一刀の策、『時空転送装置』を作成し未来へ乗り込みを決行する為
『時空転送装置』の作成を実行し出した
だが、重要部品が欠けていた為、代用として絡繰人間の心臓を使うことに
その為
絡繰人間の心臓を回収することとなった
終節 ~いざ、行かん!!!~
雪蓮「…………え~っと?何処だったかしら?」
明命「確かこの辺りだったと思うのですが………………」
絡繰人間の心臓を回収すべく、飛び立った武将達
このグループは雪蓮率いる呉軍が対峙した量産型かつそれぞれの軍の兵、絡繰人間8号・9号・10号・11号及び12号計4体の心臓を回収するグループ
グループメンバーは雪蓮・明命・凪・翠・桔梗・亞莎
凪「………それらしいの物は見当たりませんね………」
桔梗「少なからず戦闘をしたから、荒れておるはずじゃのぅ」
桔梗の話を聞いて探すと
翠「…………ん?あそこか?」
翠は戦闘で荒れたと思われる場所を指差す
雪蓮「…そう、あれだわ」
雪蓮は皆を引き連れ、地面への着陸を促した
…………………
……………………………
地面に降り立った雪蓮達は辺りを見渡し、蜘蛛の子を散らしたように走り出す
凪「………何処かに……何処かにないか……?」
凪は懐から部品の絵が描かれた紙を取り出す
因みにそのイラストは人和が書いたものである
桔梗「…………砕けてしまったのかの?」
明命「………今思えば、絡繰人間を倒した際に自爆していましたね」
明命の心配な声に翠は声を出す
翠「お、おい!!?それだったら望み薄なんじゃないのか?」
雪蓮「それでも探してみましょう
探さないで無いと言い張るのは子供でも出来るわ」
雪蓮は一心不乱に探し出す
亞莎「思ったより残骸が残ってますね…………」
亞莎の言う通りの現状が目の前にある
合体して造り出された絡繰人間12号の残骸があちらこちらに飛散していたのだ
顔のパーツと思われる物、どちらかのものか分からない手の指、舌の破片など
時間が経っている為、乾燥してしまっているが機械に改造されているので
腐っているという状態には至っていないようだ
それに加えて一刀の『不死鳥の火柱』の攻撃、『時限爆弾装置』により焦げた部分が大部分を占めている
明命「ありませんね…………」
雪蓮「いえ、必ずある筈よ
私の勘がそういってるわ、もっと目を皿のようにして探すわよ」
雪蓮達は物を睨み付けるようにして探すのだった
秋蘭(未来)「…………む?あそこだ
あの木々には見覚えがある」
蓮華「なら、着陸しましょう」
一方、『龍天城』から脱出した未来の秋蘭を襲撃した絡繰人間369号・907号・1580号・4493号計4体の心臓を回収しに来ていたのは、未来の秋蘭が率いるグループ
メンバーは秋蘭(未来)・沙和・紫苑・蓮華・星
降り立った未来の秋蘭達は辺りを探し出す
紫苑「心の臓が部品だなんて……随分と酷い事をしますわね」
星「全くだ、外道以下の所業だ」
紫苑と星は『血光軍』への罵倒をしながら探し回る
沙和「……………見当たらないの~…」
蓮華「確かにないわね………まず、絡繰人間が見つからないわ」
蓮華と沙和の言葉に未来の秋蘭は
秋蘭(未来)「この辺りで間違いない筈です
しかも、奴等は自爆をする前に一刀に倒された………
即ち、心の臓が傷んでいる確率が比較的低い」
星「成る程、それなら尚更発見しなてはな」
此方のグループの探索も、よりいっそう慌ただしくなっていった
……………
……………………
絡繰人間の心臓探索を開始して凡そ20分後………
秋蘭(未来)「……………む?あ!!?」
未来の秋蘭が何かを発見
それは勿論
沙和「絡繰人間なの~!!!」
沙和は指を差して絡繰人間の残骸に向かって叫ぶ
蓮華「よし、回収するわよ」
全員が絡繰人間の残骸に駆け寄る
一刀の凄まじい攻撃により、バラバラに砕け散った絡繰人間を見下ろす
秋蘭(未来)「………幸いにも、左胸部分には大きな損傷がないな
よし、取り出そう」
未来の秋蘭を筆頭に、絡繰人間の心臓を得物で取り出し始めた
非常に滑稽(?)でシュールな情景である
一方、雪蓮達のグループも発見していた
亞莎「あっ!!?これだっ!!!」
亞莎は岩陰に転がっていた絡繰人間の心臓を見つける
明命「ありましたぁっ!!!」
明命が右手を上げて大きな声で言う
凪「此方にもありましたっ!!!」
明命とはまた逆の位置にいる凪も声を出す
凪の見つけた場所は砂に半分埋もれた場所であった
凪「…………細部に砂が入ってしまっているな……
慎重に砂を払ってっと………」
凪は手で砂を落とし出す
雪蓮「後2体は何処かしら?」
雪蓮が回りを見渡す
すると、彼方にいる翠と桔梗が声を上げる
翠「ん?おっ?桔梗、これか?」
桔梗「む?おぉっ!!?正しくこれじゃっ!!!
雪蓮殿、見つけましたぞ!!!」
翠と桔梗が発見を知らせる
残り2つは同じ場所に転がっていたようだ
雪蓮「これで全部ね、案外早く見つかったわ
後はこれが問題なく使えるかどうかね」
全員が心臓片手に駆け寄って来る
雪蓮「じゃあ、真桜達の元まで戻わよ」
全員「「「「「御意」」」」」
心臓を回収をしに行ってから数十分後
雪蓮達のグループと未来の秋蘭のグループがほぼ同じタイミングで戻ってきた
于吉「お疲れ様です、お早いですね」
真桜「流石ですわ♪」
于吉と真桜は汗まみれの笑顔で帰りを出迎えた
『時空転送装置』は大方の形が出来上がっている
雪蓮「意外と早く見つかったわ
…………あれ?一刀は?」
真桜「あれ?雪蓮様達と一緒じゃないんです?」
凪「いや、隊長は見かけてないぞ?」
凪は疑問符を頭の上に浮かべて首を横に振る
秋蘭(未来)「此方にも来ていなかったが………」
真桜「あれ?何処行ったんや?こんな忙しい時に………」
左慈「北郷の気なら成都の城から感じられるがな」
左慈は『時空転送装置』を作成しながら渡し船を出す
紫苑「成都に?何故今?」
左慈「知るかっての………取り敢えず作業を再開してくれ
その内、戻ってくんだろ」
全員は頷いて作業に取りかかる
真桜「おーおー!!!これや、これ
この部品があれば何とかなるで!!!」
真桜は雪蓮達が回収してきた心臓を見て喜ぶ
于吉「後は支障を来していないか、1個ずつ確認しましょう」
真桜と于吉、冥琳と華琳は1個ずつ目を皿のようにして確認していく
全体の形の傷や歪み、細部にまで細かくチェックする
真桜「特に問題ないなぁ…………所々に砂が入ってしまっている位やから……
取り除けば何とでもなるで」
于吉「同感ですね
思ったより損傷は激しくありません」
華琳「触感で分かったけど、かなり丈夫な代物のようね」
冥琳「………この材質なら、壊れなかったことも肯けられる」
4人は思い思いの発言をした
その時
鈴々「にゃあぁぁっ!!?」
ドォォォォンッ!!!
鈴々の悲鳴と共に大きな衝撃音が巻き起こった
華琳「何事?」
冥琳「雪蓮!!!何があったっ!!?」
冥琳は雪蓮に事情を聞く
雪蓮「そんな大事じゃないわよ~
鈴々が張り切りすぎて、材料を多く持ちすぎて作業場から落ちちゃったのよ」
雪蓮は苦笑いをしながら返答する
真桜「全く、人騒がせやなぁ…………」
真桜も思わず苦笑い
鈴々「にゃはは~♪失敗失敗♪」
鈴々は笑いながら身体中の土埃を払い落とす
怪我もなにもしていなかったようだ
于吉「………………」
于吉は何故か、首を傾げていた
冥琳「……………どうかしたのか?于吉……」
冥琳は于吉の様子に気がつく
于吉「あ、いえ………何でもありませんよ」
冥琳「…………?」
于吉「(気のせいか………?衝撃音に紛れて『邪闇気』が感じられたような…………?)」
それから暫くして一刀が戻ってきた
一刀「ごめん、遅くなった!!!」
真桜「隊長~遅いで~~?
み~~~んな首を長くして待ってたんよ?」
真桜の呆れ顔に一刀はただただ謝る
一刀「本当にごめん、準備に手間取っててさ」
真桜「まぁ、ええわ………
こっちは後、于吉はんによる確認が終わったら製造終了や」
真桜は右手の親指で後ろを指差す
真桜の後方には、于吉の審査を見守る武将や軍師達が立ち尽くしていた
その視線の先には巨大な鉄の箱の物体が置いてあった
全体像は 縦×横×高さ の全てが約5mの立方体で、所々付属品が接着しているので凸凹している
そして、正面には人が出入り出来るような扉がついている
一刀「…………終わっちゃったのか…
俺、何にもしてないじゃん……」
真桜「ええやん、別に
少しは休んでたりや、隊長働き詰めやろ?」
一刀「う~ん…………」
一刀は何処か腑に落ちない所があったが、割り切るしかなかった
于吉の点検を武将達と同じようにして待っていた
愛紗「ご主人様、何故成都の城へ参られたのですか?」
一刀「………んまぁ、ちょっとね……」
一刀は目を泳がせて曖昧に返答する
華琳「へぇ……?私達には言えないような事かしら?」
蓮華「気になるわね………」
一刀「そんな大した事じゃないよ」
華琳と蓮華の視線に冷や汗を掻く一刀
雪蓮「あら、それなら話してもいいんじゃないの?」
雪蓮は一刀の言葉を逃さず詰め寄る
一刀「そ、それは………ねぇ…」
一刀が吃り出した時、于吉が声を出す
于吉「確認しましたが、問題なさそうですよ~~~~~……」
真桜「お?それなら………早速、中に入ってーな
とっとと起動するさかい」
于吉と真桜の助け船(?)により一刀はこの場からやりきる
一刀「よ、よし!!!入ろうか!!!」
蓮華「む~~~…………」
華琳「絶対何か隠してるわね」
文句を言いつつも、全員は完成した『時空転送装置』の内部へと入っていった
真桜「そんじゃ、説明すんで?何回も説明するのは面倒やから、よく聞いてな」
『時空転送装置』内に入り、真桜が最初に口を開く
真桜「え~っと、本来ならこの『時空転送装置』が送れる人数制限は凡そ10人程度なんやけど、今回は約50人おる
せやから、絡繰人間の心の臓により人数制限を拡張したんや」
蒲公英「ふんふん」
蒲公英は相槌を打つ
真桜「んでもって、この隔離された部屋があるやろ?この中で時空を超えて転送出来るんや」
真桜が親指で後ろの部屋を指差す
壁に仕切られた一つの部屋が存在していた
その壁には制御システムらしき基盤が設置されていた
※イメージ図
壁ーーーーーーーーーーーーーーーー
時空転送室
壁ーーーー扉扉ーーーーーーーーーー
基盤
制御室
壁ーーーーーー扉扉扉ーーーーーーー
真桜「せやけど、このままじゃ装置を運転する人は送る事が出来へん
そこで、改造を加えてなんとか全員送れるようにしたんや」
蓮華「……と言うと?」
蓮華が首を傾げる
真桜「まぁ、単純な造りやさかい
起動して十数秒後に送信されるようになるんや」
凪「その間に移動するってことか?」
真桜「ご名答~、流石凪やなぁ」
詠「かなり初歩的な考えね」
詠は苦笑いをする
一刀「まぁ、いいだろ………」
真桜「そしたら、部屋に移動して下さいな」
真桜の指示に従い、全員部屋に移動する
真桜と于吉が制御盤に向かい、操作を開始する
制御盤にはタイマーが組み込まれており、1分と表示されている
真桜「………………」
于吉「…………………」
真桜と于吉は真面目かつ、無言で操作する
すると
ヴォォォーンッ!!!
『時空転送装置』が低い唸り声を上げて動き出す
猪々子「おぉっ!!?何か振動し始めたぞ!!!」
美羽「な、何だか怖いのじゃ……」
流琉「未知の間隔です……」
皆が思い思いの発言をする
一刀「…………いよいよか」
左慈「北郷、未来に行ったとしてもどうすんだ?」
一刀「それは、後で話すよ
今は無事に未来に行けることを願おう」
左慈「……………けっ!!!」
左慈はそっぽを向く
真桜「……………よっしゃ、後はこのボタンを押せばええんやな?」
于吉「えぇ、それで起動する筈です」
真桜「じゃあ、ウチに押させてな
于吉はんは先に入っといてな」
于吉「それでは、御言葉に甘えて………」
于吉は部屋へ入室する
真桜「にひひ♪ポチっとな♪」
真桜は最後のボタンを押し込む
すると、制御盤に組み込まれたタイマーが動き出した
真桜「いよいよや………」
真桜は小走りで部屋に入り、扉を閉めて鍵を掛ける
華琳「…………」
残り50秒
思春「遂に未来か…………」
思春は腕を組み、小さく呟く
残り40秒
卑弥呼「待っておれ、龍天………」
卑弥呼は目付きを鋭くして呟く
残り30秒
秋蘭(未来)「………これで終わらせる…………」
未来の秋蘭は握り拳を作り、強く握り締める
残り20秒
璃々(未来)「皆さん、今向かいます………」
未来の璃々は得物である『鳳凰』を握り締めて小さく呟く
残り10秒
一刀「……………覚悟を見せつけてやれ、皆」
一刀の言葉に皆は強く頷く
そして、
残り5秒
4
3
2
1
一刀「いざ、行かんっ!!!未来へっ!!!」
一刀の勇ましい声と同時に
ゴォォォォォォォォッ!!!
『時空転送装置』が作動し、眩い光を放ち出した
その光が止むと
そこには誰一人いなかった
一刀、遂に未来へ旅立つ!!!
『絡繰人間編』最後の戦いが始まる!!!
第三章‘全面戦争 時空の戦い’
……終……
一刀「いざ行かんっ!!!未来へっ!!!」
『時空転送装置』が完成し、遂に未来へと旅立った一刀達
そこで視界に入ってきたのは
蓮華「こ、これは………………」
冥琳「酷い……………」
星「これが未来の…我々の大陸なのか……?」
驚きと悲しみ、怒りに満ち溢れた世界
そこで待つのは
一刀「あれが、未来の俺達がいる城か……………」
相対する『2人の同一人物』と
秋蘭(未来)「……………あれが『龍天五獄隊』の本隊だ」
未来の大地を埋め尽くす憎き宿敵『血光軍』
繰り広げられる戦いは
愛紗「決着をつけようか……闇霊」
闇霊「臨むところだ」
『大陸五虎将』VS『龍天五獄隊』
斬魔「我が宿願の前に立つとは、本当に愚かですね…………北郷一刀」
VS『闇の副大将』斬魔
龍天「私の出番が回ってこようとはな」
VS最後の敵 龍天
『絡繰人間編』遂に決着!!!
第四章‘破滅の未来の決戦’
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未来へ向かう為に『時空転送装置』を作り始めた一刀達
ところが、重要な部品が無いことに気がつき何か策がないか考え始めた
そこで浮かんだのが絡繰人間の心臓………
一か八かの賭けに出るため、一刀達は絡繰人間の心臓を探しに飛び回った!!!