそだよな・・・曹操軍の士気は落ちているよな、ははは、ははは・・・」

 

 

 

というように、陳宮が公孫賛の策の是非について言及する前に、

 

呂布が看破していたという会話を耳にしてしまった公孫賛は、力なく肩を落とすのであった。

 

 

 

高順「で、ですが、白蓮様が合流されたことで戦力もかなり増えましたし、非常に心強いです」

 

 

 

そのような公孫賛のなぜか哀愁感たっぷりな気落ちぶりに、高順はすぐさまナチュラルにフォローを入れる。

 

 

 

公孫賛「あ、あぁ、こいつ等少し気性は荒いけど、頼りになる奴らだからそこは信頼してもいいぞ」

 

公孫兵1「姐さんの頼みやったら、ワイら曹操でも何でも相手になりまっせ!」

 

公孫兵2「姐さん、幽州の白馬義従ここにありって大陸中に轟かせましょーや!」

 

公孫兵「ウィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!!!」

 

 

 

公孫賛の紹介に、白馬義従は各々公孫賛のためなら的なノリで口々に独特の訛りの大きな声で叫び、最後には全員で雄叫びを上げた。

 

 

 

馬超「これが、あの白馬義従か・・・」

 

馬岱「本物は初めて見たけど、何だか凄いね・・・」

 

鳳徳「別格ッ・・・!」

 

 

 

そのような白馬義従の血気盛んな様子に、馬超ら涼州の主力たちは、耳にはすれど、実際目の当たりにしたのは初めてだったようで、

 

同じ騎馬での戦闘で名を挙げたものとして、頼もしく思うのと同時に若干ではあるが気圧されていた。

 

 

 

涼州兵1「何言ってるんですかァお三方ァ!ワシら涼州騎馬軍もォ負けてねェですぜェ!」

 

 

涼州兵2「必ず、ワシら涼州勢が一番の手柄ァ立てて、馬超の嬢ちゃん、馬岱の嬢ちゃんを天の御遣いの玉の輿になるよォ、人肌脱いで

 

やりますぜェ!」

 

 

涼州兵「ウェエエエエエエエエエエエエエエエエエィッッッ!!!!!」

 

 

 

しかし、そのような三人の様子を見かねたのか、こちらもまた一癖も二癖もある涼州兵たちが、自分たちも負けていないと豪語し、

 

同時に話を明々後日の方向に脱線させる形で、自分たちが手柄を立てることで、

 

馬姉妹と北郷を結びつけるという誓いを高らかに宣言しながら負けじと雄叫びを上げた。

 

 

 

馬超「ちょっ・・・!何馬鹿な事叫んでるんだお前たち!コラッ!ウェェェイとか叫ぶなよ!」

 

 

 

そのような涼州兵たちの恥ずかしい雄叫びに、馬超は顔を真っ赤にし、

 

手をバタバタさせながら止めようとするが意味はなく、ただ恥ずかしい思いをするほかなかった。

 

 

 

馬岱「うぇぇぇいっ♪」

 

馬超「蒲公英とりあえずお前は殴る!」

 

 

 

しかし馬岱が悪ノリして涼州兵の真似をしながら可愛らしく雄叫びを上げたその刹那、

 

馬超は顔を真っ赤にしたまま冷静さを取り戻すという器用な状態で馬岱に拳骨をお見舞いした。

 

 

 

鳳徳「心外ッ!」

 

馬超「そうだ玲衣!もっとコイツらに言ってや―――!」

 

鳳徳「除者ッ!」

 

馬超「おい!!」

 

 

 

そして、馬岱が馬超に殴られるのをしり目に、鳳徳は普段通り表情無く、しかし力強く馬超の心を代弁するものだから、

 

馬超はもっと言えと同調しようとしたその時、鳳徳の言葉が、馬超の心の代弁ではなく、涼州兵の宣言の中に、

 

自身が含まれていないことに対する不満であることを自ら宣言し、馬超に完璧なタイミングでツッコミを入れさせた。

 

 

 

陳宮「あー、あー、ゲフンゲフンゲッフン!何やらバタバタしてしまったですが今はまだ戦闘中!皆、今一度気を引き締め直すです!」

 

 

 

というような、割と緊迫した戦場にもかかわらず、涼州軍にとっての通常運転のコントが繰り広げられるのを白い目で見ていた陳宮は、

 

見るに耐えかね、わざとらしく咳払いをすると、気を引き締め直すよう号令をかけ直し、再び場の雰囲気が戦闘態勢に引き戻される。

 

 

 

陳宮「白蓮殿が合流したことで役者は揃いましたが、如何せん敵が完全に籠城の構えに入ってしまったのです。もはや一歩も場外に出る

 

気配がないのです」

 

 

公孫賛「え、もしかして、私、登場の間が悪かったのか・・・?」

 

 

 

自分が登場したことによって曹操軍が完全に籠城してしまったと思い、公孫賛はバツが悪そうにズーンと沈んでいた。

 

 

 

陳宮「いえ、敵軍の士気をへし折る見事な登場だったのです。まぁ、籠ると言っても、意地になっているのか、或は更なる援軍を待って

 

いるのか・・・どちらにせよ、少なくとも敵軍の士気は低迷の一途。ここは一気に攻略する絶好の機会なのです!」

 

 

 

そのような公孫賛の様子に、陳宮は自身の言葉足らずを反省し、すぐさまフォローを入れた。

 

 

 

張遼「ほなら、ここはやっぱ陥陣営様に頑張ってもらうしかないな」

 

高順「いえ、だからそれは流石に―――」

 

陳宮「いや、ここは最終的にはななに頑張ってもらうです」

 

 

 

すると、張遼が函谷関到着時と同様の無茶ぶりを高順にしてくるものだから、高順はうんざりした様子で否定しようとしたが、

 

最後まで言い切る前に陳宮が張遼の無茶ぶりを肯定した。

 

 

 

馬岱「最終的?」

 

 

陳宮「函谷関は南北に連なる山間に建てられた防塞施設です。ですので、基本は今まで通り衝車部隊による正面強攻、敵の意識を正面に

 

集中させ、その隙に山側の崖を強行して城壁に接近し、そこから登って侵入し裏から城門突破。もはや速攻で落とすならこれしかないの

 

です。虎牢関での先例があるとはいえ、やはり函谷関を守っている側からすれば、不落の自負があるはず、そこを突きますです」

 

 

 

かつて、虎牢関で董卓軍と反董卓連合が対峙した際、反董卓連合の曹操軍は、

 

劉表軍や劉備軍が正面を守る呂布と激しい戦闘を繰り広げている隙に、騎馬を乗り捨て横の山中を強行、

 

崖を踏破し虎牢関城内への侵入に成功し、董卓を討ち取ることに成功したのである。

 

当然そのような攻略法は前例として注意が払われてしかるべきなのだが、

 

陳宮は難攻不落という肩書を持つ函谷関を守るものからすれば、

 

関の守りの堅さに対する絶対的信頼と自負が少なからず存在するはずであり、そこに付け入る隙があり、

 

正面突破が厳しくなった今、山崖を踏破しての強攻に打って出ようというのである。

 

 

 

馬超「つまり、アタシ達が正面を攻めて注意を引いているうちに、高順に山の崖を突破してもらって、死角から城壁を登って場内に侵入

 

してもらうのか」

 

 

陳宮「そういうことです。まぁ、この城壁は見たところ、関所としては相当高い部類でしょうが、なななら朝飯前なのです。城壁をよじ

 

登って侵入できれば速攻で城を落とせるのです。ただ懸念があるとすれば、万一途中で敵に見つかってしまった場合、登っているところ

 

を狙われてしまってはこちらとしては守りようがないということなのですが、そこはななに頑張ってもらえば大丈夫なのです」

 

 

 

ちなみに函谷関の城壁は約60-70メートルである。

 

 

 

高順「ハァァァァ~~~・・・、だから私がこの高さの城壁をあたかもよじ登れるみたいな言い方は止めて下さいよ・・・」

 

 

 

張遼に続き陳宮までもが本気なのか冗談なのか分からない無茶ぶりを引き継いでいたため、

 

高順はウンザリを通り越し、最大限の溜息を吐きながら無理だと言い切るが、

 

 

 

呂布「・・・・・・・・・!!」

 

 

 

しかしその時、突如呂布に電流走る。

 

 

 

呂布「・・・・・・恋に、考えがある」

 

 

 

それはまさに今までのやり取りなどなかったことにされるような、全く関係のない、何の脈絡もない突然の閃き。

 

その考えを聞いた瞬間、その場全員が目を真ん丸と見開き、口をあんぐりと開けたまま絶句するのであった。

 

 

 

 

 

 

【第九十壱回 第五章B:御遣い奪還編⑦・幽州の白馬義従だ!!】

 

 

 

あとがき

 

 

第九十壱回終了しましたがいかがだったでしょうか。

 

さて、ようやく白蓮が追いつきました!

 

本当は許へ突撃するまで待ってもらってもよかったんですが(恐らく幽州の位置的にその方が現実的)

 

もっと早く白蓮を出したかったのと、函谷関を突破するには白蓮登場しかないと思い、悩んだ末今回みたいな展開になりました。

 

(恐らく今まで書いてきた中で劉璋君の結末の次に校正が二転三転したかもです)

 

でも結局函谷関はまだ突破してませんけど、、、汗

 

烏丸族さんたちは結局白蓮の噛ませ犬役になってしまいましたけど、別にかまいませんよね 笑

 

では、劉表軍は、、、?

 

 

それでは、また次回お会いしましょう!

 

 

 

果たして圧倒的恋派のねねななを絶句させた恋のトンデモ策とは、、、!

 

 


 
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