<Dear My Friends!第2期 第37話 2016年3月9日 アキバ>
(ヤマト国 オーエド地区 アキバ ベースキャンプ『デンカガイ』 中央広場)
次の日の早朝…
過去へ出発するメンツである、ルカ姫、テル、アペンド、リン、レン、学歩、めぐみ、ミゥ、ミズキ、ゆうま、りおん、マカ、チンシャン、ティエンイ、イグゾウ、の15名のタイムトラベラーを見送るため、留守番組みの、ルコ、デフォ子、モモ、ユフ、キョウ、他、マカ側とUTAU側のベースキャンプの面々、そして、
時間跳躍の素材となってしまうイア…
全員が中央広場の円形の集合場所に集まっていた。
マカ:では、予定通り、過去のアキバに出発することにする。ミゥ、例のペンダントを私に渡して欲しい
ミゥはマカに、時間跳躍マシンの核となる、ペンダントをマカに渡した。マカはそのペンダントを集合場所の中央に設置された、不思議な機械“時間跳躍マシン”の“キーボックス”に、はめ込んだ。すると機械と繋がっているモニターに、文字が表示された。
モニター:キーペンダントの設置、確認完了。時間跳躍システム、始動準備完了
モニター:続いて、ケーブルと『素材』を繋いでください
ルカ姫は泣きそうになったが、約束は約束だ。そして、イアも覚悟を決めて、ティエンイが持ってきたケーブルの吸盤の付いた先端と、背中の肩甲骨の中央を接続した。
イア:ルカ姫…大丈夫、また、会えるよ、ね? テルさん?
ルカ姫は泣きそうな顔でテルを見た。すると珍しく、テルはいつもの仏頂面ではなく、笑顔だった。
テル:ああ、全てが終わったら、このキミの分身で、なんとかしよう
そういうと、ずっと前、イアの髪の毛の一部を入れた、雑貨屋で買った袋を全員に見せた。
テル:マカ、大丈夫だ。今の彼女だけで十分素材として機能するし、これは約束には入ってない。この袋に入った彼女の髪の毛は、彼女が私に託した、彼女の再構築用素材。今の彼女になるかはわからないが、希望はある。だから、ルカ姫、今は我慢してくれ。必ず私が何とかしてみせる!
ルカ姫は、安心した顔付きに変わって、イアを見つめた。イアも笑顔に変わった。
イア:その笑顔、それでいいと思うよ、ルカ姫♪ 大変だと思うけど、どんな状況でも、ルカ姫はそうでなくちゃ♪ じゃあ、もう、行くね、ちょっとの間だけど、皆さん、さようなら♪
ギューーーーーーン!
ティエンイが機械を操作すると、モニターに続いて文字が表示された。
モニター:素材に分解します
パァァァァァ・・・・・
イアはあっけなく、光の粒子に変わり、そして、機械と繋がっているケーブルに吸い込まれていって、そして消えてしまった。
ルカ姫:く・・・・イ・・・イア・・・そう、ちょっとの間のお別れ、また、会える!
テル:そうだ、ルカ姫。ちょっとの間の辛抱だ。カルマ博士の問題を解決して、またここに帰ってこよう
ルカ姫:は、はい!
更にモニターに文字が表示され、そして、その円形の集合場所、タイムトラベル組が集まっているエリアに光の粒子が集まってきた。
モニター:素材のエネルギー変換完了。それでは、設定時間への時間跳躍、開始します
マカは待機組にエリアから距離を置いた位置へ待避するよう指示した。
マカ:では、行ってくる。後のことは、頼む
パーーーーーーン!
一番最初、ルカ姫が未完成魔方陣でアキバに行った時と同じだった。光の粒子が渦を作り、そして時間跳躍組の全員を包み、そしてはじけた瞬間、全員と機械とエリアの地面が光の粒子に変わり、そして、消えていった。
待機組は全員、ポカーンとしていた。
ルコ:す・・・・凄い・・・・
デフォ子:・・・・みんな・・・頑張れよ!
キョウ:あーあ、面白そうじゃネーかよ。俺も行きたかったなぁ…
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(2016年3月9日 ニホン国 トウキョウ アキバ)
ギューーーーン! パーーーーン!
一行と機械と数cmの地面の一塊が、人気の無い空き地に、タイムトラベルして、そして、落ち着いた。
マカ、ティエンイ、チンシャン:グ・・・・・ゴボ・・・
ミゥ、ミズキ、ゆうま、りおん:う・・・・・
テル:ふぅ・・・これが時間跳躍…
ルカ姫:私は慣れっこよ♪
アペンド:これは流石に慣れたくないけど、慣れたわ
リン:あの…はじめて組みの人、大丈夫かなぁ
レン:後は帰りだけだから、大丈夫だと思うよ
学歩:これも修行でござるよ
めぐみ:う・・・で、でも、結構きついね、これ・・・・
イグゾウ:ぅおぉおおおえええええ・・・・・
イグゾウは完全に時間酔いして、盛大に吐いていた。
ルカ姫:イ、イグゾウさん、だ、大丈夫ですか?
イグゾウ:す・・・すまない、こんな体験、初めてだし、考えてみれば、ジェットコースターも苦手だった…
テル:とにかく、酔い止めと、飲み物で少し休もう。これでは急な活動は無理だ…
そこでルカ姫が挙手した。
ルカ姫:はいはーい! 私、ここに来て、どうしても“確認”したかった事があるんだけど、皆が復活するまで、そこに行ってきても、良いかな?
少なくても、ここに関してはルカ姫の方が、知識は上だった。
テル:派手な事をしなければ、今のルカ姫の姿なら問題ないだろう。ただ、誰か“監視”を連れて行ってくれ、無難で“あの世界”に行った事があるメンツで…
そこで、アペンドが挙手した。
アペンド:私でいいかな? 姿は大丈夫だし、武器もないし、あっちの世界のココは知っているから
テル:そうだな、キミに任せるよ、とにかく、必要な事だけで、帰ってきてくれ
ルカ姫、アペンド:了解!
そういうと、ルカ姫とアペンドは、ルカ姫の案内で、大通りに1回出て、裏通りに入った。そこは、はじめてあの世界に来た時に食べられなかった、本場の“ケバブ屋”があった所だった。
ルカ姫:確かここに、あのケバブ屋があったはず…
だが、期待は裏切られた。
店のスピーカー:はーい! 美味しいホットドッグ屋だよー! 美味いよー!
ルカ姫は不思議に思って、店の前まで来て、あのおじさんに話しかけた。
おじさん:はい、いらっしゃい! ホットドッグ、いくつでしょう?
ルカ姫:あ、あの、おじさん、なんでケバブを売ってないの?
おじさんは不思議な顔に変わって、答えた。
おじさん:は? ケバブ? それ、何? うちはずっと前から、ホットドッグ屋で、そういう食べ物は今も昔も扱ってないよ?
ルカ姫は、正直、焦りはじめた、あのとき、食べ物と自分の銀貨を交換出来ない時に感じた焦りとは、違う焦りだった。
ルカ姫(ま・・・・・まさか・・・・・ということは・・・・・あの“アパート”には・・・・)
そう思うと、おじさんに一礼して、アペンドの手を引っ張って、“あのアパート”に速攻で向かった。
(2016年3月9日 ニホン国 トウキョウ アキバ とあるアパート)
白い壁の二階建てのちょっとお洒落なアパート、まさに“あのアパート”だった。二人が到着し、階段を上がった所の、あの部屋の前に到着し、すぐに“表札”を確認した。
表札:多古 ルカ子/太目 ニク
ルカ姫は、とてつもなく“嫌な予感”に襲われた。アノ世界のアキバと、こっちの世界のアキバは、前に聞いていた通り、“違う”、のはわかっていたが、まさかこんなに違うはずは・・・・・・・
ピンポーン!
ルカ姫は無意識にベルを鳴らしていた。
声:はーい♪
声はミクの声だった。ルカ姫に少し安堵が戻ってきたが、次の瞬間、凍り付いた。
太目ニク:はい・・・・・あの、どちら様ですか?
ルカ子:なに、ニク~、誰だった~?
太目ニク:知らない人なんだけど~、どうしよう~
ルカ子:訪問販売とか宗教勧誘とか新聞とか怖いから、断ってよ
太目ニク:わかった。ごめんなさい、間に合ってますから
ガチャン
ドアが締まった。
そこに現れた、ミクとルカの声をした、ぽっちゃりの“太目ニク”と、ウェーブのかかったショートで目が丸い“多古ルカ子”は、あの知っている“ミク”と“ルカ”とは似ても似つかぬ、別人だった。
アペンド:あぁ、私のご先祖様、あんな感じなんだ・・・。これから痩せてよね、お願いだかr
ルカ姫:もしかして・・・・もしかして・・・・また・・・・ルカとミクに・・・・会えると・・・・思ったのに・・・・
アペンド:ル、ルカ姫? ここはあっちのアキバと違うんですよ? 仕方n
ルカ姫:こんなの酷いよぉぉぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!
ルカ姫は泣きながら走ってアパートを後にした。アペンドは慌ててルカ姫を追っていって、皆とまた合流した。
(続く)
CAST
イア:IA-ARIA ON THE PLANETES-
ルカ姫:巡音ルカ
魔導師アペンド:初音ミクAppend
魔導師テル:氷山キヨテル
僧侶リン:鏡音リン
勇者レン:鏡音レン
異国の剣士 神威学歩:神威がくぽ
裁判官 勇気めぐみ:GUMI
ヤマト国からの旅人三人組
瑞樹(ミズキ):VY1
勇馬(ゆうま):VY2
兎眠りおん(りおん):兎眠りおん
ミゥ:Mew
欲音ルコ(ルコ):欲音ルコ
唄音ウタ(デフォ子):唄音ウタ
桃音モモ(モモ):桃音モモ
雪歌ユフ(ユフ):雪歌ユフ
義 井具蔵(ヨシ イグゾウ)(イグゾウ):某演歌歌手
ゾラ・キョウ(キョウ)=生まれ変わったルォ:ZOLA PROJECT (KYO)
チンシャン:某女性中華ボカロ
マカ:某少年中華ボカロ
ティエンイ:某女性中華ボカロ(ルォの姉(こちらが本家“ルォ・ティエンイ”で、女性中華ボカロになります))
その他:エキストラの皆さん
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※ボカロ小説作品第16弾である、「Dear My Friends!第2期」の続きです。
☆第37話です。
☆大分ご無沙汰してしまって申し訳ありません。オリジナルの方を書いていたもので…
☆ミクの日なので、更新しました。
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