ありのままに今起こったことを話すぜ！

「こ～ら　どっちむいてるんでちゅか～？」

ん、んん！

やり直すぜ

ありのままに今起こったことを…

「こっちむきなちゃ～い」

いや、だから！

あ、ありのままに今…

「まったく　そっちにはだれもいないでしょ？…………ふぅ～」

ふわぁっ！耳に息吹きかけないで！

っく！こんなことで負けるか！

ありのま…

「はむっ！　レロレロ～♪」

あぁああぁ！ぅあぁぅぁあぁぁ！

すいませんごめんなさい僕が悪かったです

お願いですから耳たぶハムハムとか舐めたりとか勘弁してください

「ふふっ　やっとこっちむいた♪」

ってか幼女のやるこっちゃねぇだろが！無抵抗の赤ん坊に何しやがる！

「でもこれは…わたしをむししたばつよ♪　かぷっ♪」

ですから首筋を甘噛みしつつチロチロ舐めるとか…

「はぅ～　あぅ～///」

「ふふふ　なぁに？　きもちよさそうなかおしちゃって♪」

悔しい！…でも感じちゃうの…　

赤ん坊の敏感肌にその攻撃は厳しすぎるなの…　ぐすん

「かかかかか　かりんさん！　あああああなた！　いったいなにをしてるんですの！」

「なによ、れいは。おうじさまで(と)あそんでるだけよ？」

「で！　でっておっしゃいましたわね今！」

「あらいけない　ついほんねのほうがでちゃったわ」

「おだまりなさい！　まったく…　わたくしがいないすきに、おうじさまに…あんなうらやま…　いえ、はしたないことを！　もうおはなしなさい！」

「なによ、だきたいならすなおにそういえばいいじゃない」

「だ、だきたいなどと！　あなたにはおまかせできないというだけですわっ！」

やめ……あっ…そこはっ…ぁぁん…　　　

…ん？

抵抗も出来なく悶えていると、いつの間にか金髪くるくる幼女の腕に抱かれてた。

おお！神は我を見捨てなかった！

…ちょっと名残惜しいとか思ってないんだぜ

おほん。

兎に角、やっと解放されたわけだな。やれやれだぜ。

救いの神であるこの幼女にはお礼をしなきゃな

そう思って、今できる最高の笑顔を向けたんだ。

(なななななななななななな………)

「な！…」

…な？

ナタデココ？

「ななななな…　なんてかわいいんですのーーーっ！　しんぼうたまりませんわーーーーっっ！！」

ノォォオオオオオオオオオオオ！！！

思いっきり抱きしめられ、キスの雨を顔に浴びて…　

「ちょ！ちょっとれいは！あわふいてる　あわふいてるから！」

俺は意識を手放した。

…なんか男として大事な何かを失っていってる気がするんだ。ぐすん。

その夜、朝陽は考える。

まぁ昼間のことは記憶から抹消するとして。

以前の蝶捕獲失敗のあと、助けてくれた(？)幼女二人組。

Ｓっ気たっぷりの金髪ツインドリルが『華琳』

金髪くるくるおっほっほが『麗羽』

知らないうちに俺の教育係とやらになったらしい。

教育係とは俺を玩具にする係のことか？と思わないでもない。

それより驚いたのは、彼女たちの名前だ。

てっきりどこぞ重臣か豪族の娘さんだろうと思ってたんだが、ナナメ上をいっていた。

『華琳』『麗羽』というのは真名らしく、それぞれ曹操孟徳、袁紹本初が正体だったわけだ。

大将軍何進が女性だった時点では歴史書のほうが改竄されたかで間違って現代に伝わってたのかなぁ～とか思ってたんだが…どうやらこの世界は俺のいた世界の歴史とは全く別物らしい。

弁皇子になったと分って、歴史上の偉人達に会えるのを密かに楽しみにしてたのに(泣

でもそうなると劉備とか孔明なんかも女性なのか？というか…董卓も？正直全く想像できないんだが…

左右両手で弓を扱えて、素手で牛を倒し、皇族を次々虐殺し、捕虜の目を抉り大鍋で煮るのをみながら酒を飲む女

ヒィィィィィ　怖ｪエエエェェエェェェ!!

絶対会いたくないね！一瞬貂蝉みたいな女を想像しちまったじゃねぇか！

…まぁとにかく、この世界について調べないといけないよな。最悪の未来を避けるためにも。

曹操、袁紹の二人が弁皇子の教育係になってたなんて、すでに俺の三国志の知識にはないことだ。

曹操といえば文武共に優秀。教わるのに何の不足もないだろう。子供というのが不安だが。

袁紹といえば名門袁家の代表者だ。本人は天然っぽいけど、袁家の持つ人脈は結構なものだろう。

教育係…いいじゃないか。有効利用できれば活路が見出せるかもしれない。

早くも希望が見えてきたな　ふはははははは！

「あらあら　朝陽ったら弛んだ顔して　ご機嫌ね　ふふふ♪」

ひと知れず感染りつつある高笑いをする朝陽なのでした(笑)

「そろそろオムツ換えまちょうね～♪」

「あぅ～////////////」

………早く大人になりたいなぁ(泣

カッコつかない主人公でしたとさ