「呉への特使?」
「・・・ですか?」
蜀王桃香の2人の子供である劉禅と劉永の姉弟は、侍女によって案内された玉座の間で母と対面していた。
「うん。再来月に雪蓮さんが美羽ちゃんから独立した記念式典があるのは知ってるよね?禅ちゃんと永君にはお母さんの―――蜀王代理として行ってほしいんだ。お母さんは、ちょっと、ね。今回は行けないから」
そう言って桃香はお腹をさする。先月、彼女が第三子を身籠ったのは、蜀中はもちろん、魏・呉にも知れ渡っており、記念式典に代理が立てられる事はすでに各国に通告してある。
愛紗が会議を進行させるべく、文章を読み上げた。
「お2人には護衛として紫苑と我が子・関平及び兵2千を同行させます。出発は明後日ですのでお2人とも準備を整えておいてください」
「ねぇねぇ、永君。お姉ちゃんこの水着持っていこうと思うんだけど、どうかな?可愛い?」
「わっ!姉ちゃん、なんで着てくるんだよ!」
劉永は明るい色合いのビキニの水着で隣の部屋とつながっている扉から出てきた劉禅に劉永は真っ赤になりながら怒鳴った。目を逸らそうと思っても目線は母同様たわわに実った胸に釘付けだ。
「速く服着て来い!馬鹿姉貴!」
「ぶぅ~!」
困ったことに劉禅は少々ブラコンで、弟に体を密着させて甘えたり、一緒に風呂に入ろうとしたりして劉永を困らせている。
「ったく・・・」
そんな困った姉だが、本心から嫌いになれないのはやっぱり彼女が好きだからだろう、と周りの人たちは思っている。
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久しぶりの蜀の日常です。今回は劉姉弟の関係についてです。