No.856926

ポケットモンスター トライメモリーズ 第64話

フウイさん

今回でこの小説シリーズは終わりです。 見てくださった方、ありがとうございました!

2016-07-05 15:53:39 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:452   閲覧ユーザー数:449

第64話:これからも、いままでも

 

 

ポケモントレーナーであるクウヤは長い旅の末、ついにホウエン8つのバッジを全て揃えたのだった。

 

「クウヤ・・・君はこの旅を通し人としてポケモントレーナーとして、 強く優しくなりました。」

「大げさだよおっちゃん!

ここまでこれたのはオレ一人の力じゃなくて、みんなが・・・ポケモン達が頑張ってくれてたからだよ!」

「そうですね、彼らと君が心を通わせあえた。

だからこそここまでこれた。

その証としてこのレインバッジを君に授けましょう」

「サンキュー!」

 

クウヤのバッジケースには今まで勝ち抜いてきた証であるリーグバッジが7つ・・・。

そこに最後のひとつがはめ込まれた。

自分の周りには今まで一緒に旅して戦ってきたポケモン達がいる。

 

「へへへ、やっぱ全部そろうとうれしいや」

「おめでとう、クウヤ」

「セイ!」

  

いつもの落ち着いた笑顔でクウヤに駆け寄るセイ。

 

「見事なバトルだったよ、本当に」

「え、見ててくれてたのか!?」

「当たり前だろ、なんたって大事な兄弟の試合だからね」

「・・・セイー!」

「うわっ」

 

喜びのあまりセイに抱きつくクウヤ。

やっぱりまだまだ子どもなんだな、とセイは呟く。

 

 

「さてクウヤ、君はこれから何をしますか?」

「え、なにをする・・・・って?」

「バッジは8つ揃えることができた、でもホウエンのチャンピオンを決める戦いは去年行ったし次は2年後・・・ってことになる」

「2年後?」 

「ちょうど3年に一度15歳以下のポケモンバトル大会があるんだ、

この地方以外の様々な強豪が集まってそこで優勝の座をかけてポケモンバトルで雌雄を決する。」

「じゃ、2年後にはもっとたくさんのやつと戦えるのか!?」

「そうなるね」

 

セイの言葉にクウヤはますます身を震わせる。

 

「オレの知らないポケモンとか強いトレーナーがまだいるんだな!」

「そうです、出場しますか・・・と聞いても答えはひとつしかないようですね」

「出るに決まってるだろ!

うー、2年後が楽しみだなー!」

「クウヤ今からはしゃぎすぎだよ、もう」

 

セイは呆れつつ瓦礫に触れる。

そこに彫られていたのは、「貴一家」という苗字だった。

自分の実家もあの戦いで壊れてしまったのだ。

 

「じゃまずはこれ、なんとかしないとね?」

「これ?

・・・あぁ、グラードンとかカイオーガが暴れてそのまんまだったな」

「そこでクウヤ、今しばらくは私達に力をお貸しください」

「このルネを元の美しい街に戻したいからね」 

 

クウヤは町全体を見渡した。

前のように綺麗な町を取り戻そうとして頑張ってる人たち。

その姿を見て2人の方を向く。

 

「わかった、やる!」

「クウヤ」

「なんだかんだでオレ、この街で育ったから回復させて恩返しがしたいんだ、このルネシティに!

故郷とか親とかわかんないオレを受け入れてくれたあんた達のためにもな!

それに」

「それに?」

 

クウヤは笑顔で話を続けたが先程に比べてだいぶ落ち着いている。

 

「やっぱ、困ってる人を無視するなんてオレには無理だしよ!」

  

そう言いクウヤは白い歯を見せて笑った。

 

 

「ここは被害が少ないようだな」

「父さん!」

「おお、リクガ!

それにラカイちゃんやセンリも!」

「お久しぶりです、オダマキ博士!」

「ここら辺の環境は保たれているようだな。」

 

103番道路に集ったのは研究者とジムリーダーと彼らの子ども。

 

「ラカイ、トウカジムはどうだった?」

「えへへ、ほらこのとおりよ!」

「おお、センリに勝ったか、すごいなぁ!」

「本当に強く成長したよ、私を超えるほどに」

 

ラカイが見せたバッジケースには8つのバッジが埋め込まれていた。

リクガはそれを見て「ボクも負けてられないな」と側にいたジュカインを撫でながらそう言うのだった。

  

「クウヤはどうしているだろうか」

「クウヤ君は確かルネジムに挑戦だったね?」

「ええ。

でもクウヤの事だし無事8つ全部揃えちゃってたりして!」

「はは、それは言えてるな!」

 

二人の会話に耳を傾けていたセンリはふっとほほえみ語る。

 

「前からポケモンのことを学んでたラカイやリクガ君と違い彼は0からのスタートだったからな。

クウヤ君・・・本当に凄いコだよ」

「そうですね」

「わたし、あなたやクウヤの友達になれてよかった」

 

 

「今思ったら、いろんなことがあったよな」

 

街から少し離れたところにてクウヤは自分のポケモンたちと向き合っていた。

 

 

バシャーモ、ライチュウ、ミロカロス、フライゴン、エネコロロ、アーマルド。

 

 

「アーチ、ピーカ、ヒーン、ナーク、エーネ、ノープ・・・! 

みんなありがとうな!本当にありがとう!

これからもオレと一緒にいてくれよな!」

 

クウヤの言葉に同意するかのようにポケモンたちは一斉に鳴いた。

 

そして復興手伝いをするためクウヤはポケモンたちと共にルネシティの街中へ戻る。

 

「よーっしゃ、がんばっぞーーー!」

 

 

 

  

 

これは、様々な困難や道を

 

ポケモンと心を通わせあうことで乗り越え

 

一人のポケモントレーナーとして成長していく

 

少年・クウヤの残した軌跡の始まりの物語である。

 

 


 
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