No.853354

Triangle Goddess! 第15話「英霊として」

Nobuさん

神界サイド、すなわちエルダーのターン。

2016-06-15 08:49:18 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:280   閲覧ユーザー数:280

 アインヘリアルとなったエルダーは、ラグナロクに備えてヴァルキリーに鍛えられていました。

「せぇいやっ!」

「振りが遅い!」

 エルダーは高速で剣を振り下ろしましたが、それでもヴァルキリーからは「遅い」と言われました。

「はぁっ……。それでも遅い、と言うのか……」

「相手となる巨人の攻撃はそれ以上に速いぞ?」

 ラグナロクでアインへリアル達が相手にする巨人は、非常に高い身体能力を持っています。

 動きが遅いかと思いますがそうではなく、動きの速い巨人も存在します。

 そのために、ヴァルキリーは厳しい訓練をアインへリアルに積ませているのです。

「あと素振り何回やればいいんだ?」

「5000回。お前ならできるだろう?」

「……分かった」

 ヴァルキリーに言われ、エルダーは素振りを5000回行いました。

 

「はぁ、はぁ、はぁっ」

「よし」

 ようやく、エルダーは5000回素振りを行いました。

 しかし、彼の表情には疲労が見えました。

 神の力を与えられているとはいえ、立場としてはジャンヌら三女神同様「見習いの神」なのですから。

 

「巨人は、どれほどの強さなんだ……」

「それは分からない。だが、強敵なのは確かだ。それまでに訓練を積んでおけ」

 

 ヴァルキリーの訓練が終わった後、エルダーはアインへリアルに声を掛けられました。

「訓練お疲れ様! やっぱりゲイレルル様の訓練は厳しかったわよね」

「ゲイレルル様?」

「知らないの? さっきあなたに訓練をつけてくださった黄金のヴァルキリーなのよ」

「そういう名前だったのか!」

 エルダーの魂を選定した黄金のヴァルキリー・ゲイレルルの訓練は厳しい事で有名です。

 しかし、彼女の訓練を受けた者は、非常に強いアインへリアルとなる事でも有名なのです。

「私の担当はスケッギョルド様だったからなぁ。いいな~」

「……あの鬼のような訓練を受けたいか?」

「や、やめておきます;」

 スケッギョルドもまたヴァルキリーですが、ゲイレルルよりも訓練は緩めなのです。

 その分、積まれる経験値はゲイレルルよりも減りますが……。

 

 その頃、ヴァルキリー達はというと。

 

「トールがアスガルドを抜け出したようです」

「何!? またミッドガルドに行っただと!?」

 オーディンの子・トールが行方不明になった事を知らせました。

 アールガルドにおいては、下界の事を「ミッドガルド」と呼ぶのです。

 それに対し、この神界の事を「アスガルド」と呼びます。

「ええ。ミッドガルドの様子を見てみましたが、その通りのようです」

「我の子でありながらもその自覚が無いとは……。一刻も早く、アスガルドに連れ戻すのだ!」

「御意」

 オーディンの命令で、ヴァルキリーは下界に向かう事になりました。

 

 アールガルドも色々と大変なようです……。


 
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