始めて間もない料理店の評判を上げるには一体どうすればいいのか。
味で勝負する?正統派だ。
いっそ割り引き的なキャンペーンを作る?お得だし客は来るだろう。
いっそ店を派手にする?それもいいだろう。
だが料理店、クスクシエの店長・稲葉 蓬はこう言った。
蓬「顔面偏差値高けりゃ口コミで広がんだろ」
と、言うわけで
リト「バイトしようぜ!」
サトシ「ほえるーはねるー空を飛ぶー」
リト「トライアタックーメガトンパンチー、…ってちげぇよ」
昼休みが入ってすぐの事、リトはとある教室に来ていた。
そこは天ノ川学園に存在する各学年に一クラスずつ存在する特別クラス。
ポケモンの生態や特性、進化を研究し、ポケモンと人間がどのように共存していくか考察し、ポケモン同士のバトルをどう効率よく行うか探求するクラス……ポケットモンスター特化クラス、別名ポケモン科。
そしてそこにいたのは、リトに馴染みがある五人の生徒。
レッド「何バトルしようぜ!みたいに言ってるんだよ?」
リト「いや、ちょっとさ。蓬さんに頼まれてバイト探してるんだ…」
グリーン「人手が足りないのか?」
リト「まあな。一応デネブの出す料理が人気でさー」
ブルー「あー、あの背が高くて弄ると面白い人?」
イエロー「ぶ、ブルーさん!それは失礼ですよ!」
リト「でも間違っちゃいないな。な、頼むよ?イケメンと美少女のバイトが増えると客増えるし。俺のおごりでデネブの飯奢るからさ」
サトシ「マジで!?じゃあ俺やるッ!」
レッド「決めるなって。それに部活はどうすんだよ?」
ブルー「あら?終わったあとに来ればいいんじゃないの?」
イエロー「それに週に何回かしかやりませんし」
グリーン「だがな…」
レッド「どっちかっていうとバトルしたいんだけどな…」
リト「…イエローのウェイトレス姿見れるぞ(ボソッ」
リト達の住むアパート……の一部を改装したこの店の名前はクスクシエ。
ここには白と黒のカラーリングをした制服を来た五人の男女がいた。
グリーン「…レッド…」
レッド「悪い、リトの罠に掛かったんだ…」
サトシ「?」←よくわかってない
ブルー「ちょ、イエローポーズとってポーズ!可愛いわぁ!!スゴく可愛い!!」←連写中
イエロー「ぶ、ブルーさんやめてください!?」←お盆の盾装備
レッドは顔を両手で覆ってはいるが、指の間からイエローの姿をバッチリ見ていた。
清潔感のある白のエプロンにフリフリのミニスカートはブルーにも言えることだがかなり似合ってる。
学校指定の制服は別として、イエローの普段着はスカートを中々履かないこともありかなり新鮮な状況だ。
ちなみにロングスカートもあったのだが、蓬にミニを押し付けられたらしい。
ブルー「ん?……ちょっとレッド、何かイエローに言うことあるんじゃないの?」
レッド「え?」
イエロー「ブルーさん!」
サトシ「なぁグリーン、レッドってイエローに何かしたのか?」
グリーン「お前は黙っていてくれ…」
サトシ「あ、うん」
レッド「そ、その……イエロー。その制服、似合ってる…ぞ」
イエロー「ほ、本当ですか…?…ありがとうございます!」
ブルー「…それで、グリーンもアタシに何か言うことあるんじゃない?」
グリーン「…うるさい女だ」
サトシ(なんか周りがピンクっぽいけど……まぁいいや)
サトシは周りの空気を気にせずソワソワしていた。
何せバイトというのは今回が初めてだ、少し緊張もしているだろう。
そんな事をしていると、蓬が奥からやって来て五人の前に立つ。
蓬「よーし、揃ったな若造共。お前らの仕事はシンプル、接客だ。しっかり働けよ!」
四色+サトシ「「「はい!」」」
元気よく返事をした五人はそれぞれ別れる。
そして店の扉が開いた。
その一時間後…
ゴールド「ウィーッス!レッド先輩達いるっスかー?」
クスクシエの扉を開けたのはポケモンバトル同好会のゴールド。
そして後ろに控えるのはシルバーとクリスタル。
三人はリトからレッド達のことを聞き、ここに来ていたのだ。
え、先輩達バイトしてんの?マジで?ちゃか…遊びに行きてぇ!と思っていたゴールドが目にしたのは…
レッド「はい、俺の占いは必ず当たるパエリア一人前と鉄仮面餃子スープ一つ…あ、ゴールド」
グリーン「店長。羽ばたく唐揚げ大盛りで。む、ゴールドか」
ブルー「はーい、大将軍パフェでーっす♪あら、ゴールドじゃない」
サトシ「坊っちゃん風ラ・メーンお持ちしましたー!…あ、ゴールド!来たのか!」
わりと忙しい先輩達の姿だった。
もう夕方の時間帯だが席もほとんど埋まっており、けっこう賑わっている。
しかもその半分は部活が終わった後の天ノ川学園の女子生徒だ……目当ては大体イケメン×3だろう。
そうしていると、唯一空いていたイエローがやってくる。
イエロー「いいいいいらっしゃいませ!ええええっと…三名様で…」←緊張中
クリス「イエロー先輩、私達ですよ!」
シルバー(姉さん、ノリノリだな…)
ゴールド「ウッヒョー!ブルー先輩もイエロー先輩もいいッスねー、特にスカートの揺れに目が…」
クリス「止めなさいッ!」←回し蹴り
ゴールド「グエッ!」
クリスタルの一撃がヒットしたゴールドはダウンした。
それと同時にイエローが平常心に戻ったのか、三人を案内する。
ちなみにゴールドはシルバーに引きずられていた。
イエロー「そうですか、リトさんに聞いて…」
シルバー「ああ。姉さんが働いてるから見に行けとな」
ゴールド「それとレッド先輩とイエロー先輩をいじっムグムグ」
クリス「何でもありませんよ!?」←口塞いでる
イエロー「はぁ…それで、ご注文は?」
クリス「私はバーニング焼おにぎりで」
シルバー「…猫舌アツアツ炒飯」
ゴールド「プハッ…荒ぶる闘魂ハンバーグで!」
イエロー「わかりました。少々お待ちください」
イエローはそういうとパタパタと足音を立てて席を離れる。
…一応高等部なのに年下に見えるのは突っ込まないでおこう、きりがないので。
ゴールド「…つーか、いきなり口塞ぐなよな、クリス」
クリス「貴方こそいきなり何言い出そうとしてたの?たしかにリト先輩に言われたけど…」
ゴールド「そんまんま言おうとしただけじゃねぇかよ。お前ホンット頭硬ぇよな」
クリス「あなたは何も考えてなさすぎなの!」
シルバー「静かにしろ、似た者夫婦」
ゴークリ「「誰がこんなのと!」」
息ピッタリにシルバーに詰め寄るゴールドとクリスタル。
正直そう言う風に見えてしまうのだが……そんなことは誰も言えず、シルバーも言う気力はなかった。
そして数分後、色々と話をしていた三人にそれぞれ注文したメニューがやってくる。
炎蓮「焼おにぎりと炒飯とハンバーグお待ちぃ!!」
シルバー「どうも」
ゴールド「大体なんでこんな堅物委員長と…!」
クリス「なんでこんな不良なんかと…!」
シルバー「それが原因だろうが」
そう言いつつもシルバーは炒飯を口にいれる。
そして一回硬直するが、後は黙って噛み締めるように食べ続けた。
ゴーストとクリスタルも一回落ち着いて自分のメニューを食べ始め……後はウッメェ!?とかぶつぶつ言ったりしている。
と、そんな食事タイムをしていたら、
ブルー「あ、炎蓮さーん」
炎蓮「ん?おお」
シルバー「?」
炎蓮「おらあああああ!!」←近くの客殴った
客「ぶべら!?」
ゴクリ「「…ッ!?」」
シルバー「………」←目を見開いてる
炎蓮「テメェ、出すもん出せやコラァ!!」
クリス「ちょちょちょ、何やってるんですか!?ゴールドでもしないのに!」
ゴールド「おい」
ブルー「あら?店の前の掲示板見なかった?メニューにも書いてあるんだけど」
シルバー「…『当店のウェイトレスへの痴漢行為、盗撮、連絡先の交換などは固く禁じます。破った場合は五千円の罰金と従業員もしくは第三者からの制裁が下されます』」
ゴールド「どんな注意事項!?」
クリス「従業員はわかるけど第三者って!?」
普段あまり突っ込まないゴールドと通常運行のクリスタルのツッコミにブルーは黙ってある所を指差す。
ブルー「あそこにいるルカリオ」
リオウ「………」←はどうだん待機
ゴールド「アイツ殺る気だ!」
シルバー「血の気が多いな」
クリス「あの、ちなみにあそこの人は何をして…」
グリーン「イエローのスカートの中を盗撮しようとした」←ヌッと参上
ゴールド「ああ。だからレッド先輩も制裁に混ざってるんスね」
ゴールドの言う通り、現在レッドもコブラツイストを客にかけている。
さらに炎蓮も唐揚げによく使うレモンも持ってきた……多分目にぶっかけるんだろう。
と、軽く暴れていたら…
リト「たでーまー」
白湯「ただいまだもん!」
モモタロス「お、今日も店員に馬鹿なことやらかした奴がでたか」
空丹「あんた乱入とかする気じゃないわよね?ホント脳筋なんだから」
モモタロス「あぁん!?今暴れてんだから俺も混ざっていいだろうが!」
空丹「アンタ暴れるとものが壊れるのよ!そんな事もわからないの!?いつも食べてるプリンの栄養どこに使ってるの!?」
黄「お、お二人ともケンカは…」
桃空「「口閉じてろこの万年発情期のドMッ!」」
黄「ハァァァァァ~~~♪♪♪」←悶えてる
裏口から制服を来たリト達がやって来た。
実はこの五人、今まで買い物をしていたのだ。
今日は恐らく夜に人が来て混むだろうと思い、食材を補充するため。
そしてリトはレッド……の掴んでいた客目にする。
レッド「あ、リト」
客「 」←真っ白
リト「サトシ、説明プリーズ」
サトシ「なんかイエローが盗撮されかけたんだってさ」
リト「納得」
空丹「大体あんたは見境なくケンカ売りすぎなのよ!」
モモタロス「別に誰これ構わずしてねぇよ。ケンカする相手はヤル気のある奴を…」
黄「白湯様、私達は先にお手伝いしましょうねー」←スルー
白湯「わかったもん!」
なんか約二名ケンカ腰になってるがいつもの事なのでスルーしている。
と言うかこんなことしてていいのか従業員。
三十分後…
レッド「サトシ、空いた席片っ端から空けて!次々人来るから!」
サトシ「わかってる!…あ、いらっしゃいませーー!!」
空丹「はい、コレクッテモスパゲティと猫舌っ君ビビンバと…は?何よ笑顔って!?売り物になるほど私の笑顔は安くないわよ!」
グリーン「すみません、牛乳がすでに無くなっているのでミルクティーはご注文できません」
ブルー「炎蓮さーん!ここって魔法の呪文がメニューにありましたっけ!?適当にやれ?…萌え萌えズキューン!」
白湯「よいしょ…ご注文の、えっと…ハーフぼいるど…?ワッフルだもん」
イエロー「あ、あの、アドレス交換はちょっと…」←この後客にレッドのタイキックが決まった
見事に混んでいた。
中は勿論、外にもある席は全て埋まっており、従業員はドタバタと歩き回る(黄はレジ、モモタロスは裏方)。
厨房にはデネブがおり、祭や蓬、海蓮が手伝っていた。
ちなみに今いる客の目当ては料理4、男性店員3、女性店員3である。
そんな中、リトとゴールド達は皿洗いをしていた。
ゴールド「うわー、スゲー混み具合」
リト「全員デネブの料理とウェイトレス目当てだからなー」
シルバー「それよりも…何故俺達も着替えてこんなことを?」
リト「…ついで?」
クリス「ついでで巻き込まれたの!?」
いいとばっちりだ。
炎蓮「しゃああああああ!!」←アッパーカット
客「あべしっ!?」
ゴールド「…ところで従業員があんなことしていいのか?」
リト「所詮ギャグだしいいんじゃね?」
クリス「メタい!」
シルバー(早く帰ってタウリナー見たい…)
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XXX「由花子の中の人能登さんだった…」
一刀「急にジョジョの話するなよ」
XXX「シャラーップ!今回出てくる料理は仮面ライダー詳しいとなんとなくわかります。『三十四話:ギャグだからできる暴力』。この作品はフィクションです」