No.819390

【獣機特警K-9IIG】トリッカーズは二度死ぬ(後編)【交流】

古淵工機さん

なんか一気に詰め込みすぎた感が…。
とりあえず、これにて後編上がり!

■出演
ユキヨ(ⅠG):http://www.tinami.com/view/388362

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2015-12-17 21:46:25 投稿 / 全14ページ    総閲覧数:799   閲覧ユーザー数:772

前回のあらすじ。

敵の卑劣な罠にかかり、とらえられてしまったトリッカーズ…。

 

「「「「いやあぁーーーーっ!!」」」」

「くっ…おい!みんなになんてことを!!」

「まだまだ!このまま電圧を上げていくぞ!!」

 

…数十分後。

 

「あれ?電撃がやんだ?」

「い、いったいどうなってるの?」

「…あー、なんかキャーキャーやかましすぎるしな。飽きた」

「「「「ひどっ!?」」」」

「フン、まぁどっちにしろもうお遊びは終わりだ。…そうそう、君らが狙っているtootsieだが…冥土の土産に教えてあげよう」

そう言って男は、懐からリモコンを取り出す。

 

「そ、それは!?」

「高軌道衛星兵器tootsie…発振体に特殊鉱石を使っている…諸君はそのテストベッドってわけだ…ではさらばだ!!」

「あっ!待て…」

そのころ、城井邸の外。

 

「出てこないっすね警部。もう忍び込んで何時間にもなるのに」

「確かに。トリッカーズが手こずることなどあるのでしょうか…まぁ粘り強く待つとしましょう」

「そうッスね…あれ?なんだあの光…」

「危ない!ミハエル君、伏せて!!」

 

次の瞬間、一条の閃光が城井邸を襲う!

 

「…ミハエル君、無事ですか!?」

「なんとか…そうだ!トリッカーズは…!?」

 

ミハエルとミンスターが目をやると、城井邸は跡形もなく消え去り、焼け残った地面だけが残されていた。

「ウソだろ…」

「衛星兵器…あのトリッカーズがしてやられるとは…」

 

焼け跡にはトリッカーズの姿はない。はたして彼らは、死んでしまったのだろうか…!?

数週間後、カフェ・ラ・ヴォルペ。

「…え、トリッカーズが…?」

「もうここ何週間も出てきていないの。あの事件以来すっかり姿を消しちゃって」

と、会話をしているのは煌月陸斗とモニカ・マルティーニ。

「…まさか、死んじゃったのかな…」

悲しげな顔を浮かべるのはリクの妹・煌月空。

 

「…ハハハ、まさか。彼らが簡単に死ぬと思いますか?」

ボックス席に座っていたテラナーの男が微笑み交じりに語る。

よく見るとシルクハットに夜会服…見覚えのある姿だった。

「怪盗ノワール!?いったいどうやって店内に!?」

「それは教えられません。さて彼らについてですが…間違いなくまだ生きていますよ」

「なんでそんなことがわかるの?」

「彼らのことはよく知っているつもりです。そして彼らのことだから…きっと、どこかで反撃のチャンスを待っているのでしょう」

「どうでもいいけど、それならなぜ数週間も…」

 

すると、ノワールはゆっくりと立ち上がる。

「それは、じきにわかると思いますよ。さて、話すべきことは話しました…ではごきげんよう」

「あっ!?」

「またどこかへ消えた…いったい何者なのあいつ」

「ご丁寧に、食事の代金はちゃんと置いていくんだもんなぁ…」

 

そう言ってノワールはまた、風のように消えていった。しっかり食事代を残して…。

一方その頃、トリッカーズはどうなったのかというと…。

 

「…はぁ、はぁ…やってくれるじゃないあのインチキ野郎!」

そう、彼らはビームが命中する直前のわずかなスキをついて一斉に脱出していたのだった。

 

「どうするのディア?このままじゃ」

「そうだぜ!ここまでやられちゃトリッカーズの恥だ!」

「そうよ!このままじゃ終われないわ…奴の裏をかいてギャフンといわせるのよ。確か衛星兵器って…」

 

すると、ディアの通信機に着信が入った。

「こちらディア。バニー、そっちは何か分かった?」

『こちらバニー…敵さんのアジトを発見。ポイントを送るからすぐに集合して!』

「よっしゃ!今までの借りを返してやろうぜラピヌ!」

「そうよルプス!あのド変態、絶対許さないんだから!!」

「行きましょうディア!トリッカーズの誇りのためにも!!」

「よし、じゃあそうと決まれば…トリッカーズ反撃開始よ!」

…さらに数日後、ラミナ警察署K-9ルーム。

「トリッカーズからの予告状だって!?」

「あいつら死んだんじゃなかったのか!?」

騒然となるK-9隊の前で、ミンスターはさらに話を続ける。

 

「ええ、奴らは死んでなどいなかったんです。何週間も姿をくらませて…反撃の機会をうかがっていたのでしょう」

「同じだ!数日前…ノワールが言ってた通りだ!」

「どうしたんだ?ソラ?」

K-9隊隊長の久遠・ココノエがソラに訊ねる。

 

「はい…実は数日前、ヴォルペ(うちの店)に来てたんです。ノワールが」

その言葉に驚愕するジョナサン・ボーイング。

「ノワールがヴォルペに!?珍しいこともあるもんだぜ」

「ええ。で、そのノワールが言ってたのが、まさにこの時だったんじゃないかって」

「…確かに、ノワールの言っていることなら信憑性はあるな…よし。ミンスター警部、K-9隊は正規警官組で出動します」

「ええ、よろしく頼みましたよクオンさん」

…そして数時間後。ホワイトオルカ港・廃倉庫街…。

「ここね、奴の隠れ家って」

「うん…あそこで何人かがモニターしてるみたい」

「よっしゃ!潜入なら任せとけ!なぁラピヌ!」

「ええ!ところであたしたちっていつの間にか変装のスキル上がってる気がしない?ルプス」

「そりゃあ…言われてみればそうだなw」

「でしょでしょ?」

 

「…イチャイチャしてないで、さっさと行きなさい!」

「「うえーぃ」」

倉庫のインターホンが鳴らされる。

「はい、どちら様でしょうか」

「岩田トモカズ様でよろしいですか?」

「失礼ながらどちら様で?」

トモカズがドアを開けると、ヴェロキラプトル型レプターとシャチ型ファンガーの男女。

 

「…わたくしファンガルド・ソフトネットワークのネロ・ラプター、こっちはルナ・オルカです。どうぞよろしく」

「ファンガルド・ソフトネットワーク?そんな会社頼んでないぞ?…まあいい、お話だけでも聞かせてもらえますかな?」

「はい、お宅のコンピュータのデータを無料にて点検させていただいております。最近マルウェアとかウイルスも巧妙化していますからね」

「はぁ…そういうことでしたら是非見てやってください」

「では、失礼ながら。ルナさん」

「はい☆」

 

と、ルナと呼ばれたシャチの女はメインのサーバーにダングルを差し込み端末を操作し始める。

そして数十秒後。

 

「はい、完了しましたよ」

「は、早いな…ありがとうございます、お代は…」

「いいえ、無料点検ですのでいただきませんわ。それでは」

「はい、それでは…」

 

ネロとルナは去っていった。

しばらくして、トモカズは一息。

「ふう、面食らったがなんかいい人たちじゃないか。まあいい、準備を進め…」

すると突然、サーチライトがトモカズのいる倉庫を照らす!!

 

「動くな!岩田トモカズ!お前は完全に包囲された!!」

「なっ!?なんだと!?」

 

トモカズが出てくると、待ち構えていたのはK-9隊のクオン、ジョニー、イシス・ミツザワ、筑波未来だ。

 

「警察だ!岩田トモカズ、もうこれ以上の抵抗は無意味だぞ!」

「あんたの正体と計画、全部把握させてもらったぜ!」

「詐欺罪と殺人未遂罪…そして国家反逆予備罪の現行犯で逮捕します!」

「さぁ!おとなしくお縄につきな!子供のふりして泣きわめいても無駄だよ!!」

じりじりと詰め寄るK-9隊。だが、トモカズは余裕の笑みを浮かべる。

 

「ふっふっふ…いいのかなそれ以上近づいても」

「当たり前だ!お前を逮捕するんだからな!」

「本当にそれで…あ、い~~~~ぃのかなあぁぁぁぁぁ!!??」

トモカズが取り出したのは、例のリモコンだ。

 

「隊長!あれは!?」

「マズイ!ヤツにアレを使わせるな!!」

「もう遅い!こうなったら貴様らから先に消し去ってやる!このボタンを押せば一瞬だ!ハハハハハハ…」

トモカズが高笑いをしながらボタンを押した…その時だった。

「ハハハハハ…ぐわぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ……ぁ…!!」

 

なんと、ビームはトモカズの頭上に直撃。トモカズは光の中で粒子分解され、消滅した…。

 

「い、いったいどうなってるの!?」

「危ないとこだったわね。ヤツの自業自得よ」

「「「「トリッカーズ!?」」」」

 

K-9隊が声のしたほうを見ると、そこにはトリッカーズの5人が立っていた。

 

「あいつが衛星兵器を作ってたってのはもう知ってると思うけど、もしあいつがボタンを押しても、狙い通りには動かないようにしたの」

「まぁ、自滅しちゃったのは想定外だったけどね…」

「そうか…おかげで助かったよ。ところで衛星兵器はどうするんだ?」

「まさか。あんなの盗んでも置き場所なんかないし。ねぇバニー?」

「そうだね、じゃあ…3・2・1…」

 

直後、はるか上空で星が輝いたかのような光がきらめいた。バニーが衛星を爆破したのだ。

 

「…これでわかったでしょ?トリッカーズを甘く見たら痛い目見るって」

「そうそう」

「じゃ、また追いかけっこしましょうねK-9隊のみんな!チャオ!!」

トリッカーズが去った直後、地団太を踏むミライ。

「あっ…!くそーっ!なんかカッコいいこと言ってすぐトンズラだもんなー!!」

そんなミライに、ジョニーとイシスがフォローを入れる

「まぁ…でも、彼らがいなかったら、今頃tootsieが使われてたかもしれないわ」

「そうそう。そうなっちまえば今頃ファンガルドは星全体がハチの巣だったんだからな」

「…よし、各員に通達。岩田トモカズは死亡のまま書類送検。奴らの末端は全員確保しろ!!」

「「「ラジャー!!」」」

 

こうして、世間を騒がせた恐るべき計画はトリッカーズとK-9隊の活躍によって葬られた。

そして、その様子を高速道路の反対側にある高層ビルから眺める影が一つ。

「…どうやら私の出る幕はなし…か。フッ、まぁそれもいいでしょう。終わりよければ…すべてよし、ですね」

そう言ってノワールは、同業者(とも)・トリッカーズの活躍を祝福したのだった。


 
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