（昨日絹枝さんにメールしたけど返事が来ないなぁ）

そんなことを思いながら携帯を見ていると、先生がゆっくり起き上がった

俺「お、大丈夫？」

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先生「だいぶ楽になったよ、横に飲み物を置いててくれてありがとう
ほとんど動けなかったから、助かったよ。ちょっとづつ貰ってたんだ
それに、君の布団まで占領してしまってごめん　向こうまで運んでくれても良かったのに」

俺「いいんだよ。玄関で寝るのもこの時期大して変わらないしね
それより確かに顔色は良くなってきたみたいでよかった
ネットで風邪の治し方を調べても一杯出てきてさ、かえって混乱してしまって。
友人にメールで聞いたんだよ。スポーツドリンク薄めたものとか
栄養ドリンク、擦りリンゴも冷蔵庫にあるよ」

そしてね、勝手だけど、パジャマ着させんだよ。俺のだけどね。
まだ袖通してないから臭いとかはしないと思うけど…　
って、もっと襟までボタンをしないと。せっかく良くなってきたのに」

（って、かなり開いているぞ！）

先生「さすがにこの陽気だと暑くて。中のシャツも汗でベトベトで
そこに脱ぎ捨ててしまったよ」

先生「ところでキミ、今日はバイトなんだろう？」

俺「そうだけど、先生をこの状態にしたまま出かけるのもなぁ
って思って」

（笑っているけどどこか不安げな感じだからな…）

先生「夢をね、みたんだ」

俺「ん？」

先生「真っ暗な空間をね、ずっと落ちていくだけの、それだけの夢
君の名前を呼んでも、叫んでも、ずっと落ちていくんだ
それで目が覚めたの。怖かった」

先生「しかし、夢なんかで気分出すなんて。子供じゃないのにね
ここ数年ずっと気張っていたから、一気に疲れが押し寄せたのかも」

そう言うと表情が柔らかくなる。
打ち明けたことでちょっとは解消されたのだろうか
そして申し訳なさそうに言った

先生「いいから、バイトには行って。ね？
これ以上迷惑は掛けたくないの」

分かったよ、でもその前に

１.　　頭の冷却シートを取り替えてあげよう
２.　　顔の汗くらいは拭かせてくれるかな
３. 　座薬を処方してあげよう