No.864052

Triangle Goddess! 第23話「森を元に戻せ!」

Nobuさん

暑さに耐えながら執筆しました

2016-08-17 15:41:15 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:290   閲覧ユーザー数:290

 石化したワクノニの森を元に戻すため、三女神とトールは犯人を捜していました。

 

「どうにかして、森を戻さなければなりませんね」

「動物達が可哀想だしね!」

 そう、このまま森を放っておけば、やがて全てが石化してしまい、森が滅びてしまう事でしょう。

 その前に犯人を捜して元に戻さなければなりません。

「でも、どうすればいいんだろう。四使徒には逃げられたし……」

「だったら、四使徒がけしかけた魔物を倒せばいいさ!」

「……そう、ですね!」

 ジャンヌはトールに元気づけられ、犯人捜しのやる気を見せました。

 

 ジャンヌ達は森の中を歩き回りました。

 しかし、犯人はなかなか見つかりませんでした。

 15分は歩いたのですが、犯人の気配はありません。

「犯人はどこに隠れているのでしょうか……」

「これだけ歩き回ったのに見つからないとはな……」

「……仕方ない。ディテクト・マジックで見つけるよ!」

 ディテクト・マジックとは、相手の位置を探る事ができる魔法です。

 ただし、相手が微量でも魔力を持っていなければ、位置は全く分かりません。

 ですが、知覚に優れるバイオレットの前ではその欠点はありません。

「その方がいいでしょう!」

「じゃあ、いくよ! ……ディテクト・マジック!」

 バイオレットは、ディテクト・マジックを唱え、犯人の場所を探知しました。

 すると、バイオレットの目に何かが見えたような気がしました。

「……あっちに、犯人の魔力が見えるよ!」

 バイオレットは東を指差しました。

 ジャンヌ、ゲール、トールは、バイオレットの指差した方に向かっていきました。

 

 数分走っていると、魔力を出しているものを見つけました。

「いたぞ!」

「あっ、あれは……」

 バイオレットは、遠くからそれを見ていました。

「メデューサ!」

「メデューサだって!?」

 この森を石化させた魔物の正体は、メデューサでした。

 地上にいるメデューサは、トロイヤのゴルゴーン三姉妹の子孫と言われています。

 当然ながら力はゴルゴーン三姉妹に劣るのですが、数だけは多いようです。

「早く行かなきゃ!」

 そう言い、ジャンヌ達は大急ぎでメデューサのところに行きました。

 

「ヒャーハハハハハ!」

「アンタがこの森を石にした奴だな?」

「いかにも! アタシは主の命令に従い、この森を石化させているのさ!」

「んじゃ、アンタを叩けばいいってわけだな?」

 そう言い、トールはミョルニルを構えました。

「おやおや? 随分と好戦的な奴じゃあないか。……なら、そこにいる小娘達をみんな石にしてやるよ!」

 メデューサはそう言うと三女神をちらっと見ました。

「その時の絶望した顔、見たいんだよねぇ!」

 ケラケラと笑うメデューサに、ゲールは多少怒りました。

「……その絶望を、あなたに届けていいでしょうか?」

「キィィィ! 小娘の癖に、生意気な!」

 メデューサは怒りに任せ、自身の髪となっている無数の蛇をゲールに伸ばしました。

「不意打ちですか!」

「危ない!」

 ジャンヌはゲールにメデューサの蛇髪が届かないよう、風の能力でそれを切り裂きました。

「よくもアタシの髪を……! はぁぁぁぁぁぁ!!」

 自身の蛇髪を切り裂かれたメデューサは、残りの蛇髪でバイオレットを打ち据えました。

 そしてメデューサはバイオレットに近付き、その目を光らせて彼女を石化させようとしました。

「ぐ……うっ……!」

 バイオレットの腕が徐々に石化していき、彼女の表情は苦しみ歪みました。

「危ない! バイオレット! ウィンドカッター!」

 バイオレットを解放するために、ジャンヌは遠くから風の刃をメデューサに飛ばしました。

 風の刃はメデューサの目に命中し、彼女が目を覆うと同時にバイオレットは解放されました。

「ああああああ! 目が、目がぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 自慢の目を潰されたメデューサは、顔を両手で覆い、叫び始めた。

「許さんぞぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 激怒したメデューサは、三女神とトールに襲いかかってきました。

 最早彼女には、理性よりも感情しか存在しません。

「キエェェェェェェェェ!!」

 メデューサの蛇髪が三女神とトールを打ち据えました。

「いた、いた、あいたたたたたた!」

「こいつに気を取られるな! 怖いのはあくまで石化の魔眼だけだ!」

「……では、見なければいいんですね!」

 ジャンヌとゲールは、メデューサの目を見ないように攻撃を始めました。

 風の刃がメデューサを切り裂き、ゲールの杖にメデューサの生命力が吸い取られます。

「魔物め! この森から消え失せなさい!」

 ジャンヌの風の能力で起こした嵐が、メデューサに襲いかかりました。

 バイオレットも石化した腕を押さえながら、影の能力でメデューサを絡め取りました。

「う、動けない……!」

「さあ、とっととくたばりやがれぇっ!」

 そして、上空からミョルニルを構えたトールが襲い掛かりました。

 ミョルニルがメデューサの頭部をかち割ると、そこから大量の液体が飛び出しました。

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「これで……とどめです! テンペスト!!」

 そして、ジャンヌの両腕から緑のエネルギーが放たれ、

 それがメデューサに命中すると、竜巻となってメデューサを吹き飛ばしました。

 

「これで、メデューサは倒れましたね」

「さあ、とっとと森を元に戻そうぜ」

「……分かりました」

 生命を司る女神、ゲールは静かに祈りを捧げました。

 すると、石化していた森は、みるみるうちに活力を取り戻しました。

「わぁ……」

「これが、森の本当の姿か……」

 生気を失っていた動物達も、森が復活したと同時に元気になりました。

「ほら! 動物達も、元気になりましたよ!」

「ホントだ!」

「これが、平和、って奴だな」

「……ええ……。気持ちがいい、ですね……」

 

 ジャンヌ達は、平和になった森でゆっくりした後、本来の目的を思い出しました。

「早く、水のナッツォを探さなきゃ!」

「ああ! とっととぶっ潰そうぜ!」


 
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