No.836537

フレームアームズ妄想戦記 その4「ハルナVSニンジャ」

homa2さん

俺FAを元にSSを書きました。
登場する機体は以下になります。


NSG-ZO/N マガツキ・奈落

続きを表示

2016-03-10 01:08:49 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:1177   閲覧ユーザー数:1157

 

 

揺れた!?とハルナ・ケイト・フォン・ヴィッカース中尉は手近な手摺につかまると警報が流れる。

「第一格納庫に敵性フレームアームズ侵入、繰り返す第一格納庫に敵性フレームアームズ侵入、第一格納庫のスタッフは至急退避せよ。」

ハルナは急ぎ乗機のある第二格納庫に向かう。

 

 

宇宙戦艦アイオワは戦艦とは名ばかりの大型輸送船だ。

月面開発時に運用されていた宇宙輸送艦に申し訳程度の対空兵装を積んで月面プラント奪還作戦に複数投入された。

アイオワはその1隻である。

艦橋と推進器を中心に大型格納庫二基でサンドイッチにした三胴式の構造をしており、格納庫に一つにつき10機、左右合わせて20機のフレームアームズを運搬、整備が可能である。

第一、第二格納庫は船体中央部を介して繋がっており、ハルナは第二格納庫から出撃し侵入した敵を撃退するつもりだった。

第二格納庫に着くと乗機「クラウ・ソラス」があった。

クラウ・ソラスはツヴァイハンダ―を製作したチームが先進技術を投入してこれでもかと高性能を図った精鋭機だ。

ベースはラピエールだが中身は別物である。

 

「クラウ、全システム起動、出撃します。」

「マスター、了解しました。クラウ・ソラス、起動します。」

クラウ・ソラスは煩雑な機体操作を簡略化させるため補助AIを採用してある。

ハルナは起動準備をAI「クラウ」に任せて、艦橋に連絡する。

 

「ヴィッカースです、状況を教えて頂けますか?」

「中尉か、第一格納庫はパニック状態でイマイチ状況がわからん。ニンジャがどうしたとか?」

「ニンジャ・・・ですか?」

「とにかくそんな有様だ。機体はすぐ出せる状態かね?」

「はい、出撃可能です。」

「速やかに第一格納庫に向かい報告を。他の機体も追いかけて増援にだす。」

「了解しました。」

 

「ではクラウ、参りましょう」

「クラウ・ソラス全システムオールグリーン、スタンダップ!」

ハルナはクラウ・ソラスを駆って第一格納庫に向かった。

第一格納庫は敵フレームアームズの襲撃によって混沌を極めていた。

「アイエエエエエ!ニンジャ、ナンデニンジャ!?」

音響センサーが逃げ遅れたスタッフの意味不明な叫びを拾う。

 

続けてクラウ・ソラスのセンサーが敵を捉えてメインモニターに表示する。

赤い装甲に揺れるマフラー。そこにはハルナが幼き日に祖母から聞いた極東の神秘ニンジャがいた。

「本当にニンジャだったんですか・・・」

あまりに非現実な光景にハルナの思考が固まる。

次の瞬間、ニンジャのようなフレームアームズは一気に間合いを詰めてくる。

とっさにAIクラウがTCSを展開し、激しい光と共に敵の放った手刀を阻む。

がジリジリとTCSを侵食するように手刀は迫る。

ハルナは我帰り、攻撃を選択。艦内で射撃兵器は使えないのであらかじめ両手に装備したベリルソードを振るう。

ニンジャはこれに応戦。手刀でベリルソードを弾きながら、蹴りを放ってくる。

ハルナも負けじと蹴りをかわし、再び斬撃。お互いに近距離での攻防を繰り返す。

 

「ザッケンナコラー!・・・え、ハルナは今何を!?」

「マスター、敵機体より特殊な電波を感知しました。これが人間に何らかの影響を及ぼしている可能性があります。」

「それで皆さん、アイエエエエエ!とかってやだ、またハルナったら」

「長期戦は危険です。速やかな撃退を。」

 

ハルナは覚悟を決めると格納庫スタッフに呼びかける

「今からクラウ・ソラスのリミッターを解除します。巻きこまれないように退避を!」

 

「クラウ、リミッター解除。全力で行きますよ!」

「マスター、リミッターオフ。カウント5・4・3・2・1・0」

 

リミッターが解除され圧倒的なエネルギーがクラウ・ソラスのフレームアーキテクトに流れ込む。

「スッゾコ・・・じゃなくてハルナ、参ります!」

スラスターを吹かすと後ろにあった整備機材が吹き飛ぶ。

死人が出ないことを祈りつつ、ハルナはクラウ・ソラスにTCSを展開したままニンジャに突撃した。

 

ニンジャもカウンター気味に手刀を繰り出すがベリルソードを叩きつけて回避。

そのままタックルをくらわせてスラスターを全開。

ニンジャを艦外に押し出した。

 

「こちらヴィッカース、敵フレームアームズを艦外に出しました!」

「中尉、こちらでも確認した。ちょうど第二格納庫から第四小隊を出したところだ。そのまま迎撃させる。」

 

第四小隊は重火器装備機だ。両手に持ったフリーライドカノンをニンジャに向けると一斉発射。

クラウ・ソラスのタックルから制動をかけた直後のニンジャに回避の余裕はなく、あっさりと直撃を受ける。

爆発。これでニンジャも終わりかと思いきや爆発炎とは違う光を纏って再び姿を現す。

TCSを展開して攻撃を凌いだのだ。

 

「これだから月面機は!・・・」

ハルナはベリルソードを結合して大剣モードに。

クラウ・ソラスはリミッター解除後、機体の排熱装備では追い付かないほど加熱する。

これが圧倒的性能の代償だ。後2分で機体を停止しないとクラウ・ソラスは崩壊する。

 

ハルナは再び突撃に移る。

両肩のフォトンキャノンを連射して牽制、一気にベリルソードで決着をつける!

ニンジャも負けじと突撃。

フォトンキャノンの光弾を両手で捌きつつ、カウンターを狙う。

交差一閃!

ハルナの一撃はニンジャの左手を、ニンジャの一撃はクラウ・ソラスの左肩を破壊した。

 

「マスター、そろそろ限界です。リミッターを戻します。」

「ダメ、今隙を見せたらやられます!」

 

ハルナはベリルソードを担がせてニンジャとの間合いを測る。

ニンジャも残った右手を引き絞るようにかまえる。

 

残り30秒。モニターに表示された限界活動時間が刻々と終わりに向けて進む。

残り20秒。突撃のタイミングを計る。

残り15秒、ふいにニンジャがかまえを解く。

 

次の瞬間ニンジャは爆発したように激しく光る。

瞬間的にセンサー類がストップ。センサーが瞬時に予備に切り替え、索敵を再開するもニンジャはいない。

 

「クラウ、リミッター戻して!」

「リミッターオン、このまま冷却に入ります。」

クラウ・ソラスはその場で機体を停止した。

 

 

「今回は見逃してもらえたようです。」

ハルナの見立てではまだニンジャには余裕があった。

あえて撤退を選んだのだろう。

「というかナンデニンジャ・・・まだ影響が残ってるみたいですね。」

 

ニンジャ恐るべし!ハルナは祖母に聞かされた極東の伝説を思いだしながら救助を待った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
4
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択