一刀「…………え~と…?」
気が付いたら俺は見覚えのない場所に立っていた。
一刀「学校から帰ってる途中だったよな俺……」
とりあえず一番新しい記憶を辿ってみる。 確か部活が終わって寮に帰ってる途中にいきなり目の前が光って目開けてられなくて、目を開けたらここに居た………
一刀「うん……意味わからん」
周りは木に囲まれてて何処かの森だと言うのはわかる。
一刀「携帯は………圏外」
最後の切り札すら軽くいなされて途方に暮れていると……
?「ねぇ~お兄さん?」
一刀「へ!?」
いきなり真横から声を掛けられて変な声を出してしまった。 横を見ると女の子がこっちを見ていた。
?「お兄さんが天の御使い様?」
一刀「………はい?」
訳のわからない名称で呼ばれて困っていると……
?「やっと追い付いた……ん? あんた誰だ?」
女の子の後ろからもう一人女の子が出てきた。 見た感じ目の前にいる子のお姉さんっぽい。
一刀「あぁ……俺は北郷一刀。 君達は?」
?「あたしの名は馬超。 涼州連盟の盟主馬騰の娘だ」
?「たんぽぽは馬岱だよ~」
一刀「………………え?」
馬超と馬岱と名乗る二人の女の子出会って話をしてここが自分のいた世界じゃないという事を改めて実感した。 馬岱が俺の事を天の御使いだと言って聞かなく、馬超は自分では判断できないから母である馬騰に会ってもらうという事になった。
一刀「(しかし……三国志の世界…しかも性別が逆になってるなんて)」
最初は夢でも見てるんじゃないかと思った。 でもそれはさっき馬岱の事をうっかりたんぽぽと真名と言うもので呼んでしまった時馬超におもいっきり殴られ、その痛みで現実だと思い知らされた。 馬岱は笑いながら親しい人以外は、例え知っていても口に出してはいけない本当の名前で相手に認められないと呼んではいけない神聖なものだと教えてくれた。 その後馬岱のフォローもあってなんとか馬超に機嫌を直してもらって今に至る。
馬超「着いたぞここがあたし達の城だ」
遠くから見えていた背の高い城壁の中に入ると映画にありそうな町並みが広がっていた。 城に向かう最中俺があまりにもキョロキョロするもんだから二人に笑われてしまった。
?「二人共戻ったか……心配したぞ?」
城門に差し掛かると不意に声を掛けられそちらを見ると綺麗な女性が立っていた。
身長は俺と同じぐらい、濃い青ののショートカットで凛とした雰囲気を出していて出来る年上のお姉さんって感じだ。
馬超「心配って楓さん……そんな冷静な口調で言われても全然心配されてる気がしないって……」
馬超の言った通り楓と呼ばれた女性の喋り方は棒読みと言う訳ではないが抑揚がほとんどなく、とても心配している口調ではなかった。
?「ふむ……そうは言われてもこの喋り方は昔からだからな…今更変えられん。 しかし心配していたのは本当だぞ? 心配しすぎて何も喉を通らない程に……」
馬超「うっ……確かに何も言わずに出たのは悪かったよ…」
馬岱「ごめんなさ~い」
馬超「心配してくれてありが……」
?「まぁ二人が出て行ったと聞いたのは夕餉の後だったからな…何も喉に通す機会など無かったが」
馬超「じゃあ心配の例えに使うなよ!!」
………何このコント?
発言自体はからかっている様な言葉だけどものすごく真面目に言ってるから判断がつかない。
?「何をそんなに怒っているのか知らんがそろそろそこの御仁の事を紹介してはくれないだろうか?」
そう言いながら女性が俺に視線を向ける。
馬超「あぁこいつは……」
馬岱「今噂の天の御使い様だよ~!!」
馬岱の言葉に女性は目を細め観察する様に俺を見る。
?「天の御使い? あの流星と共に現れて乱世を静めると言う? 確かに見た事の無い服装をしているな……貴殿名は?」
一刀「えっと……北郷一刀です…」
?「なるほど…私は姓は鳳、名は徳、字は令明と言う。 貴殿は姓が北で名が郷、字が一刀でよろしいか?」
一刀「いや姓が北郷で名が一刀だよ。 字と真名はないんだ」
鳳徳「なんと……字と真名がないとは……」
どうでもいいが……本当に喋りに抑揚がないなこの人。
馬超「話を聞いても何を言ってるのかよくわんないからとりあえず母様に会わせようと思って連れてきたんだ」
鳳徳「それがいいだろう。 判断がつかん事は椿に判断させるのが一番だ」
馬岱「楓さん、おば様がどこにいるかわかる?」
鳳徳「あぁ…椿ならさざんかと琥珀の三人で中庭で茶を飲んでたぞ」
鳳徳さんを入れた俺達4人は中庭に着き馬騰さんを探していた。 程なくして休憩所みたいな所に三人の人影が見える。 たぶんあれが馬騰さん達なのだろう。
馬超「あっいたいた……お~い!! 母様~!!」
馬超が大声で呼びながら三人の元へ走って行く。
鳳徳「む……待て翠。 そこは……」
馬超「へっ? どわぁ!!?」
鳳徳さんに呼び止められて馬超が振り向いた瞬間に……消えた。
一刀「馬超!?」
鳳徳「危ない……ふむ…遅かったか」
馬岱「やっば~……」
馬超が消えた辺りに走って行くとさっきまで何もなかった所に大きな穴があり、覗くと馬超がいた。
?「あら~? 翠ちゃんに呼ばれた気がしたんだけど…気のせいかしら~?」
?「お母様……三人共聞こえていたのですから気のせいではないと思います…」
?「あっ!! 楓様、翠お姉ちゃん見なかった?」
俺達が落とし穴に落ちた馬超の様子を伺っていると声が聞こえたのか休憩所にいた三人がこっちに来ていた。 しかし呼んだ本人の姿が見えないのでキョロキョロ周りを見ている。
鳳徳「椿よ……気のせいではない、翠ならそこの穴にいるぞ」
三人は鳳徳さんが指差した落とし穴を覗き込んで見る。
馬超「いたたた……」
?「翠ちゃんそんな所で何やってるの~?」
?「お、お姉様大丈夫ですか!?」
?「あはは!! 翠お姉ちゃん、たんぽぽお姉ちゃんが作った罠に引っ掛かったんだ」
馬岱「ば、ばか琥珀!!」
馬超「た~ん~ぽ~ぽ~!!」
馬岱「ひぃっ!!」
文字通り地の底から発せられる声に馬岱は震え上がる。
?「大丈夫だよたんぽぽお姉ちゃん!! ちゃんと手を加えておいたから!!」
馬岱「こ、琥珀!! あんたまさか!!」
バキッ!!
馬超「へっ!?」
不吉な音が聞こえたと思ったら落とし穴の底が崩れて馬超が……
馬超「なあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
落ちた。
?「ところで楓ちゃん、そちらの男の人はどなた?」
鳳徳「あぁ……私も詳しい話は聞いていないんだがな……」
一刀「いや!! 何事もなく会話を再開しないでよ!! すごい落ちてったよ馬超!!」
鳳徳「ん? まぁいつもの事だから大丈夫だろう」
一刀「いつもなの!?」
鳳徳「あぁ…」
?「楓ちゃ~ん……」
鳳徳「わかったわかった……なんでも今噂されている天の御使いらしい」
?「そうなの~? あなたお名前は?」
一刀「ほ、北郷一刀です」
ものすごくほんわかした感じの女性に名前を聞かれ少し声が裏返ってしまった。
鳳徳「北郷殿は字と真名がないらしい、姓が北郷で名が一刀だそうだ」
?「まぁ……珍しいわね~。 私は馬騰、一応この辺りの領主をしています。 さざんかちゃんと琥珀ちゃんも自己紹介なさい」
馬騰さんに促されて二人が俺の前に来る。
?「わ、私は馬休と申します。 よ、よろしくお願いします」
?「ぼくは馬鉄、よろしくね天のお兄ちゃん」
馬超「どうでもいいけど早く助けてくれ~~!!」
どうも茶々零です。
まずはH2O様キャラクターの使用を許可してくれてありがとうございます。
思ったような性格になるかわかりませんが、精一杯書かせていただきます。
さて、いきなりオリキャラが4人も出てきて判り辛いところもあったかもしてませんが出来れば暖かい目で見ていただけるとうれしいです。
4人の軽い設定を載せます。秘密の部分もありますがこれから徐々に明らかになるという事で……
馬騰 真名:椿
ほんわか母様。
少し天然入ってます。
名前を呼ぶ時はちゃん、くんを付ける。
………説明少ねえな。
鳳徳 真名:楓
悪天然お姉様。
かなりの悪天然です。
なぜ悪天然かと言うと星のからかう様な発言を真面目に言います。
悪気がないから手に負えません。
一応馬騰の部下ですが、敬語を使わない親友の様な間柄。
……俺の作ったオリキャラ天然ばっかり……orz
馬休 真名:山茶花(さざんか)
性格は内気。
口癖は「どうせ、私は・・・」みたいなイメージで。(H2O様説明引用)
馬鉄 真名:琥珀
性格は刹那的(その時が楽しければokみたいな)
口癖「だって、面白そうだったんだもん♪」
馬岱が好き(罠の作り方などを教えてもらったから)
でも、馬岱の方は苦手にしてる。(H2O様説明引用)
馬休、馬鉄の事を調べてたら馬休の方がお姉ちゃんだと知りました。
…………まるで二きょ…ゲフンゲフン!!
こんな感じです。
でわまた第2話でお会いしましょう。
~書いてて思った事~
一刀が空気すぎる…orz
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お待たせしました。第1話です。
オリキャラ4人とか出しすぎだろうか……
その内二人はH2O様のキャラを使わせてもらいました。
馬休→ http://www.tinami.com/view/73575
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