冒険者として最初の依頼を終えた三柱と一人は、次の依頼を探す事にしました。
「えーっと、次の依頼はっと」
「これだな」
エルダーが見つけた依頼は、これでした。
うちの息子が行方不明なんです
難易度:★
報酬:2000ゼニー、ポーション×3、栄養ドリンク×3
うちの息子が洞窟に入ったっきり、行方不明になってしまったんです。
しかも、あの洞窟には凶暴なトロールがいると聞きました。
もしかしたら息子が食べられてしまったのではないかと心配で……。
お願いします、どうか息子をできるだけ早くお助け下さい。
「ですって」
「凶暴なトロール、ですか……。行ってみる価値は、ありそうですね」
ジャンヌは意外と好戦的です。
トロールと一度戦ってみたい、という気持ちもあったのです。
「では、早速これを受けてみましょう!」
「そうだな」
こうして、依頼を受けたジャンヌ達は、早速依頼主の息子が入った洞窟に入りました。
「本当にここに、凶暴なトロールがいるのでしょうか? 楽しみです」
「……ジーンは好戦的なんだな」
「お姉様はこう言う人なんですよ……」
ジャンヌの好戦的な性格に、ゲールが突っ込みを入れました。
「ここは足場が悪いので、気をつけて歩いてくださいね」
「ああ」
足場が悪い洞窟を慎重に歩きつつ、ジャンヌ達は洞窟を進んでいきました。
途中、通りすがりの魔導師と遭遇しましたが、魔導師はスルーして先に進んでいきました。
「あっ、宝箱を見つけました!」
ゲールは途中、宝箱を見つけました。
罠にかからないように慎重に調べた後、ゲールが開けると、その中には200ゼニーが入っていました。
「小銭か……まぁ、ないよりはマシだな」
「そうですね……」
「あっ、向こうにも宝箱があったよ!」
その後、バイオレットが宝箱を見つけ、それを開けて小銭を手に入れました。
しばらく歩いていくと、向こうにオークの群れがいるのを見かけました。
「あっ、オークがいますね」
「俺達は子供を助けるんだ、無駄な戦闘は避けろ」
「はーい……」
ジャンヌ達はゆっくりとオークの群れの傍を通りました。
しかし好戦的なオークはそれを見逃すはずがありませんでした。
「ガァァァーッ!」
「きゃっ!」
「戦闘ですか!」
ジャンヌ達は戦闘態勢を取りました。
しかし群れているとはいえオーク達は所詮は雑魚、戦闘はあっさり終わりました。
「ヤ、ヤラレタァ……」
「マイッタカラユルシテクレ!」
「これで気絶していなさい」
ジャンヌは命乞いをするオーク達を、風の力により気絶させました。
「お前は本当に人間なのか? あの力、人間とは思えなかったぞ」
「人間ですよ?」
実際は嘘でしたが、ばれると大変な事になるため、三女神は人間として振る舞っているのです。
「さあ、先に進みま……きゃあっ!」
ジャンヌが先に進もうとすると、彼女は落石によってダメージを受けました。
「大丈夫か?」
「ええ、このくらい平気です……」
「それはともかく、先に進むぞ」
「ええ」
「あっ!」
ジャンヌ達が先に進むと、ゲールが宝箱を見つけました。
「宝箱か……」
「何が入っているんでしょうか……あっ、罠!」
ゲールが宝箱を調べてみると、そこには罠がかかっていました。
「ここはこうして……ちょちょいのちょい! はい、開きましたよ」
ゲールは罠を解除し、宝箱を開けました。
すると、中には栄養ドリンクが入っていました。
「あ、栄養ドリンクです」
「気力を回復するアイテムか」
「持っていておきましょうね」
「無論」
そう言い、エルダーは鞄の中に栄養ドリンクを入れました。
「また宝箱だよ!」
バイオレットは宝箱を見つけ、開けました。
中には300ゼニーが入っていました。
「300ゼニー……」
「安いですねぇ……」
「まあ、気を取り直していきましょう」
「そうだな」
ジャンヌ達が歩いていくと、トロールが通せんぼしていました。
「避けては通れません、よねぇ」
「……だな」
「目標のトロールではなさそうですが……倒させていただきます!」
ジャンヌ達はトロールに戦いを挑みました。
「エアリアルブラスト!」
「影縫い!」
「ドレインライフ!」
「せいっ!」
「ガァーーーーーッ!」
ジャンヌ達が剣や能力を使ってトロールに攻撃をしました。
しかし、トロールは全く怯みませんでした。
「く……鈍重とはいえ、なかなか堅いですね……!」
「日光が無いからな……かなりの脅威になっている!」
トロールは非常に頑健な肉体を持っていますが、
その代わり鈍重で、日光に当たると石になってしまいます。
なので、洞窟などの日の光が当たらないところを好むのです。
「ですが、諦めてはいけません! 必ず倒しましょう!」
「そうですね!」
ゲールに言われ、ジャンヌ達はやる気を出すのでした。
「ガァーーーーーッ!」
「うぐっ!」
「きゃあ!」
「うわあっ!」
「ぐおぉぉっ!」
トロールが力任せに棍棒で殴ってきました。
ジャンヌ、ゲール、バイオレット、エルダーは大きなダメージを受けてしまいました。
「駄目、攻撃が届きません!」
「お姉様、バイオレット、ここはわたくしが何とかします!」
ジャンヌの風攻撃が届かない中、ゲールは光攻撃で一生懸命トロールに攻撃しました。
しかしそれでも、トロールを倒すには至らないようです。
「く、どうすればいいんだ!」
「全力で攻撃するしかないよ! 行こう!」
バイオレットに言われ、ジャンヌ達は全力で攻撃をする事にしました。
「ウオオオオオオオ!!」
「ストーム!」
「ドレインライフ!」
「シャドークロー!」
「アサルトエッジ!」
ジャンヌは巨大な突風を手から放ち、
ゲールは生命力を吸い取る光を杖から放ち、
バイオレットは影の爪でトロールを切り裂き、
エルダーは素早い剣撃でトロールを斬りつけました。
「グガアアアアアアアアア!!」
結果、ジャンヌ達は大きく負傷しながらもトロールを撃破しました。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」
「トロールは強い相手でしたね……」
「……ほら、回復してあげますよ。恵みの雨よ、傷つき者達を癒したまえ……ヒールレイン!」
ゲールが癒しの呪文を唱えると、ジャンヌ達の傷は全快しました。
「こんなに傷つくなら、もう戦闘はこりごりです……」
「でも、先を急がなきゃ、子供は助けられないってば。ほら、先に行くよ、お姉ちゃん!」
「はぁーい……」
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TRPGをイメージして執筆しました。