第22話:自転車とプラスルとマイナン
「サイクリングロード・・・?」
「自転車で進めばあっという間にキンセツシティにつきますよ」
キンセツシティを目指してクウヤは今110番道路に来ていた。
そこにいるゲート番人の人によれば サイクリンゴロードと呼ばれる自転車専用の道を通っていくのが最も簡易であり迷うことなくキンセツシティへ行けるとのことだ。
しかし、クウヤには一つ問題があった。
「オレ、自転車持っていないんだけど・・・」
「ご安心ください!
この道限定ですが自転車をレンタルさせておりますので、誰でも格安で乗っていけますよ。」
「ホント!?じゃあひとつよろしく!」
「かしこまりました」
こうしてクウヤは自転車レンタルに成功、一度も乗ったことないためまずはその辺の道で練習する。
「あ、できた」
数分でマスターしてしまった。
元々身体能力が高く運動神経もいいのであっさり乗りこなせるようになった。
「コツも掴んだし、いざ出発!」
「ぷらぁ~~~」
「ま~~~い」
「へ?」
哀しそうな鳴き声が聞こえる。
そこへ行って見ると・・・2匹のポケモンがいた。
図鑑を開きそのポケモンを知る。
「プラスルに・・・マイナン?」
「ぷっぷぅ・・・」
「ま、ま・・・」
「どうしたんだ、迷子か?」
「ぴかっ」
「どうしたピーカ?
あ・・・ハンカチ。なになに・・・ミキ?」
2匹の足元にあったハンカチを拾いそこに縫われていた名前を読むと2匹は涙目になった。
どうやらこのミキというのはこのプラスルとマイナンのトレーナーらしい。
どうやら・・・はぐれてしまったようだ。
それを察したクウヤはよしとその2匹を抱え上げ笑ってみせた。
「オレがご主人様にあわせてやるよ!」
「ぷ!」
「ま!」
「このミキって子、カイナかキンセツか・・・・
待てよ、キンセツには電気タイプのジムって
聞いたっけ・・・・?もしかしたら。」
クウヤは今まで集めた情報をなんとか整理すると 彼等に再び笑顔を見せた。
「まずはキンセツシティへいってみるか!
お前達がトレーナーと再会するまで面倒見てやるよ!」
「ぷぷらぷら!」
「まままいまい!」
サイクリングロードに出ると籠にプラスルとマイナンを入れて自転車をかっ飛ばす。
速さにより生まれる風が気持ち良い。
「マッハでいくぞ!振り下ろされるなよ!」
「ぷら!」
「まい!」
「うっひゃあぁ~!
気持ち良い~~~!」
勢いのまま進むクウヤ達。
そのまましばらく進むと前方から人の群集がこちらに向かってきた。
「なんだ!?」
やばいものを発見し逃げようと自転車を反転させるがその隙をあたえられず、囲まれてしまった。
「くっ!」
「おいこらガキ、誰の許しでこの道使ってんだ?」
「はぁ?
ここは誰のものでもないだろ!
みんなで使う道じゃねぇのか?
ってかお前らこそなんなんだよ、ヘンな格好と頭しちゃってさ!
暴走族ってそういうダサい格好がすきなのか?」
「黙っていりゃ生意気な口を。
このくそがきゃ!野郎ども、やっちめぇ!」
次々にハブネ―クやドガースなどを繰り出してくる。
彼等に対抗するようにクウヤは持ってるポケモンをすべてだす。
・・・数分後、決着はついた。
クウヤの圧勝という結果に終わったのだ。
それにブチ切れたドンらしき男が殴りかかってきたが それをよけ、相手の足を引っ掛けるクウヤ。
男はそのまま真下の川へ落ちていった。
「全部自分が悪いっつーの。」
「コノガキやぁぁぁあ!!!ボスのかたき~~~!」
「死んでねぇって・・・!」
「ぷら!」
「まい!」
「あっ!?」
プラスルとマイナンは高く飛び上がり不良たちに10万ボルトを食らわせる。
奴らが痺れてる隙に自転車を走らせキンセツ側ゲートに出て行った。
あとで図鑑を見て知ったのだが彼等の特性は「プラス」と「マイナス」。
一緒に戦う事でパワーアップするというなかなか侮れない能力だった。
そのまま自転車を走らせてサイクリングロードを抜けようやくキンセツシティに到着した。
「ふぅ!やっとキンセツシティについたぜ!」
「ぷ」
「ま」
「おっと、まずはお前達のトレーナーをさがさねぇとな!」
クウヤは街中を歩き2匹のトレーナーを探し始めた。
すると。
「あ!プっちゃん!マッちゃん!」
「え」
「ぷらぷ~」
「まっまい!」
女の子が突然名前を呼びプラスルもマイナンも彼女の元へ行った。
もしかして、とクウヤは女の子にきく。
「このポケモン達お前のポケモンか?」
「うん、はぐれちゃってずっと探してたんだ!
ありがとうお兄ちゃん!」
「いいってことよ!
お前ら、もうはぐれちゃだめだぜ!」
「ぷ!」
「ま!」
プラスルとマイナンは笑顔でクウヤに返事する。
「・・・なぁ、ついでに聞いて良いか?
この街にジムがあるはずなんだけどしらねぇか?」
「え・・・お兄ちゃん挑戦者なの?」
「ああ!」
「ジムはうちのおじいちゃんがやってるのよ!」
「えっ!!?」
クウヤは取りあえずミキというその少女についていくことにした。
行く途中クウヤは色々な話を聞いた。
彼女の一家はこの街じゃ有名な全員トレーナーという家族であり祖父もジムリーダーをやってるくらいだとか。
そうしてるうちにいつの間にかジムの前まで来ていた。
「ここよ!」
「へぇ、ここがキンセツジムか・・・腕が鳴るぜ!」
「じゃあわたし、おじいちゃん呼んでくるね!」
ミキはそれだけ言い残すとジムの中へ一人入っていった。
キンセツジムの前でジムリーダーを待つクウヤはとつぜんつぶやきはじめた。
「にしても・・・・オレ思ったんだけどさ・・・
なんでオレってこんなに悪人に絡まれるんだろ・・?」
ボールの中でそれを聞いてたアーチはあ~とでもいうかのようにため息をつく。
今まで何度もそういった類の人間にクウヤはからまれまくっていた。
きっと彼にはそういう奴等の神経を 逆立てるなにかがあるのだろう。
「んー、わっかんねぇや」
「シャモシャ・・・」
アーチは内心その「なにか」というにのは クウヤの溢れんばかりのその「正義感」なのだろうと思っていた。
彼は無邪気だ、だからこそ正義感に嘘も偽りもない。
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しばらくストップしてたんで更新しまくりたい毎日。