No.836387

Triangle Goddess! 第1話「神様見習い三姉妹」

Nobuさん

Triangle Goddess!、連載開始です。とはいってもまだ問題は小さいですが。

2016-03-09 17:49:51 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:335   閲覧ユーザー数:335

 たくさんの神様が住む世界、神界。

 今、ここに三柱の神様見習いが住んでいます。

 

「今日も平和ですねぇ、ゲール」

「そうですわね、お姉様。ほら、バイオレットもしっかり働きなさい」

「はーい」

 長女のジャンヌは風を司り、三姉妹の中では一番のしっかり者です。

 次女のゲールは命を司り、優しい性格ですが実は強かな一面もあります。

 そして、末っ子のバイオレットは闇を司り、性格はそれとは裏腹に明るく、ちょっぴり甘えん坊です。

「早く、わたくし達も一人前の神様になりたいですね」

「ええ」

「うん!」

 彼女達は見習いの神様なので、まだ大きな仕事は与えられていません。

 神界のモンスターを退治したり、お使いをしたり、書類を整理したり、などなど……。

 最初は誰でも、小さく、地味な仕事からスタートします。

 ですが、このような事をして、神様としての力と知識を身に着けなければ、

 立派な神様にはなれないのです。

 

「さてと、今日の分が終わりましたね」

 そして、神様三姉妹はようやく、今日の仕事を終えました。

「報告をしなければ」

「はい」

 

 神様三姉妹は、自分達の上司である魔法の女神カイアに今日の仕事を報告しました。

「よし、これでOKよ」

「「「ありがとうございます」」」

「まだ仕事は来ていないから、今日は休んでいいわ」

「分かりました」

 

 仕事を終えた三姉妹は、自分達の住む場所に戻りました。

「早く、わたくし達も一人前の神様になりたいですね」

「私もたくさん、人を助けたいです」

「でも、必要以上に運命は弄ばないでよ」

「はーい、分かってまーす」

 バイオレットは意外に鋭いところもあり、時々ボケる姉達に突っ込みを入れる時があります。

 でも、これはいつも姉達を見ている証です。

「……さてと、これからわたくし達はどうします?」

「神界のパトロールでもしましょうか」

「そうだね。じゃ、行こう!」

 

 ジャンヌ、ゲール、バイオレットは、早速神界のパトロールをしました。

「ここら辺には何もいないようですねぇ……」

「そうですねぇ……」

 ジャンヌとゲールがきょろきょろしている中、バイオレットは慎重に敵を探しているようです。

「……」

「あら、どうしました? バイオレット」

 ジャンヌがバイオレットに聞きましたが、バイオレットは黙ったままです。

「バイオレット? 何か見つけました?」

 ゲールがバイオレットにそう言うと、バイオレットは口を開きました。

「……ここに、綻びがあるよ」

「綻び?」

「本当だ……」

 姉2人がバイオレットの指差したところを見ると、確かに、そこには綻びがありました。

「一体誰がやったのでしょうか……」

「キィーッ!」

「誰ですっ!」

 ジャンヌが振り向くと、そこにいたのは大量のゴブリンでした。

 ゴブリンは、人間の子供くらいの背丈しかない妖魔です。

 普通の冒険者ならば簡単に倒せるほど弱いですが、

 ゴブリンは例の如く群れていて、しかも長弓で武装しています。

「どうやら、こいつらはゴブリンの中でも精鋭と呼べる部隊のようですね!」

「わたくし達で倒しましょう!」

「うん!」

「キキキキィーッ!!」

 ジャンヌ、ゲール、バイオレットは、ゴブリン達に戦いを挑みました。

 

 30分後、ジャンヌ達は襲い掛かって来たゴブリンを全滅させました。

 ふぅ、と3人は額の汗を拭いました。

 

「神界は平和なはずなのに……」

「どうして、こんな事になってしまったのでしょうか……」

「大神様はこの事に、気付いてくれるのかしら……」

 

 三姉妹は気付いていませんでした。

 神界に、徐々にですが危機が迫っている事を……。

 ですが、これを三姉妹が気付くのは、まだまだ先の事になりそうです。


 
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