No.819071

【獣機特警K-9IIG】サイレント・ウォー(前編)【交流】

古淵工機さん

2015-12-15 23:02:22 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:745   閲覧ユーザー数:728

喫茶店カフェ・ラ・ヴォルペ。

 

『それでは次のニュースです。このたび最高純度を誇る人工クリスタライトが完成したとの情報が…』

客の視線はテレビにくぎ付けである。

 

「クリスタライトってアレでしょ?ロボットの電子頭脳にも使われてる」

「ええ、そうよ」

と、会話を繰り広げているのはモニカ・マルティーニとカナコ・ホワイトフォーン。

 

「今まであの純度のものを人工的に作るのが難しいって言われていたんだ」

と、調理場から出てきたのは煌月陸斗。

『では、この人工クリスタライトを精製したオンブラ・マテリアルズ社の瀬古井社長に―』

 

「オンブラって最近話題の産業メーカーよね」

「近年、軍需産業でシェアを獲得してるらしい。でもなんでその会社が…」

「そうねぇ…」

ふいに、カナコのウェラブル端末が鳴る。

 

「あ、ちょっとごめん!ちょっとトイレ」

…店内・トイレ。

「…こちらカナコ。ミク、聞こえる?」

 

電話の相手はミク・デハヴィランド。

『こちらミク。何かあったのカナコお姉ちゃん』

「ええ、オンブラ・マテリアルズが人工クリスタライトを開発したって」

『あの軍事産業メーカーのオンブラがでしょ?…なんか引っかかるんだよねそれ』

「とりあえずオンブラの本社にアタックしてみてくれないかしら。状況によってはトリッカーズ出動もあり得るわ」

『了解!』

再び店内。

「ごめん、遅くなっちゃったw」

「いやぁ、それにしても一体何があったんだ?」

「ちょっと考え事しちゃってw」

 

…その夜。カナコの住むマンション。

カナコ、ミク、タカト・ブラックバーン、ユキヨ・ムーンドロップ、セリナ・パートリッジが集まり会議中。

「で、どうだったのミク?」

「とりあえず、このスズメ型カメラで見張ってたの。中の音声もばっちり拾ったよ」

「どれどれ…?」

5人はモニターの映像を見る。

映っているのは痩せこけた頬のテラナーの男性・瀬古井とその秘書と思われるトリケラトプス型レプターの男性。

『首尾は上々ですな、社長』

『ああ、これを開発するのにどれほどの時間と費用をかけたか…だがこれはほんの始まりにすぎん。わかっているな』

『ご安心ください。すでに計画は進行中です』

 

「計画って何のことかしらタカト?」

「さぁ……おい見ろ!なんかおかしいぞ!」

タカトが声を上げると、秘書のトリケラ男が書類を取り出した。

 

「…ミクちゃん!拡大できないかしら?」

「まかせてセリナお姉ちゃん!」

ミクが書類をズームアップすると、そこに書かれていたのはとんでもない文字列だった。

「…『社外秘 惑星制圧用クリスタライトレーザー砲計画図』…こ、これって大量破壊兵器だわ!」

「しっ!何かしゃべってるよ」

 

『ほう…このレーザー砲を海賊や傭兵に売りつければ高値で売れるな』

『はい…これだけの高エネルギー兵器なら大量殺傷と制圧も可能です』

『フフフ…これから死ぬ者共には悪いがこれもビジネスのためか。よし、開発に入れ』

『かしこまりました』

映像が終わり、しばらくの沈黙。

 

「…道理でおかしいと思ったわ。軍事産業メーカーのオンブラ社がクリスタライトを作るなんて」

「どうするんだカナコ?」

「決まってるじゃない。人工クリスタライトと計画図を全部盗み出す!トリッカーズ出動よ!」

「「「「おーっ!!」」」」

 

続く!


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
2
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択