No.856606

ポケットモンスター トライメモリーズ 第62話

フウイさん

これ書いたのリメイク前だからか、今見ると違和感がすげぇw

2016-07-03 14:42:18 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:325   閲覧ユーザー数:325

 

第62話:罪は償うべきもの

 

 

 

「本当にいいのかい? シグレくんまで・・・」

「ええ、僕にも父と同じ罪をどうか・・・」

 

 

あの後―――

 

グラードンとカイオーガは『お互いあるべきところ』へ帰りレックウザもまた再び高い空へ姿をくらませた。

そのあとすぐにラカイとシグレがクウヤ達と合流したのだ。

ジムリーダー達はそれぞれのジムへ戻り街の回復作業に入っていく。

規模が大きいにも関わらず幸い被害は少なく、1ヶ月もあれば完全に回復するとのことだった。

アダンもまた、被害が最も大きいルネシティの復興計画を立てていたのだった。

 

そして・・・

 

「マツブサ、アオギリ・・・その他アクア団やマグマ団。

きてもらうぞ」

「・・・・」

「・・・・・っく!」

 

ダイゴの背後には何人もの警察官がおり、アオギリとマツブサは観念して押し黙った。

ちなみにマツブサはリクガと共にジュカインに抱えられて目覚めの祠から出てきたのだ。

 

 

「俺達でこいつらを連れて行く、もう安心して良い」

「じゃあ、ホウエンはもう大丈夫なんだな!」

「ああ、3人ともよくやってくれたね。

ホウエンを代表し君たちに礼を言うよ、ありがとう!」

 

ダイゴがそういうと3人は照れくさそうに笑う。

その様子を見ていたマツブサとアオギリは自分の負けを素直に認めていた。

 

「ふっ・・・私達の敗北か・・・」

「・・・・」

「行くぞ」

「ま、待ってください!」

 

二人を連れて行こうとしたジンキを静止したのは先程まで傷ついていたシグレだった。

未だ体がふらついているためラカイに支えられつつではあるがその目は二人のチャンピオンと父を見る。

 

「・・・シグレ君。

キミとアオギリの関係はラカイちゃん達から聞いたよ。

でも罪は罪だ、今まで犯した分の罰を受けなければならない」

「ち・・・違うんですダイゴさん。

確かに父は何度も罪を犯し続けてきました。

それを今更なかったことにしろなどとは言いません。

ですが・・・」

「?」

「その罪、僕にも背負わせてもらえないでしょうか?」

 

シグレの言葉にそこにいた全員が目を丸くした。

特にアオギリは声を荒げ反発する。

 

「何を言っている、シグレ!?

お前はそのままそいつらに溶け込んでいろ!!」

「・・・いいんだよ父さん・・・」

 

シグレは首を横に振る。

 

「僕はずっとあなたの側にいた。

あなたのしていることはやってはいけない事・・・悪いことだと知っていながら何もできず、怖くてとめられなかった。

死ぬこと・・・それ以上にあなたと血縁を切られることが何よりも怖くて罪だとわかっていながら見てみぬふりをしていた僕はあなたと同じ罪人だ」

「シグレ・・・」

 

そんな彼を心配そうに見つめるラカイ。

彼女に大丈夫、と伝えるようにほほえむシグレ。

「だからお願いしますダイゴさん、ジンキさん。

父と同軍の罪を僕に」

「・・・・・後悔するなよ?」

「はい」

 

丁度良いタイミングで船が来た。

 

 

次々に団員が船に乗って連行されていく。

彼らに続いて乗ろうとしたシグレはクウヤに呼ばれ振り返る。

 

「シグレー!

オレ達お前を待ってるからなー!」

「必ず、父さん達の罪を償うから、友達でいてよー!」

「何言ってんだよ!

もうオレ達友達だろーーー!

また会えたらみんなで思いっきりポケモンバトルだぜー!」

「・・・うん!」

「わたしも待ってるよー!」

「ボクもだよ!!」

 

シグレは微笑むと船内へ姿を消す。

3人は船が見えなくなるまで見送っていた。

 

船内に入る直前シグレはもう一度だけラカイを見たが、それを、その真意を知るのは、本人のみだった・・・

 

 

船が見えなくなり、クウヤが最初に口を開く。

 

「・・・・行っちゃったな」

「ああ・・・」

「でも今度会うときはもう罪人のアクア団じゃない・・・わたし達の友達、立派な仲間よ!」

「そうだな!

よーし、オレも頑張らなくちゃな!」

「ボクも」

 

ポケナビを通してアダンはクウヤとのジム戦を約束する。

 

今日と明日でポケモンを十分に回復させるため、ジム戦をするのに適切な環境を作るため、明後日に。

 

センリはバッジを7つ集めた最後の相手としてラカイをトウカジムで待ち受けているという。

 

ダイゴやジンキはこれからに備え四天王と共にリーグへ戻りホウエン全体の回復、残党の手配に尽くすのだという。

 

「ラカイはトウカジム、リクガはジンキの手伝い・・・オレはルネジムかぁ・・・」

「そうだね」

「・・・次に会うのは・・・今の目の前の目標を達成したあとよ」

「ああ、もちろんだ!」

 

 

3人はそれぞれの目的を達成するためそこを去った。

 

その目に宿っているのは、希望だ。  

 

 

――― 一方、ルネシティを去った船内、シグレは父アオギリと向き合っていた。

その様子を少し離れたところでマツブサは見ている。

 

「・・・・父さん・・・」

「シグレ、お前まで来ることはなかったというのに・・・悪いのは実の子を平然と罵り利用し続けていたこの私なのだぞ?」

「もう良いんだ、本当に。

自分を責めるなんて事、母さんは望んでいないよ」

「・・・ユイか・・・。

あいつは本当に俺を愛しているだろうか?

今も、俺を愛してくれているだろうか?」

「母さん最期に言っていたよね?

 

『どんなことがあっても、私はあなたたちを愛しています』

 

・・・って。

あの時母さん、笑っていた・・・よ・・・・?」

「・・・・・」

「・・・・」

 

しばらく黙り込む父と子。

 

「・・・シグレ、こっちに来い」

「・・・う・・・・うあぁ・・・うぁぁぁっ・・・!」

 

アオギリの胸で泣きじゃくるシグレ。

 

自分がやや大柄なためでもあるが、息子が小さく思えるこんなに小さく弱い子どもに自分は今までどんな重荷を背負わせ苦しめてきたのか・・・・・

 

「・・・」

 

アオギリはシグレを胸に抱き頭を撫でた。

 

「・・・・シグレ、罪を全て償おう。

どんな許されぬことでも、何年か過労とも全力をかけて。

無論、その時はお前もいる。

あの頃のように、部下や人形としてではなく、親と子としてお前と接する。」 

 

今度こそお前や部下を新しい世界へ導いてみせる。

 

だから見守っててくれよ・・・・ユイ・・・・・・・」

 

 

 

彼らは罪を知り新たな道へ進む 

 


 
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