No.833930

Another Cord:Nines = 九番目の熾天使達 = 番外編・弐 ディアリーズ×BB編

Blazさん

以前に出したツバキルートの後日談。
前の寄りも雑な所が見え隠れしてますがそこはご勘弁…

そして一言。

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2016-02-28 08:51:01 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:660   閲覧ユーザー数:542

ツバキルート (エンディング後)

 

 

 

 

 

 

 

 

幸せの意味は人によって少しずつ違いがある。

仮に自分が幸せでも他の誰かはそうではないのかもしれない。

だが、それを知るからこそ共感できるからこそ、やがてそれがより良い関係へと繋がっていく。

 

 

そう、例えば―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テレビや漫画などといった二次元的ものでは、よくお約束てきなものが取り上げられることが多い。

その中で主人公の青年(男)がヒロインである少女に恋をして距離が縮まっていくと彼女の秘密やらなにやらが明るみになり始め、終盤になるとその秘密の力やらなにやらが暴走or発動。意識を失って機械的になったヒロインと青年が戦ったりして、場合によってはヒロインが死ななければいけないというテンプレート直行の事になり、最終的には青年が救い出してめでたくハッピーエンド。

 

子どもや純粋な子であれば憧れはするだろう。

だがある程度の知識やら現実感をもった人間であれば幻想物として捨てられる話だ。

そういうお話と思って鼻で笑う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――だが。そんな事がもし現実で起こってしまった後であれば…どうなのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある世界の、とある町。

小さな地方都市の少し外れにある屋敷には、ある夫婦(・・)が住んでいる。

その夫婦は最近結婚したばかりで揃ってまだ歳も若い。

夫は黒髪の若い顔立ちで実年齢とよりも若く見えてまた中性的だ。

一方の妻は赤い髪をゆったりと腰まで伸ばし気品のある立ち振る舞いをしている。

曰く、二人はまだ二十代らしく結婚もつい数か月前に終わったという程の新しいカップルだ。

 

その事もあって近所では早くに分かれてしまうのではという話が熟年の主婦たちの井戸端会議の中でもてはやされた事もあった(・・・)

 

だがそれも今や過去の話。今ではひっそりと二人は静かに暮らしている―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遠くから耳元で五月蠅く鳴り響く音が聞こえる。

聞こえるのは近くであるのに、その音は遠くから聞こえているかのようではあったが次第に自分が近づいていくのを感じ、いつしか不一致だった距離と音はようやく一致する。

 

 

「んっ…」

 

半目だけ開くと耳元で鳴り響く電子音に苛立ってほどよく温まった毛布の中から手を伸ばす。五月蠅い音に開いてしまった目は再び安眠へと導いてくれる毛布の中を見つめるが、その眷属である手は冷たい冷気の中をさまよっている。

この嫌な音を鳴らす小さな悪を打ち滅ぼすために現れた正義の味方は音の聞こえる辺りをぶらぶらと手首を振って探すが、中々その根源を見つけることができない。

 

 

「………」

 

手を振って探していると、ようやく肌に冷たい鉄のような感触を感じる。諸悪の根源だ。

以前は間違えて真横に振り下ろしてしまった手も、今回はそうはいくまいと冷たい材質を頼りに根源の弱点へと辿っていく。少しずつ上へと昇っていく手は、やがて頂上に立つと自分が立つ地面の感触が妙に柔らかい事に気付く。

そうか。これだな。悪の弱点を見つけた正義は、迷わずそれを叩く。

今度はもう失敗しないぞ、と。

 

あれだけ五月蠅く鳴り響いていた騒音は正義の味方のお陰で静かになり、彼の周りにひと時の平穏が訪れる。

一時は苦しめた悪もこうなってしまえばもう手出しすることはできない。

 

 

(…馬鹿め)

 

悪は滅んだ。これでもう安眠を邪魔するものは居ない。

訪れた平穏に安堵し、ふたたび暗い毛布の中に包まって目を閉じる。

さぁもう一度眠ろう。

そう思っていた時だ。

 

地面から伝わる音に耳を傾けると、規則正しく歩いて近づいて来るのが聞こえる。床が木製であることと和式であることから軽い女性であっても多少は音が響く。

来てしまったな、と外側から来襲する新たな敵に嫌悪し抵抗とばかりに目を閉じて睡眠に入ろうとしたが、時すでに遅く毛布の外から縁側の戸が開かれた。

外敵はすぐそこに立っており、日の当たる場所から自分を見下ろしている。まるで自分が神かなにかであるかのように。

それには彼も一瞬だが眉をひそめてしまうが、直後に彼女の接し方には反論もできなくなる。

 

 

 

 

 

 

小さく布がこすれる音がする。

そして僅かに毛布から顔を出している場所から近づく彼女の気配に逆立ってしまう。

少し、意識してしまった。

 

 

 

「―――――起きて」

 

優しい声が外から聞こえる。甘く微睡みを与える声は自分を外へ誘惑するようにささやかれ、抵抗する気力が削がれる。

だがそんな事で簡単に屈しはしない。昨日は遅くまで起きていたので、眠る時間にバランスが取れないと自分に言い訳を言って無言の抵抗を行う。

しかし外側に座る彼女にはそんな事は分かっているが、理由にはならない。軽くため息をつかれ、優しい言葉から凛とした言葉遣いに変わる。

 

「…もう七時よ」

 

「………。」

 

やがて、様子見が終わったのか最後の実力行使が行われ最後の防壁であった暖かい毛布は取り払われた。

 

 

 

 

「………寒い」

 

「当たり前でしょ…もう二月よ」

 

暗く覆われていた毛布が取り払われ、薄い窓ガラスの向こうから眩い朝日とわずかな暖かさが差し込んでくる。

二月だというのに今日は暖かい方だ。しかし肌には肌寒い寒気が流れ、程よい具合に温められた毛布の中にも冷気が流れ込んでくる。それには薄い私服の寝間着を着ていた彼も耐えられずに言葉に出す。

 

朝日に目を瞑りながらも次第に慣れていくと上から見下ろしている彼女の顔が半目だけだが映る。赤い髪は後ろに流れて、薄い白のセーターとスカートは彼女の性格そのものとも言えるが、少し目を逸らせばニーハイソックスが見えてしまいそこから上へと目を動かす事ができてしまう。

 

 

「…もう少し寝かせて…」

 

「ダメよ。昨日約束したでしょ? 早く起きて顔を洗う。洗濯物もちゃんと出してから来てください。できるだけ早くね」

 

「………。」

 

「…どうしたの?」

 

 

 

「…あのさ

 

 

 

 

 

 

―――見えちゃうよ…」

 

その一言から数秒の間の後に彼の頭の上から黒いニーハイソックスが勢いよく振り下ろされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

肌寒い朝の中、寝間着から着替えた青年ことディアーリーズは未だに痛みが染み渡る鼻をさすりながら洗面所に立つ。

ほどよく鍛えられた足がする蹴りは流石の彼も思わず声を出すほどだ。

そんな痛みが蛇口から出る冷水で癒されるだろうかと考えながら、流れる水を両手で組んで顔にかけた。

二月の寒さと冷たい冷水が寝ぼけていた頭を起こし肌に刺激を与える。朝は熱湯でもいいが、時間がかかるのでもっぱら冷たい水がお供になっている。目覚めには丁度いい。

 

たっぷりと水をつけて洗った顔に昨日洗濯した白いタオルで顔を拭くと、ディアーリーズはふとある事を思い浮かべる。

 

 

 

 

「―――デジャブ感じるなぁ…」

 

 

前に似たようなことがあったような気がする、と自分の記憶力の無さに嘆くが別段それでどうにかなるという程ではない。

一年ほど前にそれがあったというのは今はもう忘れてしまった事だ。

 

 

 

「…まぁ…毎日似たような感じ…なのかな」

 

そんな日常が今ではそうやって笑って忘れられる。

平和だったという確かな確証だけが残り、平穏な日々はどこか脳の奥へと消え去って行く。

ただ、無事に二人こうして平穏でいられる事。それだけでも自分には十分な事だ。

 

「…もう半年…かな」

 

まだ湿りが残った顔で苦笑すると、我ながらみっともないと思ってしまう。かつての仲間からも何度か似たような事を言われたが、同時にそれが良さでもある。とある人物に励まされたこともあった。

 

 

「…みんな、どうしてるかなぁ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

半年前。

それは今でも鮮烈に脳に刻まれた記憶で、この後何十年と経とうとも全て思い返すことのできる、戦いの記録。

世界が滅び、全てが滅ぶ「滅日」

しかしそこには多くの策略と野望。そして野心が蔓延っていた。

偶然見つけた力で全知全能になろうとした男。ただ滅びを見たいがために加担した者。

多くの世界。多くの人間と交わってしまったが故の事象での戦いは熾烈を極め、最後にはその場に残ったのは数少ない人間だけだった。

 

過去に何も持たなかった男が全てを統べると思い見つけた力を使うが、それは決定的弱点が存在し。

滅びが見たいと憂いていた者は、必然的にその滅びを身をもって味わう。

そして、全てを崩壊させる刻の中。彼は最後までその場に立ち続けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただ。代価として、彼は短命で終わるという短い運命を突きつけられて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うっ…ううん…」

 

軽く背を伸ばして眠気を覚まさせると、和式のダイニングへと足を踏み入れる。

既に彼女が朝の食事の用意を整えているようで、二人で使うには少し大きいテーブルには得意な和食の料理が並ぶ。

定番の白米と味噌汁に焼き魚と煮つけ。それとキュウリの浅漬けが小皿に乗って並んでいる。

 

「…今日も豪華な…」

 

「そう…? 少し作り過ぎたかしら…」

 

「いや、そういう意味じゃなくて…」

 

本人が自分の実力を過小評価しているので、そういった話に合わせるのは少し難しいことだ。それは同居が始まった今、彼の中でちょっとした重要課題になっている。

半年という短い間しか経っていないので、まだまだ精神的にデリケートだからだ。

 

「兎も角、早く食べよう。ご飯が冷めちゃうよ」

 

「…ええ」

 

 

両手を合わせ一礼をする。目の前にある食べ物への感謝もあるが、ディアーリーズはそれともう一つ。この料理を作ってくれた彼女への感謝の込めて礼をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが、ディアーリーズとツバキ=ヤヨイ。二人の朝の日常だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――二人の間に無言の間が続く。

だがそれは気まずい空気などではなく、単に二人が食事に集中しているからであり互いに居づらいというのも欠片もない。

しかし流石に皿が置かれたり箸が動く音だけというのもどうにも味気ないし、静まり返りすぎて逆に不安だ。

 

「…静か…だね」

 

「ん…?」

 

「いや…あまりに静かすぎてね…」

 

ついに我慢ならなくなって口を開いたディアに、味噌汁を口にしながらもツバキが反応する。彼の言葉に納得がいかないというわけでもないが、生真面目な彼女はムッと仏頂面のような顔で返す。

 

「分からなくもないけど。食事中は基本黙ってよ。口の中にある食べかすが他の人に飛び散ってしまうことだってあるんだし。それに、よく言うでしょ。食べるか喋るか、どっちかよ」

 

「だからってずっと無言は流石に厳しいものがあるのですが…」

 

「ちゃんと飲み込んでから話題を振って下さい。分かりましたか?」

 

まるで担任教師のように言う彼女に仕方ない、と諦めて引き下がる。今回も軍配は彼女に上がり、連敗記録を更新してしまったディアはやれやれと小さく息を吐いて浅漬けに手を付けた。

瑞々しい音とともに中から水分がはじけ飛ぶ。味はないが歯ごたえは良いものだ。

 

 

「―――そういえば」

 

「うん…?」

 

「昨日、ディア宛てに手紙が来てたわよ。宛ては確か……………両義(・・)…?」

 

「ぶっ!?」

 

思わず吹き出してしまったディアは辛うじて反射で横に向いたため、ツバキに口の中の食べかすなどが吹きかかるのは防がれた。だが、それでも突然驚いたのは彼女も同じで手前に置いていた手ふきなどに使うタオルをもって気遣う。

どうやら相当ハマったようで、その後に数回ほどむせ返った彼はせき込みながらも訊き返した。

 

 

「り、両義…!? 本当に書いてたの!?」

 

「え、ええ…けど貴方が外出してたから…」

 

立ち上がったツバキは造りのところに置いていた小箱の中から昨日届いたという手紙を彼の前に差し出す。古風な手紙の裏には丁寧に送り主の名が書かれており、その書体などを見て間違いはないと確信する。

 

「本当にあの人から………?」

 

「…私、初めて聞く名前なんだけど…誰なの?」

 

「ま、まぁツバキが知らないのも無理ないか…何せ十年近く前の知り合いだから…」

 

しかもただの一度も手紙やら電話やらを寄越したことのない人物からの突然の手紙だ。

一体何のようで。どうして今更送り付けて来たのだろうか。

その疑問の答え全てかここに書かれていると期待し、ディアは待ち切れずに手紙の封を切った。

そこには………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

被害報告

 

場所:

旅団ナンバーズ、ディアーリーズと十二宗家令嬢、ツバキ=ヤヨイの結婚式にて。

 

時間:

正午二十五分ごろ

 

内容:

和式の結婚式を終えて互いに口づけをしようとした時、正面ゲートから突如、同十二宗家の『ジン=キサラギ』が乱入。

事象兵器ユキアネサを抜刀してディアーリーズの殺害未遂を行う。

 

なお、行動は全て同結婚式出席者たち(旅団側)によって鎮圧されるが、それに触発されてディアーリーズの家内他関係者たちから一斉に酒瓶が投擲。回避するが、酒を飲んで泥酔した彼女たちによって本人のみ集中攻撃。

最終的に司会進行と催しのために参加していたアマネ=ニシキの技によって幼児化。妹の守護霊によって筋肉バスターを食らう。

 

結果:

けが人、会場被害等は無し(・・)

乱入して来たジン=キサラギはその場で兄のラグナ=ザ=ブラッドエッジによって吹き飛ばされる。

結婚式費用は全て旅団とディアーリーズ個人に負担された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

追伸:

ざまーみろ by両儀式

金 by蒼崎橙子

ご結婚おめでとうございます by黒桐幹也

 

 

 

 

 

愉悦 by両義未那・言峰神父

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「 いや色々色々色々…色々と可笑しいですよねぇ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

= その頃 =

 

「…というか、橙子。どうやって未来視したんだ」

 

「んー? 簡単だったよ、案外」

 

「まさか、ジン=キサラギがあそこまで真剣にしてくれるとはな。お陰で台本通りだったよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………」

 

「あ、あれってもしかして…」

 

「多分仕向けたの、橙子さんと神父だ…」

 

確信犯に容易に察するディアは深いため息を吐いて手紙を直し、今頃はと仕掛け人たちの反応を脳裏に浮かべて席に戻る。

きっと届いた日にはそんな反応をするだろうと子どものようなやり方に呆れるが、子どものようとは思えないので笑うに笑えず、自身の反応に困ってしまった。

 

「あの日まで妙にジン兄様が大人しいと思ったら…」

 

「まさか二人がたきつけていた…のかなぁ…兎も角そう仕組んだのは確かだね…」

 

嫌に何事も無いと思っていたあの時だったが、それがそんな事のためであったと知って頭を抱える。自分たちの式はそんなエンターテイメントの為にあるわけではないと言いたいが、生憎と本人はそこに居ないので当たることはできない。

 

「全く…一度その人たちの顔が見たいわ…」

 

「見るのは良いけど…多分ツバキだと慣れないと思うよ…?」

 

 

何せ片や人間が喜ぶことに喜べない外道で、もう片方は外道ではないにしろ恐らくツバキとは相いれないような人間だ。

直接会わずとも嫌いになるのは当然だろう。

煮つけの一つを箸で取り、口の中に放り込むディアは苦笑したような顔で染み出る味を噛みしめていた。

 

二人が苦節ありも、無事に結婚したもののそういった事情もあって実際は雲隠れに等しい状態で過ごしている。なにせ妻の兄的存在は夫を切り殺そうと躍起で、夫のほうは結婚したというので妹以外の全員が血の涙を流して怒り狂い追いかけ続けたと言う。

一応、その辺りについては旅団団長ほか協力者たちによって収められたが、やはりそれでも不安がないと言えばウソになってしまう。

 

だがそれでも今の生活だけはと願う彼は、いつかは説明しなければと思いながらも平穏な日々を過ごしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気が付けば出された料理は残さず食べつくし、両手には暖かい緑茶の湯呑が握られていた。

食後に飲むのがきまりのこの緑茶は、ツバキが凝っているものらしく味も彼女好みのものだ。十二宗家が和風に偏っていることから必然的なことではあるが、個人的にも気に入っているらしい。

そんな彼女こだわりの緑茶をすすりながら腹を温める彼は、またふと脳裏で思った事を口にする。

 

 

「…本当に…色々あったね」

 

「………。」

 

「イカルガで出会って…対立して…時には一緒に戦って…けど…

 

最後には一緒になれた」

 

「…うん」

 

まるで湯呑の奥に記憶が再生されるかのように、様々な出来事が駆け巡る。

連合階層都市イカルガでの邂逅と交流。始めは殆ど対立してばかりだった。

だが敵として戦い、時には共に背を預け、そして立ち向かった。

やがては少しずつ彼女は彼を異性として認識してしまう。自分には最愛の兄が居るのに、と。辛い苦悩に悩まされる日々もあった。

 

しかしあの日。自分の力で自分が滅びそうになった時

 

 

助けてくれたのは兄として慕っていた(ジン)ではなく、最後には敵として別れたハズの(ディア)だった。

何故と思った。どうしてと悲しんだ。

だけど、それは願いだった。

彼女を頼むと、大切な人からの使命を任された彼の姿。

 

眩く見えた。まるで太陽のように。光のように。差し出された一本の手は暖かく。そして傷がついていた。

それでいい。傷ついた手が、正しい証なのだからと。

 

 

 

 

秩序を守りし者たちは戦った。

己が力に心酔し、全知全能と思い切った哀れな罪人を、彼らは正した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――戦いから半年…結ばれてから…もう何か月かしら」

 

「…一か月は過ぎてる」

 

「当然よ。けど…」

 

もうどれだけ経っただろう。そんな事も考えられないほどの平穏な日々が過ぎ去ったのだと改めて思うが実際は薄っすらとだが経過日数を覚えておりそれでもそれだけの日にちが経ったのだと干渉に浸れていた。

そんな中、ディアは懐かしむ顔でまた新たな話を切り出した。

 

「そういえば、他のみんなはどうしてるかな…」

 

「ん…ああ…ノエルとマコトね」

 

 

突然姿を消してしまった事で心配はされているだろうが、それでも彼女たちはツバキが無事であると信じている。当然彼女も友人たちのことを信じており無事平穏に過ごしていると心から願っている。

友人であるから、親友であるからこそ。信じあえるのだと、彼女は言う。

 

 

「マコトは…確か支配人って人と一緒だったっけ」

 

「最後に送られたメールを見る限りでは…確か、支配人さんと一緒に色々と見て回ってるだったかな」

 

リス系の亜人種であるマコト=ナナヤは明るく活発的。それもあってか一か所に留まれない性分らしい。他の道もあったが、結果的に支配人と共に色々と見て回るということで落ち着いたらしい。

引き取った方はしばらく後始末やらで色々な世界を奔走するらしく、その為の助手が必要だと言っていたので、実質彼女も旅団のサポートメンバー入りを果たした。

 

 

「あの人は面倒見が良さそうだったわね。マコトもかなりフレンドリーに話してたわ」

 

「性格的に相性が良さそうだからね。それに彼女なら身体能力的にもついて行けそうだし、要領は少し悪いけどついて行くには問題ないよ」

 

ただ服装には問題があったようで加入直後に新しい服に変えてもらったと言うが、見ていた女性メンバー曰く「根本の解決はできていない」らしい。

本人の性分なのか、見えるところが見えているというのには無自覚なようで(時折それで遊んでいるが)結局今もそのままなのではないか、と二人は考えていた。

実際そうなので困っているが。

 

 

 

「問題はノエルね…あの子、大丈夫かしら…」

 

「そうかな? ノエルは結構馴染んでたし、平気だとは思うけど…?」

 

「まぁ…身の安全とかは大丈夫なのは分かってるけど、私が言いたいのはもっとこう…

 

 

 

 

因果律的な何かで…」

 

「………ああ…」

 

 

もう一人の友人、ノエル=ヴァーミリオンは彼に続いて女性メンバーが多い人物の一人であるBlazのところへ引き取られ、彼が拠点としてあるアヴァロンに居る。統制機構の勢力から大きく外れた場所と世界であるため組織的な追跡からは逃れられるが、今度はそれ以上に恐ろしい覇獣だの猛獣だのに追われることとなった。どうやら当人はしばらく気ままな生活を送れると思っていたらしいが、何かが原因で話がズレたようで家の経済的回復のためにまずはと言われ、ここに放り込まれたと言う。

 

「Blazさんのところって結構経験豊富な人が多いから大丈夫かなって思うけど…意外とあそこはあそこで魔境に放り込まれることも多いからね…」

 

「何かでうっかり命の危機に瀕したりしかになってなきゃいいけど…」

 

「それは流石に…だって一応彼がついているんだし…まぁ心配なのは同意するけど…きっと大丈夫だよ」

 

 

その語尾に多分、がついているような気がしたツバキは本当にと聞くかのように疑いの目でディアを見つめる。流石に自分の預かりしらぬ事にまで責任はとれないので彼も笑って誤魔化すしか他に方法がなく、それを見抜くと小さくため息を吐いた。

 

「…彼女たちのところに居るBlazって人…どうにも信用できない気がしてならないわ。ラグナ=ザ=ブラッドエッジに似ているのもあるけど、性格が粗暴だし…」

 

「ああ見えて面倒見は良い人だよ? まぁ性格については同意するけど」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると。どこかで誰かがくしゃみをした。

 

 

 

 

 

 

 

「ノエルが変な事されてないか心配になるわ」

 

「そ、それは流石にないんじゃないかな…むしろ変なことに巻き込まれるというか…」

 

なにせそう言った変な事というのは彼は起こす側ではなく巻き込まれる側だ。

それは寧ろ…と考えに耽ってようとしていたが、直ぐに現実へと意識を引き上げる。

ぼやくように言っていたツバキの目線が自分からかけられている時計に変わったのだ。それには彼も今まで忘れかけていた事を思い出し、直ぐに言葉を返せるように用意する。

今日はある約束をしていたのだ。

 

「―――そういえば、そろそろ時間ね。ディア。行く準備をして」

 

「うん。今日はどうする?」

 

「…近くのモールで買い物。最近、寒さがまた厳しくなってきたから…それに、貴方の冬のジャケットとかの数がまだ少ないから、その補充もよ」

 

「いやだって…ジャケット欲しいのがないからさ…」

 

朝早く彼を起こしたのは、昨日から計画していたモールへの外出のため。

それも、そろそろ買いだめをしておく時期だというツバキの提案から始まったもので、地味に彼女に敷かれている彼はそれを拒否することもなく受け入れていた。

ここに来てからというもの、彼の服の数は少なく補充しようにも誰とも連絡が取れない状況なため、無闇に連絡すればなにが起こるか分かった物ではない。

なので、必要最低限といい僅かな服装を使い回している、というのがディアの実際の服事情だった。

それにはツバキも流石に呆れ今回の計画を立てたのだ。

 

「ダメよ。周りの気温や環境に合わせて服装を整えないと」

 

「別に僕は…」

 

「なにか、言った?」

 

「………」

 

 

ツバキの自分を見る目に言葉が返せなくなったディアはそのまま説き伏せられ、しょげたような顔で溜息をつく。

今回もまた彼女の勝ちか、と連敗続きの記録をまた一つ増やした。

 

「なら。直ぐに用意するわよ」

 

「はいはい。わかりま―――」

 

 

だが、その時だ。

ゆっくりと正座から立ち上がったツバキはそのまま何事もなかったかのように動く―――筈だったが、その瞬間にぐらりと姿勢を崩す。

そしてそれがまるで銃爪となったかのように彼女の世界が崩れ始めた。

 

 

「ッ――――――」

 

 

「ッ………ツバキ!?」

 

 

幸いにもその一部始終を彼が目撃していたことから直ぐに崩れ落ちるのを受けとめることはできた。

しかし受け止めた手から伝わる感覚は違和感と共に彼に恐怖を与える。

以前ちょっとしたトラブルの際に受け止めた時には人相応というべき重みが感じられ、しっかりと生きているという証拠がその時にはあったのだが今はそれが全くない。

 

「軽い…?!」

 

まるで中身がないかのように軽く手に羽毛か紙が乗っているかのような重量感だ。それには動じるしかない彼は、汗を滲ませながらも意識があるのかと必死に呼びかける。

 

「ツバキ、大丈夫ッ!? しっかりして!!」

 

「ッ…」

 

眉と目が動いている。どうやら朦朧としているが意識はあるらしい。

口が開き焦った彼の言葉に返事を出そうとするが、急に倒れたせいかややくぐもった声になっている。

それでも彼に迷惑をかけまいと、精一杯の笑顔でツバキは笑いかけた。

 

「大丈夫…少し目まいとかがしただけだから…」

 

「けど、顔青ざめてるよ!? それに汗だって…」

 

「だいじょう、ぶ…だから…」

 

 

強情に自分のことについて突き放す姿に見かねたディアは歯を軋ませると、彼女を担ぎ家を飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幸いにも彼らの住む街には総合病院がひとつだけ立っており、そこには当然ながら様々な分野の医師が居る。

距離は遠いが鍛えられた彼の体からすれば問題のない距離で、女性一人を担いだとしても軽く息があがった程度だ。

だがそれも今は関係のない事。病院に駆け込んだディアは顔なじみの医師に診てもらうことができたので、ツバキを任せることにする。

今はその診察結果を待つことしかできない自分に苛立つが、それしか出来ないというのも事実だ。その場ではただ待つこと、それが彼が今やるべきことなのだと苦虫を噛むような顔で俯いていた。

 

 

「―――オイ」

 

すると診察室の扉が開かれ、奥から黒髪の若い医師が声をかけて出てくる。

彼が顔なじみの医師で言うなれば悪友のような立ち位置の人間だ。眼鏡をかけて気だるそうに短い髪を掻き、病院内用に使うクロックスを地面と擦らせてゴムの音を出させながら彼と同じ長椅子の隣に腰を下ろした。

 

「…別に彼女が死ぬ理由じゃねぇんだ。もっと顔上げろよ」

 

「………どうだった?」

 

「………」

 

雑談にも興味がないのかというほど直球に結果だけを訊くディアに、ため息をついて同じく地面に顔を落とすと、独り言のように同じ似たような言葉を言う。

 

「命に別状なんかないし、体調も健康。健康な生活してるから、そんな事で病気になりゃこっちが驚く」

 

「………」

 

「…で。問題はここから。あとで病室の中に入っとけ。担当医のオッサンが来るから」

 

「…は?」

 

「悪いが俺の分野外でね。そういうのは専門医に任せるってこと。今は診察室のベッドに寝てるから会いに行ってやれよ」

 

椅子から立ち上がり、白衣のポケットから棒付き飴を取り出すと丁寧に外面を剥がし中の飴を舐め始める。味は昆布茶という意味の解らないものだ。

しかし当人はそれを陽気に舐めながらまだ用事がある、と言ってその場から去る。どうしてなのかと聞こうとする彼に見向きもせずに、呼び止めても振り向こうともしない。軽く手を振って別れのあいさつだけをして、近くの曲がり角を曲がっていった。

 

 

「………?」

 

一体どういう意味かと戸惑うが、診察室で安静にしていることは確かだ。今は彼女の様子を見たいと、ディアは彼の言った事に従い診察室へと入っていく。

 

「…ツバキ?」

 

顔だけでも先に入ると、今まで我慢していた気持ちが抑えきれず心から心配したという声で名を呼ぶ。

だが反応はない。この部屋に居ると聞いたのに居ないのでは、と思ってしまう。

それでも空気から僅かに誰か人の気配がするのを感じ取った彼は静かに中へ入っていく。

小さな個室で医師の居る席とは反対側にベッドが置かれている。そこに、先ほど彼の悪友によって診察を終えたツバキが静かに眠っていた。

 

「………」

 

返事が返ってこない。それに表情も嫌なほど無表情だ。

まるで死んでしまったかのように一枚の白い毛布だけを掛けられているツバキは目を閉じて仰向けに寝かされている。その様子はまるで葬儀の前なのかというほどだ。

目を腹の辺りに滑らせると僅かだがゆっくりと浮き沈みをしているのが見える。それが辛うじてツバキが生きていると示す証拠だ。

口が閉じているが鼻からの呼吸だけで十分なのか、口が閉じているかというほど小さく開いているだけなのか。それも今はどうでもいい事だ。

 

 

「…ん―――」

 

「…ツバキ?」

 

小さく掠れた声が聞こえる。それまで気味が悪いほど無表情だった顔はようやく動きを見せ眉と唇を寄せていた。

生きている。それがハッキリとした時、ディアは内心で胸を撫で下ろした。無表情のまま起きてこないのかと思っていたが、表情の変化が現れた時にはもう何処かへと消えていた。

 

 

 

 

「………ッ」

 

重くなった目蓋を開けてみると、憂いた顔で自分を見つめる青年の姿が入ってくる。

まるで今にも涙を流しそうなその表情は見てて恥ずかしいものに思え、苦笑すると謝りよりも先にその顔への感想が口に出た。

 

「…なんか顔してるの。男の子なんだから…」

 

「…けど、心配で…」

 

気弱な声を出す彼に小さく笑うと、毛布の中から白く澄んだ腕を伸ばし頬に添える。舐めるように動かす手は冷たいが、彼の頬から伝わる熱がよく感じられる。

今にも泣き出しそうだ、と呆れてはいたがそれだけ心配してくれていたのだと、ツバキもため息だけは付けなかった。それが、彼のいいところであり自分が好いているところだから。

 

「――ゴメンね。迷惑かけちゃって」

 

「ううん…君が無事なら…それでいい。ちゃんと笑顔を見せてくれるのなら…それで」

 

「…ありがとう。ディア」

 

純粋に気にかけてくれた。心配してくれた。

何物にも囚われないその意志は彼女が暗い闇の中から、辛い時に救ってくれた暖かい手と同じだ。だから私は彼を好きになってしまったのだろうと、ツバキはこの時改めてそれを認識する。

そのお陰で今の私がいるのだ、と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………で」

 

「………うん」

 

 

 

「…何か言って…お願い…本当に…」

 

「いや、僕もどうするか迷ってる…」

 

 

互いに赤面になり背中合わせになる二人は恥ずかしくどうするべきかと狼狽しながら互いに打開策はないのかと聞き合う。しかしどちらもどうすればいいのか分からず、恥ずかしさのあまり言葉が出ないどころか頭が回らず混乱していた。

 

 

「ならせめて言い訳ぐらい言ってよ!!」

 

「だからそれも無理だって!?」

 

赤らめた顔で泣きわめくように言うツバキと、それに突っ込むように返すディア。

屋上であることだけが幸いだが、逆に混乱して騒ぎ立てる彼らを止める人間は誰一人としていない。

険悪なムードではないが、だからといって軽々と話の中に入れるかと言われれば当然無理なこと。何せ二人の間にはそうしてはいけないという暗黙の了解のようなものが漂い、割り込む人間はそれだけでも悪人のように成ってしまう。

 

「僕だってどう言えばいいのか…本当に…」

 

「…それは…私も同じよ…」

 

散々とまではいかないが騒いでいた二人は、しばらくすると疲れたのか堂々巡りだと理解したのか自然と口から出る言葉が減っていき、やがては火のように燃え尽きる。

 

「………」

 

次に二人の口から出たのは燃え尽きた煙のように長いため息が吐き出され、やがて消えるように遠くなっていく。

言いたいことを言い切ったお陰か、揃って地面へと伏せる二人は沈黙する。頭が混乱していたこともあって言葉が見つからずに済んだのだ。それでもまだ、二人の間に混乱と戸惑いが残っているので互いにどうするべきかと口を開けずにいるが、考えに耽っていたディアが前触れもなく話し始める。

 

 

 

「…凄いことに…なっちゃったね」

 

「………」

 

「なんていうか…さ。本当に…実感が湧かないっていうか…いつの間にか当たり前になっていたっていうか…本当は凄いことなのに、それが当たり前だって…思ってさ」

 

「ッ―――」

 

「何時かは来る事だって分かっていたからかな…すんなり受け入れた自分が居て…表じゃ驚いてたのに本当は…」

 

「…直ぐに受け入れたの?」

 

「…うん。子どもみたいに驚いてたのに、なんか頭の中じゃ「なーんだ」っていうみたいに軽くてさ。やっぱりそうなんだ、って…自然と納得しちゃったんだ」

 

 

実感がないと言うよりも実際にそうなった時の感覚の差違の所為でそう思ってしまったのだろう。

実際はもう少し驚いたり頭の中が真っ白になったりするかもしれない、というのが彼の予想だったようだが、実際にそういう事になってみないと分からない事もある。

特に未体験な事を実際に体験する事と、それ以前からの予想とでは差があるのはよくあることだろう。

今回がそれであっただけで背を合わせているからだろう所為でツバキは分からないが、彼自身はしっかりと驚いていた。

 

 

「けど嬉しいってことに変わりないし、心から喜んでるっていうのには変わりないよ。だって…」

 

「………」

 

小さく間を置く。そして、深呼吸をした。

 

 

 

 

 

「―――――ツバキと一緒に居られて、本当に楽しいから…!」

 

夕焼けの暁に光る顔は輝いていた。

それは後ろを向いていたツバキであっても分かってしまう。

自分もいつの間にか同じ顔で笑っていたのだから。

 

「…楽しい…か」

 

「………あれ、僕、変な事…言った?」

 

「…いいえ。けど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――私も同じよ。

 

 

 

笑顔で笑った彼女は、やがて沈んでいく夕日に傾け小さく呟いた。

それでもしっかりと彼のもとに届いている。そんな確信と自信。そして喜びに満ち溢れた顔で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――おめでとう。三か月…といったところかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――これから、よろしくね。ツバキ」

 

 

「ええ。よろしく、ディア」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もしかしたら。これはある筈のない物語なのかもしれない。

それは自分でさえも時折思ってしまう。

 

これが嘘の世界で、もしかしたら彼女とは相いれないのかもしれない。

 

だが。それはあくまでそういった所での話だ。

それでこの世界が変わるのであれば仕方がないが、少なくとも現在()が変わることはない。それだけは…確証はないが確かなことだ。

 

 

だからこそ。自分は今を生きている。

この確かな世界。確かな自分。確かな存在と一緒に―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オマケ。

エンディング後の三人娘とか。

 

 

ツバキ

ルートのヒロインでありディアのパートナー

無事にゴールインするが、苦節あって現在雲隠れ中。

しかし一応説明の準備は進めている。

ちなみに彼の妹の咲良とは近々同居の予定。

 

 

ノエル

なんやかんやあってBlaz一味の仲間入り。

引き取ってもらった親の経済的恩返しということで働くが、色々と話とは違っていたため悪戦苦闘。毎日死にかけてるらしい(Blaz談)

それでも充実していると本人は言う。

 

 

マコト

支配人の助手的な立ち位置に。

ただしこちらもそれなりの苦労をしているようで息切れしている姿をよく見ると言う。

その代わり色々と耐性がついた、というが詳しい事は不明。

そろそろ面積の多い服を着ろと怒られたらしい。

 

 


 
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