No.821322 チョロインワルキューレエナジー第6話スーサンさん 2015-12-28 06:20:23 投稿 / 全1ページ 総閲覧数:496 閲覧ユーザー数:495 |
ワルキューレ寮の洗面ルーム。
豪真は緊張した顔で歯を磨いていた。
(まさか、女の子とデートをすることになるとは……)
生まれて初めてするデートに豪真は緊張していた。
(失敗しないようにしないと……)
なぜか異様に口臭を気にする当たりガチな気持ちが現れていた。
「よし!」
頬を叩き気合を入れた。
「ヤルか!」
唇にリップクリームを塗ってお前はなにを期待している。
噴水の見える公園の前の噴水前。
すでに白虎は来ていた。
「お、なんだ?」
カワイイワンピース姿で待っていた少女を認め、豪真は顔を赤くした。
「も、もう来てたのか?」
「ま、まぁね……」
白虎もテレた顔で真っ白なワンピースのスカートを靡かせた。
「カワイイでしょう!」
「あ、ああ!」
首を縦に振った。
「グッジョブだ!」
「えへへ♪」
満足げに笑い豪真の手を握った。
「じゃあ、観戦までまだ時間があるし少し散歩しながら観戦会場まで行こう!」
「お、おう……」
手を離し腕に抱きつく白虎に豪真は真っ赤になって鼻の頭を掻いた。
新書店。
新書店にやってくると豪真は白虎を見た。
「本屋か?」
「実はこの本屋にワルキューレカップの資料になりそうな本が置いてあるんだ」
「へぇ、気が利くな!」
「デキる女ですから♪」
どこから取り出したのかメガネをかけ白虎は得意げに笑った。
「さ、行くか……」
「ちょ、待ってよ!」
本の並ぶ棚を見ながら歩くと豪真はオッと声を上げた。
「あった!」
「あ、本当にあったんだ」
「え……?」
「じょ、冗談だよ……」
「まったく……」
置いてあった資料集を手に取った。
「ワルキューレの起源か?」
「どんな内容?」
「もともと、この地上は悪魔と呼ばれる男性しか存在せず、天界には天使と呼ばれる女性だけで構成されてたみたいだ」
「すごい極端世界だね」
「寿命は存在せず、お互い相互不干渉で地上も天界も平和を保っていたらしいが天界の女性が地上を支配することを企み、地上の悪魔達がそれを迎え撃つも力の差があり、悪魔たちはドンドン殺されていったらしい」
「壮絶だね」
「でも……あれ?」
「どうしたの?」
「ここから先は次号に持ち越しだって」
「セコォ……」
雑誌を戻した。
「たいしたこと書いてないし、別の場所にいくか?」
「そうだね……」
豪真の手を握った。
メダルゲームセンター。
「お前、メダルゲームが趣味だったのか?」
「メダルゲームならうまく勝てればお金がかからないからね」
メダルをゲーム機に挿入してスロットが回った。
「はい、はい、はい!」
777。
「おお、うまいなぁ!」
「こう見えてもやり込んでるからねぇ!」
「じゃあ、俺も少しやってみるか」
「じゃあ、コインを少し貸してあげるよ」
「ありがとう、なにをやるかな?」
豪真はゲーム選択した。
ルーレット。
スロット。
競馬。
「……よし、これにするか!」
ルーレットを選択。
「さて、いくら賭けるかな?」
豪真、全額赤に賭けた。
黒が出た。
豪真は全財産をスッた。
目の前が真っ暗になった。
ワルキューレバトル会場前。
「まさか、たった一回で全部スルバカが入るとは思わなかったよ♪」
「笑うな」
「人のコインだと思って……♪」
クックックッと笑われ、豪真は恥ずかしくなった。
「じゃあ、チケットを渡して会場席に行こうか?」
「そうだな」
受付にチケットを渡した。
ワルキューレバトル会場観客席。
「へぇ~~……結構客がいるなぁ?」
「そりゃ、ワルキューレバトルは世界一迫力のある格闘技だからね」
「でも、本当にここにワルキューレいるのか?」
「どういうこと……?」
「いや、なんとなく……」
席に座り豪真と白虎はバトルが始まるのを待った。
会場に二人の男と十人の女性が現れた。
白虎は興奮したように指差した。
「ほら、アレがこの会場のスキルマスターとワルキューレ!」
興奮したように白虎は豪真を見た。
「美男美女のチームだね!」
「……」
「豪ちゃん?」
「ちがう……」
「うえ……?」
会場の選手両者が手を握り合い頭をぶつけた。
「あ、始まるよ!」
拳を振り上げる会場の男達に白虎は手を上げて応援しようとした。
「うん、なんだこの気配は?」
空から一筋の光が降った。
「ッ……!?」
一瞬で会場の大地が爆ぜ、吹き飛ばされた男達は訳がわからない顔をした。
「え……?」
白虎はギョッとした。
「あ、あれって……?」
会場の真ん中に現れた美少女を認め、白虎は混乱した。
「最近、ワルキューレとスキルマスターを狙っているテロリスト!?」
慌てて豪真を見た。
「逃げよ……て、あれ?」
いつの間にか消えた豪真に白虎は首を傾げた。
ワルキューレバトル会場。
「ここも偽物だったか」
近づいてくる美少女に男と女性は怯えた顔で腰を抜かしていた。
「な、なんだ、お前は?」
「無駄足を踏ませて!」
振り上げた拳から光が溢れた。
「この恥さらしが!」
「邪魔だ!」
美少女の身体が吹き飛び、会場の壁に激突した。
「大丈夫か、お前たち!?」
「え……?」
いきなり現れた少年に男達は戸惑った。
「なんとなくだがわかる。お前たち、スキルマスターでもワルキューレでもないただ単にアピールで来てる偽物だろう」
「な、なんでわかるんだ」
「そうね!」
美少女の顔が豪真の横顔に現れた。
「なっ!?」
気づくまもなく現れた美少女に豪真はギョッとした。
「えろぉ♪」
「ッッッッッ!?」
頬を舐められ豪真は鳥肌を立てた。
「なんだ、気持ち悪い!」
美少女の身体を蹴り飛ばそうと振り上げた。
「見ぃつけたぁ!」
蹴り込んだ足の上に乗り、美少女は顔を近づけた。
「初めまして!」
ニコッと笑った。
「私の名前は赤城レイ。少女を元ある正しい姿へと戻す組織、「メシア」の一人だよ」
「メシア?」
足の上に乗った美少女・レイを振り落とし、豪真はバック転をしながら距離を取った。
「少女の正しい姿って?」
「そのために君を貰っていくよ!」
「ッ……!?」
飛んでくる覇気に豪真は気圧された。
(勝てない……)
実力の違いに豪真は身体が固まった。
レイはベロリと下唇を舐めた。
「でも、その前に楽しもうよ♪」
レイの顔が近づき、振り上げられた拳が豪真の顔面に飛びかかった。
「ッ……」
拳を避け、豪真の身体が下がった。
「ヒャハァ♪」
レイの顔が嬉しそうに笑った。
「え……?」
レイの顔が呆気に取られた。
逃げるように腰を抜かす男達に駆け寄る豪真にレイは目を瞬かせた。
「にげてる?」
豪真は倒れている男と女性の怒鳴った。
「逃げるぞ!」
「え、で、でも……」
「死にたいのか!?」
慌てて立ち上がらせようとする豪真の横顔が殴り飛ばされた。
「グッ……!?」
会場の大地を転がるように吹き飛ばされ豪真は体勢を整えるように立ち上がった。
「おい、お前ら!」
男達を見た。
「早く逃げろ! 俺が注意をひく!」
「最初から君にしか興味がないよ♪」
キスをするようにレイの唇が豪真の唇に触れた。
「ッ!?」
顔を真っ赤にする豪真にレイは可愛く笑った。
「あまぁい……♪」
「……」
狂った目を向けるレイに豪真は生まれて初めて死ぬほどの恐怖を味わった。
「ねぇ……」
螺旋状の渦を作るレイの瞳の光を見て、豪真はゾワァとした。
「その服の下、どんな身体が隠れてるの?」
「ッ……!?」
上着を引きちぎられ、鍛えられた大胸筋が露わになった。
「あはぁ♪」
レイの顔が真っ赤になった。
「カワイイ身体♪」
「クッ……」
逃げるように豪真はレイの横を通り過ぎ走った。
「だから戦おうよ♪」
風のように目の前に現れた。
「チッ……」
「キャハ♪」
レイの拳が豪真の鳩尾に食い込んだ。
「ガァ……!?」
豪真は足場を踏みしめ膝を突くのをこらえた。
(膝をつけば殺される……)
確実に殺意を持った攻撃に豪真は折れかける心を保った。
レイの顔がウットリした。
「素敵ぃ♪」
豪真の顔を見た。
「弱いくせにここまで格好いいスキルマスターも初めて♪」
頬をベロリと舐めた。
「実験の後、私の玩具にしちゃおう♪」
「じ、じっけん……?」
「でも、その前に耐久力を調べなきゃ、最近の玩具は頑丈だけどねぇ♪」
豪真のアゴがドンッと殴り飛ばされた。
「あがぁ……」
「ほら、遊ぼう!」
宙に浮いた豪真の身体を空へと蹴り飛ばし宙へと投げ出した。
「ひゃは♪」
空に飛ぶ豪真のさらに上にレイは飛び上がった。
「ほら!」
豪真の身体を地面へと蹴り飛ばした。
「グッ!?」
Gがかかり地面へと落ちる豪真にレイの姿が現れた。
「ひっはぁ♪」
豪真の身体が横に殴り飛ばされた。
「がぁぁ……!?」
L型に軌道が変わり、豪真の身体が硬い会場の壁に激突した。
「ぐぁ……」
口から血を吐いた。
(つ、つよすぎる……)
壁にめり込み動くことも出来ない豪真にレイは楽しそうに手を叩いた。
「生きてる生きてるぅ♪」
子供のように飛び上がった。
「スキルマスターって本当に頑丈でいいよねぇ♪」
一歩近づいた。
「頑丈さも分かったし、カワイイし、私の一番の玩具決定♪」
ニヤリと笑った。
「持って帰ろう♪」
無邪気な顔で近づいてくるレイに豪真は会場の隅にいた男と女性を確かめた。
そこにはもういなかった。
(どうにか逃げたか……)
ホッとし、豪真は動けない自分の身体に活を入れた。
(あ、後は俺が逃げれれば……)
「あはぁ♪」
レイの顔が楽しそうに笑った。
「私を見てよぉ♪」
レイの身体が風とともに消えた。
「ッ!?」
風を切るようにレイの美しい顔が豪真の霞んだ目に映った。
レイの拳が振り上がった。
「私だけしか見れないよう改造しないと♪」
レイの拳が豪真の顔面を砕こうとした。
「ダメェ!」
「ッ!?」
豪真の間に入って両手を広げる少女を認め、レイは拳を止めた。
「だれ、きみ?」
恋人とじゃれ合ってる時間を邪魔された女の子のような顔をするレイに白虎は泣き出しそうな顔で怒鳴った。
「ご、ごうちゃんはころさせないよ!」
両手を広げ震える白虎に豪真は慌てて叫んだ。
「にげろ……ころされるぞ……」
「いや!」
豪真の手を握った。
「友達を見捨てて逃げるくらいなら死んだほうがマシだよ!」
「びゃ、びゃっこ……うん?」
握られた手から温かい力を感じた。
「こ、これって……?」
四神白虎とワルキューレリンクが繋がった。
「お前……まさか?」
「これって?」
白虎も自分の身に起きた現象に戸惑った。
だが、レイの顔は面白くなさそうに涙ぐんだ。
「せっかく面白い玩具を私一人のものに出来てたのにもうワルキューレを見つけたの?」
「はぁ……」
身体の痛みが取れるのを感じ、豪真は優しい顔をした。
「白虎、少しキツイが我慢してくれ」
「う、うん」
治癒回復(フォアヒーリング)
「ご、ごうちゃん?」
身体の傷が癒えていく豪真を認め、白虎は驚いた。
「私のスキルは回復系だったんだ」
豪真はかすれた声で白虎にいった。
「お前は逃げろ。幸いワルキューレエナジーを一人分チャージできた。これで勝てる!」
「……う、うん」
豪真から離れ、白虎はゾッとした。
(勝てるわけない……)
レイと豪真の力の差をワルキューレになって初めて気付いたのか白虎は怖気づいた。
だが、それは豪真自身も気づいてることだと寒気を覚えた。
(わ、私を安心させるために嘘をついてる……)
傷を癒えても体力までは回復しきれてない豪真に白虎は恐怖に涙した。
(こ、こわい……)
フラフラの身体で豪真は両手をダランと下げた。
「ハッキリ言って……」
レイは面白くなさそうに頬を膨らました。
「本当はワルキューレも連れてこいって命令だったけど気が変わった!」
レイの姿が消えた。
「私の玩具を取っちゃう女の子はいらないから殺しちゃうね!」
「お前の相手は俺だ」
「え……?」
白虎に飛びかかろうとしたレイの顔面がへしゃげ吹き飛ばされた。
「え……?」
鼻血を出して倒れるとレイは目を瞬かせた。
「な、なにをしたの?」
レイは自分に起きたことに戸惑った。
「えっと……」
もう一度、レイの姿が消えた。
「ヒィ!?」
白虎の短い悲鳴が上がった。
「わたしだけのおもちゃにてをださないで♪」
白虎を殺そうとレイの手が振り上げられた。
「俺の友達に手を出すな……」
レイの身体が吹き飛び、背中が地面に激突した。
「ほえぇ?」
ようやく自分がなにをされたのか理解し、レイは鼻血を拭いた。
「なぁんだ♪」
嬉しそうに精根尽き果てかけている豪真を見た。
「意外と強いじゃん♪」
またターゲットが変わったのかレイの姿が豪真の元へと現れた。
「予定変更♪」
レイの拳が豪真の左頬を殴った。
「グッ……」
襟首を掴み鳩尾を殴った。
「今がサイコーに楽しいから今殺す♪」
「ッ……」
豪真を持ち上げていたレイの顔面がドンッと音を立ててのけぞった。
「あはぁ♪」
顔を上げ、レイは嬉しそうに目を輝かせた。
「痛いのって気持ちいいよね♪」
「ぜんぜん、きょうかんできない」
「出来るよ!」
豪真の両頬をビンタするようにグーで殴った。
「だって君も私と一緒で戦いを悦楽する殺人鬼だもん♪」
「おれは……」
豪真の腕がピクッと動いた。
「誰も殺したことはない!」
レイの身体が吹き飛んだ。
「ッ!」
身体を開放された豪真はレイを仕留めようと駆け出した。
「この変態サイコ野郎!」
「アハハハハハハ♪」
豪真の顔にレイの身体が光り輝いた。
「ヴァルキリーエナジー開放♪」
「え……?」
豪真の身体が微塵になって四散した。
「……」
物言わず弾け飛んだ自分に豪真は意識が遠くなるのを感じた。
「グッ……!?」
が、それは幻影だった。
いや違う。
強すぎるパワーバランスの違いが見せた確かな未来だった。
「……」
今、この足を一歩でも多く進んでいたらさっきのヴィジョンが現実になっていた。
豪真は死の恐怖を改めて理解した。
「直感力素敵ぃ♪」
殺し損ねた大好きな少年の顔を見て、レイはますます楽しそうに笑った。
「ねぇ、私を殺したい?」
一歩近づいた。
「殺したよねぇ♪」
豪真の胸元までやってきた。
「だって、私は君を殺したくって唇だってプルプルに濡れちゃうんだもん♪」
唇を舌で舐めるようにキスした。
「あまぁい♪」
豪真の裸の胸を触った。
「壊しがいのある身体って気持ちいいねぇ……♪」
「クッ……」
本当に動けない豪真の胸を舐めた。
「たっぷり悲鳴を上げさせて殺してあげる♪」
「それは良くないわねぇ♪」
「え……?」
レイの身体が吹き飛び、会場の壁に激突した。
「あがぁ……?」
初めてダメージを受けるレイを見て、恐怖のあまり静観することしか出来なかった白虎の目が見開かれた。
「あ、あの人って……」
豪真を救った美少女を認め、白虎は息を深く吐いた。
「天使?」
美少女は手に持った扇子で口元を隠した。
「タキシード仮面参上ってね♪」
「おまえは……」
未だに動けない豪真に美少女は優しく笑った。
「アナタの味方♪」
Tweet |
|
|
0
|
0
|
追加するフォルダを選択
こう見えても主人公の子は強いです。
武器を持たせれば銀魂の長谷川さん並に強いです!(えっ……?)
サイトで同じものを上げてます。
良ければ読みに来てください!
続きを表示