海鳴市のとあるお屋敷の庭。
新八と神楽、夢叉子、あやか、マミ、十兵衛、シャナ、ネプギア、セリカ、リアス、アーシアの11人はなのは達と一緒になのはの友達の月村すずかのお屋敷に遊びにきていた(他のメンバーは高町夫婦が経営する喫茶店『翠屋』でお手伝い中)。
神楽「キャホォォォウ!大きいお屋敷アル」
十兵衛「うわ~猫がいっぱいだ~」
セリカ「アーシアちゃん私たちも猫触りに行こう♪」
アーシア「あ、はい」
新八「ちょっと、四人とも、他所(よそ)の家の庭なんだからハシャギすぎちゃ駄目だよ」
リアス「いいじゃないの。こんな豪華な家で遊べるなんて稀のものよ。私の実家なら別にいいけど」
あやか「それにしても大きなお屋敷のこと。私の別荘より広いのかしら?」
夢叉子「なんで上から目線なんだこいつら?」
シャナ「お嬢様だがらじゃないの?」
普段見る機会がない屋敷と庭にいる多くの猫たちを見るなり少女たちのテンションが高くなる。
新八は庭でハシャグ神楽に注意した。
「あの人たちがなのはの家で居候している人達?」
なのは「うん、そうだよアリサちゃん」
金髪の少女、アリサ・バニングズがなのはに聞いた。
「ねぇ、なのはちゃん、アリサちゃん」
紫色でウェーブのかかった髪の少女、月村すずかがなのはとアリサに言う。
すずか「実はね今日、なのはちゃんたちに内緒で鳴神君も招待しておいたのん」
なのは「ほんと!」
アリサ「えっ? あいつ来てるの?」
うれしそうな反応をするなのはときょっとんとすずかの顔を振り向く。
ネプギア「鳴神君って誰ですか?」
なのは「わたしの男お友達で小学校入学の頃からの幼馴染なの♪」
夢叉子「ほぉ幼馴染か。だが、なんで内緒に招待したんだ? 友達だろう?」
アリサ「そいつ、友達付き合いが悪いのよ。私たちがせっかく遊びや食事とか誘っているのにあからさまに避けて逃げるし、話しかけても難しい本ばかり読んでばっかで無視するし」
夢叉子「そいつ本当に友達なのか?」
アリサ「まぁ一様友達よ。私から言えば本の虫の腐れ縁ってやつ。なのはとはなにかあったのか知らないけどなのははあいつを友達だって思っているわ。まぁ、昔私たちに変に寄りついてきた男子たちを説得して守ったり、困ったら手伝ってくれたり、かわいい顔してちょっと凛々しい顔で説得力があることと言って私を説教したり、友達としてはまぁまぁイイやつよ」
素っ気ない表情でぶつくさ説明するアリサ。その表情が照れ隠しが見え見えだった。
ウキウキと浮かれるなのはとアリサの反応から、その少年に好意を抱いてることに、新八たちは子供の甘い恋路だなぁ~と、のほほんとと微笑む。
アリサ「それで鳴神君はどこにいるの?」
すずか「ふふふふ、ちょっとまってね」
微笑みながらすずかは少し開いた扉から延びている荒縄をよいしょよいしょと引っ張りまくる。
すると扉から――
――口をギャグポールで塞がれ荒縄で拘束された少年が地面を引きずれてきた。
すずか「はい、鳴神君、なのはちゃんたちが来たよ」
??「ダムデエェエェェェ(助けてぇぇぇぇぇ!!!)」
新八、夢叉子、シャナ「「「ちょっとまってぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」」
ショッキングな光景に思わずツッコミをいれる三人。
アリサは衝撃すぎる一面に呆然となり思考停止、ほかのメンバーも顔を引きずっていた。
すずかは不思議そうに可愛く首を傾げた。
すずか「どうしたんですみなさん? 声を荒げて?」
ネプギア「どうしたんですかじゃないですよ! なんでなのはちゃんと同じ年くらいの子が荒縄でグルグル巻きに拘束されてボールで口を塞がれてるんですか!?」
あやか「そうですよ! こんなおいしそ――もとい、美少年が女の子に引きずられるなんて、一体どんな調教―――じゃなかったどんな荒事があったんですの!?」
神楽「おい、煩悩が隠れてないアル金髪牛乳」
アリサ「アークあんた何があったの!? ってかすずか、なにやっちゃってるのよ!?」
すずか「何もやってないよアリサちゃん。ただ鳴神君、いつもみたいに逃げるから強制的にご招待だけだよ♪」
なのは「にゃっはははは、もう、アー君は恥かしがり屋すぎなの」
シャナ「いやいや、笑い事じゃないから!? なのはものほほんと嗤うな! その笑みが怖すぎるわ!」
??「ヴァイザザンダズゲテ~(アリサさんたすけてぇ~)」
アリサ「まってなさい、今ほど解くから!」
その後、縄が固く結ばれていたため夢叉子が引き千切って少年を解放した。
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??「助けていただきありがとうございます。すずかさんに捕まった後、どんなひどい目に合うのかとひやひやしてました」
新八「ほんと災難だったね(^^;)」
頭を下げて感謝する褐色の少年。新八は苦笑する。
現在、新八とあやかとマミとシャナとリアスは、なのはたちと庭で紅茶を飲みながら会話をしていた。
フェレットのユーノは月村邸の子猫と遊んでいた。と言うより追いかけられ…いや、襲われていた。キューキュー鳴きながら子猫から逃げている。神楽と夢叉子はその様子を笑いながら傍観し、アーシアとネプギアはどうするべきかオロオロし、十兵衛とセリカは子猫たちと遊んでいた。
アーク「改めまして、僕は『鳴神アーク』。高町さんたちとは‟一様”友達です」
一様という言葉を強調して名乗る少年――鳴神アーク。
その隣の椅子に座っているなのはが「もう、高町さんじゃなくって名前で呼んでなの。恥かしがりやなの」とニコニコと笑って訂正していた。
可愛らしい笑みだが、どこか重く怖かった。なのはの反対側に座るアリサはアークに同情し、すずか…微笑ましく三人の関係を鑑賞していた。
新八「鳴神君だったね」
アーク新八「アークでいいです。僕も新八さんたちを名前でよびますので」
新八「うんじゃアーク君。こんなこと聞くのは野暮だけど…君って男の子?」
その問いにあやか、シャナ、リアス、マミも同様にそれを考えていた。
褐色の肌に左頬の髪を二本三つ編みにした黒髪。緑の瞳に猫のような瞳孔。シャツにズボンにサンダルとラフな成年の恰好だが、初見ではボーイッシュな女の子しか見えない。
そんな男の娘風な少年アークは苦笑を零す。
アーク「聞かれると思ってました。もちろん男の子です。まぁ、こんな顔つきなので誤解されてもしかたないですかねぇ」
あやか「そんなことありませんわ。とっても可愛らしく、あなたを生んだ両親に感謝したいほどです」
と、なぜか褒めるあやか。
そんな彼女にシャナがジト眼を向けて言う。
シャナ「食べたらだめよ」
あやか「食べませんわよ。シャナさんたら、わたしくしをなんだと思ってるんですか?」
シャナ「美少年に飢えた少年大好きショコタン」
あやか「まぁ、失礼な。確かに美少年は大好きですけども幼子を逆レイプするような卑猥な痴女ではありませんわは」
シャナ「……それじゃー目の前に常識がまだ疎い幼い美少年が落ちてたらどうする?」
あやか「もちろん悪い虫がつかないよう、私が所有する安全な場所に隔離しますわ!」
シャナ「治ってない。天パとカップリングが成立しても治ってないわこの腐れショコタン」
リアス(……ギャスパーとミリキャス、紹介しないでおこう…)
胸を張って煩悩をさらけ出すショコタンに、少女三人が呆れた。
アークのほうは身の危険を感じたのか、目の前の金髪美女を警戒し、椅子に座りながらすこし後方に下がった。
新八(それにしても…女の子ばかりで落ち着かないなぁ…アーク君は男の子だけど見た目が女の子だし)
改めて回りを見渡して思う新八。彼の周りには神楽らなど含め女の子ばかりだった。
道中でなのはの兄 恭也も遊びに来ているが恭也はすずかの姉 月村忍の部屋に行ってしまったのでここにいる男は新八一人である。
あ、ユーノもいた、とあとで気づく。
そんなユーノは全速力で子猫から逃げ切りなのはの肩の上に避難していた。
新八(フェレットも大変だなぁ…ま、どこぞの白い淫獣と比べればまだマシなほうか)
脳裏にパンツ泥棒のオコジョを思い浮かべた新八はユーノに同情の視線を送った後、なのはは何かを感じたのか一瞬驚いたような顔をする。
なのは(ユーノ君!)
ユーノ(うん、近くにジュエルシードがあるね)
なのはとユーノは念話で話しかける。
ユーノはアリサ達を巻き込まないためになのはの肩から降り森へと走っていった。
続けて、なのはは席を立つ。
なのは「ごめんねアリサちゃん、すずかちゃん、アーク君。ユーノ君どこかに行っちゃったみたいたから探してくるね」
アリサ「ユーノが?私たちも探すわよ?」
なのは「ううん、大丈夫。すぐ見つかると思うから」
アリサは手伝おうとするがなのははアリサとすずかを巻き込まないために手を振りながら丁重に断り森へと走っていく。
なのは達の様子を見て新八たち居候組は、なのはとユーノがジュエルシードのが反応を捉えたのだと考え、ジュエルシード探しに加勢するために席を立ち森へと走ってなのはのあとを追う。
新八「神楽ちゃん僕たちも探すよ!」
神楽「おう!フェレット狩りアル!」
マミ「うっふふふ、久々の狩り、腕がなるわね~」
新八、ネプギア、アーシア「「「神楽ちゃん狩っちゃダメだよ(ですよ)!」」」
あやか「しかも、マミさんまでなに猟師みたいなこと言うんですか!?」
マミ「だって~わたしもたまにはボケたいんだも~! それに、相棒がマスケット銃だし?」
シャナ「いや、無無にボケなくてもあんた元から空気だから、ボケは無意味よ」
マミ「ぐっほ、シャナちゃんの毒がひどい…;;」
十兵衛「あっ、セリカちゃん、そっちじゃなくってこっちだよ!?」
セリカ「へっ? ごめん間違えちゃった!」
走りながらコントをする一行(ひとり逸れかけるも)は、なのはの後を追った。
すずか「みんな行っちゃったね」
アリサ「そうね。そんなにフェレットが大事なのかしら? アークはどうおも――あれ? アーク?」
アリサは回りを見渡すが、いつの間にか椅子に座っていはずの幼馴染の姿はなかった。
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そして一行はジュエルシードを探すために現在森の中にいた。
なのははジュエルシードを封印するために白いバリアジャケットを着用し手にはデバイス『レイジングハート』を握っている。
新八「なのはちゃん、ユーノくん。ここら辺にジュエルシードがあるの?」
ユーノ「そのハズなんだけど…」
すると恐竜が歩く足音のような大きな音が森中に響いた。
ネプギア「な…なんですか、この音は!?」
夢叉子「気を付けろッ。何が飛び出すかわからんからな」
夢叉子の注意に一行は警戒しながら辺りを見渡す。
神楽「アレ!」
何かを見つけた神楽は指を差す。神楽の指差したモノを見て皆が驚いた。
「にゃ〜〜」
皆の目の前には大きな大きな猫がいた。
新八、あやか「「デカッ!!」」
マミ「えっと……あれは…」
ユーノ「多分あの子の『大きくなりたい』って願いが叶えられた……んだと思う」
新八「いやデカ過ぎでしょ!!どんだけいい加減な願いの叶え方してんですか!!?」
ネプギア「見た目の大きさですねあれ…」
リアス「成長のつもりが違うみたいね」
夢叉子「拡大の間違いだなありゃ…ん?」
大きな猫を見上げながら新八はツッコでいると、猫の前に神楽と十兵衛が猫に近づこうとする姿あった。
神楽「ほ〜れ、猫ちゃんおいでー酢昆布あげるヨ」
十兵衛「かつお節もあるから抱きしめさせて~」
神楽が手に酢昆布を、十兵衛の手にはかつお節があり、猫に食べさせようとしていた。
ビシッ!
神楽、十兵衛「「ふげっ!(あっだ!)」」
ズルズルズルズル
新八は速攻で神楽と十兵衛に近づき、平手打ちで二人の頭部を殴り、服の襟首部分を持ちズルズルと引きずりなのはとユーノのもとへと帰った。
新八「何してるの二人とも!あそこに居ちゃ危ないでしょ!」
神楽「ひどいアル新八!動物とのじゃれあいを邪魔してそんなに楽しいアルカ!?」
十兵衛「そうだよ! 十兵衛は大きい肉球さわりだけなのに!」
新八「いや、あんな大きな猫とじゃれあったら死んじゃうから!」
アーシア「たいへんです新八さん!?」
バカ二人に説教していると、アーシアが声を上げて言う。
新八「どうしたのアーシアちゃん?」
アーシア「さっき気づいたんですが、セリカさんがいないんです!?」
新八「へ? えぇぇぇぇぇ!?」
新八たちは改めて自分たちのメンバーを数える。
すると、一人…最初はぐれそうになっていたセリカの姿がなかった。
新八「ほんとだ!?いねぇぇぇぇ!」
あやか「走る際、たしかに一緒にいたはずなのに…?」
ネプギア「いつの間にかはぐれたみたいですね…」
リアス「まさか悪魔の私まで気づかなかったなんて…」
シャナ「あいつ、マミみたいに影が薄かったっけ?」
マミ「それは言い過ぎよシャナさん…ってか、私を影薄キャラに定着させようとしていません?」
あやか「と…とりあえず、セリカさんことは後にしましょう。さすがにこの庭には出てないはず…」
ユーノ「そ、そうですね。なら、まずはジェルシードのほうを片付けましょう。あのままだと危険ですから早く封印しないと」
ユーノは『広域結界』という空間と時間軸をずらす魔法を使った。
なのは「うん、流石にあのままじゃすずかちゃんも困っちゃうだろうし…」
新八「いやいや、そんな問題じゃないでしょ!」
夢叉子「むしろ喜んで飼うんじゃないか…?」
あやか「あれだけの猫を可愛がってますし、ソレありえそうですねぇ」
なのはたちの脳裏に、巨大猫に抱き着く少女の姿が安易に想像できた。
だったらこのままでもいいのでは? と考えてしまうが、目的のものを回収するためには猫を元に戻すしかないので、なのはがレイジングハートを構えて封印をしようとしたその時、
キュゥゥゥン!!
突如として、新八の頭上に金色の光が通過して猫に直撃した。
「にゃ〜〜!」
猫は悲鳴をあげてよろけた。
十兵衛「あぁぁぁ!? ねこちゃんがぁぁ!?」
マミ「あれってもしかして、魔法!?」
リアス「えぇ。かすかに魔力を感じたわ」
なのは「でも、誰が!?」
ネプギア「いたッ!? あそこです!」
全員が光の発射された方向を見た。
そこには金髪のツインテールで黒い服を着た少女『フェイト』と、同じく金髪で背に赤いマントを靡かせ剣をもつ少年と、両手に龍を象ったような金色の籠手を装着する少女と、黒いウサギ耳のフードを被った二丁の拳銃をもつ少女が空中に佇んでいた。
つづく
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白と金が対面する…って、みなくてもわかるか。