ある晴れた昼下がり、荷馬・・・・・の事である。
「ご主人様~!」
「全く・・・・・執務を放り出して、またどこかへ行ってらっしゃる・・・・」
溜息と共に肩を落とし、歩いていると広場の方から声が聞こえてくる
「ご主人様、こうですか?」
「もっと、腰を入れないと・・・・・そんな、屁っぴり腰じゃ、何にもならないよ」
「ですけど・・・・・」
「ほら、俺が支えてあげるから・・・・」
そう言うと、後ろから抱き締めるように桃華の手に自らの手を添えると、素振りを始めさせる。
「・・・・・・・んんっ!」
「あ、愛紗・・・・・」
「ご主人様?政務が終わってらっしゃらないとお聞きしていますが?」
「あ、愛紗さん?目が笑ってないですよ?」
「政務をおこなってください!」
無理矢理腕を掴んで引っ張って行こうとしたが、何かに引っ掛かったようにやけに重い。
「もう!愛紗ちゃん、せっかくご主人様が教えてくれてるのに!」
「と、桃華様・・・・・ですが、今日中に仕上げてもらわなければ困る書簡がいくつもあります」
「そんな、事言ってご主人様を独り占めしようとするんだから!」
「そ、そんなつもりは・・・・・」
「最近、ご主人様の近くに愛紗ちゃんずっといるじゃない!」
「そ、それは・・・・・ご主人様が政務をサボろうとされるからです」
なぜか、焦って反論を広げている愛紗をおかしいと思ったのか一刀が動いた。
「桃香、さすがに政務をサボるのはいけないから、また今度な?」
「・・・・・・はぁい・・・・」
ほっとしたように、政務室の方に一緒に歩いて行く。
「・・・・・・もうちょっとご主人様といたかったなぁ~」
その声は一刀に届くことなく、広大な空へと吸い込まれていった。
執務室に着き机の上を見ると、書簡が山脈を成して佇んでいた。
「さ、さすがに、これは・・・・・」
「日頃から、おサボりになるからです」
「・・・・・・・すみませんでした」
とたんに、小さくなる一刀に萌・・・・、不憫に思ったのか、机を横につけてきた。
「私もお手伝いするので、がんばりましょう」
「愛紗・・・・・・!」
嬉しさを表現するためにか、愛紗に抱きつく。
「ご、ご主人様・・・・・・・」
「愛紗、いい香りがする・・・・・・」
抱きつかれたまま、頬を真っ赤に染めてその場に立ち尽くす愛紗。
「あー!愛紗ちゃん、ずるいー!」
様子を見にきた桃香が、一刀が抱きついているところを目撃してしまった。
「と、と桃香様!こ、これは・・・・・・・」
「私もご主人様に抱いてもらいたいのにー!」
大声で言っているが、聞くものによっては全く別の事に聞こえてしまうことを考えてはいない。
「私もー!」
背後から豊満な胸を押しつけるようにして、一刀に抱きつく。
「おぉ!と、桃香!」
「桃香様、は、離れてください!」
抱きつかれていて腕を名残惜しげに解くと、その腕を自らの方に引っ張った。
「あ、愛紗ちゃんばっかりずるいー!」
自分もといわんばかりに、空いている腕を自分の方へ引き寄せる。
「ふ、二人とも・・・・・・い、痛い・・・・」
「桃香様、ご主人様が痛がっておられます!放してください!」
「あ、愛紗ちゃんの方が力が強いんだから、愛紗ちゃんが放してよ!」
「ふ、二人とも・・・・・・」
すでに腕は限界まで引っ張られている。
「ちょ、ちょっと・・・・・・き、きついって・・・・・や、ヤバ・・・・・・」
急に一刀腕が伸びたような感じがすると同時に、一刀が崩れ落ちた。
二人とも腕を離すと、その腕はだらりと垂れさがった。
「ご、ごごご、ご主人様の腕が・・・・・」
「は、早く、早く医者を!」
二人とも取り乱したように、一緒に部屋を出て行った。
しばらくして、反無理矢理に連れてこられた医者は一刀の腕を見ると溜息をついた。
「お嬢さんら、腕をこう両脇から、引っ張ったじゃろ?」
「・・・・・・・はい」
「恥ずかしながら・・・・・・」
「相当な力で引っ張られたんじゃろうな、両肩とも脱臼しておる、おそらく激痛で意識を失ったのじゃろう」
「で、な、治るんですよね?」
「そりゃ、治るが・・・・・・当分の間、腕を動かさずに安静じゃな」
結局、一刀の政務は桃香と愛紗の二人で片づけたらしい。
食事のたびに、問題が勃発していたらしいが、その話はまたいつか。
魏と蜀が少ない中、言うのは非常にためらいを覚えますが
三国そろったことで、書いてみたいことができるようになりましたので、一応アンケートをばお願いします
1、このまま魏、蜀を書いてほしい
2、また呉を書いてほしい
3、三国騒乱北郷一刀争奪戦争に移行する(一時的に魏、蜀の執筆をしません)
4、がんばって全部やれ
できれば、アンケートの回答をお願いします
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え~長らくお待たせいたしました(滝汗)
一応、これで三国がそろった形になります、呉が俄然多いですが(笑)
いつもよりも、短いですがお楽しみください