No.83302

東倣現想境その2

huyusilverさん

・オリキャラしかいない東方系二次創作のようなものです。

2009-07-09 09:38:44 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:623   閲覧ユーザー数:577

*Danger*Danger*Danger*Danger*Danger*

 

 

この怪文書は以下のキーワードに対して

 

嫌な予感がする人間にはオススメできません。

 

手遅れになる前に速やかにお引取り下さい。

 

あと短文です^o^

 

 

・東方projectパロディ

・オリジナルキャラクター

・オリジナル設定

 

 

*Danger*Danger*Danger*Danger*Danger*

  東倣現想境 ~ Misty Red Magic.

境を眺める妖怪による他愛も無い雑談

 

 

 

 

 

今の時代では珍しい、人間の手がかかっていない自然のままの木々が並ぶ山。

この美しい山の中に鮮やかな紅の鳥居がぽつんと建っていた。

 

周辺は環境保護区に指定され、容易に立ち入る事はできない。

しかし、そんな事は人間達のルールであり妖怪には何の関係も無い。

 

我々には、この自然を破壊するような意思は無い。

よって、そんなルールなど元から必要無いのだ。

 

 

――楽園のあった山。

跡地となった今でも楽園のような美しさが残っていた。

 

あの妖怪の話によると、何やらおもしろい事になっているらしい。

長年にわたる退屈な日々から抜け出すべく、彼女達はここにやって来た。

 

 

  桜子 「やっぱり紅い鳥居はわかりやすいわね。」

 

 

彼女達はすこし離れた丘から、緑の中に見える紅色を眺めつつ

休息をとっていた。

 

 

  奏  「水筒なんぞ用意して、まるで遠足じゃないか。」

 

  桜子 「よくわかってるじゃない。」

 

 

二人は水筒のお茶を飲みながら、近くの岩場に腰を降ろした。

風に揺れる草木の音や河のせせらぎが聞こえてくる。

今の人間達でも経験できない、素晴らしい遠足気分である。

 

 

  奏  「あの妖怪が言っていた、おもしろい物とは一体何なのかね。

      ここからでは特に変な物は見えないけど。」

 

 

奏は双眼鏡を片手に鳥居の方を観察し始めた。

 

 

  桜子 「あら、あなたには見えないの? あの紅いの。」

 

  奏  「あー? 鳥居なら紅いが、それがどうかしたのかい?」

 

  桜子 「視野が狭いのね。 もっと全体を見てみなさいな。」

 

  奏  「なんだい、もったいぶって・・・あ。」

 

 

桜子がお茶を飲みながら山を指差す。

 

 

――紅いのは鳥居だけでは無かったのだ。

 

 

鳥居から少し離れた所の木々や空が、僅かだが紅く染まっていた。

紅葉の季節でも無く、太陽の光も上から降っている。

しかし、そこだけがまるで夕日を浴びているかの様であった。

 

 

  奏  「ふむ。 あれがおもしろい事なのかい?」

 

  桜子 「あの紅は自然の物でも、人間の物でも無いわ。

      多分妖怪の仕業なんだろうけど近くに気配は感じない。

      だとすれば、答えは・・・」

 

  奏  「あの鳥居は結界の目印であったな。」

 

 

この山では、人間の行方不明者が複数出ており、

近隣の人間達の間で神隠しの噂が広まっていた。

そういった意味での立入禁止でもあったのだ。

 

桜子は、山にはまだ活動的な妖怪がいるのかと思っていた。

だが実際に来てみると妖怪の気配も棲んでいた形跡も無い。

 

文字通りの神隠しである。

しかし、この山にはあの結界があったのだ。

 

 

  桜子 「あの結界も随分と年季が入ってるし

      多少ガタがきて、こっちの人間が向こうに迷い込んでも、

      向こうの何かがこっちに来てもおかしく無いって事。」

      

  奏  「とすると、あの紅いのは結界の向こうから

      漏れ出してきたと・・・なのはいいけど、

      あれって何なんだろうかね?」

      

  桜子 「あの紅いの自体には、危険を感じない。

      きっと向こうの妖怪も暇なのね。」

      

  奏  「暇ねぇ。

      まあ、何だかんだで結界もずっとあるわけだし

      それなりに平和にやってるんだろうね。」

 

 

結界の向こうで何が起こってるのかは知らないが、

向こう側の妖怪達はきっと元気にやっているのだろう。

結界の向こうに興味は無かったが、ほんの少しだけ羨ましく思った。

その後、二人は鳥居を眺めつつ数日の間滞在していたが

紅い霧のようなものは徐々に薄れて消えてしまった。

 

あの紅いものが、何らかの影響で結界の内側から出ているのであれば、

きっとこれからも何か変わった事が起こるかもしれない。

 

 

二人は定期的にこの場所を訪れる事にした。

 

 

  奏  「ところで主よ。」

 

  桜子 「何よ。」

  

  奏  「あの鳥居の向こうには神社があるはずだが、

      見に行かないのかい?」

      

  桜子 「お楽しみは後に取っておくものよ。また今度。」

 

 

 

 

 

また今度 ~ Next Tea Time.


 
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